3月20日に毎日文化センターで開催された「チャップリンと日本『街の灯』歌舞伎化をめぐって」という講座に行ってきました。講師の先生は作家で日本チャップリン協会会長の大野裕之さんでした。申し込みは2月にしてたんですが、どんどんコロナが深刻になる中、開催されるかどうかわからないので、どうしようかと受講料も払わずずっと放ってあったのですが、歌舞伎座が全休となってしまい、「少しでも歌舞伎に触れたい」という思いで行ってまいりました。お越しになってたのは8名ぐらい、皆さん歌舞伎ファンでした。
講座のほうですが、歌舞伎ファンとしては、タイトルから幸四郎さんのお話とか、歌舞伎化の苦労話とか、そういうのを期待しておりました。しかしながら、大野さんの「チャップリン愛」が半端なく、予定時間は1時間半でしたが、そのうち1時間10分ぐらいまではずっとチャップリンのお話でした。お誕生日はもちろん映画デビューの日付、各映画の封切り日、初来日の日付などすべて暗記されており、さらに両親の職業、イギリスの演劇界の当時の状況、ギャラの金額の高騰ぶり、チャップリンの映画の作り方、究極まで完成度を追求したギャグ、チャップリンのステッキは日本製、秘書は日本人、一時は使用人は全て日本人、来日時に会った人たち、日本人の友人等々、お話が止まりません。ワタクシ、以前から申しております通り、映画を見ない人なので、チャップリンも名前こそ知っていますが、ほとんど何も知識がなかったので、そういう意味では非常に興味深いお話が聞けて、チャップリンに関する知識も飛躍的に増えました。
で、1時間10分ぐらいして、ようやく歌舞伎の話になり、それも戦前に上演された木村錦花作の「蝙蝠の安さん」の掘り起こしから始まり、原作の「街の灯」と比較されて、まぁその話も興味深くはあったのですが、なかなか幸四郎さんまで行きません。最後の10分ぐらいでようやく触れられました。もともとの「街の灯」が持ってた人情劇の部分だけでなく、時代風刺の部分も取り入れた脚本にされたそうです。どちらかというと、歌舞伎を見る前に聞きたかったお話でした。これを聞いていたら、もっと歌舞伎も楽しめたように思いました。
そうそう、チャップリンって世界共通言語的なところがあって、全世界で大人気なんですが、国によって受け止め方がさまざまだそうです。日本人はチャップリンの「ヒューマニズム」の部分がフィットするそうなんですが、香港だとカンフー的な動き、インドだとインド舞踊的な動きの部分がすごくクローズアップされるそうです。面白いものですね。
幸四郎さんの「蝙蝠の安さん」の再演はまだ何も決まってなくて、「お客様の声」が一番強いのでぜひ松竹株式会社に働きかけてくださいとおっしゃっていました。ただ、チャップリンって小さい頃極貧の生活だったので、大金持ちになっても「明日はわからない」と言い続け、自分の映画の権利関係はかなりしっかりと管理しており、こうやって歌舞伎化するのもそっちのほうでかなりお大変だったようです。今回は大野さんが窓口?なので、スチール写真の撮影や舞台稽古は必ず立ち会うと契約にあり、全部お付き合いされたそうです。
そのスチール写真です(国立劇場のプログラムから)。
拵えやお化粧は幸四郎さんが慎重に厳密にお考えになって作られたそうです。(そういうお話をもっと聞きたかったのですが…)
「歌舞伎に触れたい」という所期の目的は少しずれましたが、チャップリンのことをこれだけ知ることができて楽しい時間でした。大野さん、ありがとうございました。
講座のほうですが、歌舞伎ファンとしては、タイトルから幸四郎さんのお話とか、歌舞伎化の苦労話とか、そういうのを期待しておりました。しかしながら、大野さんの「チャップリン愛」が半端なく、予定時間は1時間半でしたが、そのうち1時間10分ぐらいまではずっとチャップリンのお話でした。お誕生日はもちろん映画デビューの日付、各映画の封切り日、初来日の日付などすべて暗記されており、さらに両親の職業、イギリスの演劇界の当時の状況、ギャラの金額の高騰ぶり、チャップリンの映画の作り方、究極まで完成度を追求したギャグ、チャップリンのステッキは日本製、秘書は日本人、一時は使用人は全て日本人、来日時に会った人たち、日本人の友人等々、お話が止まりません。ワタクシ、以前から申しております通り、映画を見ない人なので、チャップリンも名前こそ知っていますが、ほとんど何も知識がなかったので、そういう意味では非常に興味深いお話が聞けて、チャップリンに関する知識も飛躍的に増えました。
で、1時間10分ぐらいして、ようやく歌舞伎の話になり、それも戦前に上演された木村錦花作の「蝙蝠の安さん」の掘り起こしから始まり、原作の「街の灯」と比較されて、まぁその話も興味深くはあったのですが、なかなか幸四郎さんまで行きません。最後の10分ぐらいでようやく触れられました。もともとの「街の灯」が持ってた人情劇の部分だけでなく、時代風刺の部分も取り入れた脚本にされたそうです。どちらかというと、歌舞伎を見る前に聞きたかったお話でした。これを聞いていたら、もっと歌舞伎も楽しめたように思いました。
そうそう、チャップリンって世界共通言語的なところがあって、全世界で大人気なんですが、国によって受け止め方がさまざまだそうです。日本人はチャップリンの「ヒューマニズム」の部分がフィットするそうなんですが、香港だとカンフー的な動き、インドだとインド舞踊的な動きの部分がすごくクローズアップされるそうです。面白いものですね。
幸四郎さんの「蝙蝠の安さん」の再演はまだ何も決まってなくて、「お客様の声」が一番強いのでぜひ松竹株式会社に働きかけてくださいとおっしゃっていました。ただ、チャップリンって小さい頃極貧の生活だったので、大金持ちになっても「明日はわからない」と言い続け、自分の映画の権利関係はかなりしっかりと管理しており、こうやって歌舞伎化するのもそっちのほうでかなりお大変だったようです。今回は大野さんが窓口?なので、スチール写真の撮影や舞台稽古は必ず立ち会うと契約にあり、全部お付き合いされたそうです。
そのスチール写真です(国立劇場のプログラムから)。
拵えやお化粧は幸四郎さんが慎重に厳密にお考えになって作られたそうです。(そういうお話をもっと聞きたかったのですが…)
「歌舞伎に触れたい」という所期の目的は少しずれましたが、チャップリンのことをこれだけ知ることができて楽しい時間でした。大野さん、ありがとうございました。
わたしも歌舞伎に触れたいです。