おとらのブログ

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第四十八回吉例顔見世 六代目中村勘九郎襲名披露 ②

2012-10-25 23:55:12 | 観たもの
 「口上」が終わると、勘九郎さんの襲名披露狂言「義経千本桜」の「道行初音旅」「川連法眼館」です。7月に松竹座で又五郎さん襲名披露で「吉野山」を見ています。「あぁ、あれね」と思い出そうとしましたが、あのときは“天下の二枚目”(←吉右衛門さん・談)の孝夫さんが三枚目の速見藤太で、そのインパクトが強烈で、孝夫さんしか眼に入りませんでした。静御前と忠信の道行の記憶がほとんどなくて、ワタクシ的には孝夫さんの後ろで又五郎さんと芝雀さんが踊ったはったなぁという程度の記憶…。今回、勘九郎さんと七之助さんを拝見しながら、「へーっ、こんな踊りやってんねぇ」と思っておりました。

 踊りは本当に素晴らしく美しかったんですが、私が気になったのは七之助さんのお衣裳です。「道行」ということで、道行コートの変形のようなお着物で、お色は淡いピンクに古典的な花(桜)模様の刺繍で、お可愛らしいお衣裳でした。踊りの途中で、その片袖を脱いで、下にお召しの赤いお着物を見せる場面がありましたが、その赤いお着物が、玉ちゃんが2年前の南座でのエビサンの「義経千本桜」に静御前でおつきあいなさったときにお召しになっていたお着物かと…。静御前は白拍子でお姫様ではありませんが、なぜか赤姫の格好で登場します。玉ちゃんの赤姫のお着物が、古典的な花柄ではなく、抽象的な井桁をつないだような柄で、金糸銀糸の縫い取りでした。七之助さんのお着物がそれと同じように思うんですが…。玉ちゃんがおふたりにエールを送る意味を込めて、お貸しになった、あるいはプレゼントされたのかしらと勝手に想像しながら拝見しておりました。

 続いての「川連法眼館」は、勘九郎さんと七之助さんはそのままで、源義経は菊ちゃんでした。個人的には菊ちゃんの静御前を見てみたかったんですが。亀井六郎重清が萬太郎さん、駿河次郎清繁が亀三郎さんと、お若い方たちでかためた「川連法眼館」でした。勘九郎さんは、先月の松竹座でも「雨乞狐」で白いふさふさの狐のお役で、今月も同様の狐(雨乞狐は源九郎狐の子孫ですから)のお姿でした。身体能力が優れていらっしゃるので、飛んだり跳ねたりがとても美しく、狐詞も客席から失笑がもれることもなく、きちんとおっしゃっていました。幕切れは、澤瀉屋さんと違い、花道を使います。見るほうも、上見たり下見たりしなくていいので、見やすかったです。来年1月はもう一度亀ちゃんの「川連法眼館」です。続きますね~。

 
 御園座では襲名のご祝儀の幕がずっとかかっていました。2階(実質は3階?)の私の席からの眺めです。見やすい劇場だなぁと思いました。

 
 中村屋さんは飾り絵馬がかかります。

 
 御園座さんの吉例顔見世の口上です。

 
 館内客席での飲食が禁止だそうです。知らないものだから、中で何かお弁当を買おうと思って行ったら何もなく、とりあえず“飢え”をしのぐために、ふかし饅頭をいただきました。

 
 御園座地下の山信さんのいちじくのジュースです。原材料はミルクといちじくだけです。濃厚でおいしかったです。
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