妻のリハビリ専門病院への転院が決まった。
転院先の病院は、必需品は全て持ち込むのが原則となっている。
ふたりの嫁さんは、着る物を揃えたり買い物に走ったりと大忙し。
男は役に立たなくて、邪魔にならないように小さくなっている。
やがて彼女達は面会に出掛けた。女同士の方がよかろうと夢さんは遠慮した。
今日はすごく具合が良さそうで色々話をしてきたそうだ。
夜になって行って見ると、なるほどよく喋るし頭もはっきりしているようだ。
「しっかり食べなきゃ駄目よ」と、介助されながら夕食は完食したそうだ。
「ほー、凄いじゃん」食べられるようにさえなればね。
「メグの気持ちが分かったわ」そうか、あれも食べさせるの大変だったからな。
「お尻が痛いの治ったら、リハビリ頑張るわ」そうだそうだその意気だ!
声はまだか細いが、目をクルクル動かして考えながら喋っている。
顔色も悪くない。だんだんと普段のオバサンに戻りつつあるようだ。いいぞ!
「じゃ帰るからね」すっかり肉が削げて痩せ細ってしまった手を撫でる。
「気をつけて帰ってね」そんな事も言えるようになったか・・・順調だね
見てよママ!アタシもノエル君ちで頑張ってるよ。
うんと食べて元気になるからね、ママも沢山食べなきゃダメだよ。
ノエルです。ボクもメグと競争で食べてるよ。負けたくないからね。
しっかり食べるようになって偉いって、うちのママに褒められた。