おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

七月大歌舞伎

2023-07-08 23:52:31 | 観たもの
 歌舞伎座の「七月大歌舞伎」です。もともと7月は「上京お休み月」にする予定でしたが、「夏の夜の夢」で上京することにしたので「まぁ、せっかくやし、ちょっと見とこか…」というちょっと消極的な歌舞伎座観劇でした。

 ワタシが見たのは、初日の翌日でした。初日ならば初日独特の高揚感と言いましょうか、今回は特に中車さんが亀ちゃんの代役で初宙乗りということで、かなり盛り上がったと思うのですが、二日目なのでそういう空気はなく、通常モードって感じでした。お席は“安定の”三階席、10列目です。これまでは後ろに誰もいないと安心して座ってられたのですが、幕見が復活してすぐ後ろにお客さんがいらっしゃいました。

 中車さん、先月の「吃又」は元々そのお役を演る予定で、「よくぞここまで…」と本当に感動したのですが、今回は亀ちゃんの代役、悪くはないんです。一生懸命演ってらっしゃるのはわかるんですが、どうしても「これが亀ちゃんだったら…」と思ってしまうんです。何度も思ってしまった失礼な客でした。申し訳ございません。評判は良いようなので、中車さんの問題ではなく、ワタシの問題なんでしょうね。「もっと軽やかに、洒脱に、それでいて憎々しく演じるのではないか」と思ってしまうんです。さすがに最後の宙乗りはホロっとする感じはありましたが。

 「菊宴月白波」は鶴屋南北の原作で、忠臣蔵の後日譚という内容です。それを猿翁さんが脚本・演出で昭和59年に復活させ、それから3回上演されて、今回は平成3年10月以来32年ぶりの上演だそうです。「忠臣蔵」のパロディがそこかしこに散りばめられ、飽きさせない展開です。ただ、人物相関図がいまいちわからなくて(ちゃんと筋書は買ったのですが)、最後まで見てようやくわかりかけた、みたいな感じで、もう一回見たらちゃんと「あーなって、こーなって、そーなるんですね」ってストンと腑に落ちるんだと思います。

 二幕目に「三囲堤の場」というのがあって、「桜姫」にも出てきますよね。大道具の雰囲気は同じで「あぁ、『桜姫』良かったなぁ、ここで孝夫さんと玉ちゃんがすれ違いになるんやね」って全然関係のないことを考えていた失礼な客はワタシです。たびたびの失礼の段、ご容赦を。

 
 新しい緞帳です。作者は中島千波画伯、伊藤園寄贈、龍村美術織物製織です。

 
 ちょっとわかりづらいですが、高校生が来てました。「オバチャンはウラヤマシイゾ」と思ってしまいました。

 
 「両宙乗り」だったので、上手側の座席もつぶされていました。席の位置の感覚がちょっと違って、自分の席が一瞬わかりませんでした。宙乗りの鳥屋のために壁が文字通り“ぶち抜かれ”ていたようです。

 
 悲報です。めでたい焼きがお休みでした。これも普通なら初日にTwitterで上がってきそうなんですが、今月のTwitterは演舞場の「刀剣乱舞」であふれていて、現地に行って初めて知りました。残念でした。
コメント (4)
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