雨の日、コーヒータイム

2019-09-13 06:34:38 |  2018-2019瀬戸内逍遥
高松港を東に行くと北浜alleyという集合店舗がある。
レストランや雑貨屋、書店、カフェなどが古い倉庫群をリノベーションした建物に入っている洒落たところである。
そのなかのカフェでお茶した。



窓際の席が空いていて、連れと並んで座った。
あいにくの雨がまた降り出し、窓辺はアンニュイな雰囲気が漂う。
ケーキをシェアし、コーヒーの香りを楽しみ、雨の海とコンビナートを眺めた。



そのカフェは2階の奥にあり、そこに行く途中、階段を登ったところにいい雰囲気の本屋さんがあった。
入口から覗いただけだったが、そこで本を選んだら、ただの本にも付加価値が付いてより面白く読めそうな気がする。
写真集でも買って、カフェでページをめくれば、より贅沢な時が過ごせそうだ。




猪熊さんの趣味をみる

2019-09-09 06:29:30 |  2018-2019瀬戸内逍遥


四国村ギャラリーのある建物は安藤忠雄設計で、お得意のコンクリート打ちっ放しである。
入口を入ったところにあるソファでちょっとひと休み。
コンクリート壁の内装デザインを鑑賞。
日本全国どこに行っても安藤建築に出会うのだが、いったいどれほどの建物を設計したのだろう。
すごいなあ。



階段を降りると入館受付がある。
料金は入村料に含まれるようで、入館料を払う必要はなかった。
今は「猪熊弦一郎展~私の好きなもの~」を開催中。
係りの方が写真撮ってもいいですよと教えてくれた。
へえ、最近はそんなところが増えたなあ。
嬉しいことである。



展示室はそんなに広くはなく、細長い廊下状の一部屋のみで、左右に作品が飾られていた。
猪熊弦一郎は抽象画を描く画家で、彼の作品と彼の収集していた小物が展示対象。
絵はよく分からないので、これらはさらりと鑑賞。
面白かったのは、猪熊弦一郎の海外での生活や創作エピソードの書かれたボード。
彼の人となりに触れさせてもらった。



そして自分としてはメインの展示と思う彼の収集品。
古い時代のオモチャや置物にはプラスチックのそれらにはない重みがある。
実体感が違いますな。












ギャラリーの奥から外に出ると、水景庭園があった。
方形の池をつなげ、水を流し落としていた。
池の間を歩いて降りることができ、先端まで行って戻ってきた。
退館前に連れが猪熊さんの動物の絵が描かれた風呂敷を買っていた。
我が家のリビングのテーブル敷きとなる予定。




四国村

2019-09-08 19:49:15 |  2018-2019瀬戸内逍遥
淡路島の向こうは四国である。
鳴門大橋を渡り、徳島を通過し香川県へ。
車で香川に来るのは久しぶり。
高速道路がずっと繋がっていて、便利になった。
あっというまに到着だ。



連れが四国村ギャラリーでやっている特別企画展「猪熊弦一郎展~私の好きなもの~」が見たいというので、屋島にある四国村へ向かう。



四国村は昭和51年にできたそうで、そんな昔からあるのに初めて入村した。



四国村は愛称で正式には四国民家博物館と言うらしい。



その名の通り四国各地から古く歴史的文化的価値のある民家などの建物を移築保存しているところだった。



入口を入るといきなりかずら橋が迎えてくれる。
池の上にかけられていて、高さは無いが足元の隙間は大人の靴でもスポッと落ちるくらい広い。
かずらの手すりにつかまり、そろそろと渡る。
池には瀬戸内国際芸術祭の作品が浮かんでいた。



村は結構な広さがあり、行けども行けども次々と古い建物が現れる。



建物は普通の民家から農村歌舞伎の舞台や砂糖を作る小屋など多岐にわたる。



砂糖の小屋は壁が丸く円柱形。



中で牛を壁に沿って歩かせ中央の臼を回しサトウキビをひきつぶしたそう。



ヨーロッパにある風車なんかの小屋みたいだ。



建物と建物の間はしっかり離れており、草木も茂り、昔の村のお隣さんはこんな距離感だったんだろうなと思わせる。



緩やかな斜面に広がっているので、眺めが立体的で変化に富む。



建物は用途別にグループを作って配置されているようで、建物群と建物群の間は石の敷かれた小径で結ばれていた。



木々が生い茂り、時を経て建物が自然と馴染んだ今の方が、出来立ての開村時よりよろしいのでは。



建物だけでなく鹿やイノシシの侵入を防ぐしし垣も、土で作られたものや平たい盤状の石が並べられたものなどあり、



歩いていると本当の村を散策しているようである。



撮影を楽しみながら登っていくと、これまでの風景とは異質なコンクリートの構造物が見えた。



ようやくギャラリーに到着したようだ。



展覧会の様子はまた別途。




熱帯植物の肌

2019-09-05 06:34:17 |  2018-2019瀬戸内逍遥
淡路島では「淡路ファームパーク イングランドの丘」で遊んだ。
花を愛で、動物と遊べる園地だ。
コンセプトからして子供向けの展示メインのところだが、私の目的は温室。
南国の珍しい植物を写真に撮るのだ。



温室の植物って面白い。
花も珍しいのかもしれないが、私が惹かれるのはボディそのものの形である。
太さがぶくぶくと変わる幹やねじれた葉、触手のようにくねり伸びる蔓。
そんな植物を目の前にすると、異世界に紛れ込んだ気分になる。



昔行った名古屋近郊の植物園だったか、そこにも温室があり、大きな熱帯の植物が見られた。
その時は「ふーん、バラエティに富んでるなあ」と思うくらいだった。
その後もう一箇所どこかの温室に入った記憶が…、定かでない。
で昨年、犬島の「くらしの植物園」に行った時、新しい視点に気づいたかもしれない。
小ぶりな鉢植えがほとんどではあったが、形態の珍しさは随一で、近づいて見ると見たことのない形状の植物ばかり。
この世にはまだまだ見知らぬ世界があるのだ。



今回の温室は高温室と中温室に分かれていて、私が見たい植物は高温室側にあり、面積は半分以下だったがそれなりに楽しんだ。
ジャングルに生えていそうな草木は、彼らが暮らす場所の大気の雰囲気を発散しているように思う。
温室の蒸し暑い空気の中で見るからかもしれないが、つるりとした開けっぴろげな茎や葉っぱが周りの空気を湿っぽくしているような錯覚に陥る。



周りが明るいので、不気味さは感じないが、面白いかもと思ったのがナイトミュージアムならぬナイト温室。
暗い中で彼らを見たら、その異世界な雰囲気はより高まるのだろうな。
どこかの温室で「夜の水族館」的なものを企画してくれないかな。




サービスエリアは憩いの場

2019-09-03 06:33:41 |  2018-2019瀬戸内逍遥
8月最終週から急に過ごしやすくなった。
日中はそれなりに気温が上がるが、朝晩は涼しい。
通勤でしたたり落ちていた汗が、歩き終わる頃に一筋垂れる程度で収まる。
これだけで1日の疲れ方が随分違うよな。



さて、淡路島へ車で行くと必ず立ち寄るのは淡路ハイウェイオアシス。
大阪から高速道路で移動して1時間を超え、ちょうど休憩するのに良い頃観覧車が見えるので、引き寄せられるようにSAに入ってしまう。



観覧車が回ってるだけでホリデーな気分を高めてくれるよなあ。
初めて来た時はいろいろ見て回ったが、複数回利用するとやることはほぼ決まってくる。
トイレを借りて、スタバでコーヒーを買い、明石大橋を眺めるのである。



なんでか明石大橋は眺めてしまう。
それだけごっつい建造物ということか。
初めて渡った時、道路は水平でなく坂道で、上って下ったのに驚いたっけ。



今回はお天気悪く、いつも人で溢れている展望デッキは、雨で誰もいない。
人を入れずに写真が撮れた。
明石大橋はいつにも増して白く煙っていた。




CHUGGINGTON

2019-06-21 21:37:06 |  2018-2019瀬戸内逍遥
岡山市の路面電車にチャギントン電車なるものが走り始めたとの情報を得て、撮影に行ってきた。
情報入手が遅すぎで、3月から走ってるらしい。
ラッピングでちょろっと車体に絵を描いたようなものでなく、ガッツリと作り込んだ車両だった。



よく出来てるなあ。
チャギントンは海外の鉄道アニメであることは知っていたが、どんな内容で登場人物(登場車両?)がどんななのかは知らない。
でも、岡山を走っていたのは私の少ない記憶にある登場車両そのものだった。



二両連結で、前と後ろに顔がある。
目にあたる部分が運転台で、後ろ側はそこに目の描かれた幕が降ろされ、キャラクターの顔が完成しているのだが、進行方向側は運転手さんが前を見るためカーテンは上げられていて、目ん玉がない。
撮るなら後ろからと書いてあった。



他の路面電車と同じく普通に運賃を払って乗るものと思っていたけど、通常運行する電車ではないようだ。
見ていたら停留場に止まらずに通過していく。
乗るためにはチケットを別途取得しなければならないよう。
これだけ作り込んでたらそりゃあ特別扱いしないとね。



岡山駅前停留場に止まっている時、電車の中を覗いたら、内部もコリコリに凝った造りになっていた。
窓ガラスが光を反射してよく見えなかったが、電車の中というより家の中みたい。
定員は何名なんだろう。




水島臨海工業地帯入口

2019-06-20 06:36:54 |  2018-2019瀬戸内逍遥
お休みの日の工場地帯はガランとしている。
平日に来たことがあるわけではないが、これだけ広い道路を設けてるんだから、その交通量はすごいのだろう。



その道をたまーに軽トラや商用車やトラックが走り抜けていくだけ。
それでも工場は稼働していて、中から重々しい音が聞こえてくる。



工場の佇まいなんかを撮影しつつ海の方へ。
赤白の煙突から白煙が立ち上り、配管が壁を這う重々しい工業地帯が広がっていないかと思ったが、そんな施設はもっと沖の方にあるようで、海から奥まったこの辺りはトタン壁の普通の工場や倉庫がほとんど。



それでも見慣れぬ景色を楽しみつつ、入江の向こう側へと歩いた。
用途のよく分からない船着場があって、小さめの船が繋がれている。



その時はしっかり観察したわけでないので記憶が定かでないが、あれらは漁船だったのだろうか。
それともプレジャーボートとかいうやつか。



丸亀へ行く船があると看板が立っていたが今も運航しているのだろうか。


水島臨海鉄道

2019-06-17 06:32:21 |  2018-2019瀬戸内逍遥
倉敷ではローカル線も訪ねた。
その名は水島臨海鉄道。
倉敷市駅と海沿いに広がる工場地帯を結ぶ片道30分の短い路線だ。
元は貨物線で後から旅客も扱うようになったそうで、現在も倉敷市駅でJR線と繋がって貨物列車が出入りしている。



土日はワンマンカーのみでの運転とあったので、平日の方が乗客が多いようだ。
三菱自工前駅が旅客駅の終点だから、通勤客が利用するのだろう。



倉敷市駅で切符を買っていたら、次の列車の改札が始まった。
ディーゼルエンジン音がやってきた。
あれ?気動車だったか。
ワンマンカーとあったが、何故か電車が走っていると思い込んでいた。
街中を走ってるからだな。



休日でもお客さんは結構いるようで、降車した人たちは次々と改札を出て行き、また乗り込む人が改札からパラパラと入ってきた。
私も乗り込む。



駅を出発した列車はスピードを上げることなくスルスルと進む。
車両表面の塗装は結構年季が入っていたが、エンジン音は新しいタイプの気動車の丸みを帯びた音。
太い線路を引いているのか、ゆっくり走るからか、揺れはほとんどなく快適である。



ほんとにゆっくり走るのである。
感じるのはゆらーりゆらーりという横揺れ。
エンジン音も静か。
沿線の住人への騒音上の配慮なのだろうか。
この速度で運行する理由は不明である。



車内はクロスシートとロングシートが半分づつ斜向かいに設置されている。
ありそうでなさそうな配置。
乗客は終着駅のひとつ手前の水島駅でみんな降りてしまった。
一人残った私は乗務員さんに検札され、「観光ですね? 切符は持って帰って良いですよ。」と言われた。



終点の三菱自工前駅は駅舎の無い無人駅。
一人ホームに降り立った。
三菱自工前駅は旅客駅としては終点だが、貨物駅はその先にもう一駅あり、列車はゆらゆらと出て行った。
周りは広い道路が走る、工場に囲まれた場所だった。




ジーンズストリート

2019-06-16 17:43:10 |  2018-2019瀬戸内逍遥
岡山から高松へ行く時通過する児島は倉敷市だった。
そうだったのか。
全然別の自治体のイメージがある。
児島で遊ぼうと思った事がなかったので、知らんかったな。
児島の見所は鷲羽山とジーンズストリート。
鷲羽山は鉄道でのアクセスが悪いので、ジーンズストリートを見学することに。



児島駅から少し離れているが、歩いて行った。
途中、下津井電鉄の廃線跡の駅舎があったので少し覗いてみた。
へえ、下津井電鉄なんてあったんだ。
今は廃線跡を整備して「風の道」というサイクリング道になってるらしい。
調べてみると1991年廃止とあった。
平成になってからだから、つい最近ではないか。
知らんかったなあ。



その後、児島で塩田王となった野崎武左衛門の記念碑を見て、ジーンズストリートに入った。
私の勝手なイメージでは屋根付きアーケードだったのだが、鯉のぼりよろしく空を背景にジーンズが吊るされた通りだった。
大手メーカーはビルに入っていたが、ほとんどのお店はこじんまりとして小洒落た店構え。
午前の早い時間に来たのでまだ開店前のお店を窓から覗き、ウインドウショッピングした。



以前梅田のデパートの催し物会場でジーンズのフェアをしてた時があり、児島から出稼ぎに来てたお店で購入したことがある。
裾が長くて切って履くか折りたたんで履くか迷っていたら、店員のおっちゃんが、今は折りたたんで使い、もういいやって思ったら切るというのもあるよとおっしゃる。
児島のお店に持って来ても、今回のように出張って来たときに持って来てくれても対応するよと言うので、とりあえず長いままにして今にいたる。



児島を通過する度その事を思い出すのだが、あのおっちゃんのお店もこの並びの何処かにあるのだろう。
もらったお店のカード、どこにやったかな。




美観地区

2019-06-14 06:42:23 |  2018-2019瀬戸内逍遥
次の遊び先は倉敷である。
倉敷観光の王道、美観地区というところに行ってみた。
倉敷駅から少し離れている。
観光客らしい人たちの後をついて大通りを行くと、街中にいきなり観光地が現れた。



なるほど、美観である。
堀の左右にきれいに漆喰の建物や壁が並んでいた。
風のある日で、堀沿いに植わった柳の葉が風になびいていい感じ。
中の方のお土産屋さんはそんな雰囲気を壊さない落ち着いた佇まいだ。



来る前は日本に数ある重要伝統的建造物群保存地区の中で、一番小綺麗なところというイメージがあった。
きれいに整備されすぎて、町に積み重なった時間を感じられないのではと思っていた。
確かに非常に整っているのだが、ひとつひとつの建物が匂わす歴史は濃いもので、なまこ壁が重なり見えるポイントでは何度もハッとさせられた。



いいじゃない。
白壁だけでなくて、アイビースクエアというところはレンガ造りであった。
古い建物が和洋取り揃えられている。
残念ながら修理中の棟があり、全体像は分からなかったが。



このアイビースクエアの横から本町通りという古い町家が並ぶ通りに出た。
私は柳揺れる川の通りだけが見どころなのだと思っていたが、結構な広がりがある。
長い通りを端まで行って戻って来たら、いきなり疲れがやってきた。



ふくらはぎがしんどい。
連れと一緒なら途中必ずお茶するので、こんなにずっと歩き続けることはないのだが、今回は一人だったので休憩するきっかけをつかめず。
ずーっと写真を撮っていた。
ぐるり一周してきたが、最初に見学した川沿いの石段下に石のベンチを見つけ、座り込んだ。



喧騒を背にふくらはぎを伸ばし、川面を渡る風に吹かれた。
喉が渇いていたので自販機でお茶を買っていたが、あっというまになくなった。
目の前を長い竿を操る船頭さんの舟がゆるゆると行き来する。
乗客は菅笠を被って乗るようだ。
堀周りの観光客のカメラの的になっていた。



ひと休みしたら少し元気になって再び歩き出した。
ほぼほぼ見て回ったが他に見るところはないかと駅の方に帰りつつ周りを見ていたら、丘の上にお寺があるようなので行ってみた。



観龍寺というお寺で、倉敷騒動という幕末の襲撃事件の史蹟らしい。
境内に入ってみるとお堂の扉は閉じられ静か。
境内へは自由に入れるが、檀家寺のようである。
裏手の道へ入ってみると鶴形山公園というのが山の上にあるよう。
眺めがいいかもとそちらへ。



石畳の道の左右は墓地。
そのまま歩いて行くと公園に出た。
が、眺望はなし。
探せばあったのかもしれないけど。
その向こうは阿智神社の境内だった。
もうお参りする元気はないので、来た道を戻る。



龍観寺まで戻ると駅への近道があったのでそちらへ。
するとそこは眺めの良い山のへりを下って行く道だった。
相変わらずきれいな石畳。
この道は寺が管理してるのだろうか? と思い歩いていると大きな鳥居が現れた。
横の看板の境内概略図を見ると、石畳は阿智神社のものらしかった。
この小山の大方が阿智神社の境内みたいだ。
そんな大きな神社と知らず、お参りもせず通らせてもらった。
失礼しました。