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映画

2013-04-11 21:18:08 | 日記
茨城の高校1年のとき、隣家の中3の娘と映画に行くと、翌日、学校で「あの子、おまえの彼女か?」と冷やかされることがあった。「そんなのじゃねぇよ」と応えては面白くないので、「アタリマエだろ、嫌いな女の子と映画に行くわけねぇだろう」と返すようにしていた。昭和20~30年代、若い男女の交際の第一ステップは、映画に2人で行くことだった。映画館には(場内が薄暗いなど)ある種の雰囲気がある。神宮球場へ野球を観に行くよりは、シークレットの感じがある。つまり、隣家の娘と行っただけでも、彼女かと訊かれても当然だと言えた。現在の若い男女の第一段階は何なのだろうか。 私はいわゆる恋愛映画というのが体質に合わないし、またミュージカルも苦手だ。前者は、紆余曲折を経て最後に結ばれるか、あるいは悲恋型かのどちらかであって、それが最初の10分か20分でわかってしまうから、入場料がモッタイナイ。後者は酒宴の男女が、いまレストランで食事をしていると思ったら、急にその2人が南の島の海辺で踊ったりしているから、ワケがわからない(タモリ氏もミュージカルが嫌いだそうで、意見が合う)。 日本映画の最高傑作は『砂の器』だと長女が言うが、私も賛成だ。第一に(当然のことだが)原作(松本清張)が優れているし、出演者の顔ぶれもすごい。丹波哲郎(刑事)、緒形拳(農村の巡査)、加藤剛(音楽家で犯人)といったみなさんもそれぞれに魅力的だが、なんといってもその迫力に圧倒されるのが、加藤嘉さん(音楽家の父親)だ。 家人は日本一の名画に、黒澤明さんの『天国と地獄』を挙げているが、ストーリー(筋立てと言う方が正しいか)は、『砂の器』の方が勝ると思っている。我が家にはこれのDVDがあって、年に一度は観ているが、何度繰り返しても飽きることはない。