いちじく

2019-08-27 06:26:22 | Weblog
淡路島に行った。
農業の島だから、大きな産直市場があって、たまねぎを中心にいろいろ野菜が売っていた。
帰りがけにいくつか購入。
中にいちじくがあって、これも安かったので購入。
帰って冷蔵庫で冷やしておいた。



いちじくなんて食べるのいつ以来だろう。
どんな味だったかな。
イメージはあるのだが、はっきり思い出せない。
食べ方も忘れてしまった。
手で皮を剥くんだよな。
おしりの方から皮をつまんで引っ張ると、薄く千切れてうまくめくれない。
連れが軸のついてる方から剥くのだろうと言うのでそうすると、真皮を半分道連れにし厚みを持って皮が剥けた。



かぶりついた。
ああ、こんなだったか。
ぬるりざらりとした細く密集した繊維感を感じ、舌で押しつぶすとぬるりざらりと分解される。
水分はたっぷりだがジューシーというより粘液質だ。
その舌触りに似合わずさっぱりとした控えめな甘さが奥ゆかしい。
しつこさやとがったところが全くない甘さなんだな。



連れはそんなに好きではなく手を出さなかった。
ドライフルーツにしたのは好きらしいのだが。
なのであと1日この味わいを楽しむことができる。


いなかの涼

2019-08-16 06:22:20 | その他旅行き
実家に到着し、まずはシャワーを浴びさせてもらった。
さっぱりしたが、身体を拭くそばから汗が噴き出してくる。
脱衣所から出ると裏口の窓からさらさらと風が入っていた。
周りに建物が少ないからか風通りがよく、涼しい風が廊下を吹き抜けていく。
夏草茂る裏手の景色を眺め、しばし肌の火照りを冷まさせた。



夜寝る時も窓から涼しい風が下降してきて、寝転ぶ私を夜気のベールで覆ってくれるようだ。
早くから敷いてあった寝具も冷たく、熟睡した。
2日目の晩は暑かったから、毎晩そうはいかないようだが。
それから水道の水も冷たかったな。
マンションみたいにタンクに貯めておくってことがないから、地面の下の水道管からダイレクトに給水できるとこんなに違うんだ。
手を洗うたび涼を得られた。



翌日も暑い日。
墓参りに庭木の剪定とたっぷり汗をしたたらせた。
妹を買い物に連れて行くと、母にスイカを食べさせるのだと購入していた。
夕刻、風呂上がりにご相伴にあずかる。
暑さもスイカも夏らしい。
いいなあ、いなかは。




帰省の寄り道

2019-08-14 06:39:08 | その他旅行き
夏は近場で遊びに行く先がない。
アウトドアに目が行くから、どこに行っても暑そう。
アウトドアで涼しいところって、海か山だよな。
自分の場合海はないから山になるが、長いお休みがなければ高い山の上まで行かれない。
日帰りや一泊くらいでは大阪から行ける高いところは知れている。
夏休みはもうとったから私にお盆休みはないし。
カレンダー通りのお休みの三連休で三重の実家に帰省を予定していたが、寄り道先が思いつかず、ただ帰ることになってしまいそうだった。
それではあまりにつまらないよな。
せっかく長い距離を移動するんだから、いろんな事物を見て見識を広げねば。


<20190810-03>

頭をひねって思いついたのがこないだ行って面白かった21世紀美術館。
人工的に涼しい美術館に遊びに行って芸術鑑賞すればいいではないか。
大阪の東方に写真展でもやってる美術館は無かろうかと探したら、入江泰吉記念奈良市写真美術館があった。
奈良公園に遊びに行った時、一度行ったことがある。
近くに駐車場もあるようなので、そこに寄ってから実家に帰ろう。
近くで写真を撮ってもいいし。


<20190810-05>

ちょっと違う目的が加わると、ただの帰省も魅力的になる。
俄然楽しみになって、土曜日を迎えた。
帰省ラッシュのピークの日、混雑する下道を南下して東大阪の石切から第二阪奈有料道路に入った。
過去に通ったことはあるはずだが、あまり記憶にない。
生駒の山をくぐり一気に奈良市に入る。
阪奈道は空いていたが、奈良市内は再び渋滞。
それでも思ったよりスムーズに駐車場に到着。


<20190810-01>

車を止めて美術館まで数分歩く。
なんだかすごい晴れの日で、青空がくっきりとしていて、浮かぶ雲の白さを際立たせていた。
汗をかき出す前に美術館に逃げ込んだ。
そして涼しく写真鑑賞。
その日は入江泰吉の「はな」と石内都の「布の来歴ーひろしまから」が展示されていた。
花の写真は世に溢れていて、独自性を出すのは難しいなと思い、布地の写真なんてものも作品になり得るのだなと思った。


<20190810-02>

お昼を過ぎていたので、美術館の喫茶室で軽食をとることに。
食事と言えるものはピザトーストセットくらいしかなく、仕方なくそれを注文したが、トーストがクロワッサン生地のような感じで、さっくりと焼けていてなかなかに美味しかった。
美術館の贅沢な間取りの玄関ホールを遠目に、少しばかりゆっくり時間を過ごす。
ふむ、なかなかよろしい休日の過ごし方だ。
覚えておかねば。


<20190810-04>

美術館を出て、少しだけ付近を散策。
新薬師寺が近くにあるようなので、そちらに行ってみるが、門の前に到着するまでに炙られた日差しの強さにじっくり見学する気が失せ、門から中を覗いただけで駐車場に戻った。
また写真を見に来た時、季節が良ければ見学しよう。
車に戻るとはや室内は温室状態、エアコン全開で出発。
名阪に乗るべく天理へ向けて南下。
途中まで少し高台の上を走ったので、奈良平野の広がりを見渡せた。
暑くなければ車を止めて写真を撮りたい景色だった。
意外に早く名阪国道のインターに着き、そこからはお馴染みの道を辿り、実家へ向かった。

毎日暑いなあ

2019-08-10 10:11:38 | Weblog
しかしなんで夏はこんなに風が死んでいるのだろう。
冬のように風が吹けばここまで暑いことはないだろうに。
気圧配置のせいであることは分かるが、困ったものである。
世界のどこかに冬は等圧線の間隔が広く、夏は狭い地域があったりするのだろうか。
そんなところに住んでみたいものである。
そこには別の悩みがあったりするのかな?




さて、どちらをとるか

2019-08-09 06:31:48 | お酒
今の生活パターンだとテニスの予定が入っていなければ、土曜日の夕方はほぼ家にいる。
掃除や洗濯を終えて、夕食の支度は連れに任せ、のんびりできる時間。
日中にかいた汗をシャワーで流して、エアコンを効かせた部屋で写真の整理をしたりする。
もう外に出る必要は無いし、ビールを明るい内から飲んだりして。
今の季節はこれが応えられませんな。
あまり早くから飲むと、昼間の疲れと金曜の夜更かしのせいで眠気に襲われ、そのまま昼寝というか夕寝してしまう。
夕食ができて起き出すのだが、なぜかその後夕食時に飲むアルコールが美味しくない。
夕方に飲む量は多くてもスモール缶二本で、私の身体のアルコール許容量にはまだまだ余裕があるのに。
夕食時の一杯目はまだいいのだが、飲めば飲むほどまずくなる。
美味しい料理と合わせ美味しく飲みたいのに。
あれはなんなんだろう。
毎回そうだから、その時の体調のせいではないだろう。
夕方飲んだアルコールの分解が進み、アセトアルデヒドが身体に充満する頃、さらにアルコールが加わるからだろうか。
仕組みがよく分からない。
いつものように長く美味しく飲みたいから、夕刻の一瞬の快楽は我慢しようかとも思う。
その時は美味しいんだけどなあ。




今年の寝方

2019-08-08 06:21:01 | Weblog
梅雨が明けるまでは涼しかった朝晩も、明けた途端に蒸し暑い日々となった。
涼しかった頃は晩酌にビールを飲んだら、夜中に必ずトイレに起きていた。
その度に膀胱の柔軟性がなくなってきてるんだなと年を感じたものだが、暑くなってからは夜中に起きなくなった。
そんなに汗をかいているのか。
少しビックリである。
これまでは暑い夏の夜は素っ裸で汗かいて寝ていたが、今年からエアコンのお世話になっている。
朝まで運転させ続ける勇気はなくタイマーをセットするのだが、寝入りっぱなだけだと夜中に暑くなりそうなので、朝方まで3~5時間冷やし、起きる頃に暑さを感じるくらいにすると、暑さで目が覚めてちょうどいい。
昼間ならエアコンが切れた途端暑くなるが、熱帯夜とはいえ夜の気温上昇率は低く、暑くなるまで時間がかかるのを見越して時間設定するのだ。
目覚ましの鳴る数十分前にほんのり暑さを感じて目がさめる。
風量を調整した扇風機を枕元に置いておき、リモコンを手元に置いておけば、起床までのあとひとときも涼しくいられる。
夜中に汗かいて寝ていた頃は、目覚めてからシャワーを浴びるか、濡れタオルで身体を拭かないと、汗でベタベタして服を着れたものでなかったが、この寝方だと汗は気にならない。
贅沢だなあ。
でも電気代はかさむんだろうなあ。




旅の終わりのみっけもん?

2019-08-07 06:25:02 | その他旅行き
美術館の駐車場を出て北陸道のICへ向かう。
雨脚はだんだん強くなり、高速に乗る頃にはバラバラと音立ててフロントガラスを打つ降りになった。
旅を切り上げて正解だったとしよう。
平日昼間の北陸道は車が少ない。
周りから余計な刺激を受けることなくゆっくり走る。
そうだ、お土産を買っていない。
次のサービスエリアで何か探そう。
徳光PAにハイウェイオアシスがある表示を見つけたのでそこへ。

<雲1>


それらしい大きな建物の前の駐車場に車を止めるが、建物の様子が何か変。
お店やっているのだろうか、と思わせる荒れた外観。
なにかすさんでいる。
止まってる車が少ないのはそもそも交通量が少ないからだと思ったが、それだけではない何かが普通と違う。
背景が雨降り曇天だからかもしれないが廃墟に見えた。
とりあえず車を降りてみた。
入口がどこか分からない。
使われていない幟や段ボール箱が置いてあるが、扉に近づいてみると自動ドアが開いてくれた。
自販機に商品補充しているお兄さんがいたので営業はしているみたいだ。
でも他に人けがない。
中も外側と大差ない雰囲気で、照明は部分的にしか付いておらず、小さく区切られたお店のほとんどが閉まっていた。
明かりの点いた方へ入って行くと6店舗くらいが営業していて、売り子さんが各店舗ひとりづつ暇そうに立っていた。
私以外にお客さんはいないから、視線が集まってきてちょっと気圧されたが、地のお土産買えるのはもうここだけだろうからとお店の品揃えをさらっと確認。
いらっしゃいませ、いかがですか、と声をかけてくれるが、そんなに熱意はない。
こんなところで働くのも気が滅入るだろうなと思う。
お菓子を売ってるお店で白山市の洋風饅頭を買って、早々に退散した。
ここって休日はそれなりにお客さん入るのだろうか。

<雲2>


最近の高速道路はよく整備されて、昔は最悪だったサービスエリアのトイレはどこのも綺麗になり、お店は充実、ドッグランなんてものも出来たりして、サービスエリアで遊ぶのを目的に高速道路に乗る人もいると聞く。
どこもかしこもピカピカなイメージだったが、こんな寂れた施設がまだあったりするんだ。
ちょっとビックリした。
その後は特に変わったこともなく、名神に入り、雨の上がった大阪に帰ってきた。
これにて今年の夏休みの旅はおしまい。

<雲3>


久しぶりにやった行き当たりばったりな旅。
訪問先で見るべきものを身損ねる可能性が高く、実は興味あるものがあったことを後で知って失敗したなあと思うこともあるが、詰め込んだ日程とはまったく縁のないこの気ままさ。
いつからか旅程をきっちり決めた旅をしてきたから、前者のデメリットより後者のいいところの方がよく感じられたかな。
またやろう。


金沢21世紀美術館

2019-08-05 06:32:21 | その他旅行き
車に戻り、出発。
国道に戻ればよかったのに、街中の道路標識の金沢への矢印に従い走ったら、途中からどこに向かってるのか分からなくなってしまった。
スマホの道案内ソフトを起動して、無事金沢に到着。
目的地として地図上にポイントした位置が少しずれて正しくなかったのだが、ひと角曲がり損ねたおかげで、うまいこと21世紀美術館の地下駐車場に入ることができた。



駐車場から美術館へ入ると、そこは地上階まで吹き抜けになった階段とエレベーターがあるホールだった。
階段が壁に沿ってグルリと周る内側に透明な箱のエレベーターがある。
階段でもって地上階へ向かいつつエレベーターを見るとなにかおかしい。
エレベーターのドアはあるのにエレベーターの箱が通る筒がないのだ。
地階でエレベーターに乗った人がいて、地上階へとエレベーターが上ってきたのを見て仕組みが分かった。
上から吊り上げずに、下から押し上げていた。
不思議な光景だった。



円形でガラスを多用した美術館だということは知っていたが、他にも普通でない何かがありそうだ。
廊下を進んで行くと、あれ?、無料で入れる展示スペースがあった。
入口に現在開催期間中の展覧会のポスターが5つくらいあって、すごい数だなと思ったが、無料の展覧会も含まれていたようだ。
後で入った分も含め5つの展覧会の内、3つが無料だった。
当然無料の展示スペースは小さいのだが、個性的な作品ばかりで面白かった。
これはいいなあ。
日常的に遊びに来れるではないか。



それに嬉しかったのが、展覧会の作品でも自分で楽しむ目的であれは写真撮影可であること。
なかなかそんなところは少ないぞ。
展示室の向こうにはミュージアムショップがあった。
丸く区切られた売場スペースが2つある。
なんか人が多くなった。
平日なのにすごいなあ。
外国人の方も多いし、ああ、修学旅行生もいるのか。
どこだかの県立美術館とはえらい差だ。



有料の展覧会のチケット売場に行くと、なんと長い行列が出来ていた。
えー、美術館でこんなの見たことないぞ。
今から並ぶ気にならず、無料で入れるその他エリアを見学しつつ考えた。
天気予報では明日は雨のようだ。
後2日のお休み期間で能登まで行こうかと思案していたが、雨だと動きが制限されるし、車から雨の中に降りるのが鬱陶しい。
旅行期間を1日短縮することにした。
そして明日の午前中帰る前にもう一度美術館を訪れて、有料展覧会をじっくり鑑賞しよう。



その日は早い時間に金沢のビジネスホテルにチェックインし、酒を飲んで寝た。
翌日、再び美術館にやってきて展覧会場の開場前に入館したが、もうすでに数人がチケット売場に並んでいた。
開場前だがチケットの販売は行っているようだ。
私も列に加わり購入。
係員の人はただチケットを売るだけでなく、有料展示と併せて見れる恒久展示作品の範囲や制限の説明もしないといけないので、時間がかかり待ち行列が出来るのだと分かった。



その日は2つの有料展覧会があり、私は大岩オスカールの「光を目指す旅」の方が見たかった。
やがて開場。
有料の展覧会は複数の展示室が使われ、順に鑑賞した。
大きな作品は光と陰、現実と仮想が交錯したような絵だった。
大きな作品は見応えあるのだが、小さな額に収められた小品も作者のアイデアや想いが表現されていて、私にはこちらの方が面白かった。
大岩オスカールの絵は無料ゾーンにも巨大な壁画があり、鑑賞できる。



こちらの有料展示範囲で見れる恒久展示作品はレアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」の地上部。
しかし天気予報通り雨が降り出して、雨の時は地上部は閉場するとのことで、プールの下を覗くことはできず。
しかし反対にプールサイドに人のいない写真を撮ることが出来たので良しとしよう。
このプールは水面を下から見ることもできる作品で、下から見るにはもう一つの有料展示エリアに入らねばならない。
そちらのチケットは購入しなかったので、また別の機会に鑑賞しよう。



少し早かったが昼食にした。
美術館付属のレストランでバターチキンカレーだったかな、を食べつつ外を眺めた。
予報どおり雨になったので、明日の何も決まっていない旅程をキャンセルするかどうするかもう一度脳内会議。
雨だとどうしても遊ぼうとする足は重くなる。
それでも雨に似合う何かに出会えればいいが、今の気分は後ろ向きだ。
やはりこれで帰阪することに決定。
美術館を出て駐車場の車へ戻った。




白山比咩神社

2019-08-04 14:16:29 | その他旅行き
しばし行くと左手に参拝者用駐車場があった。
平日なのに結構な数の車が止まっていて、信仰を集めているのだな。
暑くなった日差しの下、お土産屋さんを左に見て大きな鳥居の方へ歩く。
鳥居をくぐると背の高い木が参道を挟んで立ち、日差しから逃れることが出来た。



由緒書きがあり、祭神は白山比咩大神と伊弉諾神、伊弉冉神。
白山比咩大神は伊弉諾神と伊弉冉神の仲を取り持った神さまだそうだ。
小さな石橋のところで参道は直角に曲がり、長い石段が現れる。



石段は緩やかで、コケが付いているのか緑色である。
左右は大きな木々が繁って日を遮り、緑陰という言葉はこの道のためにあるような気がした。
左は斜面になっており、小さな滝があったりして、これからの暑い季節はここで涼を得られる。



長い石段を登り切ると左手に神門があり、その向こうに幣拝殿があった。
奥宮でのお願いを聞き届けていただいたお礼をした。
境内を挟んで反対側右手に白山奥宮遥拝所があったので、今は遠くなった奥宮に向けてもお参りした。



授与所の向こうに駐車場が見えたので、さっきの石段を上らなくてもここまで来れる道があるようだ。
お参りを終えて石段の参道を下る。
上から見ると石段の上側表面しか見えないので、緑色がより濃く見えた。



駐車場横にあるお土産屋さんに入ってみると、食事処でもあったのでお昼ご飯にする。
この後は金沢まで行き、21世紀美術館へ行こう。
旅の直前にEテレでやっていた大岩オスカールの展覧会が面白そうだった。
今日はそこまでだろうから、金沢のビジネスホテルをネットで予約しておいた。


ドライブブブ

2019-08-03 01:10:54 | その他旅行き
白峰の集落を見学し終え、次なる目的地へと車を出した。
目指す方向は金沢。
手に入れた白山市のガイドマップで白山比咩神社の本宮が途中にあるのを知った。
一昨日、白山室堂で無事の登山と良い写真が撮れるようお見守りくださいとお願いし、聞き届けられたお礼参りをしよう。

<白山室堂から御前峰を望む>


白峰からは国道157号を北上する。
平日の山の中の道はとても空いている。
後ろから車間を詰めてくる車がいないのをいいことにトロトロ走った。
道は広い谷間の底を緩やかに曲がりながら続く。
お天気はいいままで、日に直射されると暑いが、窓を開けて走ると風がとても気持ちいい。
緑を濃くした山の木々と青空に浮かぶ白い雲が夏の雰囲気いっぱい。

<夏のイメージ1>


初日の夜のドライブでも昔の旅を思い出したが、この「夏!」な景色の元でのドライブもまた、もっと古い夏休みの旅の記憶を引き出した。
あの頃は若かったなあと思い返し、清々しいドライブにピッタリな音楽をかけてご機嫌で運転した。
徐々に周りに建つ家が多くなり、街に近づいてきたようだ。
ずっと白山市の中を走るのだと思っていたが、能見市に入る標識があったので、思った道から外れていないか気になり、すぐに現れた「しらやまさん」という道の駅に現在地を調べるため入った。

<夏のイメージ2>


駐車場に車を止めると急に眠気に襲われた。
あれれ、昨晩はよく寝たはずだが、朝からよく活動したから早くも疲れたか。
急ぐ旅ではないので、シートを倒して居眠り。
気がつくと1時間も眠っていた。
窓を開けて眠ったが走っていないと風が入らず、車内で眠れるギリギリの暑さだった。
旅先の車内でのお昼寝もまた記憶の引き出しを刺激する。

<林道のイメージ>


その昔エアコンが部屋にも車にもついていなかった頃、夏休みは毎年信州を訪れていた。
その目的のひとつは避暑で、標高の高いところまで車で上り、窓を全開にして木々の陰に車を止め、涼しくお昼寝する日を必ず一日入れたものだ。
山の林道で窓をフルオープンにして寝ていると、右から左へアブかなんが羽音をさせて車内を通過していったりする。
高い山の上には蚊もいなくていい。
涼しい場所がうまく見つからないのだが、眠くて眠くて暑い車の中で汗して寝たこともあったなあ。

<清水のイメージ>


その魅力にはまったのは上高地から白骨温泉に向かう林道で、眠くなって偶然止めた駐車スペースでのことだった。
すぐ横の切り立った斜面を滝のように流れている清水の冷気が、流れのこちらにまで吹けてきて窓から入り、車内をヒンヤリした空気で満たしてくれたのだ。
天然のクーラーの元、気持ちよく居眠りした。
あの場所はその後何度か探しに行ったのだが、何故か見つからなかったな。

<ツバメが子育て中だった>


さて、道の駅のトイレを借りた後、少しかいた背中の汗を乾かしつつ駐車場横に立てられた大きな地図を見ると、ここはちょうど白山市のくびれの部分で、国道は一瞬能見市に入りすぐ白山市に戻る場所だった。
なるほど、安心。
白山比咩神社はこの辺りにあるはずなので、車を出して国道から外れ右手の街区へと入ってみた。
すると目の前のビルの上に「菊姫」の大きな文字が。
おお、こんなところで作ってたのか。
昨日飲んだ地酒にもあって、スーパーで普通に見るので地酒っぽくないなあと思ったやつだ。
石川のお酒だったのね。
この出会いになぜか感動しつつ、工場の前の道を白山神社の看板の方へ曲がった。