天秤

2023-03-30 06:29:44 | Weblog
終わってからだいぶ時間が経ってしまったが、野球のWBCのお話を記しておく。
2週に渡りとても楽しませてもらった。
1次ラウンドの中国戦は会社から帰ったら終わりかけで、結果を知っただけだったが、金曜日の韓国戦は早めに帰り試合途中から、土曜、日曜のチェコ戦、オーストラリア戦はゲームの最初から見た。
週末だったから見ながら飲んだ酒が美味かったこと美味かったこと。
気持ちよく観戦できた。

1次ラウンドは各戦快勝ばかりで、日本が強いのか他のチームが弱いのかよく分からなかった。
他のグループは混戦で、ラテンアメリカのチームはとてもパワフルで強そう。
決勝トーナメントは厳しそうだなあと思っていた。
イタリア戦は平日だったから、中国戦と同じく試合の最後を見ただけ。
そして春分の日のメキシコ戦。
なんとも上手いこと祝日にあたったものだ。
最初から最後までTV観戦した。
お酒を飲みながら観たいところだったが、朝イチから飲むのは気が引けて、シラフでの観戦。
このメキシコ戦、内容は雲泥の差だが先日の自身のテニスの試合と重ね合わせ、試合の流れというものを感じながら見ていた。

初回から両チームとも変なミスはなく試合は進む。
先制のスリーランを浴びる前、二人ランナーが出るが、この出方がいやらしかった。
佐々木選手の投げたボールが良すぎて、シフトの逆に飛ぶヒットとサード後方へのポテンヒット。
打ち取っているのにチャンスが相手に行った。
まずいなあと思っていたら、落ちの悪くなったフォークボールをスタンドに運ばれてしまった。
見逃さずに打ったメキシコの選手に拍手するしかない。

この得点は日本のミスで渡したものではないから、拮抗した試合の運不運のバランスを元に戻す力が何処かで必ず働くと思っていた。
その後日本は三塁まで走者を進めるチャンスを三度も得るが、得点を奪えず。
転機はメキシコ選手の二塁盗塁のチャレンジ判定。
セーフがアウトになった。
これは大きい。
何かあるぞと思っていたらその裏、吉田選手のスリーランが飛び出した。
でも難しいボールを打ったから、運に絡むものではなく見えた。
実力で奪った3点だ。
しかしすぐにまた2点リードされる。
これも相手の実力で奪った点に見えた。

こうなると鍵を握るのは凡退を続けている村神さまだ。
彼の実力で打てない訳はなく、このまま打てずに最後までいけば、彼に絡めて勝負の神様が天秤を日本側に戻してくれる気がした。
メキシコのピッチャー陣は先発と抑え以外はさほどではないと解説者が言っていた。
しかしその中継ぎ陣を今一歩切り崩せず、1点は返すものの追加点なく最終回へ。
そしていままでより手強いという抑えが登板。
一緒に見ていた連れは、「あー、もうあかん」と諦め気味だったが、自分は何かありそうな予感でワクワクしていた。
メキシコに傾いていた天秤がどう日本に戻ってくるんだろう。

それはメキシコの抑え投手の出来だったようだ。
高めのボール球を大谷選手に二塁打され、吉田選手にフォアボール。
そして全てのお膳立てを整えられて村神様に打順が回る。
1球は良いボールを投げ空振りさせるも厳しいボールを揃えられず、3球目が甘くなったところを村上選手に捉えられサヨナラとなった。
4回に佐々木選手が打たれたボールに乗っていた日本チームの不運が、9回にメキシコチームのボールに乗って、メキシコチームも日本チームもそれをしっかりモノにした。
これで天秤は釣り合ったが、実力で獲った点が日本の方が多かったということだろう。
そんな風に見えた。

もちろんここに記載しただけでなく、日本チームのひとつひとつのプレーにミスが無かったことが積み重なったものだとも思う。
メキシコの6点目を阻んだバックホーム送球とか、源田選手のスリーバント成功とか、周東選手の走塁とか、栗山監督の采配とか。
実力が拮抗しているなら、我慢強く、奇策に走ることなく、腰を据えてプレーし続けることが天秤を傾ける目に見えぬ重石になるのだ。
そんなことを学べた試合だったと思う。

こんなすごい一戦が見られたので、次の日の決勝戦は勝っても負けても、同じように良い試合になればそれでいいと思えるものになった。
勝ったのを知ったのは会社のお昼休み。
周りの会話をなるべく聞かないようにして帰宅。
帰ったら連れが録画放送を見ていたので、7回途中から観戦。
最後の大谷選手とトラウト選手の初対決の全球を見ることができた。
勝つべくして優勝するチームだったということが分かった。
世界一奪還おめでとう。


雨の合間のお花見

2023-03-28 06:19:15 | Weblog
先週末は雨予報だったのに、土曜日は日中少し晴れ間もある曇り空となった。
テニ友とテニス後に花見する予定があって、雨の中、傘さして観ることになるのかなと思っていたから、思わぬ僥倖に喜んだのだった。
大阪の桜はまだ満開手前だが、花見には十分。
濡れることなく観桜できた。
これからしばらく花見日和のお天気が続くらしいが、平日だからあまり関係ない。
そして週末はまた雨っぽい。
テニスの予定が入らなければ、今度は写真をガッツリ撮りに行きたいが、さてどうなるだろう。




てことで道明寺線

2023-03-26 17:59:08 | その他旅行き
屯鶴峯は近鉄の大阪線と南大阪線に挟まれた位置にある。
行きは大阪線の関屋駅、帰りは南大阪線の二上山駅を利用した。
南大阪線での帰り道を調べた際、道明寺駅より道明寺線なるたった二駅の短路線があることを知った。
行き先の柏原駅はJRの大和路線と接続している。
ふうむ、南大阪線で阿部野橋駅まで行ってもいいが、どうせ乗り換えるなら柏原駅で大和路快速に乗って梅田駅まで行くのも手だ。
乗ったことのない路線にも乗ってみたいし。
てことで、道明寺線を利用することにした。



道明寺駅で阿部野橋行きの電車を降り、道明寺線に使われる1番線のあるホームへ。
1番線は片側が行き止まりの線路で、待つことしばし、電車がやってきた。
2両編成だ。
行き先の柏原駅でJRに接続しているからか、まずまずの数のお客さんが降車した。



出発時刻まで間があり、運転席からの眺めや、阿部野橋方面に向かう電車、やってくる電車を暇にまかせて撮影。
ようやく出発時刻となった。
座席がほぼ埋まるお客さんを乗せ出発。



跨線橋の下を潜り、しばらく直線区間を走る。
右手は堤防のようで、車が止めてあるのか走っているのか、たくさん並んでいた。
線路の枕木は木製で、だからか本線よりよく揺れた気がした。
ローカル線っぽくて良い。



川を渡るとたったひとつの中間駅、柏原南口駅である。
一人お客さんを乗せて出発。
線路脇に菜の花が咲いていた。
春だなぁ。



住宅の密度が高まり左へとカーブしていくと、右から別路線の線路が近づいてくる。
これがJR大和路線だろう。
行く手に大きな柏原駅が見え構内へと入っていく。



柏原駅の道明寺線到着番線も、道明寺駅と同じく端っこのホームの外側にあり、行き止まりになっていた。
ホームに降り立つとICカードリーダーがいくつもあり、改札まで行かなくてもホーム反対側に来るJRの電車に乗れるようになっていた。
この駅での道明寺線の電車の待ち合わせ時間は短く、気が付いたら出発してしまっていた。
あれ?出発の放送あったかな。
出ていくところを撮り損ねてしまった。



大和路線側の次の電車の案内を見ると、3本先まですべてJR難波行きの表示だった。
大和路快速はしばらく来ないのかなと思っていたら、それらしき電車が隣のホームとの間にある通過線を走り抜けていった。
なんだこの駅には止まらないのか。
情報収集不足だったな。




地下壕探検

2023-03-24 07:09:55 | 山行
屯鶴峯には奇景以外にも見どころがある。
第二次大戦中に掘られた地下壕があるのだ。
ここも見学してきた。
前話で書いた通り地図がある訳ではないので、そこに行けるかどうか分からなかったのだが、登山道の途中にあったビニールテープに道案内されて行くと、果たして暗い穴の口が待っていたのだった。



壕はいくつもあるようで、少し離れたところにも横穴が見えた。
目の前のトンネルの中を覗くと反対側の出口の明かりが見える。
真っ暗だと奥まで入る勇気が出るかどうか分からなかったが、行き先に明かりがあると恐怖感は激減。



入ってみた。
トンネルは広く、四角く真っ直ぐ掘られている。
前後に明かりが見えてはいるが、深く入っていくと周りは真っ暗で何も見えなくなる。
足元を照らすのにスマホのライトを着ける。



ところどころ、左右互い違いに横穴がある。
横穴の先は真っ暗なので、迷うのが怖く覗くだけ。
明かりに向かって真っ直ぐ歩く。
天井近くに黒いシミがあると思ったら、その形からコウモリのようだった。
いっぱいいたら気持ち悪くて逃げ出していたと思うが、一匹だけ。



ようやく明かりの入る出口までやってきた。
出口手前にも横穴があり、そちらを覗くと横から光が差していた。
行ってみると今歩いてきたトンネルと平行に同じようなトンネルが伸びていた。
横から差していた光はそちらのトンネルの出口からのものだった。



綺麗に壊された柵の隙間から外に出ると左右に山道が付いている。
外の道を辿ると最初のトンネルの出口と思われる場所に穴が口を開いていて、入ってみるとまさしくそうだった。
ふうむ、どうやら何本かのトンネルが平行に掘られ、そのトンネルを繋ぐ横穴がところどころにある作りになっているようだ。



ライトを再び照らし、最初に入った入口へと戻る。
入口から外に出て、最初に見たもう一つ横の穴も見に行ってみた。
こちらは二つ横穴があったが、水が溜まっていたので入口から中を覗くに留まる。



あまり深入りはせず、見学はここまでにしておくことにした。
ちょっとした探検気分を味わえ面白かったが、トンネル内は天井の岩が落ちているところもあった。
安全が確保されている訳ではないので、登山と同じく、中に入るのは自己責任で。




どんづるぼう

2023-03-22 06:28:15 | 山行
大阪府と奈良県の府県境の奈良県側に奇景の山があると知り行ってきた。
その名を屯鶴峯(どんづるぼう)という。
南にある二上山の噴火に伴う砕屑物が堆積し、隆起侵食されてできた凝灰岩の山である。
見事に白い岩肌を連ねる山であった。



標高は150mほど。
近鉄大阪線の関屋駅から歩き、北側から山に入った。
交通量の多い国道165号を怖々横断し、工事事務所の横から林道のような山道に入る。
この屯鶴峯、市販の山の地図にもネットで調べてもその詳細な登攀ルートは見つからず。
しかし秘境という訳ではなく、手軽にハイキングできるコースらしい。



山域もそんなに大きいものでもないため、スマホの方位磁針を頼りに歩くことに。
実際に歩いてみると、なるほど、ルートを示すビニールテープ多数。
どこかの山の会が設置した小さな道標が別れ道に掲げられ、だいたいの方向を把握できれば問題なく歩ける山だった。
ありがたい。



南側の県道703号から入るのが一般的らしいが、北から入ったことで縦走する感じで一直線に歩けた。
手書きの道標に従い林道から脇に入り小さな川を渡ると上り坂が始まる。
最初は急坂だが数分も歩けばなだらかになり、周りの景色が見晴らせるようになる。
行く手の右側の斜面にビニールハウスが広く覆っているのが目にとまる。
白いからこれが屯鶴峯の凝灰岩かと見間違うところだ。



しばしなんの変哲もない山道を行くと、遠くの山肌に白く植物の生えていない部分が見え始める。
歩く山道も茶色から白色に変わる境界がやってきた。
そこから辺りは白い世界に入っていく。



凝灰岩は風化の具合で黒っぽいところもあるがほぼ真っ白。
斜行した層理がよく観察できた。
含まれる鉱物によるのだろう、茶色や緑色がかった層もある。
硬いところと柔らかいところがあるようで、硬い層が出っ張って庇のようになっていた。



凝灰岩帯には登山道というか歩くルートは特になく、気になる岩場や景色の方へあてどなく歩くことになった。
なんとなく足跡があるのでそれを辿る感じ。
白い岩肌はもろく、岩質は硬いのだがボロボロと小さく崩れ易い。
岩の上にざらつく細かな砂利が乗っているので滑り易い。



しかし崩れた粒々には角があり、恐れていたほど滑らない。
わざと靴底を滑らせればもちろん滑るが、斜めになった場所に靴を置いても、真上から体重をかければずるりといくことはなかった。
歩く場所によっては断崖がすぐ横という、もし滑れば谷底まで落ちそうなところもあるので、そういったところは3点支持しつつ慎重に足を運べば問題なし。



あてどなく歩いたため、一度茶色い登山道に出てしまったが、谷の向こうに見えるエリアに行っていない事に気付き、再度凝灰岩帯へ。
そちらへの道は適当にルートを決めた方向と反対側にあった。
そこは谷間に向けて庭園の植木のように丸く侵食された瘤が連なっているところだった。
人が入り込んでいないので、侵食された地形が綺麗に残っていた。
危うくここを見ることなく終えてしまうところだ。



さらにその先の植物の生える地層上に道は繋がっていた。
鉄骨の小屋跡があり、さらに行くと高圧電線の鉄塔があった。
そこが一番高そうな場所で、立札もなにも無かったが屯鶴峯の頂上らしかった(そう思うことにした)。
ずっと曇っていた空から雨粒が落ちてきたので帰ることに。



凝灰岩帯から登山道に戻り少し歩くと整備された遊歩道が現れた。
遊歩道を辿るとすぐに整地された広場に出た。
立派な屯鶴峯の説明板があり、ここが正しい入口であるようだ。
コンクリートの階段を下ると車の走る道路に出、その向こうを近鉄電車が走っていた。
帰りは南大阪線二上山駅まで歩き、近鉄に乗った。




自信を得るために

2023-03-18 09:02:22 | テニス
いつものメンバー以外の人達とテニスの試合をした。
テニ友の会社関連のテニスの集まりに呼んでもらったのだ。
こんな機会はなかなかなくて、久しぶりの対外試合となった。

試合は複数名のチームに分かれて、ペアを替えつつ試合するというもので、6ゲーム先取。
日頃4ゲーム先取の試合もあまりやってないのに、6ゲーム先取を幾つもやって体力がもつか心配だったが、無事終えることができた。
自身の結果は1勝4敗でチームの勝利には貢献できず。

さて、対外試合をすると、自分の課題がよく見える。
知らない人との試合になると、いつも緊張してしまって、自分のプレーをするところまでいかないのだが、今回は緊張することなく普段打ててるショットを繰り出せた。
そして普段打たないショットはやはり打てないのだと身に沁みて分かったのだった。

対戦相手はいろんなレベルの人がいるので、ふんわりチャンスボールがいっぱいやってくる。
これを決めに行く事が出来ず、同じようにふわんと返して反対にやられることの繰り返しだった。
チャンスボールを決められないのは昔の課題にあったのだが、このところそんなボールを返してくれる人とゲームをしていないので、昔の課題がまるまま残っていることに気づいたのだった。

サービスボックス内に肩くらいの高さにワンバウンドするボールがいかんともし難い。
フォアハンドストロークで相手コートに叩き込みたいのだが、大きくオーバーするかネットに突き刺すか、どちらかの結果しか頭に浮かばなくて、そんなスイングができない。
とりあえず相手コートに返すだけになってしまう。

そんなボールを出してもらうか、自分で目の前に高く弾むボールを手出しするかして練習しなければと心に刻んで帰ってきた。
とにかくチャンスボールを決めにいける自信をまずは持てないといけない。
ミスしてもへこたれずに修正を加え、自信を持って仕留めに行けるようになるまで繰り返し練習するのだ。


それはそれとして試合を振り返ると、癖の強いプレーをする人が多くて面白かった。
負けはしたが試合の駆け引きを楽しむことができたことに、自身の成長を見た気がする。
決めのショットもガッチリ決められるよう、次の対外試合に向けて準備していこう。


うすにごり

2023-03-16 06:23:37 | お酒
今飲んでる日本酒は先月行った伊丹の蔵まつりで買った奴である。
封を開けて飲んだ一口目が衝撃的だったので記事にしておく。
要冷蔵の生酒で、うすにごり。
にごり酒の甘ったるいのは苦手だが、辛口だと書いてあったから買ったやつだ。
辛口に入るがそこまで辛くはないよとお店の人が言っていた。
それはその通りだった。



封を開けたのは買って帰った一週間後。
冷蔵庫に入れている間に沈殿したにごり成分を、瓶をやさしく回して攪拌し、一合分を冷酒用の器に注いだ。
白い酒だから盃は黒いのを使った。
口に含んで驚いた。
複雑な味わいが口いっぱいに広がったのだ。
まさに言葉どおり「ジュワッ」と。
な、なんだこれは。



味は確かに辛口。
でも豊醇な旨味が舌の上に厚みとなって感じられる。
こんな味わいってあるのか?
なんだか物理的に口腔を刺激されるような感覚があるのだが、これはなんなんだろう。
不思議に思い盃をよく見ると、白い酒の表面に細かな泡が立っていた。
ああ、微発泡してるのか。



シュワシュワするほどではないが、舌や口腔に触れて反応した炭酸が、この不思議な味覚をもたらしているようだ。
うーむ、面白い。
もう一口。
辛口ではあるがその複雑な味わい故に旨味が甘さももたらすようで、後口は甘い酒を飲んだ時のような満足感がある。
過去に飲んだ酒で、記憶に残る酒はそう多くはないが、この酒はその仲間入りをしそうである。




今年も突然春が来た

2023-03-14 06:18:57 | Weblog
春になると白く可憐な花を見せてくれるハクモクレンの木が近所にある。
金曜日、帰宅時に見上げると、蕾が今にも咲かんと膨れていて、お休みには一輪二輪咲いているのを見ることができそうだと思っていた。
しかし、このお休みに様子を見に行ったら、ほぼすべての蕾は花開かせ、満開状態。
土曜日曜と暖かかったからなあ。
てことで春が来ましたよ、春が。