山形弦楽四重奏団 ブログ

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山形Q 練習日誌64–vol.3(中島記)

2017-05-21 22:47:05 | 練習日誌
 1824年、ドイツの作曲家ツェルターは、パーティーの席において参加者みんなの前で、15歳の少年にこう言いました。

「愛する息子よ、今からお前は私の弟子ではなくなり、私の同業者となるのだ。モーツァルト、ハイドンおよび老バッハの名において、私はお前を同業者であると宣言する!」

 まさに「免許皆伝」の瞬間ですね。15歳の少年は…メンデルスゾーンです。

 ということで、今日の山形Qリハーサルは、前回やり残したメンデルスゾーン中心。

 素晴らしい曲です。しかし、若き天才の円熟期の作品だけに、べらぼうに難しい。

 その難しさは、とにかく正統的。無理を要求されてないのに、高度なのです。まさにツェルターが言うように、バッハ、ハイドン、モーツァルトをきちんと受け継いでその上を行く作曲家です。若いのに大したものだとしか言いようがない。


 メンデルスゾーンはユダヤ人だったために、不当に低く評価されたことがあったのは有名な話です。ワーグナーあたりが悪口を書いたのが始まりです。

 しかしそれは、完全な「ひがみ」でしょう。メンデルスゾーンはたしかに、作曲家としては考えられないほど恵まれた環境に育ちました。父親が銀行の頭取では無理もない。「メンデルスゾーン銀行」。悪口を言いたくなるワーグナーの気持ちもわかりますが、逆に、その環境に育ちながら道楽息子にならなかったメンデルスゾーンを賞賛すべきでしょう。


 さて、今日の練習は、ゆっくりゆっくり。丁寧に音を並べて、仕組みを理解しつつ方向性を合わせて行くのです。正統的な音楽には、地道に正攻法でいくしかない。

 各自、もう一段、個人練習が必要だという認識にたったところで、本日は終了。また次回までに各自、精進しませう。

 チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。
 ただいま2箇所
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