連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

 嘘だろ!癌だなんて有りっこない 

2004-12-23 | 高齢生活・健康
「いいんだよ、何時でも」「お前の起きたい時間に起きればいいんだから」
ん、何の話?いやに夢さん、やさしいじゃん。

我家の朝は、BS放送の朝の連続ドラマに合わせて7時30分に始まるのが常だ。
食事の支度を終えたオバサンが、時間を見計らって起こしに来る。
新旧のドラマを見ながらの30分。これが我家の朝食の時間である。

昨日、2ヶ月に一度の定期健診でオバサンを病院へ乗せていった。
夢さんは、何時もと同じアッシー君だ。

診察を終え、支払いを済ませて戻ってきたオバサンの顔色が何となくすぐれない。
「ん?、何の細胞?」 検査のために細胞を採取したとの事。話がよく見えない。

来月5日に結果が分かるとの事。本人は、すっかり子宮ガンと思い込んでいるらしい。
馬鹿馬鹿しい!そんな事が有るわけないだろう!

と思いつつも、さし当たっての言葉が見つからない夢さん。
帰りの車の中は無言である。チラッと盗み見ると、オバサンは前を見据えたまま。

ふざけんなよお前、ただの検査だろうが。
「弱っちゃったな!」様々な思いが夢さんの頭の中を駆け巡る。
まぁ、「このまま様子を見るしかないな」、騒ぎ立てても仕方がないし。

今朝になって、オバサンの目を盗んで、1嫁(長男の嫁)にだけは電話で知らせた。
「なんでもないかも知れないし」そっとしておく事で話がまとまった。

「今度のお正月が皆と会える最後かも知れない」
「年金を一回も貰えないのは悔しい」

何とも、オバサンらしくもなく話が飛躍する。
「ふざけんな!」「安心しろ!」お前は俺より10年は絶対長生きするよ。