おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

三月花形歌舞伎 午後の部

2015-03-18 22:55:45 | 観たもの
 引き続き「午後の部」です。午後の部は7日に1回だけ見ました。

 演目と配役です。
 一、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)
   浜松屋見世先より稲瀬川勢揃いまで
    弁天小僧菊之助 尾上 松 也
    南郷力丸 坂東 巳之助
    忠信利平 中村 隼 人
    浜松屋伜宗之助 中村 米 吉
    浜松屋幸兵衛 嵐  橘三郎
    鳶頭清次 中村 種之助
    赤星十三郎 尾上 右 近
    日本駄右衛門 中村 歌 昇

 二、闇梅百物語(やみのうめひゃくものがたり)
大名邸広間の場
葛西領源兵衛堀の場
廓裏田圃の場
枯野原の場
庭中花盛りの場
骸骨/読売 中村 種之助
小姓白梅/雪女郎 尾上 右 近
新造 中村 米 吉
河童 中村 隼 人
傘一本足 坂東 巳之助
狸 中村 歌 昇
大内義弘 尾上 松 也

 午前の部が想像以上によかったので、午後の部の「弁天小僧」も非常に楽しみにしておりましたが、ちょっと残念な感じでした。ま、こちらの期待が大きすぎたのかもしれません。

 主役の弁天小僧は松也クンでしたが、まず女形の声がいけません。どうも喉を潰してしまっているようで、声が割れてしまってほとんど何を言ってるのかわかりませんでした。そして女形の姿なんですが、初っ端の武家娘のときが“娘”というにはちと大きすぎて、「男が女に化けているのが丸分かりやん」って思ってしまいました。所作もイマイチで、なんだけがさつなお嬢様でした。

 松也クン以外の方たちも、身体に合わないサイズの大きな服を着せられて、身体が服の中で泳いでいるような、そんな感じで、世話物って役者さんのキャリアがないとやっぱり難しいのねぇと思いながら拝見しておりました。芝雀さんのブログのこの写真を思い出してしまいました。

 二つ目の「闇梅百物語」は新作歌舞伎舞踊で妖怪変化が次から次へ現れるという、面白い作品です。7人の見せ場がきっちりとありました。右近さんの女形は“臈長けた”美しさです。お化粧を玉ちゃんに習われたのか、ちょっと玉ちゃんの面影もありました。

 イケメンの歌昇クンと隼人クンがそれぞれ狸と河童に扮するというのも意外性があって面白かったです。隼人クン、手足が長いのでなんだか持て余しているみたいでした。この二人に絡むのが巳之助さんの蛇の目傘の一本足のお化け、ずっと一本足で踊ります。なかなかの身体能力です。マシュマロ米吉クン、しっとりとしたご新造さんです。昨年のお正月の浅草歌舞伎では幼さが勝っていたのに、たった一年で急成長です。

 最後の「庭中花盛りの場」は全員が登場してのフィナーレです。ちょっとタカラヅカのレビュー?みたいな終り方です。種之助クンは最初は読売なんですが、後に正体を顕して白狐になります。「四の切」の狐みたいな扮装なんですが、本当に可愛らしくて、ほわっとなります。松也クンと反対でお背が小さいので、こういうのが似合います。

 午前、午後とも3時間あまりの公演時間(実質の上演時間は2時間ぐらい?)で、お若い方たちが一生懸命演ってらっしゃる姿はなかなか微笑ましく、時には「へぇ~」と見直すような場面もあって、こういう超若手の公演も良いものです。「1月の浅草→3月の南座」っていうルートができるといいなぁとちょっと思いました。27日(金)まで、三等なら3000円でご覧になれます。“先物買い”のつもりで、ぜひどうぞ!
コメント (8)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする