こんな奥深さが好きなんだな

2012-12-08 23:07:38 | その他旅行き
こんぴらさんは朝から賑わっていました。
開店した土産物屋の店先で、観光客に声をかける店員さんの声がかしましい。
道幅がほんの少し狭くなったら石段が現れました。
さてさて登りますか。
こんぴらさんは言わずと知れた石段を上って上ってお参りする神社。
奥社まで行くと1368段あるらしい。
上り始めても道の両側は土産物屋さんが軒を接して続きます。
同じような店構えで、扱っているお土産も似たり寄ったり。
よく経営していけてるなあと感心。
それだけお参りする人が多いということでしょうか。





ちょうど紅葉が見頃で、石段の横の斜面や広場に植わったモミジやイチョウが光を浴びて鮮やかでした。
私が今年目にした紅葉で一番美しかった。
今年は紅葉を楽しめなかったなと思っていたので、予想外の喜び。



さて、参道は奥へ奥へ上へ上へと続きます。
なかなか奥深い。
境内に入った辺りでは社務所かなにかの近代建築物があるので雰囲気は今ひとつですが、進むに連れて歴史ある建物に囲まれ、山は深くなり、日常の景色から離れていきます。



石段は続くものの撮影しつつなので息を切らして上るということはありません。
まあ、ゆっくり行きましょう。



ガイドブックとか案内のパンフレットを入手して来なかったので、通り抜けた広場や潜った門や途中にあった社の名前や云われを知らぬまま進みます。
これは失敗だったなあ。



今までにない急な石段を登り切るとようやく本宮に到着。
旅の無事をお礼申し上げておきました。
本宮前の広場の右手が開けていて、欄干の向こうに讃岐平野が望めます。
たくさんの参拝客が歓声を上げていました。



さて、ここはまだ道半ば。
奥社へ向かってさらに進みます。
本宮まで明るく広かった参道は狭くなり、暗い林の中を歩きます。
景色は変化が無くなり、被写体も少なくなりました。
なのでひたすら歩くだけ。
日差しが遮られ寒くなったので、歩いて暖まるのにちょうどいい。
最初は石段がなく楽チンでこのまま最後まで行けるのかと期待する頃、再び石段が現れます。
後半で一気に段数を稼がれました。
続けて歩くとさすがにしんどい。
途中の東屋で休憩しその後、残りの行程を一度に歩き通しました。



奥社は柱や軒、欄干が赤く塗られ本宮までの社殿と趣きが違います。
垂直に切り立った崖の横に鎮座していました。
奥社の横からも讃岐平野を見下ろすことができます。
ここには年代物の双眼の望遠鏡(展望台なんかに昔おいてあった奴)があり、無料で覗くことができます。
讃岐平野を間近に引き寄せることが出来ますよ。


ここは海を思わす土地

2012-12-05 00:02:54 | その他旅行き

「ことでん」は路線別に色分けされた車両で運行されてました。
長尾線は緑色、志度線は朱色、琴平線は黄色です。
分かりやすいですね。



八栗駅から瓦町駅まで、朱色の電車で帰って来ました。
志度線はなんだか駅間がとても短く、スピードを上げる前に次の駅に着いてしまう区間が多かった。
特に瓦町駅近くが顕著。
しかも古いビルの裏手や民家の間をくねくねと縫い、まるで路地裏を抜けているような気分。
はて、アニメか小説か何かの物語で見たような光景がありました。



翌朝は琴平線でこんぴらさんへ。
琴平線は志度線と違い駅間が長い。
琴平まで距離もあるので、最高速度でガンガン走ります。
のほほ 、揺れる揺れる。
走る内に町を過ぎ田畑が目立つようになってきました。
海に浮かぶ小さな島々の様に、平らな平野にぽつりぽつりと裾野を広げた山が散在する。
讃岐平野独特の風景が車窓から眺められます。
窓外が眩しい。
その日はとてもいい天気で、車両の南側の座席に座った背中を朝の太陽が暑いくらい暖めてくれます。
シャッターチャンスを狙わねばいけないのに、朝早く出発したので眠気がさしてきました。
時々大きく揺さぶられ目を覚まし、再び眠りに落ちを繰り返す内、終点琴電琴平駅に到着。



コインロッカーに荷物を預け、駅の外の周辺案内図でこんぴらさんの場所を確認すると、駅の横手に高灯籠があると大きく書かれています。
見所なのでしょうか。
行ってみました。

おお、想像を遥かに超えてとても立派な灯籠です。
灯籠と言う大きさではありません。
説明書きを読むと、瀬戸内を航行する船に光が届くよう作られたとあります。
それって灯台じゃない。
なんでこんな海岸から離れた所に…。
ああそうか。
金刀比羅宮は海上交通の守護神でした。
灯台はそのシンボルと言ってもいいですもんね。
納得。



うちん家は生活感でできているからなあ

2012-12-03 00:01:23 | その他旅行き
午後はイサムノグチ庭園美術館を訪れました。
石の彫刻家で花崗岩の産地である牟礼町に住まい、ニューヨークとこの地を拠点に芸術活動を行って来たそうです。
この美術館、見学するには予約が必要で、しかもその予約の方法が往復ハガキでの申し込みという古めかしい情報伝達手段。
なんで電話やインターネットにしないんでしょうね。
訪れる意志の確実さを求められているように感じました。

美術館は「ことでん」志度線の八栗駅が最寄り駅です。
駅から地図を見ながら歩いて行くと、なるほど途中のお店は石屋さんばかりです。
台地状の屋島を左に、右にある山の上の方は石の切り出し場なのか岩肌がむき出しになり、重機が置かれてるのが遠く見えました。

美術館内(と言っても屋外ですが)は一切の撮影は禁止。
申し込んだ時間の見学者20名くらいを引き連れ、美術館の学芸員の方が案内してくれます。
イサムノグチが「丸」と呼んだ作業場と、彼の住居および庭を見学。

作業場は背丈くらいの高さに積まれた石壁で丸く囲われた場所。
そこに作りかけで未完成の作品が沢山並んでいました。
完成作品には彼のイニシャルであるi.nの文字が刻まれているそう。
ほとんど見つけられなかったので、作成途中のものばかりのようでした。
ひとつひとつ作品を完成させて次のに取り掛かるのではないのですね。
ひとつふたつなら同時進行もできそうですが、夥しい数が並んでいたので驚き。
作りたい作品を次々取り替えて作業していたのでしょうか。

住居は古い日本建築で、中には入れず、外から覗くだけ。
生活感をできるだけ出さずに暮らす事を望んでいたそうで、音楽を楽しむステレオ装置などは使用しない時、戸棚の中に見えないよう仕舞っていたらしい。
常にインスピレーションを得る場に居るためにはそんな工夫も必要なんでしょう。
庭には石で表現された川が流れていました。
石の舞台が設けられ、そこで春は桜の花を愛で、秋は月を眺めたそう。
良いですなあ。
まあるい築山があり、てっぺんから牟礼の町を眺めることができました。

見学は約1時間。
ひとりの芸術家の活動の源の一部に触れ、思いを馳せる時間となりました。
翌日訪れた丸亀市猪熊弦一郎現代美術館のカフェの窓から望めるカスケードプラザに石の彫刻がありました。
掲示はなく確認もしていないので真偽は定かでないですが、イサムノグチの作業場に似たような作品があったので、きっと彼の作品なんだと思っています。
こちらは撮影可でしたので、いただきました。


うどんとことでん

2012-12-01 01:38:46 | その他旅行き



高松って瓦町辺りが一番賑やかなんですね。
旅の宿は二日とも瓦町のホテルに取りました。
香川の主要な街を結ぶ鉄道「ことでん」は瓦町駅から3路線が3方向へ延びています。
今回の旅の行動拠点にピッタリ。
今回の旅の目的地の二つへ行くのに、3路線の内の琴平線と志度線を利用する事になっていたので、どうせなら残りの1路線の長尾線にも乗ってやろうと、讃岐うどんの食べ歩き?は長尾線沿線のお店に行く事にしました。



まず一軒目は長尾線林道駅が最寄のお店。
温かいかけうどんをいただきました。
ご主人さんに観光客だと見破られ、うどん巡りについてあれこれ語っていただきました。
コシの強さを評価する人は冷たい麺しか食べてなく、モチモチ感を評価する人はあたたかい麺しか食べてない。
一日で味を比較して食べられるのは5杯までだ。
体調や腹の満ち具合や麺を打ってからの時間で味は変わる。
なんども訪れ、冷温それぞれ食べてみて、初めてその店の評価ができる。
その他いろいろ。
ははあ、勉強になりました。



「ことでん」で再び移動。
次は公文明駅の近くのお店。
セルフでした。
どんぶりに入れて出された玉を店舗の一角にある湯がき器?に掛けられた網に入れ、自分で温めます。
始めてやりました。
楽しい。
棚に天ぷらが各種置いてあり、うまそうですが、もう一杯食べる予定なのでかけうどんのみで。
壁にはその昔撮影された「ことでん」の白黒写真が何枚も飾られてました。
私の目を引いたのは駅に溢れる乗客と角ばった旧車両がくっきり写された一枚。
女将さんが言うには、昔の瓦町駅らしい。
青春18きっぷで高松を訪れた学生さんが撮ったものだそう。
私もこんなの撮ってみたい。



近くなので一駅先の終着駅、長尾駅まで歩きそこから瓦町方面へ戻り、花園駅で下車。
次のお店は人気店らしく、行列ができていました。
並ぶのか…。
少しげんなりしましたが、回転が速い。
すぐに店内に入ることができました。
ここでもかけうどんを頼み、観光客8割、じもピー2割くらいの賑やかな店内で、いそいそと食べて退出しました。
どーなんだろう。
私はやっぱりゆっくり食べたい派だな。



なんのかんのとありましたが、やはり讃岐うどんおいし。
大阪なら500円とか取られそうなかけうどんが200円前後だし。
いいとこですなぁ。