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送電線と鉄塔

2020-11-30 06:15:09 | 山行
亀岡側から明智越を歩くと、山を降りる手前で送電線が何本も山を越えて伸びる場所がある。
なかなか壮観である。
こんなにいくつもまとまってある場所を見た覚えがない。
送電線に近づくと鉄塔が登山道の真上に立っている場所がいくつかあった。
登山道は尾根道なので、鉄塔を立てるのに好都合なのだろう。



送電線は持参した地図にも記されていて、特徴のない尾根道のどこにいるのか特定するのに使えることに気付いた。
それにより目の前の送電線は鑑賞するものから位置特定用ランドマークに存在意義が変わったのだった。



ところが自分の居場所を把握していたつもりだったのに、ほぼ山を降りきってその場所が間違っていたことが分かった。
そこからでも目的地には行けるので後の行程に問題はなかったのだが、読図技術がなっていないことにショックを受け、しばし立ち直れず。
コンパスを持っていたのに方位を確認しなかったのが敗因だな。
私の空間認識能力はだいぶ衰えてしまったようだ。




きのこのこのこ

2020-11-29 08:42:34 | 山行
秋の山歩きの楽しみのひとつは、きのこが多く見つかることである。
春の花の代わりの足元の被写体となる。



山の花のかわいさ珍しさに加え、きのこはそのひょうきんさも魅力である。
たまに派手な色遣いをしたきのこに遭遇して喜ぶが、地味な色のきのこもなかなかよろしい。



頭でっかちなのが良いのである。
でも今回歩いた道では柔らかいキノコはあまり見つけられず。



年中みられるサルノコシカケはいっぱい育っていた。
いくつか撮ってみた。




晩秋の明智越え

2020-11-28 02:00:03 | 山行
さて、説明板横にぽっかりと開いた茂みの隙間を潜った。
すると、いきなり樹々に囲まれる。
さっきまでアスファルトの道を歩いていたからこの変わりように、分かっているのに戸惑ってしまった。
さあ、ようやく山歩きスタートである。



道は枯葉で覆われ柔らかい脚ごたえ。
針葉樹が目立つのに、落ち葉は広葉樹のそれで、登山道に沿って広葉樹が育っているのか忘れ去られた植林地帯な様相。
明智越えを歩いてる間、ずっとそんな落ち葉が降り積もったところが多かった。



最初のうち上り坂が続くが、程なく平坦な道に変わる。
尾根に出たようだ。
そこから尾根が終わって下り始めるまで、アップダウンのない尾根道が続く。
先年の台風で倒れたのか、もっと前のものか、倒木がたくさん道を塞いでいた。
そんな障害物が起伏の無い登山道のアクセント。



お天気は晴れたり曇ったりで、登山道は明るくなったり暗くなったり。
天気予報は晴れだったので、先週までの真っ青な秋晴れを想像していたが、青い空は見えても底の黒い雲があると、冬を感じさせる。
それでも風はなく、寒くなくて良かった。



どこか眺めの良いところがあればお昼にしようと思い歩くが、木々の隙間から亀岡の町が遠目に見えたり、谷向こうの山が覗けたりするくらいなので、適当な倒木のあるところを昼食場所にした。
腰掛けておにぎりを食べた。
そういえば、夏の低山で悩まされた蜘蛛の巣もなければ羽虫にたかられることもない。
落ち着いて食事できた。



冬の登山は休憩中に身体が冷えるのが寒くてつらいので、快適な登山ができるのももう少しだけだな。
まだ2時間と少しくらいしか歩いておらず、疲れてないので眠気もこない。
食べ終わってすぐに出発した。




さて、どちらに行こうか。

2020-11-26 23:23:07 | 山行
亀岡駅のコンビニで昼食用におにぎりを買い求め、その後歩き始めた。
登る山の候補は二つあって、ひとつは牛松山。
もうひとつは明智越え。
牛松山は600m程の山で、普通に登って降りて亀岡駅へ帰ってくる道程。
背景の山が牛松山。



明智越えは光秀が京都の愛宕神社に詣でるときに使った山道を辿るハイキングコース。
京都に向けて歩くので、帰りは保津峡駅から電車に乗れるし、興が乗れば嵯峨野まで歩くこともできる。
標高は400mくらいしか稼げないが、保津峡の紅葉を覗けそうなので、明智越えを歩くことにした。
こちらが明智越え方面の山。



地図に従い保津川を越えて保津の町中を山の方へ向かう。
田畑が近くにあり、昔からの農家なのだろう、大きな家が多い。



持っているのは50000分の1の地図なので大まかにしか道が分からないが、お寺を目印に位置を特定し、迷う地点ではうまく標識を立ててくれていたので、すんなりと登山口に着くことができた。



分かれ道を右へ。右端に小さな道しるべがある。



冬は雪深いところだからか、茅葺ではないが傾斜の急な屋根の家が見られた。



明智越えの説明板が道路脇に現れ、山に入る場所を教えてくれた。




京都>山陰線>亀岡

2020-11-25 06:22:51 | 山行
三連休の中日、京都は亀岡の北にある低山を歩きに行くことにした。
紅葉が頃良い標高であろう。
登り口と下山場所が違ってもいいよう鉄道利用で、山陰線(嵯峨野線)で亀岡に向う。



JR京都駅の山陰線ホームへ行って驚いた。
すでに待っていた園部行きの電車は満員状態。
ドアから人が溢れそう。
うえー、こんなのに乗りたくないな。
少し遅くなるが次の電車を待って、中の方に入ろうと見送った。
改札から一番遠い先頭車両が一番マシだろうと奥へと歩いて待つ。



やってきた次の電車は亀岡行き。
一番に乗り込んで発車時刻を待つが、さっきの電車みたいな満員状態には程遠く、密になることなく出発。
みんなどこへ行くのだろうかと思っていたが、嵯峨嵐山駅でほとんど降りてしまった。
なるほど、嵐山観光か。
がら空きになった電車はそこから山の中へと入り、トンネルへ突入。



その辺りは旧山陰線を走るトロッコ列車で有名な保津峡である。
トンネルとトンネルの間に保津峡駅があり、さらに蛇行する保津川の上を何度も渡る。
新しい今の山陰線はトンネルとトンネルの間のその一瞬だけしか眺めは楽しめない。
最後のトンネルを出ると盆地に抜け出、亀岡駅はもうすぐ。



亀岡駅に近づくとすぐ隣に京都サンガの蹴球場がどーんと聳え立っていて、びっくりした。
こんなところにあるんだ。
亀岡駅で乗っていた先頭車両から降りたのは私だけだった。




高安山

2020-08-19 06:33:31 | 山行
先週末、高安山に登った。
高安山は大阪と奈良を分ける生駒山地を形成する山の一つで、八尾市の東側にあり標高488m。
出発前日、きっと暑いだけだろう一日を思い、尻込みする自分をなんとかお出かけモードにして、翌朝頑張って家を出た。
久しぶりの山行。
大阪側の登り口のひとつである近鉄の信貴山口駅から歩き始めた。
インターネットで調べたコースマップによると1時間半程で登れてしまう山だから、登山というよりハイキングである。



駅の周りは高台に広がる住宅地。
登る前から眼下に市街地が広がる眺めのいいところである。
コースマップに従い歩いて行くとゲートがあり、脇を抜けて山の中に入っていく。



まもなく舗装は途切れ草の生い茂る道へ。
草に囲まれ、止まる風。
首から吊るしたカメラに汗が滴り落ちる。
防滴仕様でよかった。
けど帰ったら水拭きしてあげないと…。



低山の夏の山中は小さな羽虫がたくさんいて、ひどく纏わり付かれる。
草むらを歩いてるんだから当然と言えば当然。
汗の匂いに惹かれて、顔の周りをプンプン飛び回る。
酷い時で目の前に7匹くらい見えたから、横や後ろ、頭上を合わせると・・、数える気になれない。
タオルで払っても払っても付き纏う。
口を開けてると口中に特攻してくるし、鬱陶しいったらない。
団扇を持ってこないといけないな。



道も歩きにくい。
草が生い茂り足元がまったく見えない状態で歩かねばいけない場所が数箇所。
道標が草に埋もれていた。



そして突然現れるクモの巣。
道には人の通る空間ができるのでクモも巣を張りやすいのだろう。
右に左に避けて歩くが、見落としたクモの巣を顔に引っ掛けないよう、棒っきれを拾って顔の前にかざし進む。
途中、汗だくで軽装のお兄さんが後ろから抜いていったが、ウエーウエーとうめきながら進んでいた。
私より苦手みたいだ。



針葉樹の林に入ると気温が下がり、風も抜けるようになり、ようやくマシになった。
日陰だから草も生えず、歩きやすくもなった。
お腹が空いてきたので眺めのいいところがあればお昼にしようと思ったがそんなところは現れず。
仕方なく開けた林の中に座れる岩を見つけておにぎりを食べた。
数匹の羽虫がまとわりつくが、さっきよりまし。
と思っていたらズボンにヤブ蚊が止まるのが見えた。
うわわわわ、痒いのは困る。
追い払いつつ急いで食べて、そそくさと出発。



私が選んだのは信貴越え(黒谷道)という道で、昔、信貴山朝護孫寺への参拝道だったそう。
崩れた灯篭や石造りの丁石、道標がある歴史ある道。



大きな墓地が現れるとほぼ山上。
ケーブルの駅までコンクリート舗装の細い道路になる。
道脇に車が止められていて、お盆だからお墓参りに来てる人が沢山いた。



展望台と書かれた古い建物があったので上ってみたが、展望はまったく効かず。
成長した木々の葉っぱが見えるばかり。
昔は見えたはずの大阪平野を思い描いた。



大きな駐車場に出たと思ったらその左はケーブルカーの山上駅だった。
駅前のバス停のベンチで一休み。
太腿が何か冷たいと思ったらズボンのお尻辺りがグッショリ濡れている。
シャツが濡れてズボンに汗を移していたようだ。
シャツの裾をまとめて絞ってみると、汗がとととっと落ちた。



地図を確認すると高安山山頂はケーブル駅を越えて、もう少し向こうだった。
山上は明るい雑木林に変わり、木々の隙間から大阪平野が見える。
たった400mであるがやはり山の上。
歩かずに木陰で風に吹かれているととても涼しい。
下界では珍しいミンミンゼミが鳴いていた。
クマゼミと違って暑苦しく聞こえないのは、何匹も重なって鳴いていなかったからか。
ここへきてようやく山っていいなあと思えた。



高安山山頂へはハイキングコースを外れて木立の中に入って行かねばならないのだが、この入口がとても分かりにくい。
一度通り過ぎてしまった。
少し急な細い道を上ると三角点が突然現れた。
眺めの全くない、木々に囲まれた小さな広場が山頂だった。




登山道にも

2020-05-27 21:36:57 | 山行
何日か前のニュースで今年の夏は富士山の登山道が閉鎖されると聞いた。
山小屋も全て休業。
富士山は人気の山だから、登山道が渋滞して屋外とは言え密集状態になるのを避けるためかと思ったが、山小屋の休業が先に決まったらしい。
よほど健脚でないと日帰りなんて出来ないから、ほとんどの人は山小屋に宿泊しなければならない。
すし詰め状態で泊まることになるから、よほどボロい小屋で隙間風が入るようなところでなければ三密になるわけだ。



他の山が今夏どうするのかは情報を得ていないが、日本アルプスなんかの人気の山小屋は、やはりぎゅーぎゅー詰めになるから休業することになるのだろうか。
街のお店のように入室制限する訳にはいかないからなあ。
コロナ禍でいくつも企業倒産しているが、体力のない小さな山小屋は経営継続断念してしまうかも。
深山へはテント泊でないと行けない、なんて時代が来るのかもしれない。



山小屋は登山者を泊めるだけでなく、従業員の方達が付近の登山道の整備もしていると聞いた。
崩れたりして危険な場所を補修したり、雪渓上にルートを表示したり。
山小屋を使わなくても、そんな有志の方々のおかげで安全に登山できていることを忘れないようにしないといけない。
もしも山小屋が無くなる事態になってしまったら、深山にある利用頻度の低い道やバリエーションルートから自然に返って行くことになるのだろう。



登山も人間の営みだから、コロナウィルスは見逃してはくれない。
でも山の自然にとってはうれしいことなのかもしれない。
配慮の足りない人間に踏み荒らされずに済み、植生の守られる場所が増えるかもしれない。
いや、反対に登山道が明確でなくなると好き勝手に歩かれて、逆の事態になるかも。
どちらにせよ、我々利用者の意識の問題であることは変わらないということか。




尺代の北

2019-12-19 06:25:30 | 山行
寒くなって晩に食べる量が増え、お腹周りがひどくポッコリしてきた。
忘年会やお正月の飲み食いでさらに肥大化する前に少し凹ませねば。
思いつく一番手っ取り早い方法は登山。
登山はただ歩くだけだが、なかなかにカロリー消費が激しい運動のようで、山行き後は結構お腹がすっきりするのだ。
そんな動機で週末、ポンポン山に登ってきた。
紅葉が見たいから、花が撮りたいから、新緑に染まりたいから、など山に行く理由は様々だが、痩せるために行こうと思ったことはあったかな?
だから山はどこでもよく、近場の山にした。

結果、効果は少しはあったようだが、思ったほどでなく残念。
凹んだお腹のイメージはアルプス縦走した時だったかな。
いやいや、日帰り登山でも、あれっ?と思うほどすっきりしてたはず。
なんにせよ運動強度をあまり高くできなかったようだ。
低山過ぎたな。
今の季節、少し高い山でも寒いから行きたくないが、も少し登りごたえのある山にしないと効果はでないようだ。

ところで、今回フォトジェニックだったのは麓の集落から山に入る林道。
車が通れる広さの道だが周りはすっかり山の中で、でも昔人が活動していた名残が残っているところ。
バシバシ写真に撮った。

























下山

2019-07-26 06:32:25 | 山行
翌朝、まだ暗い時間から起きだす人がいた。
山頂にご来光を見に行くようだ。
今日って雨ではないのか?
私はようやく眠りにつけたこの眠気を逃すまいと、そのまま寝続けた。
次に目を覚ました時、周りは明るくなっていて夜は明けたようだ。



今度は起き出して外に出てみると、雨は降っておらず、それどころか青空が覗いていた。
朝食までの時間、しばし辺りを散策。
山頂から戻ってくる人がちらほら。
ご来光は拝めたのだろうか。



食堂へ行って窓際の席に座り、外の様子を眺めながら朝食を食べた。
雨が降り出す気配はなく、別山もスッキリと見える。
なんだ雨降らないじゃない。
雨ならさっさと下山するだけだなと思っていたが、晴れるとなると話は別だ。
少し遠回りして、南竜ヶ馬場に寄り道して下りよう。



食後、荷物を詰めなおして出発。
展望歩道の方へ向かう。
こちらは主要道から外れているからか他に誰も歩いていない。
登山道に残っていた新しい靴跡もいつのまにかなくなり、静かな山歩きが楽しめた。
展望歩道はアルプスが望めるらしいのだが、そこまでお天気はよろしくなく、遠い山は雲の向こうだ。
しかし高山植物は種類多く咲いていて、手近の眺めは非常によろしい。



道は下り基調で楽々と歩く。
遠くに南竜ヶ馬場の盆地と山小屋が見えた。
8時半近くになると昨日と同じく山の谷間から雲が湧き始めた。
空もまた雲が広がって、白くなった。
それでも雨が降る気配はない明るさ。
南竜ヶ馬場は平たい笹原で、木道が敷かれていた。



南竜ヶ馬場にも山小屋がある。
まだ10時だが朝食も早かった事だし昼食にしようと山荘の扉を開けると、小屋の人が外に出ようとするところだった。
食事したいと告げると宿泊のみで食事の提供はしていないとのこと。
ありゃそうなのか。
午前中で下山するつもりだったからお弁当を注文しなかったんだが、どうするか。
仕方ないので小屋前のベンチを借りて、行動食のビスケットやら洋菓子の残りを昼食代わりにした。



そこからは南竜道という道を行き、上りに使った砂防新道の途中に合流する。
下りは観光新道を使いたかったのだがその為には標高にして200mほど登り返さなければならない。
左膝が痛くなってきたし、途中分岐するエコーラインの急坂を見て、そんな気持ちは萎えてしまった。
同じ道でつまらないが、行きと同じ砂防新道で下ろう。



砂防新道に入ってしばらく下ると、甚之助避難小屋に到着。
休憩だ、休憩。
辺りはいつのまにかガスの只中で、行きに見えた景色は白いベールの向こう。
日は陰っていてとても涼しい。
そうだよ、時間はあるんだし、せっかく山の中にいるんだから急いで下りる必要はない。
ここでゆっくりしていこうとベンチの上に横になった。
涼しくて気持ちいいし、睡眠不足だからうとうとした。



あれ?顔に水滴か?
目を開けると周りはさっきと同じ景色。
気のせいと思い再度横になったら霧雨な感じの水滴が再びあたった。
そんな暗さではないのだが、とうとう雨が降り出したようだ。
こうなるとゆっくりしている気分でなくなる。
仕方なくザックにカバーをかけて出発。
雨は徐々に徐々に粒が大きくなる感じだ。
風は無いし両手はフリーで歩ける道なので、カッパは着ずに傘を差して歩く。



下るに従い雨は強まったが、ずっとしとしと降る感じだった。
写真を撮る回数が減ったからか脚の疲れが抜けなくなって、雨降ると休む気が失せるのでずーっと歩き通したら、登山口の吊橋を渡る時には脚が痛くて仕方なくなってしまった。
登山センターの手前に鳥居があって、その脇の石碑に白山奥宮境内地とあった。
行きは鳥居しか気づかなかったな。
山頂だけかと思っていたが、登山口から全てが境内だったのね。
山体が御神体だ。



車まではまだ歩かねばならない。
駐車場までフラフラになって歩いた。
今度こそ到着。
荷物を積んでシートに座り、ようやくひと息。
ここでも細かな雨が降り続いたようで、フロントガラスには大きく育った水滴が均等に乗っかっていた。


白山室堂の一夜

2019-07-24 06:26:03 | 山行
ビジターセンターの窓口で宿泊の手続きをし、部屋へ案内してもらった。
上下二段に布団がズラリと並ぶ、40~50人入れそうな大部屋の一室だった。
一番扉側の下段を割り当てられたのだが、部屋が大きいのに蛍光灯が真ん中にひとつしかなく、窓の反対側の端っこの下段なんて暗闇である。
書物読物ができる明るさではないので、早々に部屋を出てビジターセンターの様子を伺うことにした。
更衣室(布団部屋の空きスペースだが)があるとのことで、着替えと濡らしたタオルを持ち込んで、身体を拭き下着を変えた。
少しさっぱりして、だいぶ気温も下がったのでフリースを着込んでビジターセンターへ向かう。



受付の横に売店があって、アルコールやソフトドリンクが売りに出ていた。
おお、生ビールがある。
缶ビールなら飲まなかっただろうが、生ビールとなれば多少高くても飲まねばなるまい。
ツマミはないのか売店の人に聞くと、背後の別の売り場に食べもの類があると言うので見てみると、食べもの以外のおみやげ物も売られていた。
良いのがあれば手拭いを記念に買おうかと思ったが、興味を引くデザインのものはなく、諦めた。
ビールのツマミは袋菓子だ。
クラッツがあったのでそれと生ビールを購入した。
生ビールはブラカップに注いでくれるのだが、飲み終わったプラカップは持って下山するよう言われた。
缶ビールを買っても缶を持って帰らねばいけないらしい。
まあただのプラカップでなく、白山頂上登拝と印字されているから、いい記念になるか。
白山にはゴミ箱がないそうで、持ち込んだものは全て持ち帰ることが徹底されている。
登山者が多い山はそうでないと受け入れる側は大変なんだろうな。



生ビールとツマミを持って外のベンチに座った。
だいぶ涼しくなって、少し寒いくらいだが、乾き気味の喉に生ビールは美味しかった。
残り1/3はチビチビ飲んで徐々に光を失くしていく御前峰の眺めを惜しんだ。
飲み終えるとちょうど夕食時刻の17時。
食堂へ向かい、流れ作業で配膳してもらい食した。
座席が埋まるほど宿泊者はいないはずだが2回転させていたのは、これから混雑する日々に向けて手順の確認をしていたのだろうか。



さて、夕食後から消灯までの時間が問題である。
寝床へ行っても暗くて何もできないし、スマホはバッテリーを消費したくないので使えない。
今から寝て夜中に目が覚めたらもうその後眠れないだろうし、なんとか起きていないといけない。
ロビーのベンチで何をするということもなく座っていたが、なにもせずに座っているというのがこんなにしんどいとは思わなかった。
文庫本を持ってくるのを忘れたのが痛かったな。
ロビーの隅にテーブルがあり、その向こうに本棚を見つけたので、マンガを読んで過ごすことにした。



エリア88をひたすら読み続け、それでも2巻目の途中で20時になった。
消灯は20時半なので、部屋に戻って就寝の準備をすることに。
部屋に戻ると人が増えていて、全部で5人いるようだ。
トイレに行って枕元にヘッドランプを置いて、床に入った。
隣は空いていて寝るには申し分ない環境であるのに、やはり眠れない。
昨晩は2時間くらいしか眠ってないのになあ。
こんなに疲れて電車に乗ったら、横に人がいても座ったままで眠れるのに、なんでだかなあ。
いびきをかいてる人が羨ましい。