おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

明治150年展 明治の絵画と工芸

2018-05-13 23:43:23 | 見たもの
 京都国立近代美術館で開催されている「明治150年明治の絵画と工芸」を見てまいりました。月初に書きましたが、今月はエンタメ関係が不発で、休みの日に特に何もすることがないので展覧会を調べていたら、このポスターのピンクと花柄の色合いが何だかステキに思われて行ってきました。そんな軽いノリで行ったので、当然のことながら、何が展示されているのかまったく知らないまま美術館へINです。

 特に目玉となるような有名な作品が展示されているわけではないので(そういうのがあれば、京阪電車でそういう広告が出るはずですが見なかったので)、空いているだろうなぁと予想はしていましたが、本当にガラガラでした。見るほうにしたら、とても見やすくて有難いのですが、独立行政法人的には困るんでしょうね。

 展覧会の概要です。
 
1868年に明治時代に入ると、政府主導のもと殖産興業や輸出振興政策が推し進められ、海外での日本美術への関心が高まりました。政府は『温知図録』を制作するなど、国家戦略として工芸図案指導に力を注ぎました。
京都では、地場産業の振興を目的の一つとして京都府画学校が設立され、多くの日本画家が工芸図案制作に携わることで、時代に即した図案の研究が進められました。
本展では、明治の工芸図案とともに、美術工芸作品や工芸図案を描いた日本画家たちの作品を一堂に展示することで、近代化していく社会の中で生み出された明治の美術品を紹介します。

 前半が絵画、後半が工芸とパキッと分かれた展示になっていました。ワタシの無知蒙昧ぶりを露呈することになりますが、ほぼ知らない方たちでした。わかったのは竹内栖鳳と清水六兵衛(六代)、象彦、並河七宝、川島織物ぐらいでした。

 絵画よりも工芸のほうがワタシ的には興味深く拝見しました。象彦からはそれはそれは立派な「源氏物語蒔絵飾棚」が、川島織物からは「試織」の見本帖「からにしき」が出展され、6点の丸帯の原画と試織を見ることができました。これが帯になったらすごいだろうなぁというような複雑な模様と色あわせで、相当な技術がないと織り上げられないものばかりでした。下世話な話で恐縮ですが、いったいいくらぐらいの値段がつくんやろうか?と思ってしまいました。ちなみにこれは川島織物セルコン織物文化館所蔵のものでして、川島織物セルコンって聞くと反射的に歌舞伎座の緞帳を思い出しました。

 工芸ということで、いろいろなものがありました。人の背丈ほどある大灯篭が磁器・染付けで、いわば清水焼で作った大灯篭でして、ビックリしました。こんなのが似合うお庭ってどんなんなんでしょうか。

 象牙の彫り物がまたすごかったんです。↑上の看板の左側に仏手柑がありますが、それです。安藤緑山という人のなんですが、これ、象牙を彫って着色してあります。仏手柑以外に貝尽くし、竹の子、蜜柑がありました。どれも本物と見間違うほどの精緻さなんですが、その中でも蜜柑のすごいこと!本当に蜜柑なんです。ちょっと剥きかけみたいになっていて、凝ってました。これら以外にも伊勢海老とか蓮の葉の上の蛙とか本物と見紛うようなものばかりでした。

 なかなか面白い展覧会でした。

 常設展は写真撮影OKなので、写真があります。
 
 
 
 
 
 
 
 銀のティー、コーヒーセットなんですが、何か“近代美術館”でした。一番上なんて、トレーの持ち手が手?指?になっていて、よく見るとちょっとグロテスクでした。

 
 
 京都のおみやです。ひさごのお寿司と仙太郎の水無月です。お寿司の巻物は竹の子と鯛です。5月限定だそうです。
コメント (2)
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