最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
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あけましておめでとうございます!

2022-01-05 12:30:00 | 水生昆虫
お久しぶりです。とりあえずは生きております。。。
だいぶ前に使っているデジカメが壊れまして、環境写真などもスマホでぱっぱと撮るようになり、すっかりPCに写真を取り込むと言うことから離れておりました。スマホなのであまり写真を撮ることもなく、ブログのネタがありませんでした
最近はさっと投稿できるTwitterが多かったです→https://twitter.com/jXBoEkfoa2z1wZu

そして毎度毎度三が日を過ぎていますが、改めてあけましておめでとうございます

昨年はいつも通りゆるーく採集をしていましたが、後半は特にシコクダルマガムシ種群(赤いダルマガムシ、以下赤ダルマ)をメインに捜索しておりました。過去記事はこちらなど→   
赤ダルマはまだまだ国内での全容が分かっておらず、つい最近もサヌキダルマガムシ[Hydraena obaei]が記載され、東北地方から九州まで、全国各地で未記載と思われるものが採集されているようです。
新潟で採集しているものも現在記載されている種には一致せず、恐らくは未記載と思われます。
新潟県内では今のところ大きく分けて二系統を確認していて、小型でオスの後脚脛節が広がるタイプとオスの中脚脛節が湾曲するタイプを確認しています。
後脚脛節が広がるタイプ
中脚脛節が湾曲するタイプ
後脚脛節が広がるタイプは今のところ1ヶ所でのみ確認していて、分布状況などは不明。
中脚脛節が湾曲するタイプはとある河川以北でしか確認していないが、比較的生息範囲も広く、生息環境も中々幅広い。泊りがけで探し回って20か所ほどで確認できた。
そしてこの中脚脛節が湾曲するタイプは交尾器に2タイプあり、1ヶ所だけだが混生も確認できたので2種類内包されている可能性が高い。
この辺りは日を改めて詳しく書ければと思う。暫定的にまとめてみて、サンプルを増やしながら補強していきたい。赤ダルマの採集は苦行以外の何物でもないのだが…。

交尾器の2タイプ。湾曲が強いものと弱いものが見られる。

ケシゲンゴロウ

2020-04-16 21:33:03 | 水生昆虫

ケシゲンゴロウ
2020年3月 新潟県

環境省レッドで準絶滅危惧種のゲンゴロウ。
幸い新潟県内ではまだ各地で見られ、ウシガエルが侵入してしまったような池でも見られるところが多い。
近縁のヒメケシゲンゴロウは生息環境が異なり、同所的に確認したところは今のところなし。そもそもヒメケシがあんまり見つからない。

赤ダルマ

2020-03-18 13:12:09 | 水生昆虫
タイトルの赤ダルマと言えばコレ!

だるまのイラスト(いらすとや)

ではなく、コレ!!!



シコクダルマガムシ種群 Hydraena sp.
2020年2月 新潟県

赤ダルマとは赤いダルマガムシのこと。赤いダルマガムシ(シコクダルマガムシ種群notsuiグループ)は国内では現在8種が生息し、すべて体長が2mm以下という微小な種。
しかも冬季に個体数を増すものが多いという特殊な生態などから確認は難しい。というか、冬に川に入って採集というのがそもそもしんどい
自分が運よく採集できたのは去年の四月。採集に入った林道が途中から冬季封鎖をされていて、その脇にあった沢を何の気何しに掬ったら入るという奇跡を起こした。
この仲間は採集の難しさや注目度の低さ?から分類が遅れており、まだまだ日本国内からも新種が続々出るであろう仲間で、この写真のものも既知の8種には当てはまらなそう。しかし、体長も小さく、交尾器はもっと小さいため自分の道具類と腕ではしっかりとした観察はできないので何とも言えない。新種だったらうれしいなーくらい。

今年は「日本の水生昆虫」という日本の水生昆虫の既知種がなんと全部!載ってるという恐ろしい図鑑が出たので、この仲間も人気が出て分類やら生態やらの解明が飛躍的に進むでしょう。さらに詳しい日本のダルマガムシが発刊されることを楽しみにしています♪

自分もこの本に感化されたので、今年は新産地を見つけてやろうと冬の沢に何度も通ったが、結局は新産地は見つけられず撃沈。













他にも何か所も。結構手広く色んな環境を攻めてみたんだけどなぁ。ちなみに最後の写真は赤ダルマの採集地。
染み出し水とか、水流が少ないところとかが主流のようだが、自分の採集地は結構な水量がある。


この仲間は雌雄で後脚の形態に差があるものが多く、アシマガリダルマガムシは特に顕著。新潟のものも軽微だが雌雄差がある。

オス個体

メス個体

オスは後脚脛節後半がやや広がる。
ついでに交尾器の写真も。

うん、よくわからない。

これからも新産地を探していこうと思うが、見つけられる日は果たしてくるのだろうか・・・?

ミズカマキリ

2020-03-11 00:01:14 | 水生昆虫

ミズカマキリ
2020年2月 新潟県

まだ比較的見ることができる大型水生半翅。それでも減ってきている気はする。
冬季は集団でいることもあるようだが、この日は一つだけ。


今回の採集地。冬なので明るいが、普段は結構暗め。
ヒルムシロ類(フト?未同定)が繁茂するが、昔からウシガエルが生息しているため水生昆虫は貧弱。
甲虫はヒメゲンのみ。半翅はマツモムシとコマツモムシがいっぱい。
すぐ隣に大きな明るい池があるが、そっちではヒメミズカマキリが多数見られた。

ナミゲン幼虫

2020-01-24 22:40:34 | 水生昆虫

ゲンゴロウ(ナミゲンゴロウ) Cybister japonicus
2012年10月 新潟県

「日本の水生昆虫」発売記念に昔の写真を引っ張ってきた。
それにしてもなかなかの凶悪な顔。こんな強そうな顔なのに環境変化にはめっぽう弱い…。
この写真ももう8年前。この産地では未だに成虫未確認だが、今年こそは見つけられるだろうか?

マルミズムシ

2019-11-08 23:16:55 | 水生昆虫

マルミズムシ
2019年11月 新潟県

ため池などに生息する水生半翅。平地から低山帯の池に生息している。
近縁のヒメマルミズムシより南方系の種類なのか、地元の市町村では信濃川の西側(海側)でしか確認できていない。ヒメは東西に広く生息している。新潟市でも確認しているので、海沿いには大分北まで生息はしていそう。


採集環境。少し汚いような池に多い気がする。


この場所は一網でおびただしい数が入った

ミゾシジミガムシ

2015-10-20 23:31:55 | 水生昆虫

ミゾシジミガムシ Laccobius moriyai
2014年6月採集 新潟県産

以前載せたコマルシジミガムシと同時に2007年に新種記載されたシジミガムシの仲間。
両種は非常にそっくりで、大きさも約2mmと小さいため、野外での区別は私では出来ません

区別点は"ミゾ"の名の通り、鞘羽に溝があればミゾシジミ。無ければコマルシジミ。

拡大。少し見難いが鞘羽後方の会合部付近に溝がある。

交尾器中央片の形状も差があり、ミゾシジミは幅広くへら状になる。

一応写真を撮ってみたがこれじゃ分りませんね…。いつか顕微鏡越しの写真を載せます。

コマルシジミも交尾器を抜いて写真を撮りたいが、ぶきっちょなのであまりやる気がおきません。

真ん中のゴミみたいなものが交尾器。上にも書いたが本種の大きさは約2mm。
交尾器自体の大きさはどれくらいだろうか?


本種は北方系の種のようで、県内で確認した場所は下越地方のみ。コマルシジミは上・中・下越それぞれで確認済み。佐渡では良い場所があったが採集できず。ちなみに原産地は山形県。
混生はしないと思っていたが、過去のタトウを漁っていたら両方採れている場所があった。

サワダマメゲンゴロウ

2015-10-04 21:46:28 | 水生昆虫

サワダマメゲンゴロウ Platambus sawadai
2015年9月採集 新潟県産

先日、ヒメドロムシ採集中に採れた流水性のゲンゴロウ。
鞘翅の粗い点刻が特徴。

鞘翅のアップ。

今まではあっちで1頭、こっちで1頭という感じだったが、この場所では比較的まとまって確認できた。
川岸に落ち葉がたまっている場所で採集。

すぐ横にあった水溜りではホソクロマメゲンゴロウ[Platambus optatus]も確認した。

二度あることは…?

2015-09-29 22:37:07 | 水生昆虫
今年の5月に採集したエゾゲンゴロウモドキの筋無しの♀
その後、fbの方には書いていたのですが、同じ場所で8月にも筋無しの♀を採集していた(別ブログ)。

たった2匹しかとっていないとはいえ、2匹とも鞘翅に筋が無いタイプ。通常は筋が入る個体がほとんどのはずなので、もしやここは筋が無いものしかいないのでは?と思って再度確認しに行ってきた。

今までは縁から掬うだけだったが、この時はウェーダーを履いてまじめに挑戦!
五分ほどで早速1頭採集

前脚に吸盤が無い!ということでまた♀個体。


お腹の黒紋は発達していない。これは前に採った2♀も同じ感じ。
あとは♀なのに交尾栓が付いていない。これも前に採った2♀も同じ。これはまあ時期の関係か?

そして注目の背面は…↓

また筋無し!!
さすがに驚いた。ここはホントに筋無し型しかいないんではなかろうか?

気をよくして追加を探すとまたすぐに黄色いおなかが見えた。
今度は吸盤がある!ということでここでは初めての♂。さすがに♂に筋があるということはなかった(笑)
綺麗な新成虫だったので、写真を撮ろうとカメラを出すためモゾモゾしていたら網を登っていったのか、いつのまにかいなくなってしまった

その後は懸命に掬うも入らず。小さな場所なのでやりすぎてもダメかなと思い採集は終了。
結局確認できたのは1ペアだけだったが、また筋無しの♀を確認できたのは大きいと思う。この♀はマーキングした後、再放流。
次回はトラップを持って確認しに来ようと思う。