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結界

2012-08-14 01:10:49 | その他旅行き

今日は朝から異様な色の空に、雷雨が来ました。
それでなのか、変な着想を得たある出来事を思い出しました。
なんで忘れていたんだろう。
面白い物語ができそうな思い付きだったのに。
二番煎じだけど。

あれは台風が襲来した夏の日でした。
近鉄鶴橋駅での事。
ホーム上の屋根の間から覗く空は不穏な雰囲気が充ち、低く響いてくる風鳴りが心を落ち着かせません。
鉄道で帰省しようと考え、でも暴風で運行取り止めになりそうと心配をしつつ、混雑するホームで電車を待っていました。

普段無い台風に関する運行状況の場内放送に混じり、これも珍しいだろう放送が入りました。
「団体専用列車が入ります。ご注意ください。ご乗車になれません。」
みたいな。
台風なのに団体さん大変だな、と思っていると入線して来ました。

ちょっと年を経た車両で、昔の近鉄の真っ赤なデザインの奴です。
4ドアのロングシートで、ただの普通電車として使われていたような車両。
誰も乗っていません。
これから迎えに行くようです。
こんな車両に団体旅行?の需要があるんだ。
と思っていたら、停車してドアが開きました。
繰り返し注意伝達。
「団体専用列車です。ご乗車出来ません。」
心配なら通過するなり、時間合わせで停車が必要でも、扉を開けなければいいのに。
私の知らない運用規則でもあるのでしょうか。

停車時間いっぱい扉を開けていましたが、やがて扉を閉じて動き出しました。
最後尾車両には車掌が二人乗り、やはり普通と違う感じ。
車両の後ろの顔も少しデザインが違う。
あれっと思ったのが行き先表示。
たしか「鮮魚」と表示されていたと思う。
鮮魚?
凄い違和感。
そんな駅があるのだろうか。
と思う間に行ってしまいました。

普通でないそんなこんなが重なったからか、ふと取り付かれた思いが…。
今誰も乗らなかったように見えましたが、実は見えない団体さんを乗り込ませたのでは、という妄想。
見えませんが満席だったりして。
「鮮魚」などという鉄道車両に似合わない文字がまじないに思え、台風で励起した大気の肌触りが変な想像に結び付ける。
暴風下、団体行事を決行して無事なのはどんな存在か。
台風の被害が少なくて済むようおもてなしするため、ご招待した皆様をどこかの湯宿 にお連れする特別列車だったのではと想像をたくましくしたのでした。

って書いてきましたが書いた後、一応そんな駅があるのか調べておこうと「鮮魚」でググろうとすると、勝手に「鮮魚列車」って候補が表示されました。
……なんだ、つまらん。
私の見たのは幻ではなかったようです。
仕方なく「鮮魚列車」を選択すると…。
ご存知無い方は見てみてください。

こんな記事の終わらせ方にするつもりは毛頭なく、妖しい雰囲気を漂わせさらに妄想の世界を広げてもらおうと思っていたのですが。
すみません。