ねるねこ

2015-03-31 06:40:59 | その他旅行き
滋賀県は信楽にある陶芸の森で開催されている、リサ・ラーソンの陶芸展を観てきた。
スウェーデンの陶芸家で動物の置物や陶製の壁掛けなどを主に発表してきている。
彼女のデザインの猫の絵を見たことがあるが、今回の作品展を知るまでずっとイラストレーターなんだと思っていた。

さてその陶芸作品であるが、写真で見るとなんてことは無いデフォルメした動物や人物なのだが、実物を見てその造形の美しさに驚いた。
突起物は最小限に抑えられ、丸々とした体幹部にわずかな膨らみや凹みをつけて手足を表現し、釉薬を変えて衣服を着せる。
とてもかわいらしい。
発売当時人気を博したという「ABC少女」はそんな作品のひとつで、その撫で肩、脚の組み方の見せ方がうまい。
展示されているのは一点ものの作品だけでなく、型を作り複数製作した商品も含まれている。
「ABC少女」はその型取りした売り物だが、一点ものにまったく引けを取らない出来映えだ。

アフリカシリーズの「ライオン」なんて横から見たらキノコである。
しかし、たてがみが特徴的に捉えられ、きちんとライオンに見える。
ろくろで作成した実験的作品群のひとつだそうだが、この一連の作品が一番面白かった。
作品名は忘れたが座った猫。
丸々とした球に毛並みを焼いて表現しているのだが、後ろから見ると球状の身体を少しひしゃげさせていて、似ても似つかない形なのに猫のなめらかな身体のラインに見えて猫そのものなのだ。  まいった。
ただただカワイイだけでない工夫された造りに、もう感心しきり。
もし観にいかれる事があるなら、作品の周りをグルリと回り、横からも後ろからも見ることをお勧めする。

記念にてぬぐいを買ってしまった。




来たよ来た来た

2015-03-30 06:17:14 | Weblog
先々週の暖かさは梅の花だけでなく、その他の草花の開花も促したようで、車の窓からの眺めや散歩する足元に、春の彩りが浮かび上がるようになった。
そして先週の暖かさでいよいよ桜も開花。
この時期の時間の密度は一年で一番濃いと思う。
春と秋は変化の季節。
停滞している冬夏から移ろう時なので、早春早秋は小さな変化でも目につき季節の進行を感じる。
特に春は無彩色の世界からフルカラーへの転換のようで劇的だ。
帰省していたので土曜のテニススクール前後に走るお馴染みの道のドライブは2週間の間が開いた。
2週前に走った車窓の景色とはまったく違う色彩あふれた春の風景が眼前に展開された。
今週も暖かくなるようだ。
さ、本格的に始まった春を堪能しよう。





2本と3皿

2015-03-27 23:47:48 | お酒
帰省のお土産にニッカウヰスキーの余市を買って帰った。
夕食後、妹がいる時毎度の家飲みタイムに供するためだが、その場に妹もウイスキーを持って来た。
手に持つボトルデザインを見て、うわっ、お土産被ったか 、と一瞬思ったが、それは宮城峡だった。
危ない危ない。
これ幸いと二つを飲み比べたが、ひとつのグラスで交互に飲んだので違いがまったく分からず、消沈。









まあ、大きな問題ではまったくない。
つまみは3皿。
夕食をたらふく食べた後にこんなに食べて。
今回は暴飲暴食も一晩だけだから胃腸を壊すこともあるまい。
お互いの近況や最近見た映画や読んだ本の話をして、制限を設けず飲み食いした。
いやあ、楽しいなあ。


燗酒の苦味雑味

2015-03-26 23:11:43 | お酒
先週の暖かかったある晩、ちょいと良い純米酒をぬる目の燗で飲んでみようと電子レンジで温めたら、真冬の感覚で時間設定してしまい、温め過ぎてしまった。
上燗くらいになっただろうか。
仕方なく飲んだら、これがまたまずい酒になってしまっていた。
苦味というか雑味というか、舌の奥の方にベッタリと刺激的な後味が盛大に残る。
ありゃあ勿体無いことをした。
冷やして飲むとそれはそれはやはらかな口当たりの美味しいお酒だったのに。
やはり銘柄によって旨く飲める温度帯があるのだな。

とその時は認識を新たにして終わったのだが、翌日いつも熱燗にしている安いパック酒をこれまでと同じように熱燗にして飲んだら、前日の純米酒と同じ苦味雑味が感じられた。
このパック酒は熱燗にしても美味しく飲めていたのに。
なんでだ?
これまでもその苦味雑味は含まれていたけど、弱くて気にならなかった?感じなかった?のが、純米酒の失敗燗でその味を知り、味覚の前面に出て来たのだろうか。

さらに、帰省した時にも実家にあった別銘柄の酒を燗して飲んだが、同じように苦味雑味を感じた。
困ったなあ。
どの酒でも燗すれば出てくる味覚成分だとすると、もう熱燗を美味しく飲めなくなってしまったのか。
仕方なく2本目は冷やで飲んだ。
が、ふと思い付き、試しにこれまでやったことのないほんの少しだけ温めた(日向燗?)で飲んでみた。
問題の味は感じられなかったので、温めても温度が低いと大丈夫なようだ。
さらにもう一つ気付いた事が。

冷やで飲むと上品な果物を思わす甘味とまろやかさが口腔に拡がるが、ほんの少し温めるだけでこれが抑えられ、エッジが立って締まった味わいになったのだ。
さらにもう少し温めて(人肌燗?)みると、さらに締まってキレのあるものに。
そのキレの裏に例の苦味がわずかに見え隠れする。
燗すると苦味が増すか甘みが減るかして、ある温度を超えると主体となる味覚成分が入れ替わるのだろう。
その温度が酒の銘柄によって違うのだ。
冬場はアチアチの熱燗が嬉しいので、そんな温度でも苦味のでない酒を探してみよう。

月曜火曜と休肝日だったので帰省から戻って試せていなかったが、水曜の晩に再度家のパック酒をぬる燗くらいにして恐る恐る飲んでみた。
すると先週感じた苦味雑味は気になるほどではなく、美味しく飲めた。
ホッとした。
今晩は上燗にして飲んでみた。
昔の味わいに戻っていた。
確かにそれらしき苦味はあるが、雑味と言うほどでは無い。
体調や食べ合わせのせいだったのだろうか。




この春は観梅三昧

2015-03-25 23:51:23 | その他旅行き
今回の春の帰省の道草先は月ヶ瀬梅渓にした。
いや、これはもう道草とは言えない。
半日しっかりと時間をとって観梅してきた。
今シーズン最後の観梅先となるだろう月ヶ瀬梅林は、奈良県を代表する梅林のひとつで、ダム湖を望む高台にある。
ダム湖が出来る前は渓流沿いに梅林があったので梅渓ともいうようだ。
帰省ルートにも寄るが、すぐ近くを通りつつこれまで来たことがなく、気になっていた所だ。



WEBで見る当地の梅まつりのパンフレットには複数の駐車場のマークがあり、どこに止めるのが便利なのか分からず、梅林をぐるりと巡るつもりだったので、入口にある湖岸の駐車場に止めて歩き出した。
赤い橋を渡ったところにある「梅の資料館」で紙のパンフレットを手に入れ、梅林中心地らしい方に向う。
歩いて分かったが、このパンフレットの地図はデフォルメされ過ぎてて地図としての機能は低いので注意要。
大体この辺、て感じでしか使えない。



代官坂と呼ばれる急な長い遊歩道をまず登る。
この辺りには梅の木はパラパラとしか無く、花もあまり付けていない。
大丈夫なのかと心配していたら、ようやく梅の木が密生しだした。
坂を上りきると、歩いても歩いても梅の木が現れた。
とても広い範囲に見どころがあり、半日では全てを回ることが出来なかった。
すごいとこだ。
多分核心地と思われる場所を撮影して回った。



広いだけでなく、花の眺めも変化に富んでいた。
農業用の栽培地なのか、なだらかな斜面一面に梅の木が拡がっていたり、梅の品種園があったり、茶店が並びそのテラスから花を見降ろしたり、ダム湖を見晴らしたり、お寺の境内の庭に梅の木を見たり。
栽培用の梅の木が多いのだろうけど、枝垂れ梅も各所に見られ観梅客の人気を集めていた。
咲き加減はちょうど見ごろで、散り始めの木とまだつぼみの残る木が少しあり、以外は咲き揃っていた。
もう壮観だった。
これだけ状態の良い梅の花々を見たのは初めてだろう。
梅はつぼみが一番可愛らしいと思っていたが、咲きたての花弁も生き生きとしていてみずみずしい。



先週の暖かさで一気に咲いたようで、ボチボチ開花が進むようなときは咲き始めの古い花が混じるものだがそれがなく、ほぼ全てが開いたばかりというのが新鮮な理由だろう。
水木金とWEBで開花状況をチェックしていて、毎日2分づつ開花が進んでいた。
HPでは湖畔沿いと山手に分けて状況が表示されていたが、水曜に湖畔沿い5分咲き山手3分咲きだったのが、金曜には早くも湖畔沿いが見ごろ、山手7分咲きとなっていた。
土産物屋のご主人もお客さんに、先週の土曜は全然咲いてなかったのが一気に咲いたね、と話していた。
気まぐれな気候と帰省のタイミングが合致してくれた幸運を享受した。



まだ歩けていないエリアが残っているので、また来たいものだ。
しかし今年の早春は梅の花にだいぶ入れ込んでしまった。
おかげでつぼみの幼さから今をときめく花弁の美しさまで、存分に堪能することができた。
こうしてひとつの花を追いかけ続けるのも面白いかもしれない。




春の道

2015-03-24 23:31:15 | Weblog











事前に決めた撮影テーマ「春の道」を念頭に撮った。
なかなか難しかった。
テーマ設定時、今後引き続き取り組むテーマとしても考えたので、山に行った時に登山「道」を撮るのが好きなこともあり、「道」を主題にしてみた。
登山道は幅は狭く起伏があって周りに植物がたくさん生えているので、変化があり構図がとりやすい。
いいテーマだと思ったが、今週末の行先は山では無かった。
幅広い、舗装された味気ない道に、如何にして春を盛り込むか。

難しくはあったが、面白くもあった。
制限を設けなければ目に付いた好きな被写体を主役として、いつもと同じような構図で撮るだけだが、被写体に必ず道を絡めなければいけなく、それ故構図や脇役がこれまでと変わった気がする。
「道」と同じフレームに入る主役の被写体も探さねばならず、観察力アップに繋がりそうだ。
水の通り道だから川も「道」の一つだろうと水路を撮ったり、人が歩けば広場も「道」だろうと都合よく考える柔軟性(なのか?)もいい方向に作用しないだろうか。
テーマ設定の意義が少し分かった気がする。



計画的道草

2015-03-21 01:17:48 | その他旅行き
実家に帰省するのは、法事などなければ春秋のお彼岸に、お盆に正月の年4回だ。
そのうち春の彼岸の帰省は他の季節と比べ一味違う。
とても心軽く楽しみだ。
帰るという目的が、でなく帰る途中の道程が、だが。
やはり寒い冬を乗り越え、3月後半の暖かくなりつつある日の初の長距離ドライブになるからだろう。

毎年春帰る日は、途中で道草して山野の写真を撮ったり、暖かい車中で読書や昼寝するまったりとした時間を過ごしたいと考えるが、夕食までに帰り着けばいい、スケジュールに余裕のありすぎる一日なので気持ちは緩み、出発が昼を過ぎてからなんてことがほとんどだ。
なので道草できても短時間でじっくり味わえず、いつも失敗したなあと後悔する。
やはりキチンと計画して出発しないと道草する時間は確保できない。

今週末は幸いにしてお天気良さそう。
午前早くに出発して、たっぷり道草&写真撮影するぞ。
この帰省の写真撮影のテーマは「春の道」とした。
どんな道を表現できるか。
今回はしっかりとゆっくりと帰省途上の春を楽しみたいものだ。

<昨年春の道草にて>



伏見の酒どころ巡り

2015-03-20 00:37:38 | お酒
伏見の観光案内図に載ってる酒蔵で目立つのはやはり大手。
黄桜酒造や月桂冠なんて名が目に入る。
月桂冠は大倉記念館という立派そうな名の施設があるようだ。
御香宮神社参拝後、そこを目指して歩いた。
途上にキザクラカッパカントリーなるものがあった。
黄桜酒造の直営店で販売所やレストランがあるみたい。
新しくキレイなところなので、少しだけ覗いて出てきた。



観光案内図には寺田屋の記載もある。
坂本龍馬が捕物の標的にされた所だ。
日本史は不得手で、龍馬は寺田屋で暗殺されたと思っていたが、この記事を書くのに調べてみると、殺されたのは京都河原町の近江屋だった。
2回も襲われてたのね。
なんでか寺田屋の名前はしっかりと覚えていたので訪れてみたのだった。
しかし閉館時間が早くて15時半位に終了らしく、到着したら「閉館です」と周りに告げる声が聞こえた。
早すぎ~。
まあ、宿泊できるようなので夕餉の準備などあるのでしょう。
今の建物は当時のものではないらしいので正確には寺田屋跡。
建物内がどれほどのものなのかは不明。
看板だけ撮っておいた。



月桂冠の建物群に到着。
ここでもお酒売場と喫茶スペースを見つけた。
その建物は木造で大正時代に本社だったものらしい。
天井が高くていい雰囲気なので、お茶することにした。
酒どころなだけに喫茶スペースでお酒が飲める。
利酒セットなんてのもあったが少しお腹も空いたので、アイスクリームにお酒をかけて食べるスイーツを選択。
この辺り一帯、酒好きにはいい所ですなあ。



アイスクリームにかけるのは日本酒と果実酒どちらか選べるので日本酒を注文した。
が、やってきた液体は色が付いてた。
さすが酒どころ、こんな日本酒があるのかと少し飲むと日本酒らしからぬ渋い味わい。
アイスクリームにかけて食べると渋さと甘さが混じり合ってなかなか良い相性。
でもふと思った。
色といい味といい、実は店員さんが間違えて果実酒を持って来たのかもしれない。
こういう日本酒だと言われれば、そうなのか、とも思うし、??だったが美味しかったからまあいいかと不問に付した。
そんなことして時間を使ったので、その後行った大倉記念館も閉館時間を過ぎていた。
酒蔵はほとんど何も見てない。
伏見には再度訪れねば。



寺田屋の誤認識の件、記事を書きながら思い出した。
高知にいた頃、TVで盛んに流されていた土佐鶴という日本酒のCMに、寺田屋の暖簾が度々映されていたのだ。
当然撮影セットの。
龍馬は出てこないが、2階の部屋に居るだろう龍馬に熱燗を届けるお龍らしき美人女優が、暖簾を分けて現れ微笑む映像の記憶がある。
パターンを変えて何種類も何年も放映されていた。
それで宿屋で暗殺された龍馬の浅い知識と寺田屋が結び付いたのだろう。
今回の記事で寺田屋の章だけ酒と関係ない内容だなと思い書いていたが、実は自分にとっては酒つながりがあって不思議な感慨を得た。



安産祈願

2015-03-18 23:10:31 | その他旅行き
京都伏見は初訪問。
伏見といえば酒どころ。
時間はあまりないが、寺社にお詣りしつつ酒蔵を訪ねてみよう。



JR桃山駅から歩き出し、まずは御香宮神社へ。
この辺りの観光案内図を見ると必ず載っている神社なので、由緒縁起など知らずに訪れた。
主祭神は神功皇后で安産の神様らしい。
若い女性やカップルがお詣りしたり、祈祷を受けたりしてる。
安産か。
お願いはどうしよう…。
身内に出産予定者はいないし、今の私には一番縁遠い様な気がしたが、 思いついた。
産むものはなにも赤子ばかりではない。
アイデアしかり、芸術作品しかり、生みの苦しみを伴うものはたくさんある。
使う漢字が少し違うが。
なので最近手に入らず困っていたブログネタが、スルスルと生み出せるようお願いした。



そしたらこの旅の後、次々とネタが出るわ出るわで嬉しい悲鳴。
まあ、旅した後だからというのもあるかもしれないが、お願い聞いてくれたものと思おう。
しかしネタは出るが表現する言葉が出てこなくて、筆は進まない。
言葉も淀みなくスルスルと生み出してくれるようお願いしておけばよかった。
失敗失敗。
このあと酒蔵なんかを見た後、その日最後に訪れた長建寺は御本尊が弁財天。
弁天さんは芸事の神様だからとここでも写真撮影技術向上をお願いした。
こちらのご霊験はどうだろうか。


車中の春と駅の春

2015-03-16 23:05:30 | その他旅行き
山城青谷駅はJR奈良線の駅である。
奈良線に乗ったのは今回が初めてのはずだ。
快速電車は新しい車両が使われていたが、普通電車は型の古いやつが走っていた。
天井に扇風機がついてる奴だ。
なかなかローカルな感じでよろしい。

帰りの駅のホームは観梅を終えたお客さんで溢れんばかりだったが、やって来た京都行きの普通電車はがら空きで、最後尾の車両でうまく座席を確保できた。
曇り空で肌寒かった外に比べ車内は暖か。
しかもロングシートの座席は下から暖気が立ち上り、お尻が非常に暖かい。
撮影した写真をチェックしていたが、暖かさと疲れから眠気に襲われ、あっけなく寝入ってしまった。
しばらくしてなにやら眩しく、寝ぼけ眼を上げると、それまでなかった日の光が窓から差し込んでいた。
梅の花の記憶にその明るさと暖かさが相まって、その日一番春を感じた時となった。
幸せな気分を連れて、再び夢の中へ。



その日はまだ時間があり、伏見の町に寄って行くことにしていたので、桃山駅で下車。
寝過ごさずよかった。
駅に降りて驚いた。
ホームの脇に桜が咲いていた。
品種は分からないが濃い桃色の花がぎっしり。
すでに満開を過ぎて、散ってる花もあった。
咲き始めの梅もビックリの早咲きの桜だった。