A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

バップスキャットが加わるとどうしてこうも盛り上がるのだろうか・・・?

2008-04-08 | MY FAVORITE ALBUM
Boppin' at the Blue Note / Jon Hendricks and The All-stars

ニューヨークのブルーノートにはベテランのミュージシャンが出ることが多かった。ライオネルハンプトンのオールスターズが出演したのは91年であったが、ここにヘンドリックスが家族を伴って出演した。1993年のクリスマスの時だった。

ランバードヘンドリック&ロスのメンバーの一人だったジョンヘンドリックスは、グループの解散後ヨーロッパに渡って活動をしていたが73年にはまたアメリカに戻る。教鞭をとるかたわら、作詞や演奏活動も続けていた。色々なミュージシャンのセッションに顔を出してはいたが、ヘンドリックスが加わると実に雰囲気が和むから不思議だ。

ところが、自分のアルバムとなるとそれ程多く制作していた訳ではなかった。
今回のセッションはちょうどクリスマスを挟んで。街全体が浮き浮きした気分になっている時期。その雰囲気をそのまま会場に持ち込んだリラックスしたライブは内輪のパーティーのような盛り上がりを見せる。

“Get Me to the Church on Time”で軽いノリでスタートすると、”Do You Call That a Buddy?”ではスローなブルースを。まずはJonが露払いし、バックも軽くウォーミングアップ。
“Good Ol' Lady”では得意のスキャットが加わる、バックのメンバーも一通りソロを披露して準備万端。
スローなブルース“Contemporary Blues”では、マルサリスのトランペットとの掛け合いで始まりホロウェイのアルトが熱っぽいプレーを。
“Everybody's Boppin'”ではいよいよ得意のヴォーカリーズによるスキャットの大競演。ウィントンマルサリスも加わって入れ替わり立ち代りスキャットの掛け合いで大ブロー。
“Almost Like Being in Love”では、愛娘のMicheleをフィーチャー。
・・・とステージはどんどん盛り上がっていく。

そして最後は、LHRでも有名なベイシーの十八番の、”Shiny Stockings”, ”One O'Clock Jump”で締めくくる。
普通のヴォーカルと違って、ヘンドリックスが加わるとどうしてこんなに盛り上がるのだろう。まさに、プレーヤーだけでなく聴衆も加わって、皆が揃って”Boppin’”を楽しんでいるステージがそのまま収められている。
最初から最後まで通して聴いてみたくなるのはこのようなアルバムだ。
TELARCのアルバムには、ベテラン達のこのようなアルバムが多い。

1. Get Me to the Church on Time           Lerner, Loewe 4:16
2. Do You Call That a Buddy?              Raye 4:35
3. Good Ol' Lady                      Hendricks 4:00
4. Contemporary Blues                  Hendricks 6:55
5. Everybody's Boppin'                  Hendricks 8:00
6. Almost Like Being in Love              Lerner, Loewe 3:59
7. Roll 'Em Pete                      Johnson, Turner 8:52
8. It's Sand, Man!                     Hendricks 2:33
9. Since I Fell for You                  Johnson 4:52
10. Shiny Stockings                    Foster 5:00
11. One O'Clock Jump                  Basie, Durham 6:48


Jon Hendricks Vocals, Producer
Judith Hendricks Vocals
Michele Hendricks Vocals
Kevin Burke Vocals

Wynton Marsalis (tp,vol)
Benny Golson (ts)
Al Grey (tb)
Red Holloway (as)
Renato Chico (p)
Mark Elf (g)
Ugonna Okegwo (b)
Andy Watson (ds)

Jack Renner Engineer

Recorded at The Blue Note, New York City, December 23-26,1993

Boppin\' at the Blue Note
Jon Hendricks
Telarc

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ロレインフェザーのデビューアルバムに付き合っていたピアニスト”Grauer”のデビュー作は?

2008-04-07 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Joanne Grauer Trio

New Yorkへ行く前のメル・ルイスは西海岸を拠点に色々なセッションに付き合っていた。
例えば、このジョアン・グラウァーのアルバムにも。

モードのアルバムのタイトルは実にシンプルだ。新しいスターを次々に紹介したかったのか、基本的には「リーダーの名前」がそのままアルバムタイトルになっている。
このグラウァー、レナードフェザーの愛娘のロレインフェザーのデビューアルバムに付き合っていたが、彼女自身のデビューアルバムがこのアルバムだ。
実は、この2枚のアルバムの主が同一人物だということは最近まで気が付かないでいた。名前をちゃんと見ればちゃんと分かったはずだとおもうのだが、その位意識の外というか、すっかり別人だと思っていた。有名でもなく、色々なセッションに顔を出していた訳でもなく、2枚のアルバムの間の接点は何も無かったので。

Modeのアルバムはジャケットのイラストの美しさと、ウェストコースト派とは一味違う白人プレーヤーの演奏が多い(自分の好みかも)ので、折に触れて一枚2枚と買い求めている。もちろん、オリジナルではなく国内盤のLPやCDで。
このモードのアルバムの彼女のイラストも実に素敵だ。
このアルバムでの彼女の演奏は、影響を受けたというハンプトンホースやホレスシルバー(時代的にはほぼ同時進行であった)風のフレーズが随所で見られる。女性的というよりは力強いタッチで。まだ彼女が10代の時の録音。荒削りなところはあるがクラシックをやっていたというだけのことはある。
このモード盤で彼女のイメージが出来上がってしまった。

あまり最近の消息は知らないが、作編曲を中心にエレキピアノを駆使したコンテンポラリーなサウンドのアルバムもあるそうだ。最初の印象が強かったので、ロレインとのアルバムを含めてその後のアルバムは別人という認識になってしまうのも仕方がない。

モードのアルバムに登場するミュージシャンには、すでに実績のあったメル・ルイスのような中堅もいれば彼女のような若手のホープもいた。
そこでデビューしたミュージシャンはそれぞれの道を歩んでいったが、50年代の中頃にこれだけの若手を集めて(それに美形の女性も多いし)、統一されたコンセプトで短期間に多くのアルバムを制作したモードは素晴らしい。
このようなこだわりのある自己主張があるレーベルは好きなレーベルだ。

1. Mood for Mode                Grauer 4:19
2. Have You Met Miss Jones?         Hart, Rodgers 3:58
3. Invitation                    Kaper 2:42
4. Happy Is the Sheepherder          Belew 5:07
5. I'll Remember April              DePaul, Johnston, Raye 3:17
6. Dancing Nitely                 Holman 5:33
7. I'm Glad There Is You            Dorsey, Madeira, Mertz 4:56
8. The Song Is You               Hammerstein, Kern 4:22

Joanne Grauer (p)
Buddy Clark (b)
Mel Lewis (ds)

Recorded July !057,Hollywood Cal.

ジョアン・グラウアー・トリオ
ジョアン・グラウアー・トリオ
ミューザック

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“Saxy”なプレーって、どんな演奏・・・?

2008-04-06 | MY FAVORITE ALBUM
Very Saxy / Eddie”Lockjaw”Davis – Buddy Tate – Coleman Hawkins - Arnett Cobb

このアルバムのタイトル”Very Saxy”。
単に語呂合わせだけでなく実にいい響きだ。
この”Saxy”という言葉から、どのようなサックスの響きが思い浮かぶであろうか。
コルトレーンかロリンズか。パーカーかレスターか。それともショーターか。人によって違うかもしれない。好みも違うので。

自分にとっては、管を思いっきり共鳴させるサックス本来の音で、滑らかなキーワークによる、語りかけるような調べを聴かせてくれるようなイメージだ。
それが、アップテンポでもバラードであっても。
まあよく「歌う」サックスということになる。
先日、フィルウッズの参加した、”Four Altos”はこのイメージにぴったりだ。ウディーハーマンの“Four Brothers”。そして”Supersax”も・・・・。

この“Very Saxy””はFour Altos”と同様、プレスティッジのアルバム。しかし、今度はアルトではなくテナー4本の競演だ。
そして、選ばれた4人のテナー奏者の一人にバディーテイトがいる。
78歳のバディーテイトが頑張っていた91年のアルバムを先日聴いたが、ここにいるテイトはそれより先立つこと30年前。49歳という充実していた時期の演奏だ。

テイト以外の他の3人はホーキンズが年齢的には一番上で55歳。あのハイアンドマイティーホークを吹き込んだすぐ後だ。それにアーネットコブ41歳。そして一番年下のエディーロックジョーデイビスが38歳。
アルトが若手4人組だったのに対してテナーの4人組はベテラン揃いだ。

アルバムの一曲目は、このアルバムタイトルになっている”Very Saxy”から始まる。このセッションにも参加している、エディーロックジョーデイビスとデュビビエの曲だ。
シャリースコットのオルガンがイントロを始めると、すぐに4本のテナーのユニゾンが始まる。そして、コブ、テイトのソロが続き、スコットのオルガンを挟んでホーキンズ、最後に作曲したデイビスへ。
このサウンドこそがまさに“Saxy”だ。

一般大衆に受け入れられながら、ジャズが全米に拡がっていったのは20年代。
30年代になってもまだまだ広いアメリカの国土の移動手段は限られていた。それ故、人の移動もまだ少なく、それぞれの町に独自の文化が育っていった。
今起こったことが瞬時に世界中に映像を含めて伝わってしまう現代とは大違いだ。
ニューオリンズから発祥したジャズも、シカゴやカンサスシティーなどいくつかの町で発展を遂げ、それぞれの場所で独自のスタイルを生んでいった。
その地で演奏をしていたミュージシャンと、都市を渡り歩いてツアーを行っているミュージシャンが随所で出会い、お互いの演奏スタイルに刺激を受け、時にはバトルセッションを繰り広げ、その技が広まっていった。サックスが主役となったブローセッションも、そのバトルのハイライトであった。

今回は、テイトを始めとして「その時代のバトル」を経験したベテラン達が集まっている。当然のように当時を思い出させるようなブローセッションが2曲目以降も続く。シャリースコットのオルガンが否が応でも、ブルージーな雰囲気を助長する。



Art Pepperが西海岸で“+Eleven”を録音していたのと全く同じ時期に、テイト達は東海岸でこんなアルバムを 吹き込んでいた。

全くタイプの違う2つの演奏だが、どちらも実に“Saxy”だ。

1. Very Saxy            Davis, Duvivier 8:18
2. Lester Leaps In         Young 6:15
3. Fourmost             Scott 5:22
4. Foot Pattin'           Duvivier 8:53
5. Light and Lovely         Davis, Duvivier 9:55

Eddie "Lockjaw" Davis (ts)
Arnett Cobb (ts)
Buddy Tate (ts)
Coleman Hawkins (ts)
Shirley Scott (Hammond organ)
George Duvivier (b)
Arthur Edgehill (ds)

Esmond Edwards (Supervisor)
Rudy Van Gelder (Engineer)

Recorded in Hackensack, NJ: April 29, 1959

Very Saxy
Eddie
Prestige

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今までの16年の活動の集大成をこの一枚に・・・

2008-04-05 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Modern Jazz Classics / Art Pepper + Eleven

同じ人物でもいい顔をしている時と、そうではない時がある。
もちろん人の喜怒哀楽は日々起こっていること。そして、ちょっとした瞬間に実にいい表情をすることがある。写真を撮るときはその一瞬を狙うのであるが、なかなかいい写真というのはとれないものである。

このジャケットのペッパーの写真は実にいい顔をしている。そして、この翌年のアルバム、”GETTIN' TOGETHER”でも。
ペッパーが元気だったのはこの頃までだ。その後は長い療養生活に入ってしまう。
復帰してからの顔つきは少し変わってしまった。
単に年をとったからというだけではなく。

健康で、毎日の生活が充実していれば、自然といい顔をするものなのだろう。
それは、他人から見ても分かるものだ。先日、友人から「最近いつも怒っているような顔をしているよ」と言われた。
自分では気づいていなくとも、自然と心と体の内面が表にでてしまっているのだろう。

さてこのアルバム。ペッパーの元気な頃のアルバムだが、ウェストコーストジャズも全盛期を過ぎ終焉を迎えていた。
そのウェストコーストジャズを築いてきたオールスターが総勢11名、ペッパーの演奏を支えるために集まってきた。いつもよりは大きな編成で、分厚いサウンドを作り出すために。トランペットのソロにはジャックシェルドンが。バリトンには、スーパーサックスのメッドフローリーが。他にもお馴染みの面々が。
そのアレンジはマティーペイジ。役に不足は無い。

そして選ばれた曲は、モダンジャズを語るには欠かせない名曲ばかり。
どれをとってもペッパーにとって、これ以上望めないようなお膳立てだ。
いつものコンボでの演奏と比較すると、大きな編成をバックにするとプレーの起伏がより大きくなるような気がする。バックの舞台を演出したアレンジャーとのコラボレーションの結果であろう。ペッパーもこれに応えるように、いつものアルトに加えてテナーやクラリネットで熱演する。

このアルバムが制作されたのは59年。アートペッパーの初吹き込みは18歳のときにケントンオーケストラで。それから16年。ひとつの時代の区切りになる卒業アルバムのようだ。聴く方も、色々な想いを巡らせる間もなく、あっという間に12曲が終わる。
そしてこのセッションに加わったメンバーも、翌年はそれぞれに新しい人生を歩み始める。
ペッパーは長い療養生活に。ドラムのメルルイスは秋のモンタレージャズフェスティバルに昔お世話になったウディーハーマンオーケストラにゲスト出演した後、長年住み慣れた西海岸を離れてニューヨークに移る。

Opus De Funk
'Round About Midnight
Walkin' Shoes
Airegin

 Pete Candoli, Jack Sheldon (tp)
 Dick Nash (tb)
 Bob Enevoldsen (vtb, ts)
 Vince DeRosa (frh)
 Herb Geller (as)
 Art Pepper (as, ts, cl)
 Bill Perkins (ts)
 Med Flory (bs)
 Russ Freeman (p)
 Joe Mondragon (b)
 Mel Lewis (d)

 Marty Paich (arr, cond)

  Recorded in Los Angeles, CA, March 14, 1959

Groovin' High
Shaw 'Nuff
Anthropology
Donna Lee

 Al Porcino (tp)
 Bud Shank (as)
  replaces Candoli, Geller

  Recorded in Los Angeles, CA, March 28, 1959

Move
Four Brothers
Bernie's Tune
Walkin'

 Charlie Kennedy (as)
 Richie Kamuca (ts)
  replaces Shank, Perkins

  Recorded in Los Angeles, CA, May 12, 1959

 Produced by Lester Koenig

アート・ペッパー・プラス・イレヴン 3(紙ジャケット仕様)
アート・ペッパー・プラス・イレヴン,アート・ペッパー,ピート・キャンドリ,アル・ポシーノ,ジャック・シェルドン,ディック・ナッシュ,ボブ・エネボルドセン,ビンス・デ・ローサ
ビクターエンタテインメント

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捜している物が見つかると・・・また新たな興味が沸いて次なる探し物が。

2008-04-04 | MY FAVORITE ALBUM
The West Coast Sound / Shelly Manne And His Men, Vol. 1

普段片付けは苦手な方だ。大体が「積んどく」タイプ。
会社の机の上やキャビネの中も書類の山。情報セキュリティー上は大問題。いつか警告を喰らいそうでビクビクしている毎日だ。
ところが、今月末に会社の引越しで久々に大掃除を始めた。色々な物が見つかって思わず過去の記憶を思い出したり、懐かしがったりしている。
プライベートでは、しばらく聴いていなかったアルバムの棚卸しを始めたのが2年前。このブログもそれがきっかけで始めたのだが、CDとレコードは大分整理がついてきた。
でも、あったはずのアルバムで見つからないことがよくある。かと思えば、同じ物が2枚見つかったり。
そしてもちろんアルバムの中からも新たな発見が。

先日聴いた“SUPERSAX”のファーストアルバムのライナーノーツに誕生の経緯が書かれていた。そこには、スーパーサックスのアイディアは、リーダーMed Floryのバンドにいた「Joe Mainiがパーカーのアドリブフレーズをすべて覚えていたからだった」との記述があった。
マイニのリーダーアルバムは知らない。クリフォードブラウンのアルバムで見かけたことがあった位で良く知らないサックス奏者で気になっていた。
そんな時彼の名前を偶然見つけた。
探していたものが見つかると、たいしたことではなくとも喉のつかえがとれたようで、何ともいえず嬉しい気分になる。

そのアルバムがこれ。”Shelly Manne and His Men,Vol.1“だ。
コンテンポラリーのアルバムとしては比較的初期のもの。もともと25cm盤だった2枚をカップリングしたアルバムだ。
ウェストコーストジャズといえば、ハワードラムゼイのライトハウスオールスターズ辺りが始めであるが、ショーティーロジャースに続いて登場したのが、このシェリーマンのグループが登場した頃が全盛期を迎える。
53年と55年の2つのセッションの録音であるが、どちらもサックスが3本の4管編成の典型的なウェストコーストサウンドを生み出す編成だ。
この55年のセッションにアルトでマイニの名前が見える。
ついでに、マイニのことが詳しく載っているサイトも見つけた。
ざっと見ただけで詳しくはまだ読んでいないが、彼の活躍の歴史が写真や音源まで含めて色々紹介されている。
いつも感じるのだが、この手の探し物は本当に便利になったものだ。

このようなウェストコースト物は演奏だけでなくアレンジも気になる。このアルバムでは6人のミュージシャンがそれぞれ独自のスタイルアレンジを提供している。ジミージュフリー、ビルホルマンやマティーペイジなどは演奏にも参加しているが、アレンジの競演である。肝心のマイニのソロは見当たらない。
久々にウェストコーストサウンドは堪能したが、今度はマイニのソロがたっぷり聴けるアルバムを聴いてみよう。

Mallets
You And The Night And The Music
La Mucura
Gazelle

 Bob Enevoldsen (vtb)
 Art Pepper (as)
 Bob Cooper (ts)
 Jimmy Giuffre (bars)
 Marty Paich (p)
 Curtis Counce (b)
 Shelly Manne (d)
 Shorty Rogers, Bill Russo (arr)
 Hollywood, CA, April 6, 1953

You're My Thrill
Fugue
Afrodesia
Sweets

 Marty Paich (p, arr)
 Bud Shank (as)
 Joe Mondragon (b)
   replaces Pepper, Counce
  Los Angeles, CA, July 20, 1953

Grasshopper
Summer Night
Spring Is Here
You're Getting To Be A Habit With Me

 Bob Enevoldsen (vtb)
 Joe Maini Jr. (as)
 Bill Holman (ts)
 Jimmy Giuffre (bars)
 Russ Freeman (p)
 Ralph Pena (b)
 Shelly Manne (d)

  Los Angeles, CA, September 13, 1955

The West Coast Sound, Vol. 1
Shelly Manne & His Men
Original Jazz Classics

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違う世界への憧れは誰でも同じ・・・

2008-04-03 | MY FAVORITE ALBUM
OKLAHOMA TOAD / DAVE FRISHBERG

カーメンマクレーがフュージョンにチャレンジしたアルバムを久々に取り出して聴いたが、もう一枚同じようなアルバムを思い出した。
CONCORDでもピアノで登場するDave Frishburg
ピアニストとしてだけではなく作詞家としても活躍していた。そして、時折、歌を聞かせてくれる。本格的な歌というよりは、ピアノの弾き語りの軽いタッチで。
Concordのアルバムでもその歌を披露しているアルバムがあったが。

71年に西海岸に来る前には、ニューヨークで歌手の伴奏をしたり、AL&ZOOTのグループなどでも活動してが、その時、全く毛色の違うアルバムを出している。あのCTIレーベルからだ。ジャズファンよりはどちらかというとソフトロックのファン向けに、カエルのジャケットで知られているアルバムだ。
実は、これがフリッシュバーグのリーダーとしてのデビューアルバムである。マルチタレントのフリッシュバーグとしては、歌手としての可能性に掛けてひとつ勝負に出たのかもしれない。それも、CTIの路線に乗って一般受けするポピュラーな路線で。

当然のように、CTI特有のエレキピアノを使った、コンテンポラリーなリズム。オーバーダビングを多用したフュージョンの奔りのようなアルバム作りである。
いつもの(というよりその後のという方が正しいが)フリッシュバーグのヴォーカルとは大分違った味付けだ。
このアルバムに収められている"Van Lingle Mungo"は野球の応援歌としても有名になった。ソフトロックファンには受け入れらたようであるが、その後が続かなかった。
そして、71年に西海岸に移ってからは、Concordでお馴染みのスタイルにすっかり戻っていた。

フリッシュバーグもそのままCTIの路線を続けていたら別の人生を歩んでいたかもしれない。ジョージベンソンのように。彼自身がそのアルバムの出来栄えを見て、その後その路線を選ばなかったのか、あるいは選べなかったのか・・・・? それは彼しか分からない。
十分に有名になっていたマクレーが違う世界へのチャレンジするのと、まだまだ無名であったフリッシュバーグの挑戦では全く置かれた環境は違ったが。しかし、大物であれば常に新しい世界へ挑戦しようという想いはいつも持っているのだろう。
凡人はひとつのこともなかなか出来ないのに。羨ましい限りだ。

1. One Horse Town
2. Van Lingle Mungo
3. The Secret Of Success
4. Oklahoma Toad
5. The Prophet Of Doom
6. Rocky Mountain Water
7. You Can’t Go
8. Wallfower Lonely, Cornflower Blue
9. Nasty,Nasty Habit
10. I Don’t Believe

Produced by David Rosner

Dave Frishberg (p,org,elp,clavinet, vocals)
Herb Lovelle (ds)
Stuart Scharf (g)
Russell George (b)
Al Corn (ts)
Sol Schinger (bs)
Garnett Brown (tb)
Bill Berry (tp)


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ちょっと一息入れたい気分の時に・・・

2008-04-02 | MY FAVORITE ALBUM
Umekichi / 蔵出し名曲集Reloaded

月末、期末、ゴルフに出張とバタバタした日が続いて、ゆっくりアルバムを聴く暇がなかなかない。
最近調子が悪くあまり気合が入っていなかったゴルフであったが、週末のコンペでは久々に優勝。「無欲の勝利」といったところだ。来週もコンペが続くので、今度は色気が出てくる。来週に向けて今回の反省を兼ねて久々に場つなぎにゴルフのコメントでも書こうかと思っていたが。

今日も出張から帰り、何か一枚聴きながらと思ったが、たまたま覘いたDUKEさんのブログで今週は”Rosie”が話題になっていた。Rosieといえば”Come on a my house”
急な出張の行き帰りでは仕事の書類に目を通しながらIpodが聴けた。一時のリラックスできる時間である。ほとんどジャズばかりが入っているが、何枚か毛色の違ったアルバムが入っている。
そして今日聴いたアルバムの最初にこの”Come on a my house”が入っていた。

三味線にお囃子で始まったと思ったら、いきなり場違いなビッグバンドが加わる。
ジャズの世界に日本文化をうまく溶け込ませたのは秋吉敏子であったが、これは日本の伝統芸能にジャズをうまく取り込んだ一枚だ。
俗曲師桧山うめ吉のアルバム。寄席や舞台で活躍しているだけではなく、フジロックフェスティバルやアメリカでもステージをつとめたとか。
日本文化のルーツであるお座敷芸や寄席芸にこれほどジャズのサウンドがピッタリあった演奏は聴いたことがなかった。最近嵌っているアルバムである。
このバックのビッグバンドのサウンドが実にいい。ブライアンセッツァーかゴードングッドウィンを思わせるような迫力ある音を聴かせてくれる。
理屈を並べながら小難しいことをやるのに疲れたときに聴くとすっきりする一枚だ。理屈抜きに楽しめる。
この”Come on a my house”を聴いたら、Rosieもさぞびっくりするであろう。

1. 家へおいでよ-COME ON A MY HOUSE-
2. 三味線ブギウギ
3. 買物ブギー
4. パイのパイのパイ
5. 真っ赤な太陽
6. びっくりしゃっくりブギ
7. 野球けん
8. 東京ドドンパ娘
9. 五匹の仔豚とチャールストン
10. ヘイヘイ・ブギ
11. ホームラン・ブギ

檜山うめ吉 & 稲妻オーケストラ


蔵出し名曲集~リローデッド~
Umekichi
ダイプロ・エックス

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パーカーを素材に、自分達の歩んできた道を辿りながら・・

2008-04-01 | CONCORD
Richie Kamuca’s Charlie

ウェストコースト派のテナーの名手。リッチーカムカは1977年に病に倒れ帰らぬ人となった。スタジオワークをやっていたので、サックスは一通りこなすが基本はテナー。レスターからの流れを汲む流暢なテナーは好きな一人だ。
コンコルドにラストレコーディングが残されているが、そのコンコルドから彼の死後2年経ってから新しいアルバムが登場した。
ここで共演しているブルーミッチェル。実はハードバップ時代から精力的に活躍してきたミッチェルも79年にカムカと同じ癌で早すぎる死を迎えてしまった。
このアルバム、奇しくも同い年で、同じ病で、同じ時期に相次いで働き盛りに亡くなった2人を悼んで発売された形になった。
このアルバムはカムカ自らのプロデュース。そして、録音はされたものの陽の目を見ていなかった作品が世に出ることになったものだ。カムカ自身のプロデュースによる作品はConcordで過去にも出ている。きっと同じ時期の録音であったのだろう。

世の中にパーカーに捧げた作品はたくさんある。スーパーサックスのようにバンド自体をパーカーに捧げたようなグループもある。
このアルバムもパーカーに捧げた一枚。タイトルも「リッチーカムカのチャーリー」。
ブルーミッチェルとの2管編成であるが、ここでカムカはいつものテナーではなくアルトを手にしている。曲もパーカーの愛奏曲ばかりだ。パーカーのスタイルにも拘ったセッションだ。
ソニースチットはパーカーに似ているがためにアルトを吹かなかったといわれているが、カムカは別にそのような理由ではなかったであろう。ここではパーカーそっくりというよりは、パーカーとの思い出をかみ締めるかのようにカムカのスタイルで、淡々とだが力強くアルトを吹いている。

というのも、このカムカは若い頃にパーカーと一緒に演奏をしたことがあるそうだ。
もっぱら西海岸中心に活躍してきたカムカであるが、場所はフィラデルフィアで。
カムカの生まれ故郷だ。
ある時パーカーが地元のクラブ出演していた時、パーカーの体調が悪く代役でステージに上ったそうだ。そしてパーカーの体調が戻った後も、カムカは一緒にステージを共にしたそうだ。まだ20歳前後のカムカにとっては一生忘れられない経験であったであろう。

相方を務めたブルーミッチェルは、この頃西海岸で一緒にプレーをしていた仲間の一人。
それにピアノはルーロウルズ、そしてベースにはレイブラウンが加わる。皆、同じ時代を過ごしてきた仲間達である。
パーカーを偲んでというよりも、自分たちの辿った道をパーカーを素材にして、皆それぞれが思い出に浸っていたに違いない。
これが、カムカとミッチェルの2人にとって、そして皆で一緒にプレーをした遺作になるとも知らずに。

1. Dizzy Atmosphere
2. If You Could See Me Now
3. Chi Chi
4. Barbados
5. Confirmation
6. Blues In A Flat
7. Medrey
 : Willow Weep For Me
 : Everything Happens To Me
8. Hot House

Richie Kamuca (as)
Blue Mitchell (ts)
Jimmy Rowles (p)
Ray brown (b)
Donald Bailey (ds)

Produced By Richie Kamuca
Originally released on Concord CJ-96
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