昨日は動くと汗ばむほどの陽気、今日は一転してコートがほしいほど冷えこみ、雨で余韻の桜もすっかり散った。「世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし」も終わり、平静になる??。
イタリア紀行2004-23 「イタリア4日 ダビデ像 コジモ1世像 ロッジア・ディ・ランツィ ウフィツィ美術館」https://onedrive.live.com/embed?cid=75434A3C7766D39B&resid=75434a3c7766d39b%211026&authkey=AI8MJKcT7vDNbZY&em=2
ヴェッキオ宮殿の入口は、シニョーリア広場に面した西側にあり、入口の左手前にひときわ図抜けたダビデ像が立っている。高さは5.17mもあり、台座の上に飾られているから、迫力がある。
ミケランジェロ20代の作、サン・ピエトロ大聖堂に飾られているピエタ像の完成後間もない作品で、大理石が緊張感にあふれている。
旧約聖書によれば、ダビデは巨人ゴリアテに一人で立ち向かい、石を投げて一撃で倒すのだが、ダビデ像は石をまさに投げようとしている瞬間の像で、全身に力がみなぎり、力強さがにじみ出ている。
もともとはヴェッキオ宮殿内のもっと高い壁に飾られる予定だったらしいが、あまりにも素晴らしい出来映えなので公開されることになり、どこに飾るか、ボッティチェリやレオナルド・ダ・ヴィンチらによる協議会で検討された。結果的に、いまの場所になった。ミケランジェロは、もっと高い壁+窓からの明かりを計算して上半身を下半身より大きめにし、正面から見ると均整がとれるようにダビデ像を制作したそうだ。
ミケランジェロはもしかすると展示場所は不本意にだったかも知れないが、凡人には十分に十分に感動できる。
ヴェッキオ宮殿の南西側、ウフィツィ美術館の手前に開廊ロッジアがあり、ここにもジャンボローニャ作「サビニの女たちの略奪」、チェリーニ作「メドゥーサの首を持つペルセウス」などの著名な彫刻が飾られている。広場そのものが偉大な彫刻家の彫刻展示場になっている。これでは次から次と素晴らしいと彫刻家が現れるのは当然であろう。
文化レベルが高ければ、文化が文化を呼び、文化が文化を高めるということである。
逆も真なり。文化が廃れると、ますます文化はしぼみ、姿を消してしまう。
文化を高揚させるには、文化を慈しむ気風がなければならない。シニョーリア広場がそれを証明している。