最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
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ヒメホソハマベゴミムシダマシ

2015-10-31 22:05:54 | その他甲虫

ヒメホソハマベゴミムシダマシ Micropedinus pallidipennis
2014年4月採集 新潟県産


分布:北海道、本州、四国、九州
県内:上越×、中越○、下越○、佐渡×、粟島×
体長:3-4mm

海浜性のゴミムシダマシの仲間。
ゴミや流木、海鳥の死骸の下などで見られる。

写真の通り、色彩にはバリエーションがあり、真っ黒から橙色まで段階的に変化する。
近似種に少し大きめのホソハマベゴミムシダマシ[M. algae]体長4.5-5mmがいる。
が、いまいち図鑑の解説文を読んでもしっくりこない。

以下、図鑑に書かれている形態を。

ヒメホソハマベ…複眼は上部が比較的小さい(?)
        小楯板は大体四角形(ホソハマベもほぼ四角形)
        上翅は点刻を疎布するが、列状にならない(ホソハマベも列状にならない)
        附節は先端節を除いてやや葉片状(ホソハマベも同じ感じ)

ホソハマベ………背部全体に大点刻を疎布(ヒメホソハマベよりは強めな気がする)
        前胸背板側縁はややまるく、ごく細く縁どられる(ヒメホソハマベも同じ)
        基縁前両側に小押圧部がある(ヒメホソハマベも同じ)
        上翅は全面強く点刻される(ヒメホソハマベより疎らな気がする)
        前脛節は下面に太短棘を密生(ヒメホソハマベよりは顕著だが両種共にある)

こんな感じで解説文だけでは決定打に欠ける気がする。大きさは目安にはなるだろうが個体差も考えると決定打にはなり得ないと思う。
採集個体を見る限り、雰囲気で2種とも採っていることはわかるのだが…。
パッと見て違うのは前附節の太さと、前脛節の棘(附節の付け根)、あと触角もちょっとちがうかなという感じ。

ルリゴミムシダマシ

2015-10-30 23:34:46 | その他甲虫

ルリゴミムシダマシ Derosphaerus violaceipennis
2014年6月採集 新潟県産


分布:北海道、本州、四国、九州
県内:上越×、中越○、下越○、佐渡×、粟島×
体長:14-16mm

低山帯の雑木林に多いゴミムシダマシ。
立ち枯れや伐木に集まる。日中でもよく見られるが、基本的には夜行性で、夜間はナラの立ち枯れで多数見ることがある。

大型のゴミムシダマシの仲間ではキマワリについでよく見る種類。
同属には本種を含め3種類いるが、アラメゴミムシダマシ[D. chinensis]は名前の通り、上翅が荒目状。ヒメルリゴミムシダマシ[D. exularis]は沖縄(八重山諸島)に分布し、分布は重ならない。


ヒメコメツキガタナガクチキ

2015-10-29 23:31:33 | その他甲虫

ヒメコメツキガタナガクチキ Synchroa melanotoides
2014年6月採集 新潟県産


分布:北海道、本州、四国。九州
県内:上越×、中越○、下越×、佐渡×、粟島×
体長:8.2-13mm

平地~低山帯にかけて広く生息するヒラタナガクチキムシ科の1種。
やや細めの広葉樹の枯れ枝などを叩くとよく落ちてくる。

特に似ている種類は無し。近縁のナガクチキムシ科(本種も昔は一員だったらしい)にはちょっと似ているものもいるが、あくまでちょっと。
Webで調べると近似種にコメツキガタナガクチキというものがいると書かれているところもあるが、日本産ヒラタナガクチキムシ科は1種のみなので勘違いだろうと思う。(参考

それにしてもヒメと付くからには一回り大き目の種類もいても良いと思うのだが、なんでだろう?


※訂正(2015,10,29)
ナガクチキムシ科にコメツキガタナガクチキ[Paramikadonius crepusculus]というのがいたのを忘れていた過去に採ったことあるのに。
でも本種とは特に似ていない。

新潟県のヒラタナガクチキムシ科採集リスト

2015-10-29 21:21:41 | 新潟県の昆虫リスト
新潟県でいままで採集したヒラタナガクチキムシ科のリスト。
あくまで私が採集したことがあるというリストで、文献などは未確認。
ヒラタナガクチキムシ科は国内に1種のみなので、これにてコンプリート

種名は基本的に原色日本甲虫図鑑による。


ヒメコメツキガタナガクチキ Synchroa melanotoides

ヒメナガニジゴミムシダマシ

2015-10-28 19:38:55 | その他甲虫

ヒメナガニジゴミムシダマシ(ナガニジゴミムシダマシ) Ceropria induta
2014年6月採集 新潟県産


分布:本州、四国、九州、沖縄
県内:上越×、中越○、下越○、佐渡×、粟島×
体長:10mm前後

低山帯に多いゴミムシダマシの仲間。
立ち枯れや伐採木に集まる。キノコを食べるというが、キノコが生えていない材でも見ることが多い。

太陽光の下で見ると綺麗なのだが、室内であの光沢を出すのは難しい…。
体に厚みがあるので、深度合成しないとピントが合わないのも難点。これは絞り値F20で撮影。

Ceropria属は原色日本甲虫図鑑(Ⅲ)によれば国内に4種生息する。
どれもよく似ているが本種と一番似ているのはホソナガニジゴミムシダマシ[C. striata]だろうか。
区別点は前胸背板側縁の形状や触角の形状が挙げられているが、これは比較対象がないと難しいかも。色彩も多少違うようだが、生きているときと標本とでも色変わりはしないのだろうか?
今回は、「中・後脛節は内側中部がややえぐられ内湾」との記述(ホソナガニジには記述なし)から本種と同定したが、雌雄差とかではないですよね


※追記(2017.2.2)
日本産ゴミムシダマシ大図鑑にて新称が与えられたので、新称に変更。
「中・後脛節は内側中部がややえぐられ内湾」との記述は、予想通り雌雄差のようでした

新潟県のハネカクシ科採集リスト

2015-10-27 21:43:43 | 新潟県の昆虫リスト
新潟県でいままで採集したハネカクシ科のリスト。
あくまで私が採集したことがあるというリストで、文献などは未確認。
随時更新していきたいと思いますが、写真を撮ったもののみ載せるので、長ーい目で見てください

種名は基本的に原色日本甲虫図鑑による。


カラカネハネカクシ Platydracus sharpi
オオサビイロモンキハネカクシ Ocypus scutiger

オオサビイロモンキハネカクシ

2015-10-27 21:41:08 | その他甲虫

オオサビイロモンキハネカクシ Ocypus scutiger
2012年6月採集 新潟県産


分布:本州
県内:上越×、中越○、下越×、佐渡×、粟島×
体長:20-24mm

大型のハネカクシの仲間。
詳しい生息環境などは不明だが、低山帯のブナ林内で歩行中のものを採集。

腹部の黄色い斑紋が特徴的。近似種にサビイロモンキハネカクシ[O. dorsalis]がいるが、大きさ、前胸背板の幅と長さの比率から本種と同定した。
サビイロモンキの前胸背板は幅よりも長いが、本種は幅と長さがほぼ同じとのこと。

カラカネハネカクシ

2015-10-26 19:24:54 | 標本

カラカネハネカクシ Platydracus sharpi
2013年5月採集 新潟県産


分布:北海道、本州、四国、九州
県内:上越×、中越○、下越×、佐渡×、粟島×
体長:20-21mm

大型のハネカクシの仲間。
詳しい生息環境などは不明だが、河川敷の腐肉トラップにて採集。

原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)では本種は図示されておらず、近似種のクロガネハネカクシ[P. inornatus]の解説文の下に出てくる。
区別点としては、頭部、前胸背板、上翅の光沢の有無(あればカラカネ、なければクロガネ)。
頭楯の湾入の有無(湾入すればクロガネ、しなければカラカネ)。
♂の腹部第6節の毛塊の有無(あればカラカネ、なければクロガネ)。
♂の腹部第7節のえぐれの形(円形ならクロガネ、三角形ならカラカネ)など。


頭部アップ。
頭楯は湾入しない。


腹部アップ。
第6節中央には毛塊がある。第7節のえぐれは見比べてみないとなんとも言えないかな?

ハマヒョウタンゴミムシダマシ

2015-10-25 04:14:59 | 標本

ハマヒョウタンゴミムシダマシ Idisia ornata
2014年4月採集 新潟県産


分布:北海道、本州、四国、九州
県内:上越×、中越○、下越○、佐渡×、粟島×
体長:5mm前後

海浜性のゴミムシダマシ。
ゴミや流木、海鳥の死骸の下などで見られる。

斑紋はバリエーションがあるが、真ん中のものが一番多いような気がする。
ちなみに、この斑紋は鱗状の毛で出来ていて擦ると取れる。なのでスレて真っ黒なものもしばしば見る。

近似種にニセハマベヒョウタンゴミムシダマシ[Idisia vestita]がいるがこちらは未見。


ヒメドロ用にちょっとした撮影スタンドを作ったので他の雑甲虫も撮る事にした。
標本整理のモチベーションのためにも、同定の腕を上げるためにも採集品をリストにまとめるので、何か間違いがあればご教授願います
県内の○×は、○採集済み、×未採集の意味。ただし自分の採集の有無のみで文献の記録などとは無関係。
事実、本種は佐渡でも上越でも採れている。

マダラナニワトンボ

2015-10-21 21:53:45 | トンボ

マダラナニワトンボ Sympetrum maculatum
2015年10月 新潟県

県内に生息している黒い赤とんぼのもう1種。
日本特産種で、本州のみに生息している希少種。国と県のレッドリストで共に最高の絶滅危惧Ⅰ類にランクされる。

県内では佐渡・粟島を除く全域で記録がある。
しかし近年、上越地方では見られず、中越・下越でも生息地はどんどんと少なくなっている様子。

今回確認した池は個体数も多く、活動時間帯の正午前後には10ペアほどのタンデムが見られた。

飛翔写真はまだまだ


狭い範囲に集まるので一枚に複数入ることもあった。ピンボケだけど。

来年は未熟なものが出てるときに確認しに来ようと思う。