安倍首相「応援団」の暴言(1)―驚くべき幼稚さと驕り―
改憲を目指す自民党の若手議員の勉強会「文化芸術懇話会」は6月25日に自民党本部で初会合を開きました。
この会合の席上,参加者の一部とゲスト講演者の百田尚樹氏から報道機関に対する,驚くべき発言が飛び出しました。
この発言の内容に関しては後に詳しく書きますが,その前に「文化芸術懇話会」とはどんな集団で,なぜ,この時期に初会合が開かれ,
そして,そこになぜ百田氏が招かれたのかを見ておきたいと思います。
「勉強会」には加藤勝信官房副長官、萩生田光一党総裁特別補佐ら安倍首相側近を含めて37人の,いわば安倍首相「応援団」のメン
バーが出席し,自民と本部で行われました。
加藤氏と萩生田氏二人の党幹部の他は,主として当選2回の議員が中心でした。彼らは,議員経験は2年半で,実質的には1年生議員
と言えます。
このような「勉強会」には,本来の意味で政策研究を行う集団と,自分たちの勢力をアピールするための集団のとの二種類ありますが,
「文化芸術懇話会」は後者のようです。
今回の問題は,若手の「勇み足」では済まされない側面をもっていない側面もあります。
「懇話会」側は勉強会について事前に党執行部,首相官邸に開催を通知していました。
他方,先月25日にも自民党のリベラル派の勉強会が予定されていましたが、政権批判を展開する漫画家の小林よしのり氏が講師だと
知った党幹部が、「タイミングが悪い。安全保障関連法案が成立するまで待てないのか」と中止を要請し,最終的に開催を断念せざるを
得ませんでした(注1)。
首相も党幹部も「懇話会」は私的な集まりであり,党の正式な会合ではないと言い訳していますが,実際には,安倍首相の「応援団」だけ
を許可し,リベラル派の勉強会を潰しているのですから,やはり,今回の会合は安倍首相公認のものであったと言わざるを得ません。
しかも,勉強会を主宰する木原稔議員は会合後,総裁選で「首相を応援する」と記者団に明言しています(『東京新聞』2015年6月27日)。
こうした背景から,「懇話会」は安倍首相の「別働隊」とみられており,自民党内では、9月の総裁選で首相の無投票再選の流れを固めた
い官邸側の意向を受けた会合との見方もあります(注2)。
もう一つは,安保法案の審議で守勢に立たされている安倍首相を激励するという意図もあったと思われます。これは,安保法案に批判的
な報道を非難する発言にも表れています。
さらに,この「懇話会」が安倍首相の「別働隊」的性格をもっていたとすると,安倍首相が直接言えないことを代弁する役割も担っていると
考えられます。
なお,「勉強会」に講師として招かれた百田氏は安倍首相と懇意な,いわば「お友達」で『日本よ,世界の真ん中で咲き誇れ』(2013年)と
いう対談本を出版しています。
この会合での百田氏の冒頭部分は公開で,それ以後の講演はと出席議員による質疑は非公開という形をとっていました。
以上を念頭に置いて,「勉強会」での発言の内容をみてみましょう。大事なことなので,少し長くなりますが引用しておきます。
まず,勉強会の冒頭で,百田氏はマスコミに向けて次のように話します。
マスコミの皆さんに言いたい。公正な報道は当たり前だが,日本の国をいかに良くするかという気持ちを持ってほしい。反日とか
売国とか,日本を陥れるとしか思えない記事が多い。日本が立派な国になるかということを考えてほしい。
この挨拶に続いて百田氏は次のような話をします。
政治家は国民に対するアピールが下手だ。難しい法解釈は通じない。気持にいかに訴えるかが大事だ。集団的自衛権は一般
国民には分からない。自国の兵力では立ち向かえないから,集団的自衛権は必要だ。侵略戦争はしないということで改憲すべ
きだ。攻められた場合は絶対に守るということを書けばいい。
百田氏の講演の後に,問題の質疑応答が続きました。
大西英男衆院議員(東京16区、当選2回)は,次のように発言します。
マスコミを懲らしめるには,広告収入がなくなるのが一番だ。われわれ政治家,まして安倍首相は言えないことだ。文化人,
あるいは民間の方々がマスコミに広告料を払うなんてとんでもないと経団連に働きかけてほしい。
これと関連して井上貴博衆院議員(福岡1区、当選2回)以下の発言をしました。
広告収入とテレビの提供スポンサーにならないということがマスコミには一番こたえるだろう。
これに対して百田氏は次のように答えました。
本当に難しい。広告を止めると一般企業も困るところがある。僕は新聞の影響は本当にすごく少ないと思っている。それより
もテレビ。広告料ではなく,地上波の既得権をなくしてもらいたい。自由競争なしに五十年も六十年も続いている。自由競争
にすれば,テレビ局の状況はかなり変わる。ここを総務省にしっかりやってほしい。
長尾敬衆院議員(比例近畿ブロック、当選2回)はさらに沖縄の具体的な新聞紙名を挙げて,以下の発言をします。
沖縄の特殊なメディア構造を作ってしまったのは戦後保守の堕落だった。沖縄タイムス,琉球新報の牙城の中で,沖縄
世論を正しい方向にもっていくために,どのようなことをするか。左翼勢力に乗っ取られている現状において,何とか知
恵をいただきたい。
これに答えて百田氏は,
沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。沖縄県人がどう目を覚ますか。あってはいけないことだが,沖縄のどこか
の島が中国に取られれば,目を覚ますはずだが,どうしようもない(沖縄の基地問題は)根が深い。苦労も理解できる
と述べています(注3)。
つまり,基地問題は根が深いから,(批判を抑える)苦労も理解できると言っているのです。
百田氏は後に,2紙とつぶさないといけないとは「冗談だった。2紙はほとんど読んでいない」と語っています。
百田氏の発言に対して沖縄タイムスと琉球新報の編集局長は共同で抗議文を出しています。
百田氏が,米軍普天間飛行場の成り立ちについて「(米軍普天間=普天間飛行場は)もともと田んぼの中にあった。基地の周り
に行けば商売になると住みだした」と語りました。
これに対して抗議文は,「土地は強制的に接収され,人口増加に伴い周辺に住まざるを得なかった」,「戦前の宜野湾村役場は
現在の滑走路近くにあり,琉球王国以来,地域の中心だった。沖縄の基地問題をめぐる誤解が自民党内で振りまかれたことは
重大だ。その訂正も求めたい」とも述べています(『東京新聞』2015年6月27日)。
この抗議文に見られるように,百田氏は,沖縄の実態については事実を知らなかったのです。
ところで,「マスコミを懲らしめるには・・・」の発言があった時,報道陣は会場の外にいました。
しかし,元NHKプロデューサーの永田浩三武蔵大教授は,非公開の気安さで出た発言ではないと語っています。
というのも,外に記者がいるのは出席者も分かっているからだです。「伝わるように言ったのだろう。若手議員が鉄砲玉みたいに
親分が言えないことを言う。形勢が悪くなれば,党幹部が『若手が内々で冗談言っただけ』と収める。そして,「言ったもの勝ち。
メディア側の萎縮,忖度(そんたく)につながることがある」(『東京新聞』2015年6月27日)。
実際,発言者はマイクを使っていたために,発言の多くは室外まで聞こえていました。取材記者は,扉に耳を寄せて中の様子を聞き
取ります。
これは「壁耳」と呼ばれ,中の参加者は自分たちの会話が外に聞こえることを承知の上で,むしろ,外に聞かせる場合も珍しくあり
ません。
もし本当に会話を秘密にしたい場合には,ドアの外の取材者をも排除します。それをしない場合は,事実上の「半公開」であると
みなされます。
今回の会合ではマイクを使い,講演や会話を意図的に外の取材者に聞こえるようにし,それによって圧力をかけ萎縮させる意図
さえあったのではないか,とさえ思われます。
というのも,強権を発動しないで,マスコミが自主的に制限してくれるのが(政治家側の)理想だからです。
こうした事情を全て考慮すると,今回の暴言は,たまたま起きたというより,かなり確信犯的で,最初から意図されたものだと考え
るべきでしょう。
それにしても,3人の議員の発想は,驚くほど幼稚で傲慢です。
しかも,これが安倍首相の「応援団」「別働隊」の実態であることを考えると,そのような首相をもってことに暗澹たる気持ちになります。
次回は,上に引用した発言そのもの,こうした発言が飛び出した背景と,自民党内及び野党の反応,そして世間の反応を考えてみたい
と思います。
(注1)『朝日新聞 デジタル版』2015年7月2日(同日参照)
http://www.asahi.com/articles/ASH715T44H71UTIL03S.html?ref=nmail
(注2)『日経新聞 デジタル版』2015年6月27日(7月2日参照)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H3I_X20C15A6PE8000/ (2015/6/27 22:03 (2015/6/27 22:57更新)
(注3)以上は『東京新聞』2015年6月27日より引用しましたが,同紙では発言者は議員A,議員B,議員Cと表記されているので,具体名は,
これらの発言を簡略化して掲載した『毎日新聞 デジタル版』(2015年6月28日)を引用しました。(7月2日参照)
http://mainichi.jp/select/news/20150628k0000m010056000c.html?fm=mnm
------------------------------------------------------------------------
あじさいの花(またはがく)の色は生えている土の性質(酸性かアルカリか)によって,青から紫,赤へ変わります。
白いあじさいは,純粋に品種改良してできたものです。
改憲を目指す自民党の若手議員の勉強会「文化芸術懇話会」は6月25日に自民党本部で初会合を開きました。
この会合の席上,参加者の一部とゲスト講演者の百田尚樹氏から報道機関に対する,驚くべき発言が飛び出しました。
この発言の内容に関しては後に詳しく書きますが,その前に「文化芸術懇話会」とはどんな集団で,なぜ,この時期に初会合が開かれ,
そして,そこになぜ百田氏が招かれたのかを見ておきたいと思います。
「勉強会」には加藤勝信官房副長官、萩生田光一党総裁特別補佐ら安倍首相側近を含めて37人の,いわば安倍首相「応援団」のメン
バーが出席し,自民と本部で行われました。
加藤氏と萩生田氏二人の党幹部の他は,主として当選2回の議員が中心でした。彼らは,議員経験は2年半で,実質的には1年生議員
と言えます。
このような「勉強会」には,本来の意味で政策研究を行う集団と,自分たちの勢力をアピールするための集団のとの二種類ありますが,
「文化芸術懇話会」は後者のようです。
今回の問題は,若手の「勇み足」では済まされない側面をもっていない側面もあります。
「懇話会」側は勉強会について事前に党執行部,首相官邸に開催を通知していました。
他方,先月25日にも自民党のリベラル派の勉強会が予定されていましたが、政権批判を展開する漫画家の小林よしのり氏が講師だと
知った党幹部が、「タイミングが悪い。安全保障関連法案が成立するまで待てないのか」と中止を要請し,最終的に開催を断念せざるを
得ませんでした(注1)。
首相も党幹部も「懇話会」は私的な集まりであり,党の正式な会合ではないと言い訳していますが,実際には,安倍首相の「応援団」だけ
を許可し,リベラル派の勉強会を潰しているのですから,やはり,今回の会合は安倍首相公認のものであったと言わざるを得ません。
しかも,勉強会を主宰する木原稔議員は会合後,総裁選で「首相を応援する」と記者団に明言しています(『東京新聞』2015年6月27日)。
こうした背景から,「懇話会」は安倍首相の「別働隊」とみられており,自民党内では、9月の総裁選で首相の無投票再選の流れを固めた
い官邸側の意向を受けた会合との見方もあります(注2)。
もう一つは,安保法案の審議で守勢に立たされている安倍首相を激励するという意図もあったと思われます。これは,安保法案に批判的
な報道を非難する発言にも表れています。
さらに,この「懇話会」が安倍首相の「別働隊」的性格をもっていたとすると,安倍首相が直接言えないことを代弁する役割も担っていると
考えられます。
なお,「勉強会」に講師として招かれた百田氏は安倍首相と懇意な,いわば「お友達」で『日本よ,世界の真ん中で咲き誇れ』(2013年)と
いう対談本を出版しています。
この会合での百田氏の冒頭部分は公開で,それ以後の講演はと出席議員による質疑は非公開という形をとっていました。
以上を念頭に置いて,「勉強会」での発言の内容をみてみましょう。大事なことなので,少し長くなりますが引用しておきます。
まず,勉強会の冒頭で,百田氏はマスコミに向けて次のように話します。
マスコミの皆さんに言いたい。公正な報道は当たり前だが,日本の国をいかに良くするかという気持ちを持ってほしい。反日とか
売国とか,日本を陥れるとしか思えない記事が多い。日本が立派な国になるかということを考えてほしい。
この挨拶に続いて百田氏は次のような話をします。
政治家は国民に対するアピールが下手だ。難しい法解釈は通じない。気持にいかに訴えるかが大事だ。集団的自衛権は一般
国民には分からない。自国の兵力では立ち向かえないから,集団的自衛権は必要だ。侵略戦争はしないということで改憲すべ
きだ。攻められた場合は絶対に守るということを書けばいい。
百田氏の講演の後に,問題の質疑応答が続きました。
大西英男衆院議員(東京16区、当選2回)は,次のように発言します。
マスコミを懲らしめるには,広告収入がなくなるのが一番だ。われわれ政治家,まして安倍首相は言えないことだ。文化人,
あるいは民間の方々がマスコミに広告料を払うなんてとんでもないと経団連に働きかけてほしい。
これと関連して井上貴博衆院議員(福岡1区、当選2回)以下の発言をしました。
広告収入とテレビの提供スポンサーにならないということがマスコミには一番こたえるだろう。
これに対して百田氏は次のように答えました。
本当に難しい。広告を止めると一般企業も困るところがある。僕は新聞の影響は本当にすごく少ないと思っている。それより
もテレビ。広告料ではなく,地上波の既得権をなくしてもらいたい。自由競争なしに五十年も六十年も続いている。自由競争
にすれば,テレビ局の状況はかなり変わる。ここを総務省にしっかりやってほしい。
長尾敬衆院議員(比例近畿ブロック、当選2回)はさらに沖縄の具体的な新聞紙名を挙げて,以下の発言をします。
沖縄の特殊なメディア構造を作ってしまったのは戦後保守の堕落だった。沖縄タイムス,琉球新報の牙城の中で,沖縄
世論を正しい方向にもっていくために,どのようなことをするか。左翼勢力に乗っ取られている現状において,何とか知
恵をいただきたい。
これに答えて百田氏は,
沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。沖縄県人がどう目を覚ますか。あってはいけないことだが,沖縄のどこか
の島が中国に取られれば,目を覚ますはずだが,どうしようもない(沖縄の基地問題は)根が深い。苦労も理解できる
と述べています(注3)。
つまり,基地問題は根が深いから,(批判を抑える)苦労も理解できると言っているのです。
百田氏は後に,2紙とつぶさないといけないとは「冗談だった。2紙はほとんど読んでいない」と語っています。
百田氏の発言に対して沖縄タイムスと琉球新報の編集局長は共同で抗議文を出しています。
百田氏が,米軍普天間飛行場の成り立ちについて「(米軍普天間=普天間飛行場は)もともと田んぼの中にあった。基地の周り
に行けば商売になると住みだした」と語りました。
これに対して抗議文は,「土地は強制的に接収され,人口増加に伴い周辺に住まざるを得なかった」,「戦前の宜野湾村役場は
現在の滑走路近くにあり,琉球王国以来,地域の中心だった。沖縄の基地問題をめぐる誤解が自民党内で振りまかれたことは
重大だ。その訂正も求めたい」とも述べています(『東京新聞』2015年6月27日)。
この抗議文に見られるように,百田氏は,沖縄の実態については事実を知らなかったのです。
ところで,「マスコミを懲らしめるには・・・」の発言があった時,報道陣は会場の外にいました。
しかし,元NHKプロデューサーの永田浩三武蔵大教授は,非公開の気安さで出た発言ではないと語っています。
というのも,外に記者がいるのは出席者も分かっているからだです。「伝わるように言ったのだろう。若手議員が鉄砲玉みたいに
親分が言えないことを言う。形勢が悪くなれば,党幹部が『若手が内々で冗談言っただけ』と収める。そして,「言ったもの勝ち。
メディア側の萎縮,忖度(そんたく)につながることがある」(『東京新聞』2015年6月27日)。
実際,発言者はマイクを使っていたために,発言の多くは室外まで聞こえていました。取材記者は,扉に耳を寄せて中の様子を聞き
取ります。
これは「壁耳」と呼ばれ,中の参加者は自分たちの会話が外に聞こえることを承知の上で,むしろ,外に聞かせる場合も珍しくあり
ません。
もし本当に会話を秘密にしたい場合には,ドアの外の取材者をも排除します。それをしない場合は,事実上の「半公開」であると
みなされます。
今回の会合ではマイクを使い,講演や会話を意図的に外の取材者に聞こえるようにし,それによって圧力をかけ萎縮させる意図
さえあったのではないか,とさえ思われます。
というのも,強権を発動しないで,マスコミが自主的に制限してくれるのが(政治家側の)理想だからです。
こうした事情を全て考慮すると,今回の暴言は,たまたま起きたというより,かなり確信犯的で,最初から意図されたものだと考え
るべきでしょう。
それにしても,3人の議員の発想は,驚くほど幼稚で傲慢です。
しかも,これが安倍首相の「応援団」「別働隊」の実態であることを考えると,そのような首相をもってことに暗澹たる気持ちになります。
次回は,上に引用した発言そのもの,こうした発言が飛び出した背景と,自民党内及び野党の反応,そして世間の反応を考えてみたい
と思います。
(注1)『朝日新聞 デジタル版』2015年7月2日(同日参照)
http://www.asahi.com/articles/ASH715T44H71UTIL03S.html?ref=nmail
(注2)『日経新聞 デジタル版』2015年6月27日(7月2日参照)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H3I_X20C15A6PE8000/ (2015/6/27 22:03 (2015/6/27 22:57更新)
(注3)以上は『東京新聞』2015年6月27日より引用しましたが,同紙では発言者は議員A,議員B,議員Cと表記されているので,具体名は,
これらの発言を簡略化して掲載した『毎日新聞 デジタル版』(2015年6月28日)を引用しました。(7月2日参照)
http://mainichi.jp/select/news/20150628k0000m010056000c.html?fm=mnm
------------------------------------------------------------------------
あじさいの花(またはがく)の色は生えている土の性質(酸性かアルカリか)によって,青から紫,赤へ変わります。
白いあじさいは,純粋に品種改良してできたものです。