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腕時計

2011-10-04 23:52:14 | 日記
学生時代はよく質屋に通った。質草の一番手は腕時計だった。当時、腕時計は貴重品であって、5千円のものでも1,500円借りられた(現在、5万円の時計で1万5千円を貸す質店はないだろう)。昭和35年頃から、まぁまぁの恰好のつくものが1万2千円程度で(これは背広1着分に相当する)千円×12か月の月賦が当然だった。その少し前から若い女性の間に流行したのが、南京虫と呼ばれる金色角型の舶来品で、裏に18KTの刻印があり、これまた1万2千円だった。 これも30年代のことだが、叔母がどこかの会社の創立記念の金色時計をくれた。思い出したのが祖父母の顔で、祖父が自慢の金の懐中時計を祖母が嫌っていたことだった。別に祖母のファンだったわけではないが、育ちが東京日本橋であるので、金時計は下品とする祖母のセンスが、いつのまにか頭の隅を占めていたのか、私はその創立記念時計を、すぐに知り合いの時計屋へ売りに行ったのだが、ついた値段が8,000円で驚いた。私のバイト料が1日500円の頃である。繰り返しになるが、なだリストウォッチは貴重品だったのだ。 次女が、ちょっとオシャレな時計を腕にしているので値段を訊いてみた。私の予想は2万円程度だったが、次女の答えはその5分の1以下だった。安いなというより、腕時計の位置が変わったと思った。 かつて、高い位置にあったものが、いまや、ちょっとしたオシャレの小道具になっている場合もあって、いい時代というか、ラクな時代になったものだ。別の言い方をすれば、ちょっとした服装を整えれば、5千円の時計も10万円に見えるのである。