日曜日、新生活に向けて準備することがいろいろあるのに、遊んだ感を得たくて山へ行った。
このところなんか気分が晴れず、週明けに仕事に出ると憂鬱この上ない。
多分結婚騒ぎでお休みに旅に出ていないからだろう。
年末年始に帰省はしたが、何度も通った道だ、旅の移動感覚は味わえるが、新鮮味はない。
金曜日の映画鑑賞でストレス解消したが、それはそれ。
近場でいいので知らない街や山を歩きたい、な。
てことで歩いた山は近場も近場、茨木にある竜王山ハイキングにした。
登山なんて言えない、手ぶらで往復できそうなところだ。
事前調査で30分程で登れると情報を得、忍頂寺スポーツ公園に車を置いて登り始めた。
府道の交差点の上に石造りの鳥居があり、そこをくぐって出発。
道は石畳みで登山道というより参道だった。
石段はほどなく終わり、舗装された細い林道に出る。
山中に宝池寺というお寺があるらしい。
お寺?、なんで登山口に鳥居があったのだろう。
車も通らず、歩く人もいないのに、節分の紫の幟が道路脇に並び、奉納者がたくさんいるんだなと失礼ながら意外だった。
道路は時々車で上れるの?と思う程の急坂になる。
小さな広場の向こうに建物が見えた。
ありがたいことに大きなトイレがあり、使わせてもらった。
その上には左にお寺らしい建物があり、右に八大竜王を祀る神社があった。
同じ境内にあり、神仏混淆しているようだ。
ひと気は無いのに寂れた感じのしないきれいに整備された境内で、氏子なのか檀家なのか、しっかりした支持母体があるようだ。
神社は緑に囲まれた小さな池を覗くよう建てられ、苔むした岩が祭壇状におわしまし、水の神様の住処への入口にふさわしい佇まい。
水の恵みに感謝して、先へと進んだ。
そこからいよいよ山道となる。
でも険しい箇所があるわけもなく、すぐに山頂に到着してしまった。
標高510m。
立派な木製の展望台があり上ってみた。
大阪の街が霞んで見えた。
空気が澄んでいれば生駒山なんかも見えるらしい。
山頂で昼食を食べるべくサンドイッチを持ってきた。
そしてこのハイキングで実は一番楽しみにしていたのが山で飲む初ホットコーヒー。
これまでアウトドア用のストーブ(携帯バーナー)を持ったことがなく、山の上でカップラーメンを食べたりホットコーヒーを飲んでる登山者を見ると、いいなあ、あったかそうだなあ、と羨ましかった。
昨年した越中の旅で、出発する前まで中日に山に登る気だったから、いよいよ山の上でカップラーメンを食べホットコーヒーを飲むべし、とストーブを買っていたのだ。
結局雨で登山は諦めたので使わず仕舞いだったストーブの初陣である。
さて、どんなかな。
ボンベにコンロ?を取り付け、平らな石の上に設置。
幸いにして無風、風除けは不要。
ツマミを回してシゥゥ…とガスを放出し、着火。
水を入れた鍋を五徳に乗せ、しばし撮影タイム。
明るいので炎が見えず、火加減が強いのか弱いのかよく分からない。
コーッという焔の発する音を聞きつつ待つこの時間がいいですなあ。
お、沸いてきた。
けど、家で湯を沸かす様には沸騰しない。
こんなもんなのかな?
カップにドリッパーを置き、ペーパーフィルターをセット、コーヒーの粉を投入して、いざ蒸らし湯を注がん。
のほほー、お家にある細首のヤカンで注ぐみたいには上手くいかず、ドパドパとムラムラに粉にかかった。
あははー、こんななら蒸らさんでもいいか、と抽出に移るべくさらにお湯を投入。
お、出来た出来た、いただきまーす。
…うーむ、美味しいんだけど、この寒空の下だと、あっという間に温度が下がる。
熱々のホットコーヒーを期待していたのだが、ぬるぬるである。
サンドイッチを食べ終わる頃にはアイスコーヒーの一歩手前にまで冷たくなってしまった。
そうか、保温タイプのマグカップがいるなあ。
それに、コーヒーを淹れる時も鍋を火にかけつつお湯が冷めないようにした方が良さそうだ。
勉強になった。
さ、帰ろう。
ボンベとコンロをまとめ、ザックに詰め、下山開始した。
やっぱり初めて経験する出来事、行為は楽しさが違いますなあ。
色褪せた冬の景色もなんとはなく華やかに見える。
上機嫌で下り坂を下った。
次の山行きがまた楽しみである。