雨上がりの渡月橋

2020-06-28 22:00:43 | その他旅行き
美術館の目の前には桂川がある。
前日の雨で濁流が轟々と流れ下っていた。
じっと見てると吸い込まれそうだ。
こんなになるような雨が降ってたんだ。
知らなかったな。
川中にある杭に鵜と思われる鳥が止まって水面を見つめていた。
「これじゃあ魚は取れねえな、ああ腹減った。」という吹き出しが見えた。



我々は美術館から渡月橋への途中にある蕎麦屋で昼食を取ることにした。
まだ少し早い時間だったからか、窓際の良い席に案内された。
桂川に渡月橋がよく見える、とても贅沢な場所だ。
ざる蕎麦のセットを食べていると徐々にお客さんも増えてきた。
客の入りがコロナ禍が来る前はどうだったのか、コロナ禍の渦中ではどうだったのかは分からないが、お客さんは戻って来ているのではないかという印象を受けた。



食後、渡月橋へ。
数日前、6月19日の都道府県を跨ぐ移動自粛解除前の渡月橋がTVニュースで映されていたが、ほとんど誰も歩いておらず閑散としていた。
対比して流されていたのは数年前の渡月橋の様子。
橋の上が人で渋滞していた。
こんなバカ込みの時に来たくは無いが、閑散とした渡月橋も寂しいもので、また賑わいが戻ることを祈りたい。



この日の渡月橋はTVニュースの数日前の状態とあまり変わりは無かった。
自粛解除初日だし、平日でお天気も悪い。
翌日の土曜、そして日曜日はどうだったのだろう。
私のような自粛要請解除待ちの人がいっぱい来てたらいいですな。
さあ、みんなで旅に出よう!(マスクして
濁流を眺めながらぶらりと歩いて渡り、対岸のカフェでコーヒーを飲んだ。
とても短い京都観光はこれで終わり。
帰りは阪急の嵐山駅まで歩き、阪急電車で大阪へ戻った。




若冲の画

2020-06-26 06:32:32 | その他旅行き
福田美術館は嵐電嵐山駅から歩いてすぐ。
予約の時刻より少し早く着いたので、付近の写真を撮って戻ってきたら、ちょうど開館時間となった。



受付にスマホでオンライン予約したチケットを見せ、非接触式の体温計で検温され、手をアルコール消毒して入館である。
カメラをカバンに仕舞おうとしていたら係員の方が写真を撮っても良いと教えてくれた。
ええ、そうなの?
びっくりしてしまった。
手前のガラスにカメラをぶつけないよう注意すること、撮影不可の表示のある作品は撮ってはいけないこと、を守れば良いそう。
最近の美術館は撮影OKなところが多くなったなあ。
現代美術の作品ならまだ分かるが、歴史ある絵画を撮っていいってあまり聞いた事がない。
私の知らないうちに美術界の考え方が変わったのだろうか。



館内はマスク必着である。
密室空間に入ると掛け軸や屏風に描かれた作品が沢山並んでいた。
入場制限しているとはいえ、なかなかの見学者の数である。
人気ですな。
伊藤若冲の画の実物を見るのはたぶん初めて。
展示はカラーの作品もあったが、墨で描いた画の方が多かっただろうか。



名作は本物を見てこそその良さが分かるなどとよく言われるが、その意味が分かる気がした。
間近で見る微細でかつ大胆な筆遣いも凄いのだが、ふと気付いたのはその構図の良さである。
折り畳んだ屏風や掛け軸の縦長の枠に、これ以上ない絶妙なバランスで重み付けされ余白を配してあることに気付き、鳥肌が立ってしまった。



構図と言えば写真撮影技術のひとつでもある。
これらの画をより大きな紙に描いた後、構図を整えるのに四角に切り取ったと言うなら分からんではない。
写真で言うところのトリミングって奴だな。
写真はすでに形あるものの眺めを切り取るのだから、構図はまあ整え易い。
しかしこれらの画は予め枠が決まっているところにゼロから描いて構図を決めているのだ。
こんなことが可能なのか?
舌を巻いた。



美術館は新しくとても綺麗な建物で、通路からは庭園越しに桂川が望める。
展示室は大きなのが二つと小さな部屋が一つ。
若冲の作品だけでなく、関連作品の展示もあった。
大きな美術館だと鑑賞するのに疲れてしまうが、ここは程良い大きさだ。
小さなショップがあり、若冲の鶏が描かれた手拭いを買い求めた。
久しぶりの旅の記念だ。
そろそろお昼時。
カフェもあったが退出して外で食べることに。
続きは別途。




旅解禁〜まずは嵐電で

2020-06-24 06:35:04 | その他旅行き
6月19日から都道府県を跨いでの移動の自粛要請が解除された。
マスクは手放せないにしても、また旅ができるようになって、うれしい限り。
その6月19日は偶然にも用事があってお休みの予定を入れていた。
用事は半日あればよいので午後に回し、午前中で府を跨いで遊びに行くことにした。
府を跨ぐ、そう、連れが京都に行くなら今が空いてていいぞと言うので、連れが行きたいと言う美術館へ行くことにした。



オンライン予約したのは、福田美術館の「若冲誕生〜葛藤の向こうがわ」。
美術館があるのは嵐山は渡月橋のすぐそばだ。
大雨の予報だったので、連れがあまり歩かなくてよい行き方を探し出してきた。
阪急で西院駅まで行って嵐電に乗り換え、嵐山駅へ。
阪急なら桂駅から嵐山線が分岐していて、こちらの方が早そうだが、久しぶりに嵐電に乗ってみるのもよろしかろうと、遠回りして行くことにした。



嵐電は京福電鉄の路面電車の愛称で、京都に遊びに来た時、何度か乗った事がある。
阪急の西院駅は地下駅で、嵐電の西院駅への道標に従い地上に出たら、もうそこが駅だった。
(ちなみに阪急は「さいいん」駅で、嵐電は「さい」駅と読む。)
おお、これは濡れなくてよい。
と言っても雨は小降りでほとんど降っていなかったが。
ホームの目の前には嵐電の車庫があって、電車が来るまで見慣れぬ景色でプチ旅気分を盛り上げた。



西院駅から嵐山駅までは20分ほど。
途中の駅名に、ああ、こんな所があったなあと記憶を刺激された。
嵐山駅にあるお店は開店準備をしているところで、まだまだ静か。
平日の朝だからこんななのかと思うが、今はお休みでも観光客は少ないと聞く。
外国人観光客はまだ戻って来そうにないので、国内の観光客で賑わう駅を見たいものだ。
建物を出ると雨は上がっていた。
続きは別途。




宮川駅/離宮院公園

2020-06-20 18:42:07 | その他旅行き
JR参宮線沿線紹介、7つ目は宮川駅。
今手持ちのネタはこの駅が最後である。
意外と撮ってたなあ。
ネタがないのは、多気駅、五十鈴ヶ丘駅、池の浦シーサイド駅、鳥羽駅である。
この内、池の浦シーサイド駅はこの2020年3月のダイヤ改正で廃止されてしまったようだ。
この駅、臨時駅の扱いだったよなと調べたら、利用客減少に伴い廃止となったと書かれていた。



おっと、宮川駅の話だった。
この駅へも隣の山田上口駅から歩いてやってきた。
山田上口駅は町の中にあったが、宮川駅までくるとだいぶ郊外にやってきた感がある。
線路の南は大きな農家と田畑が目立つ。



駅に入る前に、すぐ隣にある離宮院公園を歩いた。
こんなのがあるとはここに来て初めて知った。
平安の昔、伊勢神宮に仕えた斎宮の離宮があったところらしい。
建物は当然残っていなくて、木々が空を覆い、薄暗いところだったと記憶している。
国の史跡で古代の遺構が残ってもいるようだが、これは後から得た知識だ。
その時は案内図を見て、広いところだなあと感慨し、西側にある官舎神社へとまっすぐに突っ切った。



官舎神社は離宮がこの地に来た時、同時に他の地から遷座したらしい。
白い鳥居が珍しい。
由緒書きによると、旅の神様、漁業の神様だそう。
お詣りして、来たときとは逆の方に出て宮川駅へ向かう。



駅前は小俣の町である。
駅舎はなかったはず。



夕暮れの風景を撮って帰宅した。
ああ、よく歩いた日だった。




山田上口駅/宮川

2020-06-19 23:29:14 | その他旅行き


JR参宮線の駅紹介、6つ目は山田上口駅。
伊勢市駅の一つ多気寄りの駅である。



ここも駅舎はあるが無人駅。
白い壁に茶色い瓦屋根。



私は他であまり見たことのないデザインの駅舎だと思っている。
駅名の表示もかわいい。



待合室はガランとしていて、空っぽ感に心が喰われてしまう。
その昔、駅員のいたころを想像する。



木製のベンチが並び、お店や観劇のポスターがたくさん貼られていたのではないだろうか。
片隅にとても小さな売店なんかもあったかもしれない。



そんなことに思いを馳せさせる魅力ある駅舎である。
だいぶ気に入ったようで、いつになく建物の写真をたくさん撮っている。



このシリーズ、これまでは駅最寄りの何かしらを訪問した記事を載せていたが、山田上口駅は伊勢市駅から歩いてやってきて、写真撮影して次の宮川駅へと再び歩いた通過駅だった。



特にどこにも訪問していない。
仕方ないので、次の駅への途中にある宮川を話題にしよう。



宮川は全国で水質の良い河川の上位にランクされるきれいな川である。
歩いた辺りはもう海も間近で、こんな下流域の水質はそれほどではない気がするが、上流はさぞかし綺麗なんだろう。



夏場に神宮奉納花火大会が行われる場所でもある。
今もやっているのかな。
子供の頃に連れてきてもらった事がある。
河原に屋台が並び、その向こうに花火が上がるのだ。



発電機の音。
これから上がる花火の作品名を知らせるスピーカーの声。
花火の爆発音が腹に響く。
最後のスターマインが一番大仕掛けと聞いてそれを見たかったのに、最後までいたら混雑で帰りが遅くなると諭され、いいところで泣く泣く帰宅の途についたことを思い出す。
そんな場所である。




田丸駅/田丸城跡

2020-06-14 12:02:01 | その他旅行き
JR参宮線沿線紹介、5つ目は田丸駅。
外城田駅の一つ鳥羽寄りの駅である。
趣きのある古い駅舎が残っていた。
今は無人駅。



駅を出て向かう先は田丸城跡。
その前にコンビニはないかと探しつつ歩く。
丁度お昼時でサンドイッチでも買って、城跡で食べようと思ったのだが、ざっと見渡した範囲にコンビニも食料品店も見つけられなかった。
あちこち探せばあったのかもしれないが、とても目立つ和菓子屋さんがあったので、どら焼きみたいなものでもいいかとお店に入った。
何年も前のことで何を買ったかもう忘れてしまったが、お腹が膨れそうであまり甘すぎない物を買ったと思う。



さらに行くと町役場があり、中学校があった。
この辺りから石垣や門の遺構が現れ始めたはず。
本丸は中学校の裏手にあるようで、校舎を左に見てさらに行くと石垣の連なりが現れた。
建物はまったく残っておらず、石垣が通路に沿って続く。









観光地化はされていなくて、町民の公園として憩いの場を提供している感じのところだ。
本丸跡と思われる場所からは西側が開けて見えた。
田畑が広がる中を住宅地が侵食つつある景色。



お昼を食べた後、散策して回った。
本丸への通路から脇にそれた裏手に北の丸があり、本丸の裏側の石垣の壁を見上げた。
意外と広かった印象が残っている。









見学後、駅へと戻る公園横の道に蒸気機関車が置かれていた。
なんでこんなところに。
こういったのはいろんなツテがあって収まる場所が定まるんだろうな。
想定より早く田丸駅に戻れたので、時間まで行き来する列車を撮影した。













新しい家族と気付いた間違い

2020-06-12 23:30:11 | Weblog
連れがまた小さな観葉植物をもらってきた。
今度はガジュマルという木だ。
ぷっくりとした幹(気根というやつかも)がかわいらしい。
早速育て方をネットで検索。
水のやり方などこれまで育ててきたカポックとほぼ同じである。

<以下、写真はすべてガジュマル>


ついでにこの一年で大きく育ったカポックの植え替え方法も調べてみた。
出てきた画像を見て、なにやら違和感を覚える。
葉っぱが家にあるのより多いのだ。
よく見ると葉っぱの形も違う。
これまでカポックだと思っていた我が家の観葉植物はカポックではないのでは。



そんな疑問を胸に、検索画面の類似項目にパキラという名前があったので開けてみると、あ、これだ。
葉っぱの形が一緒だ。
パキラの特徴を読むと、葉っぱは5~7枚とあり、我が家の5枚とも合致する。
カポックの写真には8枚くらい葉っぱが出ていて、葉っぱの形も丸っこい。
連れがカポックと教わりもらってきたこの観葉植物が初めて家にやってきた時もこの画像を見た覚えがあるが、茎の一ヶ所から複数の葉っぱが出ているのが似ていたので、違う植物だと気付かなかったようだ。



うーむ、一年も一緒に過ごすとやっぱり違うものだな。
葉っぱの形や出方の違いがすぐに分かった。
連れが間違えた名前を教わってきたにしても、一年間も間違えた名前で世話をしてきたのか。
パキラくん、申し訳なかったね。


<念のため、上の写真はすべてガジュマル>


戻ったもの、戻らなかったもの

2020-06-11 06:19:15 | テニス
街は少しづつ元の生活を取り戻しつつありますな。
朝の電車も人が多くなった。
このまま感染の第二波が来ないよう願いたい。
テニスも再開。
これまでにないブランクを置いて久方ぶりにプレーした中身は思ったとおり悲しいものだった。
毎週少しずつ奥行きを深めてきた各ショットのコツを全て忘れてしまったと言ってもいいくらい。
頭の中にイメージは残っていたので、すぐに取り戻せるさと思っていたが、何回か練習しても戻ってこない。
身体が筋肉の動かし方をすっかり忘れてしまっている。
イメージのスイングを復元できないのだ。
くやしいのである。

サーブもストロークも、スイングの始まりから終わりまで各所で注意すべき点が自分の中にはあるのだが、昔はその内のうまくいかない部分だけに注意を向けてやれば良かったのが、ほとんど全ての箇所を意識しないといけない感じ。
休んだのと同じだけ時間をかけないと戻らないんだろな。
ただ、休養してただけあって、慢性的に傷んでいた腕や肩が軽く回るという良いことも。
プレーしてたらまたすぐに痛くなったので、よろしくない打ち方をしてるのかもしれない。
なんにせよ、テニスができなくなって、やることを探さねばいけなかった週末が、再びテニスばかり予定の入る週末に戻った。
調子を復活させるべくがんばろう。



伊勢市駅/月夜見宮

2020-06-06 01:43:37 | その他旅行き
JR参宮線の「限定的な」沿線紹介、4つ目は伊勢市駅。
伊勢神宮は外宮の最寄り駅である。
駅前には鳥居があり、そこから外宮へ向かって街中の参道が伸びている。
この道、昔はただの街路だったはずだが、観光客向けのお店が増えてすっかり観光地らしくなった。
外宮さんは何度もお詣りしているので、この時は賑わう参道を撮っただけ。



伊勢市駅は車両基地になっていて、敷地はなかなかに広い。
歩道脇からと、少し離れた歩道橋上から駅構内を覗き、望遠レンズで引き寄せて撮影。
うまく快速列車がやってきて、車両の切り離し作業を見ることができた。
撮影は2017年である。












歩道橋の向こうには月夜見宮がある。
外宮の別宮だそうだ。
四角い敷地は常緑の立木に囲まれ、用水路のようなお堀がその周りに巡らされている。
ほほう、別宮ともなると違うのだなあ。
そこから反対側にある入口へと歩く。






四角形の一辺が長く結構な距離がある。
この記事を書いていて気がついたのが、境内の周りを囲む木々は外城田駅の回で書いた朽羅神社と同じような感じだ。
この月夜見宮は街中にあるので、遠くから見ることはできないが、もし周りが田園地帯だったら朽羅神社と同じようにここだけ森があるように見えるのだろう。
その大きさは随分と違うが、造りは同じなのだな。
境内に入ってお詣りしたのだが、どんなところだったかまったく記憶に残っていない。
なので肝心の雰囲気は記事に残せず。
写真だけ掲載しておく。
















黄色いカエル

2020-06-02 06:26:23 | お酒
ビールをいろいろと取り揃えているローソンを久しぶりに訪れた。
ヤッホーさんのビールを何かしら買って帰ろうとビール売り場へ行くと、なんと「僕ビール君ビール」の新作が置いてあった。
おー、願ったりかなったり。
普通のビールと合わせ購入した。



次の晩、しっかり冷やした奴をいただいた。
グラスに注いだ色は薄くてレモン色。
グラスに鼻を突っ込み香ると、ホップが控えめに匂った。
口に含むととてもさっぱりとした舌触り。
うーむ、これはちょっと物足りないかと思ったが、しばしのち、ほんのりとした苦味が立ち上がった。
ほほう。
そして後口はさっぱり甘め。
再度香りを確かめると、トロリとしたトロピカルな香りに変わっていた。
揮発性のホップの香りが抜けて、本体の香りが立ち上がったようだ。
へえ、香りが変わるビールってあまり記憶にない。



直後に一般的なビールを飲んだが、こちらは口に含んだ時、飲み込んだその時に苦味を感じ、その苦味が後口、余韻として繋がるのだ
味わいにあまり変化がない。
苦味も先のに比べると爽やかな感じはなく、重たく重鈍。
この新作はわずかな苦味だがとても軽やかだ。
上手いこと作ってるなあ。