週末、夏山登山に行ってきた。
むむ、夏山という言葉の響き。
北アルプスの山々の稜線や清里辺りの高原で、清々しい景色を眺め歩くのを思い浮かべてしまうではないか。
が、残念ながらそんな良いものではなく、夏の(ように)暑い日に山中を歩いてきただけ。
登ったのは大阪の南方、奈良県との境にある大和葛城山。
標高959.7mである。
当初登山日は日曜日を予定していたが、天気が悪そう。
台風の来る前に登ろうと土曜日に繰り上げた。
台風が熱気ある湿った大気を南から押し上げてきていたからか、非常に暑い山行となった。
<山麓駅から山上駅を望む>
葛城山ロープウェイの山麓駅まで車で向かい、駐車場に止めて歩き出す。
駐車場で登山道の案内図をもらった。
北尾根ルートと櫛羅(くじら)の滝ルートの二つがあるらしい。
私が持ってる古いガイドブックには櫛羅の滝ルート(ジョウモン谷道とある)しか記載がなく、こちらを往復するつもりだった。
他にもあるんだ。
歩行距離は北尾根ルートの方が長かったが、当然違う道を歩いた方がおもしろい。
上りで北尾根ルートを使う事にした。
またこの北尾根ルートという名前が良いではないか。
それこそアルプスのどこかの山を歩くようだ。
<奈良盆地>
登山道に難しい所は全くなく、小さな子どもも賑やかに歩いていた。
尾根と言っても林中だし、岩場があるわけではない。
岩層は崩れた花崗岩だったが、混合林の林床は腐葉土を積もらせ、登山道は肥沃な土が覆い平らに整地され、ズルズル滑り困るなんて事はなかった。
時折奈良盆地を見下ろせる展望地もあったりして、帰りに下った櫛羅の滝ルートより変化に富んでいた。
頂上にロッジやら茶店やらあるのでそこに電力供給するのだろう小さな電信柱が登山道沿いに立っていて山の雰囲気を壊していたが、まあ街に近い山だこれ位は仕方ないだろう。
<木肌>
しかし暑かった。
上り始めてすぐに汗だくになった。
顔を流れ滴る汗が写真撮影を妨害する。
タオルはすぐに乾いた場所が無くなり、グズグズに濡れそぼる。
木々の影の下を歩けたので日差しの下を歩くよりまだマシだった。
あまり汗をかきたくなくてゆっくりと上った上に、途中からいろんな種類のキノコが登山道に生えているのを見つけたので、いちいち足が止まる。
ずいぶんと時間がかかってしまった。
<ダイヤモンドトレールから北尾根ルートを見下ろす>
北尾根ルートは大阪と奈良の県境の山を結ぶダイヤモンドトレールに合流する。
幅広い階段の道を頂上に向かった。
茶店が現れ大きなトイレの建物の前を右に入ると山頂だった。
ベンチを見つけてザックを降ろす。
流石に1000m近い場所なので涼しく、動きを止めるとようやく汗が引いた。
だだっ広い山頂はススキが風に揺れ、秋の景色が広がっていた。
<山頂のススキ>