次の遊び先は倉敷である。
倉敷観光の王道、美観地区というところに行ってみた。
倉敷駅から少し離れている。
観光客らしい人たちの後をついて大通りを行くと、街中にいきなり観光地が現れた。
なるほど、美観である。
堀の左右にきれいに漆喰の建物や壁が並んでいた。
風のある日で、堀沿いに植わった柳の葉が風になびいていい感じ。
中の方のお土産屋さんはそんな雰囲気を壊さない落ち着いた佇まいだ。
来る前は日本に数ある重要伝統的建造物群保存地区の中で、一番小綺麗なところというイメージがあった。
きれいに整備されすぎて、町に積み重なった時間を感じられないのではと思っていた。
確かに非常に整っているのだが、ひとつひとつの建物が匂わす歴史は濃いもので、なまこ壁が重なり見えるポイントでは何度もハッとさせられた。
いいじゃない。
白壁だけでなくて、アイビースクエアというところはレンガ造りであった。
古い建物が和洋取り揃えられている。
残念ながら修理中の棟があり、全体像は分からなかったが。
このアイビースクエアの横から本町通りという古い町家が並ぶ通りに出た。
私は柳揺れる川の通りだけが見どころなのだと思っていたが、結構な広がりがある。
長い通りを端まで行って戻って来たら、いきなり疲れがやってきた。
ふくらはぎがしんどい。
連れと一緒なら途中必ずお茶するので、こんなにずっと歩き続けることはないのだが、今回は一人だったので休憩するきっかけをつかめず。
ずーっと写真を撮っていた。
ぐるり一周してきたが、最初に見学した川沿いの石段下に石のベンチを見つけ、座り込んだ。
喧騒を背にふくらはぎを伸ばし、川面を渡る風に吹かれた。
喉が渇いていたので自販機でお茶を買っていたが、あっというまになくなった。
目の前を長い竿を操る船頭さんの舟がゆるゆると行き来する。
乗客は菅笠を被って乗るようだ。
堀周りの観光客のカメラの的になっていた。
ひと休みしたら少し元気になって再び歩き出した。
ほぼほぼ見て回ったが他に見るところはないかと駅の方に帰りつつ周りを見ていたら、丘の上にお寺があるようなので行ってみた。
観龍寺というお寺で、倉敷騒動という幕末の襲撃事件の史蹟らしい。
境内に入ってみるとお堂の扉は閉じられ静か。
境内へは自由に入れるが、檀家寺のようである。
裏手の道へ入ってみると鶴形山公園というのが山の上にあるよう。
眺めがいいかもとそちらへ。
石畳の道の左右は墓地。
そのまま歩いて行くと公園に出た。
が、眺望はなし。
探せばあったのかもしれないけど。
その向こうは阿智神社の境内だった。
もうお参りする元気はないので、来た道を戻る。
龍観寺まで戻ると駅への近道があったのでそちらへ。
するとそこは眺めの良い山のへりを下って行く道だった。
相変わらずきれいな石畳。
この道は寺が管理してるのだろうか? と思い歩いていると大きな鳥居が現れた。
横の看板の境内概略図を見ると、石畳は阿智神社のものらしかった。
この小山の大方が阿智神社の境内みたいだ。
そんな大きな神社と知らず、お参りもせず通らせてもらった。
失礼しました。