最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
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タダコブとマヤサンの区別点 その3(タダコブ♂)

2019-09-30 20:00:00 | カミキリムシ
今回はタダコブ♂に焦点を当ててみる。写真は沢山撮ったのだが全部はとても載せきれないので適当にピックアップ。
それぞれの区別点に個体差がどれくらいあるかが分かればと。黒紋などのわかりやすいものはまた後で。
写真は全て同条件で撮影。体長に差があるので適当にトリミング。前回とは違って体型にゆがみが無い様にトリミングしてます


上翅の斑紋は白。側稜線の隆起は滑らか(コブにならない)、顆粒は非常に多く融合。会合部後方の顆粒は少なく、凹む。


上翅の斑紋は白。側稜線の隆起は滑らか、顆粒は多い。会合部後方の顆粒はやや少なく、凹む。


上翅の斑紋は白。側稜線の隆起は滑らか、顆粒は少なめ。会合部後方の顆粒は同程度、凹むがちょっと浅い。


上翅の斑紋は白。側稜線の隆起は滑らか、顆粒は少なめ。会合部後方の顆粒は同程度、凹むがちょっと浅い。


上翅の斑紋は白。側稜線の隆起は滑らか、顆粒は少なめ。会合部後方の顆粒は同程度、凹むがちょっと浅い。


上翅の斑紋は白。側稜線の隆起は滑らか、顆粒は多い。会合部後方の顆粒は少なく、凹む。

色彩は赤っぽいものから白っぽいものまで、体型は肩部分が最大幅になり逆三角に見えるもの、斑紋部分が最大幅になり下膨れに見えるもの、やたら長いもの、寸詰まりなものなど個体差が非常に大きい。
タダコブ♂として安定している形質は側稜線の隆起だろうか?これは横から見るとわかりやすいかも。マヤサンは斑紋部分が瘤になることが多い。
ぱっと見で分かりやすい側稜線の顆粒は個体差が大きく、どの程度が種差になるのかはいまいちはっきりしない。特に分布接点付近では少なめの個体も多く、タダコブ種内の個体差か、マヤサンの血が入っているのかはわかりにくい。

これは湯沢町産(マヤサンがいない中越地方)の純粋なタダコブ。同じ場所のものだがこれだけの差が出る。しかも採集したのは十頭前後でしかないので、もっと少ないものも出るかもしれない。

タダコブとマヤサンの区別点 その2

2019-09-29 22:09:17 | カミキリムシ
前回の続き。ですが、写真を撮ってたらぐったりしたのでまだまだ未完

まずは県内のコブヤハズを色々まとめて。

こちら全てオス個体。


こちら全てメス個体。

タダコブ、マヤサン、ハイブリッドなど適当に。とりあえずは色々な個体がいるということで
適当に切り張りしたら変な体型になってしまったものも…。(メスの真ん中個体はなんか伸びてしまった)
一応同条件で撮ったので、色彩なんかは比較できるかも。他にも紋の具合、顆粒の違いなんかはわかると思う。
この写真のものは全て今年の採集品。産地は接点付近が多いが、一部中越地方のものもあり。

次回はそれぞれの部位に焦点を当てていきたいが、果たして書ききれるのかな??

タダコブとマヤサンの区別点

2019-09-28 20:52:04 | カミキリムシ
秋は毎年恒例のコブ叩きのシーズン私は絶賛ド嵌まり中。

国内にはタダコブ・マヤサン・タニグチ・フジ・セダカ・ヤクシマの6種類のコブヤハズカミキリがいる。
新潟県内では普通のコブヤハズカミキリ(タダコブと亜種サドコブヤハズ)とマヤサンコブヤハズカミキリ(亜種チュウブマヤサンコブヤハズカミキリ)の2種類が生息している。

左がコブヤハズカミキリ、右がマヤサンコブヤハズカミキリ。共に♂で、2014年の採集品。

基本的な形状はそっくりだが、両種の区別は一目瞭然で、上翅に白い紋があるのがタダコブ。黒い紋があるのがマヤサン。
他に、触覚が黒一色とツートンになることが区別点に挙げられることもあるが、両種ともどちらのタイプも出てくるので区別点としては不適当。この辺りは過去記事へ。

上翅の斑紋で簡単にわかるならそれでいいのだが、ここからがコブヤハズの恐ろしいところ。
コブヤハズカミキリの仲間は互いに非常に近縁なので、多くの組み合わせで雑種(ハイブリッド)が出来てしまう。基本的にはそれぞれの種類は違う場所に生息しているので出会うことはないのだが、分布の境界では結構な高頻度で雑種が形成されていて、種としてどうなんだ?という話題もちらほら。
県内では佐渡ヶ島にコブヤハズ(亜種サドコブ)、上越・中越・下越にコブヤハズ(タダコブ)、上越にマヤサン(亜種チュウブ)がそれぞれ生息しており、上越地方にはタダコブとマヤサンの分布の接点がある。当然接点では雑種が形成されるのだが、タダコブ×マヤサン(もしくはマヤサン×タダコブ)の組み合わせだけではなく、戻し交配や雑種同士での交配なども行われているようで、形態変化に非常に富む。
接点周辺も過去にそれぞれの血が入っているのか知れないが、変な個体が採れることがあり、上翅の斑紋だけでは一体どっちの種なのか(もしくは雑種か)が分かりにくいこともある。
そこで、それぞれの種のその他形態差を比較する必要があるのだが、それがなかなかわかりにくい。
以下、タダコブとマヤサンの区別点とされるとこ。参考


・上翅の斑紋部分(タダコブは白、マヤサンは黒)
・側稜線の隆起(タダコブは滑らかに続く、マヤサンは斑紋部で内側に曲がり、翅端では不明瞭)
・側稜線の顆粒列(タダコブは顆粒が多く、マヤサンは少ない)
・会合部後方の小顆粒(タダコブは側稜線顆粒より少なく、マヤサンは多い)
・上翅後方の凹陥部(タダコブは凹む、マヤサンは平坦)
他には上翅の色彩、体型などなど。大雑把にはこんなところ。しかし、いずれの区別点も個体差が大きく、例外が出ることもしばしば



なんか長くなってしまったので、続きは次回!

毛玉

2019-09-27 22:50:55 | 哺乳類

枯葉をバシバシ叩いていたら落ちてきた毛玉。
よく見ると耳や腕が生えている。


網に落ちてきた時の姿はこちら↓

コテングコウモリ?
2019年9月 新潟県

秋にコブ叩きをしていると稀に落ちる。今年は2回目。
コウモリの仲間は、飛んでいる姿はよく見るけれど、間近で見ることはあまりない。
本種は鼻が非常に特徴的。
野生動物なので素手で触るのは躊躇われたが、こんな時に限って普段している手袋をつけておらず…。
そのまま放り投げるわけにもいかないので、ブドウの葉っぱに包んで元の場所に戻しておいた。
触った感触はとにかくふわっふわで、飛膜は伸縮性がすごかった。そして指に張り付く感じ。


新潟県では準絶滅危惧種。この可愛らしい生き物がずっと見られる環境であってほしいと切に願う。

なぜそんなところに

2019-09-23 20:00:00 | カミキリムシ

林道わきのミズバショウ。気が付いていたとは思いますが、ここ最近の記事は全て同じところ。
よく見ながら歩いているといろいろなものが見つかる。
ここではオオハンミョウモドキや黒いゴミムシ、小さなガムシ(おそらくキタコマルガムシとかのCrenitisあたり)などなど。

しばらくするとこの環境に似つかわしくないものが。



マヤサンコブヤハズカミキリ
2019年6月 新潟県

奥の枯れ木を伝ってきたのか、湿地のど真ん中で佇むマヤサン。
コブヤハズの仲間は初夏によく歩き回っているが、何もこんな場所に歩いてこなくても

ヒメクロサナエ

2019-09-21 20:00:00 | トンボ



ヒメクロサナエ
2019年6月 新潟県

昨日のスゲハムシと同じ場所で発生していたヒメクロサナエ。
いくつかの羽化殻と羽化したての成虫が見られたが、6月も下旬。地元だと早い年で4月下旬辺りから羽化するので季節感覚が狂う。
地元の低山帯では渓流に生息しているが、ここでは林道わきのちょっとした流れに生息。
生息環境の幅が広いのか、それとも標高のなせる業なのか?

スゲハムシ

2019-09-20 20:00:00 | その他甲虫

スゲハムシ(キヌツヤミズクサハムシ)
2019年6月 新潟県

標高1000m越えのスゲハムシ。地元の低山帯から1500mくらいまでと垂直分布がすごく広い。
ここではミズバショウとタヌキランに止まっている個体が多かった。
標高が高いのでもしかしたらシラハタが…と、いくつかまとまって採集してきたが、交尾器を見る限りすべてスゲ。残念。