煎じた珈琲

2019-10-30 06:32:12 | その他旅行き
芸術鑑賞は心を刺激されるが、頭を使い体力も消耗する。
疲れたのでお茶して休憩することにした。
岡山芸術交流のチケットは、一番最初に岡山市立オリエント美術館で購入し、そのままそこで展示されている作品を鑑賞。
その時に併設の喫茶室入口のメニューにアラビックコーヒーなるものを見つけ、アラビックコーヒーってなんだろうと気になっていた。
会場をぐるっと巡ってまたオリエント美術館の近くに戻って来ていたので、その喫茶室でお茶する事に。



お店は美術館の2階にあり、窓の外にA&Cの作品のひとつが間近に見られる席に着いた。
ああ、疲れた疲れた、一休み一休み。
メニューを見て候補を選択するが、やはりアラビックコーヒーに優るものはなく、それを注文。
暫し待つと、コーヒーカップだけ先に持って来てくれた。
なんでだろうと思っていたら、コーヒーを煮出した釜を持ってきて、説明してくれながらカップに注いでくれるのだった。



コーヒー豆はとても細かく挽いて、カルダモンを入れて煮出すのだそうだ。
ここではカルダモンだが入れる香辛料は特に決まりはなく、こうして煮出してフィルターで濾す事なく飲むコーヒーのことをアラビックコーヒーと称するのだそう。
荒い粒子が底に沈むまで少し待って飲むんだって。
最後はザラザラした舌触りになるそうだが、気にならなければ全部飲んでしまっても問題ないそう。



さて、どんなお味か。
むむ、ほんのり甘い。
砂糖も入ってるな。
そして煎じ茶の香り。
カルダモンってこんな香りだったか。
いわゆる一般的に想像するコーヒーとはまったく違う味だが、興味深く味わう。
ゆっくりしていたら眠くなってきて、お店が空いているのをいいことに、ソファに座ったまま少し眠らせてもらった。
おかげで目覚めたら頭スッキリ。
再び鑑賞の続きへと出発した。


関連作品

2019-10-26 07:25:23 | その他旅行き
岡山芸術交流は今年で2回目の開催だそうだ。
1回目の2016年に作られて会期が終わった後も展示されている作品もあり、こちらも鑑賞。



前に岡山へ遊びに来た時目にしていたはずだが、まったく記憶に残っていない塔などがあり、知るということはこの世の見え方を変えるものなのだなあと、改めて思い至った。



A&Cという今回の芸術交流のプレイベント作品も長期展示作品として加わっている。
A&Cというのは「Art & City」の略だそうで、屋外展示作品が主だ。
説明を読むと、先に記事にした難解な作品よりとっつきやすい。



他にもA&Aという現代アート作家と建築家が協働して作成した、作品としての宿泊施設もある。
1日1組しか泊まれない一軒家タイプで、今はまだ2軒しかない。
そんなだから競争率も宿泊料もとても高そうだ。




思わず回答してしまったではないか

2019-10-25 07:47:45 | その他旅行き
次は林原美術館。
ここでは映像作品とパフォーマンスを鑑賞。
入口受付でチケットにスタンプを押してもらい、展示スペースの通路に入ると、小学生くらいの女の子が何やら語り始めたところだった。
いつの時代なのか売りに出された少女?を演じ、自分の境遇やその周辺を一人語りする。
劇団に所属しているのかどうか知らないが演劇を練習しているのだろう、長いセリフを間違えることなく小さな振り付きで堂々と演じていた。

一人語りだと思っていたのだが、演じている最中に観客に問いかけてきた。
その時見ていたのは6名くらいだっただろうか、通路でのパフォーマンスだから演じている少女は数歩先である。
「質問してもいいですか?」と振り付きで我々に順に問いかけてくる。
初めはただのセリフだと思っていたのだが、問いかける観客を変えて何度も聞くので回答してあげないと進まないのだと気付いたとき、問いかけられたのが私だった。

思わず頷くと「仕事が忙しすぎて時間がないのと、仕事がなくて時間が有り余っているのとどちらがいいですか?」(だったと思う)と聞かれた。
毎日忙しいので思わず「時間がある方」と答えたら、「それはなぜ?」と2つ目の質問。
うわ、その答えは単純化が難しい。
なんとか「やりたい事がなんでもできるから」と答えると、「なるほど、よく分かります。」だったか、肯定も否定もしないセリフが返ってきた。

質問はそこまでで再び一人語りに戻った。
語る内容が突然難しくなり、かつ意図せず心の内を吐露させられた私は動転して、彼女が何を話しているのか理解できなくなってしまった。
頭が白くなってしまったのだ。
パフォーマンスはその難解なセリフが最後で、演者は横にある部屋へカーテンの隙間から滑るように去って行った。
お辞儀するわけでもなく、いつが一人芝居の終わりなのか分からぬままだったので、拍手もできずじまい。
拍手するものではないのかもしれない。

気を落ち着かせて次の作品を見に歩き始めると、さっきまで演じていた場所の背後の壁に映像が映し出された。
ロボットのような顔をしたアニメ顔の登場人物が英語で何か話している。
たぶんこの映像のセリフを日本語にしたのがさっきのパフォーマンスだったのだろう。
とすると売られて一人語りしていた役柄はロボットだったのか。
後の作品は動く絵の映像と動かない絵を背面からライトアップした作品だった。
椅子があったので座って鑑賞していたら、今になって変な汗が噴き出してきた。
ああ、動転動転。




旧内山下小学校

2019-10-23 06:35:30 | その他旅行き
翌日は朝から岡山市へ移動。
岡山芸術交流の作品は路面電車の城下駅付近を中心に狭い範囲に集中している。
だから移動に時間を使うことなく鑑賞でき、朝から晩まで時間をかければ1日でほとんどの作品を見ることができそうだ。
映像作品を見る場合はそうはいかないかもしれないが。



我々は帰りが遅くならないよう15時で切り上げることにしていたので、シネマ・クレール丸の内で上映される映像作品と、岡山城辺りのいくつかの作品は見ることができなかった。
会場エリアの北側外れに1日最大800円の駐車場を見つけ、車を止め置き、歩いて回った。
印象に残った事を順不同で記していきたい。



今回は一番多くの作品が見られた会場の「旧内山下小学校」。
「きゅううちさんげしょうがっこう」と読むらしい。
ここに限らず廃校になった学校校舎がこんな展覧会で会場に使用されることがあるので、本来なら部外者の我々が入れない建物に入ることができる。
ありがたいことである。



展示作品は難解で、眺めて回ることしかできなかった。
その作品を作成した背景やテーマを知った上で観る必要があるのだが、その説明書きがすでに難しい。
日常生活で触れることのない分野のテーマだと、読み始めの前提が短期記憶から消え去って、読み終わった時意味が頭に残らないのだ。



読み返す気力もなく、分からないまま作品を見るので、正しい鑑賞方法ではないだろう。
作品より校舎の古い備品を鑑賞していた気がする。
校舎だけでなく、体育館や運動場、プールにも作品があって、グルグル見て回った。



しかし駅から離れているとはいえ、周りは大きなビルが立ち並ぶ街のど真ん中である。
再開発の対象にならないのだろうか。
ちょっと調べてみると、今回だけでなくいろんなイベントがあるとき会場として度々利用されているようだ。
個人的にはこんなのが残っている方が面白いので、これからも今のままでいて欲しいものだ。




この日、お楽しみはあと2つ

2019-10-22 09:35:06 | その他旅行き
その日の宿は倉敷にとっていた。
郊外にある駐車場無料のホテルである。
チェックインしてホッとし、次にTVをつけて番組表を開き、ワールドカップラグビーのスコットランド戦の開始時間をチェックした。
夕食を食べなければいけないので、残念ながら初めからは観戦できないけど、後半戦には戻ってこれそう。
それを確認して、夕食へと繰り出した。



歩いてすぐのところに飲食店が集まっている区画があり、入口にあるメニューを見比べて、焼き鳥屋を選択。
中に入ると、「予約の方?」と聞かれたので、満席なのかと心配したが、少し待つだけでカウンター席に通された。
目の前でガラス越しに次々と焼かれる鶏肉達を見ながら、注文したナンコツやらカワを食べつつ、地の酒の熱燗を飲る。
よろしいなあ。
調理場が近いから忙しく働く店員さんの声が聞こえるのだが、時々新しいお客さんがやってくると「予約の方?」と聞くのだが違うようだ。
新しいお客さんが来るたび「予約の方?」と聞いているので、予定の時間になってもなかなか来てくれないご予約さんがいるようだ。
あの後ご予約さんは来てくれたのだろうか。



食べ終えてホテルに帰りTVをつけると、ラグビーは前半が終わったところだった。
おー、勝ってるじゃない、すごいぞ日本代表。
ハーフタイムの間にシャワーを浴びて、後半戦は最初から観戦。
いきなりトライを決めてますます点差を広げ、これは今回もいけるぞと喜んでいたら、サクサクと2トライを返された。
ひえー、日本ピンチ。
ラグビーはワールドカップの時しか見ないが、反則やキックでコロコロと攻守が入れ替わりとても面白い。
ボールがある場所には常に両チームの選手が接してプレーしているので、いつ攻守逆転するかしれず目が離せない。
最後の15分はディフェンスラインを抜かれないかドキドキしながらスリリングな試合を見せてもらった。
無事勝利して、連れと拍手して喜んだ。


児島でお買い物

2019-10-21 06:23:31 | その他旅行き
津山を後にし、その日の次の目的地、児島へと向かう。
高速道路に再び乗って、岡山道で南下する。
運転していたら急に眠くなってきた。
会社では昼食後に短時間の昼寝を欠かしていないので、長時間の活動ができない脳になっている。
身体を動かしていると大丈夫なのだが、運転はダメだ、眠気が襲ってくる。
ひとり旅なら足止め、休憩が必要だが、今回はふたり旅。
PAで連れに運転を代わってもらって、助手席で眠った。
目を覚ますと山陽道に入る手前。
ふう、スッキリした。
瀬戸中央道に入り、PAで再び運転交代、児島ICで降りた。



児島はジーンズの町。
連れのお好みのお店の本店があり、岡山に行くならそこで買い物したいというのでやってきた。
港の端にある洒落たお店だった。
連れは上着を購入、私も擦り切れの目立ってきたチノパンを新調することにした。
買い物を終えると外はすっかり日が落ちていた。




並んでから食べるまでに撮った写真

2019-10-20 07:41:55 | その他旅行き
写真展会場まであと少しというところで、連れが車の窓から行列のできるお店を見つけていた。
写真展鑑賞後、さて昼食をどこで食べようと相談して、その行列のできてたお店に行ってみようという事になった。



車はそのまま置かせてもらって歩いて行くと、おお、まだ並んでる。
ホルモンうどんのお店らしい。
津山名物である。



連れは旅先では食べ物にこだわり、せっかく来たのだからと土地の美味しいものを食べたがる。
私が難色を示さなければ行列に並ぶのも厭わない。
梅田とかのお店の行列には並ぼうとしないのだが…。



その時の行列は10組20人くらいだろうか、1時間はかかるかな。
住宅街で他にお店も無さそうだったのでそこで食べることにした。



自分達が並んだすぐ後にも人が増えていく。
お店の前のガソリンスタンドがお休みなので、張られたロープの前にバイクが並び、新たに駐輪するバイクが増え列は伸びて行く。
すごい人気店なんだなあ。



少しづつ少しづつ進み、少しづつ少しづつ変わる景色を写真に撮って暇を潰した。
待つこと1時間、ようやく我々の番が回ってきて店内へ。



メニューはいろいろあるが、やはりホルモンうどんであろう。
連れは辛くない奴を、私はピリ辛のを頼んだ。



料理が出てくるまで店内を観察すると、昭和の造りで、芸能人のサインや写真が壁中に貼ってある。
なるほど、そちら方面にも有名なお店なんだ。



待つことしばし、注文した品が運ばれてきた。
おお、うまそー。



ホルモンがたっぷり入っていて、プルプルの上品な脂身とコリコリの筋に、味噌がベースと思われるタレがからんで美味しい。
うどんは適当な長さに分断されているので食べやすい。



見た目濃い味付けのように見えたが、あっさりした風味。
ピリ辛加減もちょうどよく、あっという間に食べてしまった。



お勘定をして外に出ると、行列は初め並んだ時と同じ長さだった。
皆さん頑張ってね。




旧妹尾銀行林田支店

2019-10-18 06:34:50 | その他旅行き
津山の写真展は「PORT ART & DESIGN TSUYAMA」というアートギャラリーにて行われている。
このギャラリー、大正時代の昔に銀行として使用されていた建物を引き継いでいて、外観がお寺みたいなのである。
それでいて壁はレンガが積まれ、大正モダンと言うのか、面白い雰囲気なのだ。
写真展が目的だが、この建物鑑賞も楽しみにしてきた。



大通りから古い住宅街へと入り、進んでいくと、これだこれだ、一目で分かる存在感。
少し離れた駐車場に車を止めて歩いて戻る。
玄関に写真展の案内があった。
あれ、無料とある。
そうだったか。
それはうれしい。



入口を入ると銀行の窓口だったのか細長いカウンター様のものがあり、その向こうには椅子が並んでいる。
高い天井は格天井で壁の装飾も美しく、木目が光をきれいに反射していた。
裏手に出るとレンガ敷きの中庭。
テーブルと椅子が置かれている。
左手に石造りの扉があり、鍵穴に金属の取っ手が付いているので、これが金庫らしい。



その向こうが展示室だった。
こちらはレンガ造りの建物で倉庫だったらしい。
写真展は大坪晶の「Shadow in the House」。
作品は古い部屋の写真で、何かが写っていそうな雰囲気。
全てがそうなのか分からないけど、長時間露光でダンサーに踊ってもらったのを写したそうで、ほんの少し人影が視認できるものもある。
かつてその部屋で暮らした人々の記憶を表現しているようだ。



前室で人の声の反響をスピーカーから流すインスタレーションもあって、効果的。
露出アンダーにしていないのに雰囲気よく撮れてて、自分が撮るともっと暗い写真になるような気がする景色が明るく写っていた。
加工が必要なのかもしれない。



ギャラリーには洒落たコーヒースタンドがあったので、鑑賞後、一度外に出て食事し、戻ってきてホットコーヒーを注文した。
持ち帰りのみだが中庭にテーブルがあるのでそこを使わせてもらった。
テーブルは3つしかないが、お休みの日でも埋まることなく、ゆっくりといただくことができた。
都会だとこうはいかない。
地方都市の魅力のひとつですな。




またまた岡山へ

2019-10-16 06:39:17 | その他旅行き
三連休の後半二日で旅に出た。
最近各地で開催されている芸術祭を訪れて、自身のアート心に刺激を与えたい、ってことで。
最初、御代田町でやっている浅間国際フォトフェスティバルに行きたかったのだが、少し遠いなあと諦めかけていた。
そしたらネットで別の写真展を見つけた。
津山だ。
それなら岡山芸術交流と併せて観に行こう。
岡山芸術交流というのも知らなかったが、3年に一度行う国際展覧会で2016年から始まり今年が二度目とのこと。
岡山なら近くて負担も少ない。



週末に台風がやってくる予報だったので実行が危ぶまれたが、今回西日本に被害は少なく日曜月曜で予定通り実行。
帰りの事を考えると鉄道利用が楽なのだが、今回は連れと一緒に行くので安上がりな自動車で。
岡山芸術交流は月曜日に鑑賞することにし、日曜日は津山の写真展を観に行くことにした。
中国道で西へと走る。
開館時間直後くらいに着く予定で出発したのに、土曜に行く予定だったガソリンスタンドに行ってなかったのを思い出し、高速入口まで遠回りしたり、高速で渋滞にあったりして、えらく時間がかかった。

高速を走っていて連れと話したのは、兵庫県は広いなあということ。
大阪から東に走る時はすぐに京都に入り、次の滋賀も近いものだ。
その感覚で西に走ると岡山県は遠い。
始めは行き先表示に津山の字があるのだが、途中からまったく現れなくなり、表示されるのは兵庫県の地名ばかり。
佐用の手前の工事渋滞で一番時間をとられ、ようやく岡山県入りした。
再び津山の表示が現れ、到着したのはお昼前だった。
まあ、初日は時間に余裕もある。
カリカリせずに旅を楽しもう。
以降詳細はまた分割記載していきたい。