karatooka

2012-11-30 01:05:30 | その他旅行き
美術館を鑑賞後、瀬戸内国際芸術祭2010で作成された唐櫃岡エリアに残る他の作品を見て回りました。
2年前芸術祭に来た時、豊島はほぼ通過するに等しい船便の中継地としてしまったので、気になっていたのです。
当時の作品全てが残っている訳ではありませんでしたが、チェックできて良かった。

島キッチンで食事をし、
ピピロッティ・リストの頭の中を覗き、
ストームハウスで雷雨を経験し、
空の粒子を見上げました。
前回もこうして見て回ったなあ。
記憶が甦ります。

唐櫃港辺りでは感じなかったのですが、唐櫃岡の村の風景は私の郷愁を誘いました。
民家の佇まい、くねくねと曲がった狭い道が家の間を縫い、景色が開けて小さい畠が広がる。
おばあちゃん家のある山里に似ています。
玄関先にいたおじいちゃんに挨拶すると、あいにくの天気やの、と気遣っていただきました。
いやいや、雨が降ってないだけで幸運ですよ。


<1コいただきました。甘くておいしかったです。>


<村の公民館。私が行ってた小学校の講堂はこんなだった。>


<島キッチンのふろふき大根。おいしかったっす。>


<石垣は独特でした。>


<空の粒子と桜と秋桜。まだコスモスが見頃でした。暖かい所なんですね。>



唐櫃の清水の前から島内を走るシャトルバスが出ていたので、それで家浦港まで移動。
前回と同じ便船で、前回と同じく疲れて居眠りする内に高松まで連れて行ってもらいました。
居眠りする間に目的地まで移動できるのが、自家用車の旅ではできない利点。
その日は高松泊としました。


光と音と水と風の織り成す空間

2012-11-29 00:28:04 | その他旅行き

豊島は小豆島の西にあるまずまず大きな島です。
少し前、番組名は忘れましたが、この島にある豊島美術館を訪れるTV放送を見ました。
こんな美術館があるんだ。
変な美術館です。
だって美術品の飾られていない美術館なんですから。
建物の内と外、その空間が作品なのです。
おもしろいのかな?
機会があれば行ってみたいと思っていましたが、早くもその機会を得る事ができました。



豊島へは宇野から小豆島行のフェリーで。
小豆島へ行く途中、豊島の家浦港と唐櫃港に寄って行く便でした。
天気は雨上がりの曇り。
前日まで雨予報だったので、雨が落ちて来ないだけありがたい。
唐櫃港で下船し、美術館まで20分くらい車道を歩く。



右手が開け、海へと続く棚田が並ぶ。
振り向くとそこに美術館はありました。
地中に埋もれる様に、丸く白い建造物が2棟並んでいます。
これか。
目立たぬよう設けられた別棟のチケットセンターで説明を受ける。
建物そのものだけでなく、入口まで辿る白い回廊やそこから望める棚田、海の眺めも作品の一部として鑑賞してください、とのこと。
写真撮影は本館(アートスペース)内のみNG。
おー、外は撮影OKなのね。
秋の雰囲気が満ちて、なかなか魅力的な遊歩道でした。







アートスペース入口にも係員の方がいて、鑑賞に当たっての注意事項を聞きます。
非常に音が反響するので配慮するよう声を抑えておっしゃります。
土足では入れず、上履きに履き替えて入場。
夏場は裸足で入るらしい。
狭く短いトンネルを潜ると作品内。
TVの映像で内部がどんなかは知っていたので、見た目の驚きはありませんでしたが、自身を取り巻くその場の雰囲気まではTVでは当然体感できません。
そこはなんというか、穏やかな場所でした。



白いコンクリートの床と、
床から斜めに立ち上がる天井が丸く覆う広い空間。
上も下もただただ白い空間があるだけ。
本当に音が響く。
先客は5人ほど。
みんな静かに佇んで鑑賞中。
自らはわずかな音も立てまいと思う場所。
天井には二ヶ所、
大きく丸い穴が開いて外とつながり、
光と風と音が入ってくる。
朝、
雨が降ったのか、
床に水滴が粒々と残っていた。
なんとも静かな感覚。
丸い大きな窓からは周りの林に住む小鳥の声が入ってくる。
カラスの遠慮ない鳴き声も差別なく。
何の音か?小さく連続して響いてくる。
新たな入場者が上履きに履き替える音が入口から響く。
それすらも作品の一部。
音が聞こえない時でも身の廻りに何か存在しているような気配がある。
見所のひとつは床を転がる水滴。
床のいたる所にある小さな穴から水が生まれ、滴となり留まる。
複数の滴はひとつになり、
自身の重さに耐えきれず、
ほんのわずかに傾いた斜面を流れ出す。
途中で千切れる事無く、
蛇の様にひもの様に、
ながくながく伸びて、
光を体内を透過させ留まらせ、
白く黒く、
その瞬間だけの明暗を閃かせ、
軽やかに床を這う。
床に触れてみるとコンクリートは透明な樹脂のようなもので覆われ、水を弾くように作られていた。
いくつか床の浅い窪みに穴があり、
一体となった水を引き込み落とす。
穴の底に水がしたたる音が周りの空間に小さく小さく反響する。
ココココココ。
音があるのに静けさが高まる。
丸い窓には白く長いリボンが結ばれ、
わずかに吹き込む風に形を変える。
足音を忍ばせ歩けば、
窓から覗く背景が移ろい、
白い空、
赤い紅葉、
緑の斜面が借景となり、
自分が自然に含まれている感覚を増幅してくれる場所なのだと理解した。



過去、人為的施設でこんな経験をしたことは皆無です。
来て良かった。
入場した時のがさつさが退場する時はすっかり無くなり、放り投げて履いた上履きは音立てぬよう元の場所に納め、そっとそっと靴を履く自分がいました。
三連休だし、人が一杯だったらどうしようと心配でしたが、入れ替わる他のお客さんの人数は6~7名で、この素晴らしい空間を存分に楽しむ事が出来ました。
天候や季節が変われば、また違う経験が出来るのでしょうね。
2年前の瀬戸内国際芸術祭の混雑時は、人数と時間を区切った入れ替え制だったとか。
その芸術祭、来年の春からまた開催されるようです。
もし訪れてみたいと思われているなら、今がチャンスですよ。
平日に来れれば、冬のしんと冷えた空気の中、この空間を独り占めできるのでは。



皆さん、三連休楽しみましたか?

2012-11-26 23:30:55 | その他旅行き
私はこの三連休、またしても旅へ出かけてしまいました。
二ヶ月続けて複数泊の旅をするなんて、なんて贅沢なんでしょう。
「時々旅行記」でなく「度々旅日記」なんて名前にブログ名を変更しなければ。
まあ、こうして休める内が花。
精々楽しんで置こう。

今回の行先は香川県。
讃岐の国です。
秋も終わろうとしていますが、芸術と食と運動?を求めて、次のような行先をメインに回って来ました。

・豊島美術館
・うどん食べ歩き
・イサムノグチ庭園美術館
・金刀比羅宮
・猪熊弦一郎現代美術館

美術館が三つもある。
讃岐はアートの国ですな。
豊島には船で渡らねばいけないので、今回は公共交通機関を利用。
船以外はJR、および香川県内は主に「ことでん」を利用して移動しました。
その辺のお話も含め、また分割記載して行きます。



それまでおやすみ

2012-11-21 00:07:14 | Weblog

年に二回、街をしばし彩るさくらやけやきやいちょう並木。
その秋の回もそろそろ終わりを迎えようとしている。
あと少し週末までもって欲しいところだ。

が、今朝、いつも車窓から眺められたさくらの木が消えて失くなっていた。
あれ、どこいった。
と思ったのは錯覚で、葉を散らして目立たなくなっていたのだった。
枝にわずかに散り残った赤い葉っぱが淋しい。

さくらの木って夏や冬は他の木々に溶け込んで目立たないのに、春と秋には、あ、お前はさくらの木だったのか、と気づかせられる面白い奴だ。
ずっと出しゃばり続けるのではなく、ここぞという時(なんだそりゃ)存在感をアピールする。
カッコいいではないか。

また春の日に存在を知らしめておくれ。


今週の銭湯反省会「ボレストバックハンド」

2012-11-18 21:36:19 | テニス
秋も深まり、朝の冷え込みにこれから訪れる冬を思う。
駅から会社に向かう道の寒さが私を心細くする。
寒さは心も凍えさせるのか、そこはかとない不安が私の中に滲み入ってくる。
こんな精神状態にさせる冬を毎年よく越せてるなあ。
我ながら感心。

昨日は久しぶりにヘトヘトになるまでテニスした。
通常の2コマのレッスンに振替を1コマ。
先週まで得意のボレーを元の精度に戻すべく集中して練習してきたが、昨日の最後のレッスンの練習テーマがボレストのストローク。
ボレーヤーの足元にボールを沈める練習。
コーチと何度も打ち合っていたら息が上がり、足がもつれた。
ボレーと違いストロークは体力を使うなあ。

テニスを本格的に再開する前は、ボレストやストロークラリーでバックハンドが苦しくなったとき逃げるスライスがまったく返らなかった。
ほとんど全てガシャるかネットする。
ふかすのが怖くて押さえてしまうからなのだが、上から下へのスイングが点でボールを捉えることになり確度が下がっていた。
その心理は理解できるものの返すためと自身を説得し、ガシャらないようテイクバックを小さくし、軌道が高くなってもいいのでフォロースルーを前に高く意識。
とにもかくにも返せるようになった。
ラケットから放たれた時は高くても、ボレーヤーが打ち返すときは足元に沈んでいる。
そうか、これがスライスの軌道か。

スライスはいいとして、バックハンドでのドライブショット。
次の課題はこれだった。
勢いの無いボールはきちんと足元に沈めるドライブショットが打てるが、深く滑るようにやってくるボールがまったく返らない。
ライジングで打つので持ち上がらず、ネットする。
当初は膝を使わず体が立っていたからラケットが下から出ず持ち上がらないのだと思い、体を沈め低く構えて対応したつもりだった。
しかし実際は頭だけ突っ込んで、ボールは持ち上げにくい状態だったらしい。
膝を曲げて体幹は垂直に起こした状態で打たねば持ち上げられない、という指導をいただいた。
なるほど、次回実践だ。

自信が少しついたスライスショットだが、次の課題が現在の懸念事項。
苦し紛れのスライス逃れは返せるのに、体制万全で打つ攻撃的スライスストロークがネットしてしまう。
攻撃的故に回転をしっかりかけ、かつ伸びのあるショットを送りたい。
オーバーしないよう軌道を低く打とうとするため、ネットしてしまう。
しかしネットするということは最初の逃げるスライスと同じ現象だ。
改善にはフォロースルーを送る高さをわざと変えてベストを探すしかないのだろう。
これも次回実践だ。

さて、フラフラでスーパー銭湯に到着。
体力を使い切った疲れた体にお風呂というのはなんとありがたい存在なのだろう。
広い湯船に体を伸ばし、暖かい湯に浮かんでいると、体も心も軽くなっていく。
この浮遊感、安心感、脱力感。
至福の時である。
疲れた体、凍えた心を癒すのに最適ですね。

R152再び

2012-11-17 01:15:11 |  ’12秋休み
'12秋休み その19

麦草峠から国道299号を下って行くと、右から国道152号がやってきて合流。
そのまま下り続け茅野の街へ入り、国道20号を横切って杖突峠への上りに取り付く。
ここからは昨年、分割取得夏休みの一回目で帰りに使った道をそのまま辿る。
前回、台風の接近する怪しい天気の下、寂しく荒んだ眺めだった高遠以南の山間道路。
良いお天気に走ればどう見えるのか。
早速確認する機会とした。

高遠の町はずれ。
美和ダムのダム湖の手前だったと思うが、湖岸の広場で町のお祭りだかフェスティバルだか(一緒か )が開催されていて、家族連れが集っていた。
大きなテントが並び、軽食など提供しているよう。
風船を持った子供達が駆け廻っていた。
窓からそんな和やかな光景を眺めたからか、構えたところ無く山中へと入った。

日の光に明るく照らされた風景は、とても軽く目に映った。
荒れた川原も、太陽の下では少し生えた草木の緑が目立ち、昨年感じた荒涼とした印象はほとんど受けず。
ガスのかかっていたつづら折れの坂道は変わらず細かったが、木漏れ日差して緑の葉が光を透かし、爽やかな林道に変身。
とても魅力的。
気候が良ければドライブする車やバイクも、台数は少ないながらも行き来し、不安はまったく感じない。
そそくさと通り抜けた前回は気付かなかったが、ゆっくりと走ってみるとそこここに駐車スペースがあり、車を止めて昼寝するのに絶好の場所がいくつかあった。
いいじゃない。
今度ほけっとしたい時があったら来てみよう。



てな訳で、評価がずいぶんと変わってしまった国道152号である。
高速には松川ICから乗れるので、リンゴも買えるし。
これで木曽谷と伊那谷西斜面に加え、伊那谷東斜面の帰り道をレパートリーに加えることが出来た。
お天気により印象激変するけど、頻繁に利用する事になりそう。

この後、中央道を大阪に向かう。
また眠気に襲われ、阿智PAでまたしても2時間半、グッスリ眠ってしまった。
起きると時刻は18時過ぎ。
PAの渋滞情報を確認すると一ノ宮と栗東辺りに渋滞発生。
これをかわすべく土岐JCTから東海環状道に入り、豊田から伊勢湾岸道、東名阪、新名神で帰ってみることにした。
刈谷ハイウェイオアシスで晩飯を食べ、家に帰り着いたら23時半だった。
地図では距離は変わらなく見えたが錯覚で、走ってみると随分と遠かった。
空いてはいたけど、普通に名神を進み渋滞に突っ込んだ方が良かったな。
とにもかくにも、おつかれさま。

これにて「'12秋休み」のお話しはおしまい。
総走行距離1619.7km
燃費19.5km/l
の旅でした。

麦草峠越え

2012-11-13 00:42:17 |  ’12秋休み
'12秋休み その18

旅はいよいよ最終日。
寄り道しつつ帰る日だ。
前日は軽井沢を通過し、佐久平に宿を取った。
帰阪ルートは麦草峠を越えて茅野に降り、杖突峠をふたたび上り下りし、杖突街道、秋葉街道を南下して、天竜川を渡り松川へ。
リンゴを買って 中央道に乗る、とした。

麦草峠は今回の旅で訪れた先で一番標高が高い。
紅葉の名所、白駒池がある。
その日まで見てきた紅葉の具合からして、多分丁度見頃だろうと推測し、寄り道する先とした。
宿を早目に出て国道299号を上る。

高度を上げて行くと、果たして山を覆う樹々が色付いてきた。
途中の八千穂高原ではちょうどその日、紅葉祭りの日だった。
道路脇の案内のお兄さんが寒そうに足踏みしている。
車載温度計は10度を表示。
も少ししたら白樺林は黄色く染まるのだろう。



少し寄り道して白樺林を撮影し、白駒池を目指しさらに上る。
池に映る目の覚める紅葉… 、期待は嫌が上にも上昇したが事態は暗転、妄想はあっさりと打ち砕かれた。
目の前には白駒池の駐車場に入ろうとする車の待ち行列がずらり…。
これは何時になれば駐車できるか分からないな。
即座に紅葉観賞は断念。
我ながらあきらめがいい。

交通整理のお兄さんがいて、通過車両を通すタイミングを反対側の担当者とトランシーバーで調整していた。
OKが出て片側交互通行状態の反対車線を走って行くと、並んでる並んでる、30~40台くらい待っていた。
駐車場は結構広いのにこの待ち行列。
時刻はまだ9時前。
朝早いからまだ帰る人は少ないだろう。
どれだけ待つ事になるのか。
駐車場を過ぎると、反対側にも同じく待ち行列があった。
こりゃ大変。
待たずに駐車するには麓を暗い内に出るか、前の晩から駐車場で車中泊するしかないのでは。

茅野へと下って行くと、まだまだぞくぞくと上ってくる。
定期便らしいバスがやって来た。
乗客は少ないよう。
季節運行かもしれないけど、バス利用が正解だな。
帰りにどう混むのか不明だが。

削がれたもの

2012-11-12 06:29:26 |  ’12秋休み
'12秋休み その17



レンガに萌えつつさらに道を進み、10コ目のトンネルを抜けると、終着点の熊ノ平に到着。
新線と旧線のトンネルが4つ並んで口を開けていた。
新線は線路と架線がそのまま残されている。
廃線してすぐなら分からないでもないが、もう何年経ったのか。
普通廃線にしたら、全て撤去してしまうのでは?
こんな山の中だから引き取り手があるわけで無く、撤去費用もバカにならないから放置してあるのだろう。
そのおかげで遺構として見学できる。
ありがたい事だ。



途中の写真撮影に時間を取り過ぎて、早くも日が傾いて来た。
今から帰っても、シェルパくんの最終便には間に合わないな。
鉄道文化むらもほとんど見学できなかったし、これなら入場せず往復全て歩いたら良かった、とケチな思いが湧く。



帰りは流石に歩く人も少なく、だんだんと暗くなり、寂しい道行きとなった。
アプトの道は往復約13km。
普通に歩けば4時間弱とガイドにある。
写真を撮っていたからもう6時間が経過。
緩やかな傾斜に少しずつ削がれ続けた脚力が底を着こうとしている。
こんな遊歩道でへばっているようでは、山道なんて歩けやしない。
那須の山に雨と風で登る事ができず、山の神様に嫌われているようだと思ったが、「お前にまだ山は歩けんよ、足腰鍛えても一度来い。」 と私の歩く気を削いでくれたのかも、と思いを改めた。



17時、まるやま駅まで戻ってきた。
すねの筋肉がパンパンだ。
あと約1.3km、碓氷鉄道文化むらまで直線道を下らねばならない。
あれ、下から歩いて来る人がまだいる。
ああ、この近所の人のよう。
犬を連れていた。
夕方のお散歩道にしているんだ。
よろしいな。



ふう、文化むらの駐車場にようやく到着。
文化むらは当然閉園しており、駐車場に残るのも私の車だけ。
朝の景色がふたたび眼前にあった。
登山した後そのままの疲労感と充実感。
前屈し、ふくらはぎとアキレス腱を伸ばす。
うーん、気持ちいい。
整理運動していると、むらの職員さんが自動車で帰宅して行った。
お互い、お疲れ様。

今回のレンガ萌 その2

2012-11-10 00:29:04 |  ’12秋休み
'12秋休み その16

アプトの道はレンガ造りのトンネルを10コくぐり、橋を5コ渡り歩く事ができる、素敵な遊歩道である。
ほぼ舗装された歩き易い道を軽井沢側終着点、熊ノ平へと向かう。
まるやま駅から峠の湯という日帰り温泉施設までは信越本線の新線横を歩く。
峠の湯には「とうげのゆ駅」という、シェルパくんの止まる新駅が用意されていた。
昔はここまで乗り入れていたようだが、今はまるやま駅まで。
それが復活するらしい。
そこからの道が信越本線の旧線のようで、時を経たレンガのトンネルが現れた。
これはこれは、渋いなあ。



廃線跡は山中を緩くカーブしながら上ってゆく。
鉄道としては急坂でも、歩く分には適度な負荷感。
途中、碓氷湖が望めたり、旧国道18号を横に見降ろしたり。
短いのやら長いのやら、内壁や照明の様子が違うトンネルが次々現れ、飽きずに歩ける。



ルンルン気分で幾つ目かのトンネルを抜けると、アプトの道のハイライト、第三橋梁(めがね橋)上に出た。
下に旧国道18号が走っているので、歩きでなくても見に来れるというのが悔しいが、苦労して来た甲斐がある見ものだ。
橋のたもとで、買って来ていたコンビニおにぎりのお昼ごはんとした。





んー、いいなあ。
橋を下から見上げたく、降りる道は無いかと林の中に入って行くと、あるようなないような踏み跡が。
これは道じゃないんだろうなと思いつつ下って行くと、やはり途中で消失し藪が立ちはだかる。
しかし国道はすぐ目の前。
藪を分けて無理やり通り抜けた。
アプトの道の至る所にヤマヒル注意の立て看板があった。
そういえばと思い出して足元を確認すると、…イヤーッ。
2cm位の細くて茶色い奴がズボンにくっ付いていた。
慌てて払い落とす。
あー、気持ち悪。
後で気付いたが橋の反対側にはきちんとした階段が設けられていた。
失敗失敗。



さてさて、またしても1時間、レンガの橋に萌えてしまった。





今回のレンガ萌

2012-11-07 00:02:25 |  ’12秋休み
'12秋休み その15



まるやま駅横には丸山変電所跡がある。
碓氷峠を越えるアプト式電気機関車に電力を供給する施設で、変電設備と蓄電設備があったそう。



送電される電力だけでは足りなかったのか、蓄電池がたくさん置かれていたらしい。
レンガ造りの大きな建物が二棟並ぶ威容。



折り返すシェルパくんを見送った後は、建物のあちこちを撮影。
建物の周りを歩いてはシャッターを切る。



以前は廃墟だったらしいが、保存修復され今の姿を取り戻したそうだ。
修復後、また時を経てレンガがいい感じにやれてきている。
それとも修復対象とならなかった昔からの生き残り部分だったのか。



夢中で撮影していたら、シェルパくんの次の便がやって来た。
しまった、時間の取りすぎだ。