最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
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ツヤキカワムシ

2011-04-30 10:30:40 | その他甲虫

ツヤキカワムシ Boros schneideri
2009,6,10 北海道網走市産

国内では北海道のみに分布しているとされているが、何年か前に栃木県の亜高山帯でも採集されている。
私はなぜかずっと本種は大雪山系の高いところにしかいないと思い込んでいたので高い山の無い網走市で、しかも海岸のすぐ脇で採集したときは驚いた。
本種についての情報はほとんど出てこないので良くわかりませんが、かなりの低標高での採集であることは確かなようです。
ただ、本種の国内の初記録は札幌のものらしい。札幌のどこで採集されたのかはわからないが、エゾマツの樹皮下に生息していて、生木にはつかないことに触れているのでエゾマツ立ち枯れor倒木の樹皮下で採集されたのでしょう。
写真のものはツツジの仲間の葉の上にちょこんと乗っているものでした(笑)


2009,6,20 北海道網走市

採集地の写真。標高がどれだけ低いか良くわかると思います。
この場所は2009年の4月に見つけた場所なんですが、眺めもよく、人も来ず、自分にとっては網走で一番好きな場所でもある。
林道と林道を繋ぐ道の裏道のようなところ。自分でも良く見つけたと思う。たかだか50mくらいの長さしかないが、非常に沢山の出会いがあり、ここでしか確認していないものも多い。
しかしこんな所でも当然のようにヒグマが出るので気は抜けない


2009,4,4 北海道網走市


2009,6,10 北海道網走市

上の写真を撮ってる足元(写真には写ってません)で本種を見つけた。
真ん中のシラカンバの木は先日のオオコクヌストを撮影した木。


2009,7,31 北海道網走市

左のトドマツはオオマダラコクヌストを撮影した木でもあり、オオトラカミキリの食痕を確認した木。
この辺りはもっと採集したかった…。生きてるうちに何度かは通いたいところ

タヌキモ類

2011-04-29 18:40:58 | 水草

イヌタヌキモ Utricularia australis
2010,10,2採取 山形県最上郡産

先日ボトルアクアリウムのタヌキモ類をセットし直した時に撮った写真。
タヌキモの仲間は冬になると「殖芽」と呼ばれるものを作る種類が多く、本種も殖芽を形成する。
殖芽の写真は無いので、「タヌキモ 殖芽」などで検索してみてください

室内で育ててはいたものの、外気温とほとんど差が無かったため育てていたタヌキモ類は冬には全部殖芽の状態となり、今はまた新たに成長中…。
3月くらいから成長をはじめたので、野外でもそんなかと思って池を見てみたがまだ確認は出来ませんでした(4/27)


こちらもイヌタヌキモ。上のものとは別系統。
上のものは低山帯の小さな堤のもの。こちらは河川脇の三日月湖のもの。川が増水すると水が流れ込んでほとんどが流される環境。昨年も一度流されてしまった
この環境の差かはわからないが、こちらのものはだいぶ小さい。成長が遅れているとかではなく、池でも大きいものは見られなかった。



これは比較用に2種が入っていますが、右上の葉が多いものがイヌタヌキモ。左下の葉が少ないものがタヌキモ[Utricularia vulgaris var.japonica]
タヌキモは最上では少ないようでまだ一箇所でしか見ていない。今後はもっと見つけられるかも知れないが、タヌキモの仲間は分類が難しく、タヌキモとイヌタヌキモを正確に見分けるには殖芽の形状を見るしかないとか。
ちなみにタヌキモの殖芽は円形でイヌタヌキモの殖芽は楕円形。他にも近縁種でオオタヌキモ(北海道と東北地方に分布)とか、ヒメタヌキモ(最上では未見だが庄内地方にはある)とか、様々な種類がある。最上ではイヌタヌキモがほとんどなんだろうが、カモ類の足に絡まって分布を広げることもあるようで、どこでどんなものが見つかるのかわかんないらしい
タヌキモもオオタヌキモとイヌタヌキモの自然交雑の結果だとかでカモ類に絡まって分布を広げたというのが定説らしい。
一度フサタヌキモを見てみたい…。

オオカナダモ(アナカリス)

2011-04-28 10:33:46 | 水草

オオカナダモ(アナカリス) Egeria densa
2010,10,29 山形県最上郡

クロモの記事でも書いたように、外来種で在来のクロモのそっくりさん。
生育環境によって形は変化することがあるが、葉の間隔が狭く、若干下側に丸まるし、葉の状態も異なる。
正確には花や輪生葉の状態、葉の縁のトゲなどを見る必要があるが、見慣れてくればパッと見てわかるようになるはず。

本種は成長が早く、よく増え、よほどのことが無いと枯れないことからホームセンターやペットショップでも良く売っている水草。
しかも安価であることから、金魚やメダカなどを飼ったことがある人は買ったことがあるのではないでしょうか?
しかし、滅多に枯れなく、よく増える水草ですから野外に放されると水路一面をオオカナダモが覆ってしまうことも良くあります。
最上ではまだ一ヶ所だけしか生えているところを見つけていませんが、他の種類の水草と競合するとほとんど本種に負けるので、これ以上広がらないように願ってます。


最上での生息環境。手前のたまりで観察。
このたまりは定期的に川と繋がるようで、ウグイ・アブラハヤ・イバラトミヨなどが見られた。
でも、川と繋がるということは下流にみんな(オオカナダモ含め)流れて行ってるんだろうな

ショウジョウバカマ

2011-04-27 18:37:17 | 植物

ショウジョウバカマ Heloniopsis orientalis
2011,4,26 山形県最上郡

やっと最上も春らしくなり、所々でこの花を見るようになった
昨日はちょっとした準備のために田んぼの畦とかを歩き回って疲れていたのだが、山間の休耕田脇で春を感じられて良かった。
でも昨日の最大の収穫は新たな池を4ヶ所見つけたこと!大きさまちまちで、場所も微妙だがこれから何が見られるだろうか?

オオコクヌスト

2011-04-26 08:41:37 | その他甲虫

オオコクヌスト Trogossita japonica
2009,6,10 北海道網走市

コクヌスト第3弾はもっとも良く見るコクヌストの仲間。
マツについてるキクイムシ類を食べるとされるが、写真のものはシラカンバについていたもの。
肉食なのでマツに固執する必要はないんじゃないかと思っていたら北海道ではハリギリの大木で見ることが多かった。
要は樹皮に凹凸が多くて隙間がある種類についているらしい。
食事シーンは未見だが、ハリギリにはキクイゾウムシの仲間が多く集まっていたのでそれを食べているんだろうか?

オオマダラコクヌスト

2011-04-25 09:36:18 | その他甲虫

オオマダラコクヌスト Leperina tibialis
2009,6,20 北海道網走市

昨日に続いてコクヌストの仲間。
本種のそっくりさんにゴマダラコクヌスト[Leperina squamulosa]という種類がいるが、斑紋の色彩亜が白っぽいこと、腹が黒い(オオマダラは赤褐色)ことから区別ができる。
食性も違うようで、オオマダラは針葉樹(特にトドマツ)に集まり、ゴマダラは広葉樹(特にヤナギ類)に集まる。
しかし調べてみるとオオマダラも広葉樹で採れるらしい。網走周辺ではオオマダラが広葉樹で採れることもゴマダラが針葉樹で採れる事も無かったんだが…。

オオヒラタコクヌスト

2011-04-24 19:17:28 | その他甲虫

オオヒラタコクヌスト Peltis gigantea
2009,6,24 北海道網走市

シデムシの仲間そっくりのコクヌスト。特に名前も似ているオオヒラタシデムシに似ている。
写真のものは偶然ササの葉の上にいたものだが、この後夜間のトドマツ立ち枯れでも確認している。

クジャクチョウ

2011-04-23 15:00:37 | チョウ

クジャクチョウ Inachis io
2008,9,27 北海道小清水町

最上にも生息している成虫越冬するタテハチョウ。
最上では個体数が少なく一度だけ見たのみ。採集はできず…。

表は孔雀のように綺麗だが、裏は真っ黒。

2009,8,1 北海道北見市

幼虫も真っ黒で毒々しい。

2009,8,8 北海道網走市

クロユリ

2011-04-21 15:29:40 | 植物

クロユリ Fritillaria camtschatcensis
2007,6,4 北海道網走市

鑑賞的価値の高いユリの仲間。山形県内では月山が有名。
しかし、月山のものは過去にどこかから持ってきたとかいう噂も…

写真のものは自然植物園のもの。普通の人は立ち入り禁止のはずなんですが、それでもクロユリふくめ様々な植物が毎年持っていかれるそうな



ちなみにクロユリの花言葉は「愛」「呪い」「復讐」。
あなたにはこの花を贈りたい人がいますか…?