メルケル首相の謝罪については日本でも報道されているようです。
ドイツの今日の朝刊でも一面トップに扱われていました。
謝罪の経緯を簡単に記します。
感染者急増の対策を各連邦州の週大臣と協議した結果、現在のロックダウンは延長されること、
そして4月1日から5日までのイースター休暇中の接触を出来るだけ制限するため、
本来はワーキングデーの4月1日(木)と3日(土)を追加休日とすること、
3日は食料品を扱う小売店のみ営業が許可されることなどの措置が3月22日に発表されました。
けれども特に4月1日の追加休日に関しては物流調整が難しいなどの批判が続出しました。
ジャストインタイム方式などで倉庫にあまり貯蔵しない現代の流通システムでは一週間前に
追加休日を設定するのはやはり無理がありました。
それで追加休日の決定を撤回するとした首相の記者会見が行われ、その席で
メルケル首相は「今回の誤った政策決定の責任は私にあります。混乱を招き申し訳ありませんでした」と
潔く国民に謝罪したのです。
記者会見後に行われた連邦議会の質疑応答では野党からの鋭い批判にも真摯に対応していました。
一緒にテレビ中継を視聴していた夫もメルケル首相の沈着冷静な態度に感心していました。
野党議員の無責任な質問に夫は「自分だったらすぐカッと怒ってしまうだろう」と言っていました。
感染者は急増していて、ワクチン接種も計画通り進んではいなく、
国民の不満が高まっていることは確かです。
でも80歳以上のコロナ重症者数があきらかに減少しているのは、80歳以上の高齢者へのワクチン接種の
効果によるもので、政府の感染症対策は少しずつですが効果が出てきていると思います。
ただ変異株がこれ程急速に蔓延するとは予想していなかったのではないでしょうか。
コロナパンデミックのような未曾有の事態に対して、政策の過ちは仕方のないことでしょう。
過ちを認め、即是正し、謝罪したメルケル首相はやはり立派だと思います。