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原田マハ著『美しき愚かものたちのタブロー』

2019-10-04 14:28:34 | 読書
この間まで上野の国立西洋美術館で開かれていた「松方コレクション展」には一時帰国中、日程の関係で訪れることができなかったので、代わりに購入してきた原田マハさんの本を先日ようやく読み終えました。



今回の展示会には残念ながら訪れることができませんでしたが、2015年にボンで開催された「日本人が愛した印象派展」では松方コレクションを何点か鑑賞することができました。
カタログの裏表紙には画家のモネと松方幸治郎の写真も載っています。




モネの「舟遊び」の絵の隣には影響を受けた歌麿の浮世絵も並べて展示されていました。




原田さんの本によるとモネは当時、パリ在住の日本人画商、林忠正から浮世絵を大量に購入し、研究したのだそうです。
以下長くなりますが本からの引用です。
「西洋美術の様式においては考えられない大胆な構図。極端な遠近法。新鮮な画題。鮮やかな色とかたち。たとえば風景であっても、構図の中に目に見えるすべてを収めようとせず、むしろ描きたい対象に近づいてそれだけを抽出して描く。そんな手法を、モネは日本美術に教えられた」

ところでこの本の帯には「4人の男たちと松方コレクションの命運」と記載されています。



この4名のうち田代雄一以外は実在した人物名です。
田代のモデルになったのは美術史家の矢代幸雄だといわれています。

「日本人が愛した印象派展」のカタログで松方コレクションについて西洋美術館館長の馬渕明子の文章がドイツ語に訳されて掲載されています。
翻訳した際のミスだと思うのですがドイツ語訳では矢代幸雄は女性になっています。

些細なことですが→日本映画のドイツ語字幕同様、こんなところでも翻訳者としての「姑根性」が出てしまいますね(苦笑い)。
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