A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

“Saxy”なプレーって、どんな演奏・・・?

2008-04-06 | MY FAVORITE ALBUM
Very Saxy / Eddie”Lockjaw”Davis – Buddy Tate – Coleman Hawkins - Arnett Cobb

このアルバムのタイトル”Very Saxy”。
単に語呂合わせだけでなく実にいい響きだ。
この”Saxy”という言葉から、どのようなサックスの響きが思い浮かぶであろうか。
コルトレーンかロリンズか。パーカーかレスターか。それともショーターか。人によって違うかもしれない。好みも違うので。

自分にとっては、管を思いっきり共鳴させるサックス本来の音で、滑らかなキーワークによる、語りかけるような調べを聴かせてくれるようなイメージだ。
それが、アップテンポでもバラードであっても。
まあよく「歌う」サックスということになる。
先日、フィルウッズの参加した、”Four Altos”はこのイメージにぴったりだ。ウディーハーマンの“Four Brothers”。そして”Supersax”も・・・・。

この“Very Saxy””はFour Altos”と同様、プレスティッジのアルバム。しかし、今度はアルトではなくテナー4本の競演だ。
そして、選ばれた4人のテナー奏者の一人にバディーテイトがいる。
78歳のバディーテイトが頑張っていた91年のアルバムを先日聴いたが、ここにいるテイトはそれより先立つこと30年前。49歳という充実していた時期の演奏だ。

テイト以外の他の3人はホーキンズが年齢的には一番上で55歳。あのハイアンドマイティーホークを吹き込んだすぐ後だ。それにアーネットコブ41歳。そして一番年下のエディーロックジョーデイビスが38歳。
アルトが若手4人組だったのに対してテナーの4人組はベテラン揃いだ。

アルバムの一曲目は、このアルバムタイトルになっている”Very Saxy”から始まる。このセッションにも参加している、エディーロックジョーデイビスとデュビビエの曲だ。
シャリースコットのオルガンがイントロを始めると、すぐに4本のテナーのユニゾンが始まる。そして、コブ、テイトのソロが続き、スコットのオルガンを挟んでホーキンズ、最後に作曲したデイビスへ。
このサウンドこそがまさに“Saxy”だ。

一般大衆に受け入れられながら、ジャズが全米に拡がっていったのは20年代。
30年代になってもまだまだ広いアメリカの国土の移動手段は限られていた。それ故、人の移動もまだ少なく、それぞれの町に独自の文化が育っていった。
今起こったことが瞬時に世界中に映像を含めて伝わってしまう現代とは大違いだ。
ニューオリンズから発祥したジャズも、シカゴやカンサスシティーなどいくつかの町で発展を遂げ、それぞれの場所で独自のスタイルを生んでいった。
その地で演奏をしていたミュージシャンと、都市を渡り歩いてツアーを行っているミュージシャンが随所で出会い、お互いの演奏スタイルに刺激を受け、時にはバトルセッションを繰り広げ、その技が広まっていった。サックスが主役となったブローセッションも、そのバトルのハイライトであった。

今回は、テイトを始めとして「その時代のバトル」を経験したベテラン達が集まっている。当然のように当時を思い出させるようなブローセッションが2曲目以降も続く。シャリースコットのオルガンが否が応でも、ブルージーな雰囲気を助長する。



Art Pepperが西海岸で“+Eleven”を録音していたのと全く同じ時期に、テイト達は東海岸でこんなアルバムを 吹き込んでいた。

全くタイプの違う2つの演奏だが、どちらも実に“Saxy”だ。

1. Very Saxy            Davis, Duvivier 8:18
2. Lester Leaps In         Young 6:15
3. Fourmost             Scott 5:22
4. Foot Pattin'           Duvivier 8:53
5. Light and Lovely         Davis, Duvivier 9:55

Eddie "Lockjaw" Davis (ts)
Arnett Cobb (ts)
Buddy Tate (ts)
Coleman Hawkins (ts)
Shirley Scott (Hammond organ)
George Duvivier (b)
Arthur Edgehill (ds)

Esmond Edwards (Supervisor)
Rudy Van Gelder (Engineer)

Recorded in Hackensack, NJ: April 29, 1959

Very Saxy
Eddie
Prestige

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