起伏

2017-07-30 21:27:33 |  常念山脈縦走
山行き三日目の続き。
1時間ほど歩いて小休止。
眺めの良い岩場に腰を降ろし、地図を広げた。
この先のコース確認をしようとしたのだが、あれ?なんかコースタイムが長くないか?
ポイント間の時間をさっくり足してみると、今日の目的地まで予定時間の5時間をあっさり超えてしまった。
ややや?
きちんと足し算してみた。
すると7時間に達する行程ではないか。
どの日も6時間を超える日はないからこの行程にしたのに。



確認のため昨日の燕岳への行程と、明日の蝶ヶ岳への行程、さらには最終日上高地への行程も足し算してみたが、こちらは予定どおりの5時間強の標準タイム。
事前にコースタイム確認したあのガイドブックは、この区間だけ健脚向けに設定されてたのか?
なんにせよ、ゆっくりしている訳にはいかなくなった。
7時間かかるなら7時に出発したから休憩無しで14時着だ。
予定は15時着。
この1時間で結構ゆっくり歩いたし、お昼も食べなければいけない。



仕方ない、ペースを上げよう。
稜線漫歩は最初の1時間で終わり、道草は最小限に、しっかり歩かねばならなくなった。
あーあ、ゆっくり山行きの予定だったのに。
重いザックを背負い直して出発した。
すぐに大下りの頭という場所に到着。
大下りとはよく名付けたものだ。
見晴らし良く下り坂と谷向こうの上りの登山道がよく見える。
とほほ、あんなに降りるのか。



下りは良かったが、ペースを上げた足には上りがキツイ。
重い足を一歩一歩引き上げて上る。
息が切れ汗が滴る。
最初のあの幸せな稜線歩きはどこへ行ったのだ。
気分に合わせるように山にも雲がかかり出した。



大天井岳への道は昨日の合戦尾根に比べ明らかにすれ違う人が少ない。
やって来る人は大天井岳から縦走してきているのだと思っていたが、なんか見覚えのある人がほとんどだ。
前泊地の燕山荘に泊まってなかったか?
どうやら大天井岳をピストンしているよう。
私の出発が一番遅く、撮影しながら歩いてるにしてももう頂上まで行って戻ってきてるなんて健脚だなあ。
この時刻なら燕山荘に到着してもまだ昼前だろうから、今日中に中房温泉まで下るのだろう。
あの合戦尾根を大天井岳ピストン後下るなんて、やっぱりすごい。
それが普通なのかな。



大天荘に着いて、だいぶ遅れを取り戻せたことが分かり、急いた気分も少し落ち着く。
小屋前のベンチにザックをデポし、カメラと水と地図だけ持って大天井岳山頂まで往復する。
この日の目的の山を征服した。
だいぶ南に下ったので、槍ヶ岳の向こうに小さかった穂高連峰が迫って見えるようになった。
あの稜線を歩くのが危険なんだな。
たぶん今後も歩くことはあるまい。
遠くから眺めておくだけにしておこう。



大天荘を出発してしばらくするとお腹が鳴りだした。
コース途中に大天荘があり、山小屋でお昼を食べるという新たな方式を知ったというのに、考えなく前泊地でお弁当を頼んでしまっていた。
まあ、お腹が空いた時に食べれるからいいか。
登山道脇にちょいと座れる場所を見つけ、すっかり曇りが覆った空の下、槍や穂高を見ながらお昼にした。
お弁当は馬鹿ほど大盛りな奴でなく、普通の分量で助かった。
それでもお腹いっぱいになり、午後の行程へ。



午前中は気にならなかった重いザックが、時間が経つに従い肩にめり込むようになる。
昨日と同じく常念山脈の東側からガスが上り、稜線を越えることなく峰の東側だけ白く埋めていく。
高くまで湧き上がったちょっと嫌な雲も見えたりして、天気は崩れるのかなと不安に思い出した。
カミナリさんには会わずに済みますように。




パノラマ

2017-07-29 00:41:10 |  常念山脈縦走
山行き三日目は火曜日。
昨晩は隣のお兄ちゃんが派手な寝返りを繰り返すのでなかなか眠れず。
寝返りする度あの一画のベッド全てが揺れていたのでは。
窓からは煌々と輝くお月さんが見えていた。
長い夜…、夜半を過ぎてようやくウトウト。
そんなだから4時過ぎに起きるのもぜんぜん苦にならず。
ようやく寝床から抜け出せる。
このために持ってきたダウンジャケットを着て外へ出た。
早朝の景色はどんなかな。



おー、ありがたい。
スッキリと晴れている。
西側お隣のアルプスの峰々は、昨日山頂にかかっては消えしていた雲がまったく無くなり、全ての稜線が空に接していた。
上空には月が残り、朝の青さを際立たせている。
この眺めは山好きにはこたえられんな。



東の安曇野側の空は茜色に染まり、日の出を今か今かと期待させる。
しばし撮影して歩き小屋前の広場に戻ると、地平線上の雲の間に朝日が赤い丸となって昇っていた。
ご来光は何度見ても良いものだ。
日が昇った後も朝食の時間まで歩き回って高山の朝の景色を楽しんだ。
滅多に見ることのできない眺めは何度見ても感動的で、同じような写真を何枚も撮ってしまった。



そうそう、ここの山小屋はバッテリーの充電をさせてくれた。
一回100円。
大量の写真を撮ったので、これで随分助かった。
以降の山小屋でも有料だが充電用コンセントを設けているところがあり、大きな山小屋なら充電可能なことを知った。
事前調査をして行程にうまく組み込めば、バッテリー不足に悩むこともなくなりそう。



朝食を食べ終え身支度し、出発。
日が少し高くなり、峰々の表情が変わっていて、また何枚も撮ってしまう。
今日は稜線歩きのみ。
大天井岳を越え常念小屋までの行程。
山に入る前の天気予報では曇り雨マークの日だったから、このお天気は望外の喜びである。



歩き始めてしばらくは後方を振り返れば、針ノ木岳の山塊、さらに遠く鹿島槍ヶ岳と思われる鋭鋒も望めた。
行く手右側には奥から穂高連峰、槍ヶ岳、笠ヶ岳、三俣蓮華岳、なんて名峰が歩いても歩いても見え続ける。
我歩く稜線上には花崗岩が引き続きニョキニョキ生えている。
やはり山の景色の背景は青空が似合うな。
岩の隙間には小さな花々が隠れ、遠くを見たり近くを見たり、良い被写体を見逃すまいと忙しい。




生ビールと山の空

2017-07-26 00:00:49 |  常念山脈縦走
山行き二日目の続き。
明るい内から「山小屋のベンチで生ビール」というのをとうとう経験した。
燕山荘に到着し、燕岳への往復に出発する前に、外のベンチで生ビールを飲んでる人を見た。
おお、ここには生ビールがあるのか。
北アの山小屋はすごいなあ。
まずは燕岳に行って、帰ってきてから飲むべきか飲まざるべきか考えよう、と出掛けた。
燕岳では撮影に思ったより時間を使い、戻ってきたら夕刻で、だいふ涼しくなっていた。
だが生ビールの魅力には敵わず、夕食までにまだ時間があることも背中を押し、注文してしまった。



中ジョッキ一杯800円である。
800円の飲み物を飲む環境としてふさわしい場所と言えよう。
雲上のビアテラスに街の喧騒はなく、鳥のさえずりと小さなアブの羽音がBGMだ。



グビグビグビとやった。
にゃはは、こりゃいかん、クセになる。
時折晴れるガスの向こうに、雪を抱く霞んだ裏銀座の稜線が空との境に線を引く。
安曇野の盆地には入道雲が育ってる。



空きっ腹によくアルコールが回ってくれる。
風が冷たくなってきたが、気にならない気持ち良さ。
ご機嫌である。




白い砂礫地

2017-07-25 00:14:18 |  常念山脈縦走
山行き二日目の続き。
山肌を白いガスが昇る道を最後ひと登り。
燕山荘にたどり着いた。
するとガスがスッと晴れ、遠く山並みが覗いた。
まるで私の到着を祝ってくれてるようではないか。
なんていいように考え、またガスに包まれる前に写真を撮ったが、その日に限り後の天気を心配する必要はなかった。
その後もガスっては晴れ、ガスっては晴れ。
普通午後にガスに包まれたら雲の中に入ったかのようにずっと真っ白なんだが、経験したことのない気象状態だった。





燕山荘の建物横に着きはしたのだがそこは裏手のようで、入口へは建物を回り込んで行く必要があった。
歩いて行く道の左右に驚いた。
砂礫地なのだが風衝帯に咲く花々がそこここに咲いている。
そしてそして大好きなコマクサが登山道のすぐ近くに咲いているのだ。
しかも今が盛りと綺麗な花を咲かせている株ばかり。
写真撮影するのに足が止まった。
小屋に重い荷物を下ろして再度撮りにくればいいのに、これは一期一会、荷物を背負ったままウンウン唸って撮影した。





そうか、コマクサはこの時期に見にくれば見頃なんだな。
過去、登山道から遠く咲いてる終わりかけのコマクサを望遠レンズで狙ったりした撮影条件が悪い憶えしかない。
みずみずしい馬面の花弁をこんな近くで見れるなんて。
背景の白い砂礫に映える。
新しい発見だ。
秋田駒ヶ岳で黒い砂礫を背景に見たのがすてきだったので、コマクサの咲く土壌は黒いのが一番と思っていたが、白くてもいいなあ。





後ろ髪を引かれつつ写真撮影を切り上げて小屋にチェックインした。
二段ベッドの隅に案内された。
ラッキ。
今日は空いてるので一人一畳はありますとのこと。
一畳分のスペースの布団に枕が二つ置いてあった。
やだやだ、そんな時には来たくない。
後で食事の時に人数をざっと数えたら、宿泊者は40人くらいだったと思う。





サブザックに必要な荷物だけ移して燕岳へ向かう。
燕岳は小屋の北にある。
頭上は曇って薄暗いが、眺めはまずまず。
右手は薄くガスった向こうに安曇野の平野が隠れたり見えたり。
左手には雲の下に水晶岳や鷲羽岳なんかの裏銀座の山々が連なっている。
大きな谷のすぐ向こうである。
うーん、こんな近くに見えるのか、すごいな。
同じような高さのピークが狭い間隔で並んでいるので山座同定が難しい。





燕岳への道がまた楽しい。
花崗岩が林立し、その間を抜けて歩いて行く。
イルカみたいなのや、二つ穴の空いたメガネ岩と名付けられたのとか、ある。
花も多い。
山頂の石碑の後ろには祠があるわけでもないのに、何故か小銭が山のように積まれていた。
明日以降に歩く大天井岳、常念岳へと続く尾根が見晴るかせる晴れ間があった。
夏の?山の夕刻のお天気としては上々である。






合戦尾根を攀じる

2017-07-20 23:22:21 |  常念山脈縦走
山行き二日目は月曜日。
昨日偵察した登山口から入山した。
午前中はお天気よし。
しかし歩くのは林の中で眺めはない。
それでも植林帯ではないので、同じ顔した木々を見て登らねばならない退屈さはない。
多種多様な木と花が登山道を曲がる度表情を変えて眼前に展開してくれる。
登山口から自然林なんて、信州の山はいいなあ。



登山道は花崗岩質でザレているが、思った程滑らず痩せ尾根の道でもないので怖い思いをせずに助かった。
反対に変な形の露岩があったりして被写体に困らない。
花はコイワカガミをよく見かけた。
春の花ではないか。
そう、周りは新緑の候である。
緑が目に眩しい。



何泊もする縦走は久しぶりだ。
上り始めて日帰り登山との違いを早々に思い出した。
ザックが重いのだ。
何キロあるのかなこれ。
何キロか体重増しで歩くことになる。
重心も高くなってちょっとしたことでふらつく。
長く背負っていると肩が凝るので、ベルトの位置をずらしたり指を挟んでみたり、楽になる方法を探りながら歩く。



この登山道のある合戦尾根は北アルプス三大急登のひとつ。
なかなかの上りだ。
すぐに汗ダクになった。
そうそう、汗拭きタオルの新たな持ち運び方を見出した。
これまで細長いマフラータオルを首にかけたり頭に巻いたりしていたが、ザックの胸に渡すベルトに三つ折りにしてかけるとすこぶるいい。



首からぶら下げたカメラを折り曲げたタオルの間に入れると、カメラが直接シャツに触れないのでファインダーが曇らず、また顔からしたたる汗もカメラに落ちない。
顔の汗を拭く時はタオルを伸ばして拭き取る。
もとの三つ折りに戻すのが少し面倒だが、濡れたタオルを肌に触れさせず持ち歩け、しかもすぐ使える。
ヨダレかけをしてるみたいに見えるかもしれないが、実用性を取った。



昼食は合戦小屋で山菜うどんにした。
出汁もすべて飲んでしまいたくなる体内塩分濃度。
これまで縦走した時の昼食は泊まった山小屋で買ったお弁当だった。
今回も前日泊まった有明荘で頼んだら、荷物になるから途中の合戦小屋か、2時までなら燕山荘で食事できるよと教えられ、合戦小屋で食べることにしたのだ。
なるほど途中に小屋のあるルートなら通過時間を計算すれば昼食を持たずに歩ける。
覚えておこう。



ところで合戦小屋の名物はスイカである。
食べたかったのだが、うどんを食べつつ他のお客さんが頼むのを見、そのサイズを知って断念した。
一切れ800円。
問題は値段ではない、サイズである。
ガイドブックなんかには一切れと書いてあるので、1/4にした後横切りにした扇形の一切れかと思ったら、1/8にしたものまるまるだった。
結構な大きさである。
食べられないことは無いが無理して食べてこの後の行程に影響があってはいけないとやめておいた。
今の私には二人でシェアしてちょうど良い大きさだった。



合戦小屋を出発してしばらく行くと登山道脇に残雪が現れた。
雪の温度は氷点下なわけで、付近の気温をグッと下げる。
だから他では青々とした新緑の葉が繁っていても残雪の周りは初春だ。
雪の近くの木々はまだ芽吹き状態でその差が面白い。
高い木がなくなり、森林限界を越える。



雪渓の残る谷間から霧が立ち上り、ガスってきた。
ようやく稜線に出て眺めが広がるのだが、諦めねばなるまい。
目の前の斜面の上に今日の宿、燕山荘が見えて来た。

「なかぶさ」温泉と読む

2017-07-18 22:33:52 |  常念山脈縦走
山行き一日目の続き。
大阪を出る時は小雨がぱらついていたが、東に向かうと回復、曇り空の下晴れ間も見えるお天気となった。
今回の登山口は中房温泉。
穂高駅から中房温泉までバスで行く。
しかし接続悪く、次の便はほぼ一時間後。
待ち時間で駅から近い穂高神社に詣ることにした。



行ってみると比較的新しい建物。
それでも入口の鳥居は古い色合いだったから、社殿は建て直したのだろうか。
日本アルプスの総鎮守だそうだ。
登山の無事をお見守りいただけるようご挨拶した。
神楽殿には風鈴がたくさん吊られ、涼しげな音を奏でていた。



駅前に戻ると中房温泉行きの中型バスが待っていた。
10名に満たない乗客を乗せ出発したバスは安曇野の見たことある雰囲気の道を横切り山へと入っていく。
中房温泉は日本秘湯を守る会に名を連ねる温泉で、本当に山深いところにある。
バスだとすれ違い困難な細い林道を40分も行った先にある。
前から普通乗用車が何台もやってくるからおどろいた。
その度、徐行/停車/離合で運転手さんは大変だ。
でも今日は日曜日。
日帰り、あるいは土日で燕岳を登った登山者が車で降りて来ても全然おかしくない。



泊まるのは中房温泉手前の有明荘。
バスの乗客のほとんどがここで降りた。
建物の前にはベンチが並んでいて、サツキだろうか、赤白の花が咲いて、登山後一服するのに良さげな所だ。
すぐそばを沢が流れていて沢音が高い。
立ち寄り湯もやっているようで、我々チェックインするものと温泉に入るものの受付が同時に進む。
チェックイン後、夕食まで時間があるので林道を登山口まで歩いてみることにした。



ゆっくり歩いて15分程であろうか。
舗装道路ではあるがすっかり山中である。
林が開けると駐車場があった。
温泉の日帰り入浴施設や公衆トイレがあり、その横から登山道は始まっていた。
下山した登山者や温泉目的で来たらしい二人連れがベンチで憩っていた。
私は写真を撮って憩う。



宿の温泉には食後に入った。
浴室の天井は高く、浴槽は木造りで掛け流し。
他に誰もおらず、広い湯船を独り占め。
浴槽の淵の平かな木肌の上を薄く溢れていくお湯が贅沢だ。



泉質はアルカリ性単純硫黄泉で柔らかな肌触り。
pHは8.9。
源泉の温度は74℃もあるので加水して温度を下げているそう。
シャワーを浴びるとほんのり硫化水素臭がした。
シャワーのお湯も温泉を使っているのだろうか。



露天風呂がさらに広い。
夜で暗くて周囲の様子は分からなかったが、風呂の中央に5mくらいの丸太を縦半分に割った導湯管があり、奥の照明を逆光にして見ると、お湯がしたたり湯気がたなびく様がよい。
温泉にこうやってゆったり入ったのってずいぶん無い気がする。
温泉に行ってもただ汗を流すためだけにささっと入ってたような。
この後お風呂はしばらく入れない。
よく味わっておいた。




心配事の発生と解消

2017-07-16 21:30:52 |  常念山脈縦走
山行き一日目は日曜日。
昨晩、前泊後泊含め5泊6日の荷物をザックに詰めたらパンパンになった。
数年前にザックを新しくした後、初めての縦走だ。
前のザックも余裕があったわけではないが、ここまでいっぱいいっぱいにはならなかったはず。
ちょっと小さいのにしたからなあ。
そこに今朝になってフリースを入れるのを忘れていることに気付いた。
ええ?、このかさ張る服をここに入れる?
…無理だ。
でもフリースは必須。
朝晩寒いかもと入れておいたベストと交換しよう。
出発間際の詰め替えに気も急いて、押し込んでいたら汗がしたたってきた。



山までのアシは電車とバスだ。
座席予約していたのぞみ号に乗って、ようやく落ち着いた。
名古屋からしなの号で松本まで行く。
お昼はしなの号に乗ってる間になるが、名古屋駅の乗り換え時間に余裕はない。
事前に駅弁を買っておいた。
電車内での心持ちはニュートラル。
縦走も3回目となると不明な部分は少なく、山小屋も南アルプスより過ごしやすいはずだし、不安に思う部分が無いのだろう。
今回の旅に大きな期待はかけていないからか旅に出る興奮もなく、さりとて仕事の悩みが心に浮かぶこともなく、何事もなく電車は行く。
今までにない夏休みの始まり。



乗っていたのぞみ号が沿線火災で徐行したため、少し遅れるとの車内アナウンスがあった。
心がざわつく。
乗り換え時間の短いしなの号に間に合うかまた心配したが、発車をのぞみ号の遅れの分だけ遅らせてくれるそうだ。
そりゃそうだよな。
無事間に合い一安心。
中央本線を行くしなの号は快調に木曽路を走る。
多治見駅や中津川駅なんて、車で信州に遊びに行く時に目にする町の駅に止まりつつ進む。
車で走るよりはるかに早く北上する。
中津川駅を出てしばらく行くと線路は国道19号と並んで木曽川沿いを走る。
見覚えのある景色が見覚えのある角度と少し違え車窓に展開した。
思えば昔毎年のように走った木曽路も久しぶりだ。
前回走ったのはいつだったっけ。



しなの号の遅れは解消せず、松本駅に到着。
今度は接続する大糸線の普通列車が時間調整してくれた。
いつぞや千葉のローカル線の小湊鐵道で、JRの遅れのせいで荒天のホームで雨に濡れつつ定刻にやってこない列車到着を待ったことを思い出した。
幹線の遅れは接続を予定している支線にその遅れが引き継がれる。
ピタピタの接続時間での運行だったので、この遅れのせいで電車の写真を撮る余裕が奪われた。
残念。
なんとか、最後に下車する穂高駅で見送る大糸線の電車を撮影することができた。




さ、出発。

2017-07-08 22:32:31 | 山行
夏休みは一週間山籠りすることに決めた。
北アルプスを歩く。
仕事の関係者に休暇取得を言って回り、業務調整。
なんとかなりそうだが、やっぱり無理はある。
行く前の調整と帰って来てからのリカバリが大変だ。
やっぱり分割取得した方が良かったかなあ。

決定が遅くなったので今週は現地までのアクセス方法や宿泊先の調査、手配、準備でバタバタ。
漏れてる事がないといいのだが。
しかし雨の可能性が高いのに、雨だと魅力激減の山を選ぶかな。
事前の行先検討をやらなさ過ぎだ。
そしたら調査に一番時間を使えた山行になっちゃうよなあ。
もしかしたらお天気いいかもという期待も少しあったし。

山行期間中の週間天気予報が分かるようになった。
入山日は晴れ、山中は曇り→雨、下山日も雨。
稜線を歩いてる時の眺望は期待できないみたいだ。
まあ、集中豪雨に見舞われたところもあるのに、全日雨で無いだけでこの時期としては上々。
せめて雨でも風は弱くあって欲しいな。
無事に帰って来れますように。




あっさり想像するに終わった

2017-07-01 01:16:19 | その他旅行き
もうひとつ夏休みにやってみたいなと惹かれた事がある。
コンビニで「大阪駅から行く青春18きっぷの旅」って雑誌を見つけ、思わず買ってしまったのだ。
鈍行で揺られ行く長旅。
いいなあ。
本もたっぷり読めるし、居眠りし放題だ。
雨でも困らない。

雑誌で紹介している行先は題名の通り大阪からほぼ日帰りで行ける範囲の見所であるが、私が考えるのは毎日どんどん行けるところまで行って、行った先で観光する旅。
目的地とやりたい事があったら、鈍行でトロトロ向かってられないが、鈍行列車で移動することが主目的となれば話は別だ。
青春18きっぷは一人で5日間使えるから、5日間かけて旅し、6日目に新幹線とか普通の切符で帰ってくる5泊6日の旅が思い浮かぶ。

5日かけると何処まで行けるのだろう。
計画なしで行って、現地で宿を確保できるなら嬉しいんだけどな。
車でないと車中泊はできないから、宿の確保を行き当たりばったりでできるかどうかは大きな問題だ。
行先も進む距離もその時の気分で決めるのだ。

ずっと座り続ける旅は、それはそれは腰が痛くなることだろう。
学生時代、青春18きっぷではないが、普通の切符で長野から三重まで普通電車だけで帰ったことがある。
しんどかった。
夏合宿の帰りで体力を使い切った後だったこともあると思うが、その時はもうそんな旅はしたくないと懲りたのを思い出した。

喉元過ぎれば熱さを忘るる。
まあ青春18きっぷのいいところは途中下車自由な事だ。
疲れたら知らない町に降りて散歩すればいいのだ。
普通でない何かがある町だと記憶に残る旅となるだろう。

ただ問題は青春18きっぷの有効期間。
学生の夏休み、冬休み、春休みに重なるよう設定されていて、夏期利用期間は7/20からと書いてあった。
なーんだ。
もう10日早く使えたら具体的に検討したのだが、残念ながら夏休み取得予定日と折り合わない。
この夏をかけて、まんま雑誌の行先に日帰りで遊びに行くことで我慢しておくかな。