風の記憶

≪記憶の葉っぱをそよがせる、風の言葉を見つけたい……小さな試みのブログです≫

おうい、雲よ

2020年01月28日 | 「新エッセイ集2020」
おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきさうぢやないか

山村暮鳥の
そんな詩を思い浮かべながら
ぼうっと雲を眺めている
ふんわりとやわらかそうなその手で
生まれたばかりの、いまは
春の赤ん坊を運んだりしているのだろうか

遠い日のどこかで
一片の雲みたいだった
どこへ流れ着くのかもわからないで
ふわふわと、空に憧れていた
いまは一本の木になって
白い雲を追っている
いつだったか、どこかのここへ
ぼくを運んできたのは誰だ
おうい、雲よ
この冬の野に放っておかないでくれ




コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (herbtea18)
2020-01-28 09:23:17
山村暮鳥のこの詩大好きです!!
久しぶりに、この大らかな詩に出合えて嬉しいです!!

「好きなひとの名前は」・・・もいい詩でした~~ この詩も好きです。
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Unknown (yo88yo)
2020-01-28 20:45:04
herbtea18さん
コメントありがとうございます。

山村暮鳥の詩、のどかでいいですね。
こんな詩もありますね。

  雲もまた自分のやうだ
  自分のやうに
  すつかり途方にくれてゐるのだ
  あまりにあまりにひろすぎる
  涯はてのない蒼空なので
返信する

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