A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

「フルスイング」していいことはないかも?

2008-04-22 | MY FAVORITE ALBUM
The Good Times Are Back / Full Swing

「ノスタルジー」という言葉を日本では良く使う。これはフランス語で英語ではノスタルジアだ。日本語になった横文字の言葉は、実に多くの国の言葉から「輸入」されている。日本で世界中の料理が当たり前に食べられるように。良く、日本は島国の単一民族で、海外との交流が少ないように言われるが、実に雑多なものを日常生活に持ち込んでいるものだ。それも国民全体で。
 このノスタルジー、日本では望郷と訳されている。遠く離れた「故郷」の姿を思い浮かべることと同時に、昔の出来事を思い返す「懐古」の両方の意味があるようだ。

 コンコルドのアルバムを聴き返しているが、ちょうど今は1979年の作品だ。コンコルドレーベルが生まれたのが1973年。この頃のレーベルが生まれ育った背景には、ある種のノスタルジー文化が背景にあったのであろう。同じ頃デビューしたマンハッタントランスファーや、ポインターシスターズにも、このノスタルジーブームの影響が色濃く出ている。
このポインターシスターズをメインアーティストにしてプラネットという新たなレーベルを作ったのがリチャードペリー。1978年のことだ。このレーベルの特徴は、ポインターシスターズのスタイルに象徴されるように、ゴスペル、ロック、ジャズ、R&Bなどすべてのジャンルの要素の影響を受けていること、そして新しさの中に「ノスタルジー」を感じる何かがあることだった。

 ロレインフェザーがこのレーベルに”SWING”というアルバムを残したのが1981年。続けてもう一回、力を込めて一発狙いをしたのがこの“Full Swing”。路線は同じで、フェザーが詩を書いている新曲もあれば、セレネードインブルーのような古き良き名曲をグレンミラーのアレンジで。そしてエリントンのキャラバンをインスツルメントでとか多種多様。
古き良き時代の「良さ」と今の流行の「良さ」がジャンルを超えて「ごった煮」状態だ。たまに聴くと物珍しさもあって耳障りは悪くないのだが、あまり続けて聴くにもならないのがこのような企画だ。バックのメンバーも豪華だし、トムスコットのテナーも随所に登場しているし、アレンジも悪くはないのだが・・・・・?。
マントラや、Take6、そしてNew York Voicesが長続きしているのに対して、このグループは鳴かず飛ばずだったのかも。他にアルバムを持っていないし記憶の方も・・・?。
結局プラネットレーベルも長くは続かず、ポインターシスターズも別レーベルに移っていってしまったようだ。

 最近、日本の社会も最近色々な矛盾が表面化しているようだ。本来の日本文化の伝統を守りつつ雑多な文化を取り入れていたのが日本の強みであったはずだったのが。ところが最近は、大事な事を忘れて新しいことだけを取り込むことだけに労力を費やしている感が強い。何か、しっくり来ないものに無理に日本を合わせてしまったが故に色々な歪がでているのかも。古き良き時代を懐かしむだけでなく、古き良き時代を残す努力もしなければいけないと感じる今日この頃である。
ゴルフでも、ここ一番で“Full Swing”していい結果が出ることは少ない。
力の抜けた、軽いスイングがいい結果を残す。

1. Big Bucks
2. Trocadero Ballroom
3. Tweedlee Dee
4. Serenade in Blue
5. Caravan / Mirage
6. Let The Good Times Roll
7. Dancing in the Dark
8. The Closer I Get to You
9. The Right Idea
10. Crazy He Calls Me
11. Make Love To Me Baby

Full Swing
 Charlotte Crossley
 Lorraine Feather
 Steve March

Produced by Richard Perry


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