おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

打男 DADAN

2012-07-21 23:22:07 | 観たもの
 松竹座の記事を書かないといけないんですが、昨日からの「玉ちゃん、人間国宝に!」フィーバーで先に「打男」を書きます。

 もともと“音楽”は私のテリトリー外で、コンサートと名のつくものはほとんど縁がなく、この前の玉ちゃんのコンサートが人生初のコンサートかもしれません。そして、引き続き、その玉ちゃんつながりで本日の鼓童のメンバーによる「打男」でございます。特に行く気はなかったのですが、5月の南座での玉ちゃんのトークショーで、玉ちゃんが鼓童の芸術監督に就任された話から、日刊スポーツのてらお(敬称略でスミマセン。玉ちゃんがこう呼んでいらっしゃるので)が鼓童を大絶賛され、「そんなに良いのなら、ここはひとつ見に行きますか…」って感じでチケットWeb松竹をポチッとしてしまいました。

 「鼓童=佐渡で太鼓叩いたはる人たち」という程度の知識しかなく、漠然とお祭の大太鼓のようなイメージでまいりました。でも、全然違いました。大きな太鼓ももちろん登場しますが、鼓笛隊の小太鼓っぽい民族楽器っぽい太鼓(←何ていうのかわからない)とか、邦楽の太鼓(←小鼓といっしょに出てくるのです)とか、マリンバみたいなのとか、金属製のお椀を伏せたようなとか、いろいろな太鼓(打楽器?)が登場しました。単に叩いているのではなく、それぞれに振り付けがあって、しなやかに軽やかに演奏されていました。太鼓っていうと“いかつい”とか“ごつい”とかのイメージだったんですが、見事に覆されました。そして、リズムだけでなくちゃんとメロディーもあるんですね。びっくりしました。例によって、私は3階席からでしたが、太鼓が南座全体に反響し、3階席でもちゃんとお腹の底までぐわんぐわんと響きました。心地よい振動を感じた90分でした。

 
 ↑「鼓童」のホームページからです。こんな舞台でした。

 演出は芸術監督である玉ちゃんです。チラシでは「私は女形という職業柄、女性をよく観察し、それを理解し分解し自分の身体を組み立て直して表現しています。しかしまた日本の男がどういうものかということも逆説的に知っているように思うのです。そういう意味で他人が男らしく、また女らしく舞台の上で芸術的に光り輝き、見る者に生き甲斐と喜びを与えられるような芸術が生まれることをいつも願っているのです。男達の叩く日本の太鼓を存分にお楽しみ下さいませ。」とご挨拶されています。“男らしい”演出でした。

 照明も凝りに凝った美しいもので、玉ちゃんの美意識全開の舞台ではありましたが、私はビジュアル的にはちょっと苦手かも…、と思いました。マッチョな男の人が苦手、さらにそのマッチョさを強調されるともっと苦手、No thank youなんです。別に、ボディビルダーのような変な不自然なマッチョさではなく、太鼓をやってらっしゃるうちに、自然とああいう体型になられたんだと思いますが。前半は黒のタンクトップ(胸にはスパンコールでDADANの文字)、後半は上半身が裸です。肉体美を強調するために、身体にはオイルのようなラメのようなものをつけていらっしゃいます。髪にもラメがついていました。途中で、バックにスクリーンが下りてきて、演奏している姿のアップをそれに映し出すような演出もありました。脚とか胸とかがドバーッと映るんですが、個人的には…でした。
 
 アンコールでは、玉ちゃんも舞台に登場されました。ダークスーツをお召しでした。登場されるまでも客席は大きな拍手だったんですが、それがさらに大きくなり、悲鳴のようなものまで聞こえました。こんなに歓迎される演出家もそういないでしょうね。でも、ご自分の舞台ではなく、あくまで「打男」の舞台なので、控えめに一瞬で引っ込まれました。そう、この一瞬のために、私は今日来たのかもしれない、と思いながら南座を後にしました。
コメント (2)
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