A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

自らの死期が迫った時、この世に自分が生きた証を残せたら・・・・・

2007-09-13 | CONCORD
RICHIE / THE RICHIE KAMUCA QUARTET

ジャズを演奏する者にとって、これが本当にプレーしたかった演奏だと言い切れることが何度あるのだろうか。そして、それがアルバムとして残したものとなるとなおさらであろう。曲の選曲、メンバーの選定、そして録音されたものを何も編集せずに、ありのままの姿のものが。

ウェストコーストで活躍していたサックス奏者RICHIE KAMUCAがこんなアルバムを残している。
それも死の直前に。
KAMUCAが亡くなったのは1977年7月22日。丁度47歳の誕生日の前日のことだ。
このアルバムが録音されたのが何時かは分からないが、それほど前の録音では無いであろう。自分でプロデュースをした、というか自分のやりたい事を残したKAMUCAは、すでに死期を悟ったのか、その録音をレコードにするのをConcordのオーナーCarl Jeffersonに託した。
結局、その録音がこのアルバムとして実際に世に出たのは彼が亡くなった後になってしまった。

ライナーノーツはジェファーソンの追悼の辞、そしてKAMUCA自らのこのアルバムに対する想いが記されている。
自らがすべてを企画した本当の意味の追悼盤になってしまった。

演奏はいわゆるワンホーンジャズの典型。
それもピアノを除いてギターを入れたカルテット編成。ロリンズの好む編成だ。サックス自らの躍動感はピアノが無いほうが感じられる。前作のアルバムではドラムさえ除いてチャレンジしたものであったが、今回はNick Ceroliが加わっている。
あのハーブアルバートのティファナブラスにも加わっていたが、元々はウェストコーストのジャズプレーヤー。小気味良いドラミングは、KAMUCAの音色に良く似合う。
さらに、最後の一曲ではテーナーの音色に近い歌声も。

いわゆるレスター派、そしてフォーブラザース流の軽快なテーナー。ワンホーンのアルバムとしては隠れた名盤だと思う。ヘビーなサウンドが苦手な方、あるいはたまには肩の力を抜いて気楽に楽しみたいと思うときにはぜひお勧めだ。

I Concentrate On You
If I Love Again
Some Other Spring
Say It Isn’t So
Symphony
Flying Down
When Day Is Done
‘Tis Autumn

Richie Kamuca (ts,vol)
Mundell Lowe (g)
Monty Budwig (b)
Nick Ceroli (ds)

Produced by Richie Kamuca
Recorded 1976 (?)
Concord CJ-41

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