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ナベさん

2011-10-10 23:02:55 | 日記
小・中学校には「ナベ」がいた。 高校・大学には「ナベちゃん」がいた。バイト先の「ナベさん」は工場長であって、太めの体、丸い顔、柔和な人柄が温かい鍋を連想させ、まさにその呼び名がぴったりだった。 言うまでもなく、すべてが渡辺姓である。 サラリーマンになってからは2人のナベさんがいた。 1人は技術系(品質管理)の、どこか茫洋としたところのある好人物、もう1人は特殊溶接を受け持つ職工で、当時、いすず自動車が造っていたヒルマン、ミンクスのネームプレートのねじの部分を毎日毎日銀色の棒で溶接していた。 時々、話しかけるとボソボソとした口調で、しかし笑顔で応答してくれた。 総合的に言って、私の知るナベさんは、善い人が多かった。いかにも驕慢そうな、読売新聞社主のナベツネさんはどうだろうか。 彼は、テレビドラマ『渡る世間は鬼ばかり』のファンだそうで、そのことでは善人かと思ったりするが、どうだろうか。 この世にはナベさんと呼ばれない渡辺さんもいて、その代表格が渡辺淳一さんだと思う。ナベさんは、ああいう都会型紳士の呼称には不似合いだ。民主党顧問の渡部恒三さんはナベさんより恒三さん(黄門さま)の方が似合う雰囲気になったが、黄門様も早大弁論部時代は、たぶんナベちゃんだっただろうと思う。