おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

今日はここ 【追記あり】

2021-04-18 13:51:33 | 観たもの
文楽劇場の第2部です。何度も書いておりますように、“鬼門”の演目なんですが、ワタシにとって簑助さんの最後のお舞台でございます。簑助さんのお人形を目に焼き付けます。こんなこと書いてたら、なんだか泣けてきました。がんばります!

【追記】
 無事に見てまいりました。どんな内容か理解してないといけないと思い(実は、よーわかってなかったので)、始まる前にプログラムを3回くらい読んで、あらすじをインプットしました。簑助さんは「楼門の段」の錦祥女のお役でした。「楼門の段」以外は、気が抜けてしまうのか、意識を失うことしばしばでした。でも、周りからも結構寝息?が聞こえていたような…。気持ちの良い義太夫なんでしょうね。

 錦祥女は楼の上でほとんど動きがないのですが、そこはほれ簑助さんでございますので、ちょっとした視線の向ける方向で気持ちが伝わってまいります。何なんでしょうね? お客さんからの拍手も大きかったです。後半の錦祥女は一輔さんに変わるのですが、同じ「娘」というかしらなんですが、簑助さんのほうが数段美人だったような気がして…。不思議です。

 簑助さん、人間国宝で芸術院会員で文化功労者なんです。そういう方の“引退”ということであれば、通常は華々しく引退興行が行われるはずなんですが、ご本人の希望なんでしょうね。静かに引退されます。売店に写真集が置いてあってパラパラッと見ましたが、ちょっと欲しいかもと思いました。写真になっても簑助さんの人形は美しく品があります。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

攻める南座

2021-04-17 21:37:17 | 先々の予定
 京都南座でこれから歌舞伎公演が続きます。南座、攻めてます。自分の備忘録を兼ねてまとめておきます。

 6月4日(金)~13日(日)
 海老蔵歌舞伎
 「源平布引滝 実盛物語」
 「新作歌舞伎舞踊 KABUKU」
 カンカンが太郎吉(まだ、カンカンを見たことない)、コタ君の小まんなので見てみたいと思いつつ、実盛がエビサンなのでちょっと腰が引けています。だって、孝夫さんの最高の実盛を拝見しているので、ファルセットの実盛なんて…って思ってしまうんです。おまけにエビサンの新作舞踊がもれなくついてくるようだし…。

 6月17日(木)~20日(日)
 市川海老蔵企画公演「いぶき、」
 「妹背山婦女庭訓 願絲縁苧環・三笠山御殿」
 「乗合船恵方万歳」
 コタ君のお三輪ちゃんに芝のぶさんの橘姫、廣松さんの求女です。エビサンのご出演はございません。コタ君のお三輪ちゃん、見たいですね。おそらく玉ちゃんのご指導ではないかと思うのですが。ただ、6月の歌舞伎座をこのあたりで遠征しようかと思っており、ちょっと無理っぽいです。

 7月24日(土)~28日(水)
 「坂東玉三郎 特別舞踊公演」
 「口上」
 「雪」
 「鐘ヶ岬」
 当初、8月に特別舞踊公演があると発表されていましたが、7月の月末の5日間も別途ご公演があるようです。「有難や、有難や」でございます。

 8月2日(月)~24日(火)
 「坂東玉三郎 特別舞踊公演」
 歌舞伎美人では「豪華演目選定中!」とありますが、「日本振袖始」のようです。
 ソースはこちら↓ 大阪府政だよりに載ってました。
 
 お若い方をお呼びになるんでしょうね。玉さまブートキャンプです。

 9月3日(金)~26日(日)
 「南座超歌舞伎」
 超歌舞伎はまだ見たことがないので、1回くらい見てもいいかなと思っています。リミテッドバージョンの國矢さんを見たいかも、です。

 《オマケ》
 ↑府政だよりに松竹座も載ってました。コロナ禍なので、孝夫さんも昼夜どちらかだけのご出演になるのでしょうか。「お祭り」だと15分です。「引窓」もよろしいんでございますが、「え、また…」ってちょっと思ってしまうのですが。ファンとは思えない発言、申し訳ございません
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

簑助さん、引退です。 【追記あり】

2021-04-15 22:53:21 | その他いろいろ(文楽)
 文楽人間国宝の簑助さんが現在国立文楽劇場で行われている4月文楽公演千穐楽を持って引退されると発表がありました。ここのところ、かなり弱ってらっしゃるなとお見受けしてたので、「いずれは…」と思っていましたが、残念で寂しいです。

 ワタシが文楽を見始めたのは大阪市と文楽の間の“抗争”がきっかけでした。2012年、約10年前のことです。文楽は歌舞伎の親元のようなもので、親の一大事であれば駆け付けなければなりますまいと文楽に通うようになりました。一瞬で簑助さんにはまりました。本当に簑助さんの遣われる人形は、ありきたりの言葉ですが「生きてるよう」です。動きもですが、人形の顔の血色が他とは全然違うんです。特別に人形の顔にお化粧されているとかではないと思うのですが、血が通っているように見えます。特に若い娘のお役は可愛らしくいじらしいんです。ずっと大阪にいるのに、全盛期の先代の玉男さんとのコンビを見なかったのは悔しい限りです。

 ↑上のご挨拶に書かれている八重垣姫は拝見しました。最初の御簾の中の後ろ姿、じっとしてるだけなのに、八重垣姫の恋しい切ない気持ちが伝わってきました。「吉野川」の雛菊ちゃんもとても良かったです。泣けました。「夏祭」のお辰さんも日傘をさしかけて登場する場面が粋で品があってステキでした。玉ちゃんのお辰さんと双璧だと思います。

 で、今月の文楽の第2部、やっぱり行くことにしました。安定の寝落ち物件の「国姓爺合戦」なんですが、簑助さんの場面だけは見落とさないよう体調を整えて臨みたいと思います。

 朝日新聞の記事に簑助さんの人形の写真が多数掲載されていました。ぜひご覧くださいませ。

【追記】
 コメント欄にも書きましたが、三林京子さんがご自身のインスタで簑助さんのことを書いてくださっています。兄妹のように過ごされたようです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

The Muses

2021-04-14 22:46:48 | 食べたもの
 京博の中のレストランです。鑑真和上坐像を拝んだ後は伊勢丹へGO!で、伊勢丹でランチするつもりにしていたのですが、土曜講座を聴講することになり、急遽予定を変更しこちらでランチをいただきました。お向かいのハイアットリージェンシー京都直営です。前は何度も通ったことがありますが、入ったのは初めてです。以前はもっといろいろなメニューがあったかと思いますが、今はコロナ禍でお客さんが少ないせいか、ランチメニューも4種類でした。

 
 パンプキンスープとシーザーサラダ

 
 サーモンどんぶり

 
 コーヒー

 前菜と主菜の組み合わせがちょっと変なんですが、主菜はメニューが4つあって、このどんぶり以外はほうれん草のカネロニ、キーマカレー、ハンバーガーと洋食なのでちゃんと合うようになってるんです。でも、このサーモンどんぶり、なかなか美味しかったです。ごはんは白ごはんではなく、鮭とゴマとアサツキの混ぜご飯になっていました。注文を受けて作っているようで、ほのかに温かかったです。上にのっかってるサーモンもとろっとしてました。ハイアットリージェンシー京都だけのことはあると思いました。こちらのレシートを持っていくと、ホテルのペストリーショップのパンやケーキが10%引きになるそうです。

 休日のランチなので、ビールかワインを飲みたかったのですが、この後講座があったので、泣く泣く我慢です。次は…と言っても、どうもメニューがあまり変わらない感じなので、違うごはんがあればまた寄りたいと思います。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鑑真和上と戒律のあゆみ

2021-04-13 23:44:08 | 見たもの
 マンボウの中、先週の土曜に京博の「鑑真和上と戒律のあゆみ」展へ行ってまいりました。“マンボウ”(緊急事態宣言も同じだと思うけど)と言われても、昨年の今頃のように美術館も劇場も百貨店も休業してしまえば、行くところがないので出かけませんが…。美術館も劇場も百貨店も営業している限り、お客さんに来てもらわないと困るだろうし…。何か中途半端というか、よーわかりません。

 展覧会ですが、ワタシは「とにかく鑑真和上坐像が見たい!」というこの一点集中でまいりましたので、何の展覧会なのか全くわかっておらず、毎度のことですが「猫に小判、豚に真珠」でした。

 見どころです。展覧会のサイトからのコピペです。
 鑑真(がんじん 688~763)は、中国・唐時代の高僧で、律の大家として尊敬を集めました。 しかし、日本での戒律の整備を目指していた聖武天皇の意を受けた日本僧・栄叡(ようえい)、普照(ふしょう)より懇請され、その地位をなげうち、五度の日本への渡航失敗と失明をものともせず、天平勝宝5年(753)、6度目にしてようやく日本の地を踏みました。その後、唐招提寺を拠点に、中国正統の律の教えを日本に定着させ、日本仏教の質を飛躍的に高めました。
 律とは僧侶のあるべき姿を示し、戒とは僧俗の守るべき倫理基準です。戒律を学ぶことは、僧侶とは何か、仏教とは何かを問い直すことでもあり、日本が社会変動を迎えるたびに、幾多の名僧が戒律に注目し、仏教の革新運動を起こしました。特に、鎌倉時代には、唐招提寺の覚盛(かくじょう 1194~1249)、西大寺の叡尊(えいそん 1201~1290)、泉涌寺の俊芿(しゅんじょう 1166~1227)をはじめ、没後700年を迎える凝然(ぎょうねん 1240~1321)などの英傑が登場し、戒律の精神にもとづき社会福祉事業などを行い広範な支持を集めました。そして、安定社会に見える近世においても、明忍(みょうにん 1576~1610)や慈雲(じうん 1718~1805)などによって重要な律の復興運動が展開されました。
 本展では、日本仏教の恩人と言うべき鑑真の遺徳を唐招提寺に伝えられた寺宝によって偲ぶとともに、戒律のおしえが日本でたどった歩みを、綺羅星のような名僧の活躍と関係諸寺院の名宝を綴ることでご紹介します。

 いきなりチケット代のことから書くのも品がないのですが、こちら1800円でした(おけいはんの割引で1700円になったけど)。チケット売り場でビックリしましたが、鑑真和上坐像を見るためには仕方ありません。この日は土曜日で土曜講座があり、せっかくなので聴講しましたが、その際に京博の先生も「観覧料が高くて申し訳ない」的なことをおっしゃっていました。東博と奈良博は2000円だそうです。これもコロナの影響で、お客さんを入れられないので、その分チケット代が高騰しているようです。

 最初はお経(だと思う)が展示されていました。奈良時代とか平安時代とかのもので、当然手書きなんですが、その字が活字のよう、○○フォントという名でありそうな字で、おそらく同じ文字を重ね合わせたら寸分の狂いもなくピタッと合いそうでした。こういうのもお寺の修行なのかなぁと思いながら拝見しておりました。

 鑑真さんのドラマチックな人生を描いた「東征伝絵巻」もありました。鎌倉時代に描かれたものですが、色鮮やかでちょっと漫画チックでわかりやすかったです。

 鑑真和上坐像は特別室のような展示室で展示されていました。お弟子さんがお寺の梁が落ちる夢を見て「これはひょっとして鑑真さまがお亡くなりになるのでは…」と思い彫られたそうです。眉毛もまつげも髭もちゃんと描かれてあるんです。お弟子さんは本当に忠実に鑑真さんを写されたようです。非常に有難い仏さんでした。見ているだけで何とも言えない気持ちになります。偉いお坊さんってそれだけ力があるんですね。

 で、土曜講座なんですが、特に行くつもりもなかったのですが、何度も案内のアナウンスが流れ、「せっかく居合わせたし、1700円の元も取ろうか」と思い、参加してきました。講師は京博保存修理指導室長の大原先生でタイトルは「日本の戒律運動と日本人」でした。肩書が「保存修理」ってあったので、この前の講座みたいな仏像の修理みたいなお話しかなぁと勝手に想像していたら、全然違ってました。「戒律」がメイン、仏教のお話でした。レジュメもなく、パワポもなく、耳だけで仏教のお話を聞くのはなかなかの苦行(ワタシにとっては、ってことです)でした。トラりんが解説した「戒律と鑑真さん」という鑑賞ガイドです。←こういうことを聞いたのだと思います(たぶん…)。

 マンボウのせいか、あるいは鑑真和上坐像だけではイマイチ押しが弱いのか、お客さんも少なかったです。ワタシ的にはゆっくりじっくり見られてよかったのですが。

 
 とてもお天気の良い日でした。

 
 唯一の撮影可の場所です。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月文楽公演第3部

2021-04-11 22:42:44 | 観たもの
 国立文楽劇場の春の文楽公演です。とりあえず第3部に行ってきました。第3部の演目は「傾城阿波の鳴門」と「小鍛治」です。↑「小鍛治」がオンラインゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」とコラボしているそうで、その特別ポスターです。「小鍛治」は宝刀「小狐丸」誕生の物語で、「刀剣乱舞-ONLINE-」の「刀剣男士 小狐丸」も「小鍛冶」に由来する刀剣男士であることからこういうコラボになったそうです。オンラインゲームは全く不案内な世界で「何のこっちゃら…」なんですが、文楽も新しいお客さんを呼び込むためにこういうのも必要なんでしょう。実際、ゲームの方から来られたお客さんも結構いらっしゃったようです。ゲームの世界のコスプレをしたお嬢さんも見ました。

 ロビーにもいろいろありました。皆さん、撮っていらっしゃったので、ワタシもつられて撮ってきました。「子狐丸」はこのために製作された人形で、実際に文楽には登場しません。文楽劇場、「力(リキ)」入ってます。
 
 「刀剣男子 子狐丸」の文楽人形
 
 「刀剣男子 子狐丸」の等身大パネル
 
 記念スタンプ

 あ、文楽公演でしたね。「傾城阿波の鳴門」は「ととさんの名は十郎兵衛、かかさんはお弓と申します」で有名なお話です。それを聞きたいと思っていたのですが、会社帰りに行ったので、義太夫が子守歌になってしまい心地よく意識を失っておりました。ほんと、義太夫って気持ちいいんです。後半はちゃんと見たのですが。勘十郎さんのお弓、よろしゅうございました。

 「小鍛治」は歌舞伎座でもかかっています。それもあって、予習のつもりで第3部を見に行きました。文楽を見ながら「稲荷明神は亀ちゃんね、宗近は中車さんね」と歌舞伎座に思いを馳せていた失礼な客はワタシです。剣を打つところは本物の火花が飛んでいて迫力がありました。義太夫が稲荷明神が織太夫さん、三味線が藤蔵さんで、“ロック”な「小鍛治」、面白かったです。歌舞伎座に行ったら行ったで、葵太夫さんを聞きながら、織太夫さんと藤蔵さんのロックが聞きたいと思う失礼な客になりそうです。

 でも、元々は歌舞伎と文楽座の共演で上演されていたそうなんです。猿三郎さんがブログにそのあたりのことをいろいろ書いてくださっています。「『小鍛治』が上演しにくい訳」 「名剣の威徳」

 なかなか東京まで大阪の文楽の方たちをお呼びするのは大変なので、ぜひ、松竹座で亀ちゃんの「小鍛治」、上演していただけたらと思います。あ、文楽劇場の「上方花舞台」っていうテもあるかもしれません。

 全然、文楽公演の感想になってない記事になってしまいました。一応「行った」という記録ということで…。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イグレックの野菜カレー

2021-04-09 23:21:09 | 食べたもの
 先日の南座の舞台体験の折のランチです。体験は12時からで所要時間は30分、その後少し南座の中をウロウロして(と言ってもしょっちゅう行ってるので、特に何を見るということでもないのですが)、それから四条河原町の方へ出て、以前から行きたいと思ってたイグレックで野菜カレーをいただきました。

 こちらのお店、昨年暮れの南座顔見世の折に、歌舞伎竹本の葵太夫さんがTwitterで紹介されていました。最近はカレー屋さんといえばスパイスカレーが主流のようで、激辛とかスパイスの変わった味とかが売りのところが多いのですが、イグレックは欧風カレー、昔から馴染んでいるカレーのお味でした。野菜カレーはとにかく野菜が山盛り、出てきた時は一瞬「長崎ちゃんぽん?」って思ってしまいました。根菜も葉っぱも結構な種類のお野菜が入っていました。それぞれ素材に合うように炒めたりゆでたりしてありました。食べても食べても野菜でした。↑大盛のように見えますが、野菜のボリュームでこういう風になっており、ごはんの量は普通、お味もよく、全然無理することなく完食しました。鳥獣の類が苦手なワタシには非常に有難いカレーでした。お値段も1100円とお手頃、ランチにぴったりでした。

 
 お休みの日でしたので、当然ワイン付きです。オードブルもありましたが、そちらは全て鳥獣の類でして、残念ながらパスしました。

 
 食後に桜湯が出てきました。

 
 お店です。ビルの2階にあります。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

売り切れです

2021-04-07 23:15:45 | その他いろいろ(歌舞伎)
 歌舞伎座の第3部「桜姫東文章」の切符ですが、全日全席売り切れました。コロナ禍の中、客席を半分にしてもなかなか満席にならない状況がつづいていたようですが、さすが孝玉コンビの伝説の舞台、びっくりです。だからぁ、松竹株式会社の皆様、孝玉コンビにお出ましいただいたらぁ、これだけお客さんが入るんだからぁ、これからの上演計画も、ねぇ、わかってるでしょう? 孝玉コンビを隔月で見られるような、そんな演目をお考えくださいませ。決して「毎月」なんて無茶は申しませんから。どうぞよろしくお願い申し上げます

 あ、特別ポスターも売り切れたようです。再販あるのでしょうか。って、歌舞伎座も購入希望者が殺到するのがわかってるんだから、もっと大量に刷っとけよ、ってちょっと思ってしまいました。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南座春の舞台体験ツアー

2021-04-05 22:32:17 | その他いろいろ(歌舞伎)
 南座の舞台体験ツアーです。既に何度も行っており、ブログにも何度も記事を書いているのですが、せっかく写真も撮ってきましたのでupしておきます。

 
 
 
 
 
 タイトルに“春の”とついていますので、ツアーの始まりはそれを意識した感じになっていました。客席の桜は先月の三月花形歌舞伎のままです。お客さんが入ってない客席、なかなか普段見られない景色です。

 
 
 
 セリの体験です。

 
 セリが下がった時の奈落です。暗くてわかりにくいのですが、バーがあって、この先は通路になっていて、役者さんは早替わりの時はここを走って移動されるそうです。

 
 川端通側の大道具の搬入口です。

 
 「ちょんぱ」の体験があります。幕が閉まったところ、この後、真っ暗になってちょんぱになります。

 
 鳴り物さんの窓?です。残念ながらこの中へは入れませんでした。

 
 三月花形歌舞伎の背景がそのまま残っていました。ワタシはてっきりくるくる回る吉野川もあるのかと楽しみにしていましたが、それはありませんでした。やっぱり危ないんでしょうね。セリの昇降も何度も安全を確認されていましたから。

 
 右側ロビーに12月の顔見世のまねき看板が飾られていました。昨年の体験ツアーでは藤十郎さんのまねきもあったのですが…

 土曜に行きましたが、この日は終日満席だったようです。お若いお嬢さんが結構いらっしゃって、どうもジャニーズのファンの方なのか、手のひらサイズのプラスチックでできた人形(ひとがた)をお持ちで、それといっしょに写真を撮っていらっしゃいました。

 何度行っても廻り舞台やセリの昇降はワクワクします。来月もあるみたいなので、また申し込もうと思っています。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

TIMELESS 石岡瑛子とその時代

2021-04-04 16:53:30 | 読んだもの
 河尻亨一さんの「TIMELESS 石岡瑛子とその時代」を読みました。ビジュアルページを含めると600ページ近く、本の厚みも3センチを超える大作です。ワタシ、基本、本は通勤電車の中でしか読まないので、文庫じゃない3センチ超の本を毎日持ち歩くのは結構大変でした。って、「じゃあ家でちゃんと読めよ」って自分でも思うのですが、家で読むというクセがついてなくて…。

 この本を読もうと思ったそもそもは、ワタシが「ずっと行きたい」と熱望していた東京都現代美術館(以下、現美と略します)での「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」展なんです。そのオープニングイベントで著者の河尻さんと現美のキュレーターの藪前さんのお二人によるトークショーがあり、それを見て何となく「この本、読まなあかんのかなぁ」と思ったのですが、厚さ3センチを超える大きな本なのでどうしようと迷っていたところ、どうも上京が叶わない様子になってきたので、本だけでも読んでみようかとお買い上げです。

 この現美の瑛子さん(河尻さんも藪前さんも“瑛子さん”と呼んでらしたので、ワタシもそう書かせていただきます)の展覧会、1月の時点で上京を諦めたので、全然ウオッチしてなかったのですが、会期終わりに向けて、いろいろな媒体で取り上げられ入場者が増え、1月末ごろから2月14日の会期終わりまでは当日券を買うのに150分待ちとかになってたそうです。「この人気にあやかって…」と次を期待したいところですが、展覧会は展示品を借りるのにいろいろ権利関係があるようで、特に瑛子さんのは映画製作の資料とか、映画や舞台の衣装とか、通常の絵を展示する展覧会とまたちょっと違うようで大変みたいです(←トークショーで藪前さんがおっしゃっていました)。

 この本、もともとは河尻さんがネットで2015年から不定期に連載されていたものを一冊の本にまとめられました。トークショーでおっしゃっていましたが、初稿はこの倍のボリュームがあったそうです。それを削って削ってこの量に落ち着いたとおっしゃっていました。

 非常に読み応えのあるとても面白い本でした。「展覧会に行きたい!」と何度も言ってたワタシなんですが、実は瑛子さんのことは全くって言っていいくらい、何も知りませんでした。じゃぁ、なぜあんなに「行きたい!」と熱望していたのか?自分でもナゾ?なんですが。たぶん、現美のサイトの予告を見て「資生堂の宣伝部の人」「コッポラといっしょに仕事した人」「アカデミー賞をとった人」というようなワードを見て、何か感じるものがあって「見なきゃ!」って思ったんだと思います。読んでびっくりしたのは、「紅白歌合戦」(審査員として)も「プロフェッショナル仕事の流儀」もご出演で、であればもう少し認識しててもよかったはずなんですが、そのあたりも全くスルーしておりました。

 ただ、まんざらご縁がなくもないんですが…。瑛子さんのお父様がウィリアム・メレル・ヴォーリズとつながりがあったそうで、ヴォーリズさんはワタシの母校の校舎を設計された人でした。それと瑛子さんが1976年に文学座の「ハムレット」の美術監督をされたそうで、「ハムレット」はワタシが生涯で初めて見たお芝居の舞台でした。この程度のことで「ご縁」っちゅうのも勝手な思い込みなんでしょうけれど。

 瑛子さんのキャリアのスタートとなった資生堂には7年しかいらっしゃいませんでした。1961年に入社し68年には退社されています。入社試験で「お茶くみはしません。グラフィックデザイナーとして採用してほしい。お給料は大卒男子と同じ」とおっしゃったそうです。このセリフもびっくりですが、それよりも天下の資生堂でも60年前は女性はお茶くみ要員だったのかということがびっくりでした。あ、ワタシ、資生堂の広告も好きで、銀座の資生堂本社で「資生堂の広告の歴史」みたいな展覧会にも行ったことがあります。前田美波里を起用したサンオイルの広告も見ました。そういえば、テレ東の美術展の番組で瑛子さんの展覧会が取り上げられた時、前田美波里さんも登場されましたが、相変わらずおきれいで格好良かったです。

 資生堂を退社後はご自分の事務所を持たれ、いろいろな広告にかかわっていらっしゃいます。有名なのはパルコと角川書店になるのでしょうか。ワタシなんかはパルコと言えば糸井重里のライトな感じの広告のイメージしかないのですが、その前にかなりメッセージ性の強いトンがった広告を作っていらっしゃるんですね。角川書店のもこちらにグイグイと迫ってきます。この本は、瑛子さんへのインタビューで瑛子さんが語った内容もあるし、その時にいっしょにお仕事された方たちのインタビューもあるし、いろいろな面から当時の仕事の内容や様子が窺い知ることができます。すごいアグレッシブな仕事ぶりです。もちろん才能もありますが、それ以上に瑛子さんの情熱がすごいなぁと思いながら読み進みました。

 1980年代に渡米し、ハリウッドやブロードウェイを舞台に美術や衣装デザインの分野で活躍、グラミー賞やアカデミー賞にも輝きました。ワタシは映画を見ない人なので、この映画のところを読むのはどうかなぁと思っていましたが、それこそ河尻さんが浜村淳よろしく“見てきたように”書いてくださっているので、「へぇ~~~」といちいち感心しながら、納得しながら読めました。映画とかミュージカルとかお好きな方なら、もっとワクワクしながら読めるかもしれません。

 アップルの創始者スティーブ・ジョブズもいっしょに仕事をしたいと熱望していたそうですが、スケジュールが合わずできなかったそうです。瑛子さんとジョブズって、どんなアウトプットになるんでしょうね。見られなかったのは残念です。

 とにかく圧倒されまくりの伝記でした。瑛子さんご出演のテレビ番組も見たことがないので、直接の声って聞いたこともないのですが、本の中から声が聞こえてきそうな、文字だけでは収まりきらないような、叱咤激励されているような本でした。読み終わった時、こういう本、30代前半までに読んでたら、ワタシももう少しヤル気がでたかもしれない、ってちょっと思いました。

 
 つい、勢いで展覧会の図録も買ってしまいました。一般の書店でも購入できます。でも、図録って“買った”ことで満足してしまうんですよね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする