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【現代ビジネス】民主党はチャンスボールを打てるマニフェストか?

 現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)に記事を書きました。
民主党はチャンスボールを打てるマニフェストか?
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 今回の選挙戦では、野党が安倍政権を的確に批判出来れば、過半数を取ることは難しくても、民主党が相当の党勢回復を短期間に達成する可能性はあるでしょう。有権者にとって、自民党政権の継続を拒否した場合の、たぶん唯一の現実的な選択肢でもあります。
 そこで記事では、今回の総選挙に向けた民主党のマニフェストを検討してみました。

 表紙を一枚めくると、アベノミクス批判が展開されています。
 安倍政権側に反論出来ない弱点があるとすると、「第三の矢」と称する生産性を改善する成長戦略が殆ど進捗していないことですが、民主党はこの弱点を上手く突けていません。それどころか、現状を物価高だと認識しているあたり、民主党はデフレ復活を目指している政党だとしか考えられません。
 アベノミクスへの対抗軸を出そうとするあまり、本筋で間違えてしまっては、多くの有権者の信認は得られないでしょう。仮に、民主党が政権に就いたら、金融緩和を減速或いは撤回させるのかと想像すると、ぞっとするような経済状況が目に浮かびます。

 アベノミクスの「第二の矢」については、自民党政権が矢を放った方向が今一つ適切でなかったことは事実であり、これに対する批判は一応評価出来ます。しかし、かつて具体的なマニフェストが後の重荷になったことに懲りたか、その内容には具体性が欠けていて、魅力の無いマニフェストになっています。
 敢えて言いましょう。「根性の無い人々だ」。

 また、アベノミクスのもう一つの弱点である成長戦略に対する民主党の取り組みはどうかというと、地味なものばかり並べた「貧乏くさい」マニフェストとしか言いようがありません。付け加えると、経済的な現実を理解せずに、現在時点で安定した雇用を得ている正社員層の既得権維持に腐心しているとしか思えない内容です。

 何度通読してみても、実に迫力のないマニフェストという印象を拭えません。
 今回の総選挙にあって、安倍政権側の実質的に最大の武器は「有権者が民主党前政権に持つネガティブな記憶」でしょう。前政権で要職にあり、冴えない記憶と結びついた方々が党の顔を務める現体制は、有権者の目から見ると古びたイメージの「昔の人」であり、ずらり並ぶと、漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の再放送を観ているような気分にさせられます。

 記事本文では、「ご年齢的に政治家としてまだ十分若い方達なのだが、いったん後進に道を譲ってはいかがだろうか。党勢が回復したら、また復活の機会もあるだろう。」とまとめています。
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野党の評価軸はマニフェストではなく、「政策の実行力」では? (タロ)
2014-11-30 10:21:33

確かに、山崎さんの指摘はごもっともの部分があります。
が、民主党政権が潰えたのはマニフェストが悪かったというより、「書いてあることを実行出来ない」ということに尽きるのではないでしょうか?

民主党は、
医者でいえば「執刀経験が乏しい」
大工でいえば「家をまともに建てたことがない」
といったところです。

マニフェストは「どういう手術をするか」「どういう設計の家にするか」です。
これは、それなりの出来でいいのです。
が、肝心の経験がなければ、これは遂行できません。

09年からの民主党政権が潰えたのは、まさにこの点でした。
「メスを握ったことのない連中にいきなりオペは出来ない」という当たり前のことを忘れて、「一回やらせてよ」に騙されてしまったわけです。
「この子、新人でメスを握ったことありませんが、あなたの腹をちゃんと手術すると思いますよ」と言われて、誰が任せるでしょうか?

野党のマニフェストの平均点は、与党のそれに比べて相当に劣るとは思えません。
が、議席で相当に差が出るのは、「家を建てられない大工の言うこと聞いても仕方あるまい」という部分ではないでしょうか?
おそらく、民主、維新、社民といったところの経験は、自民はおろか公明の足元にすら及ばないでしょう。

今回、彼らは前回とそれほど差のない議席数しか獲得出来ずに負けます。
「腹案がある」「トラストミー」「高速無料になります」「月26000円」「財源はある」
それをほざいた連中であることを忘れていませんから。

大工や医者は、どうやって経験を積み、周囲の信用を得るでしょうか?
「先輩について仕事をして学び、徐々に仕事を任されていく」
これしかないのではないでしょうか?
仕事の世界では常識であるこのことを、どうして「政権運営」でだけは無視するのでしょう?

野党が復活する方策は一つです。
「敵であっても連立を組んで、経験を積む」

これしかありません。
「仕事はしたことない。だけどこんな立派なマニフェストだから任せて」は通用しません。
 
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