最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
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セアカヒメドロムシ?

2011-08-29 13:35:37 | ヒメドロムシ



セアカヒメドロムシ Optioservus maculatus 
2011,6,3採集 山形県最上群産

大きさ2.4~2.6mmのヒメドロムシの仲間。
ツヤヒメドロムシそっくりだが、大きさが本種のほうが一回り大きい。
この種類も山形県がタイプロカリティー。

源流に生息し、今のところ確認している産地は1ヶ所のみ。
ブナ林の中を流れる沢で、年中日陰になっているのが胆か?

本種には斑紋に変異があり4紋型と紋が繋がる型がある。


↑の文章を書きながら、色々と文献を見ていたらどうも違和感が…。
大阪とか島根とか福岡で記録されているセアカヒメドロムシはこの個体より全体的に太く感じる。
「島根県の水生甲虫」に出てるマルヒメドロムシ属の一種に近い種類なのだろうか?
標高は600mちょいだが、付近にオサバグサが生えてるブナ林のなかの暗い沢での採集品。


参考文献
林 成多(2011)島根県の水生甲虫.ホシザキグリーン財団研究報告特別号,(1)

クロサワドロムシ

2011-08-27 16:32:05 | ヒメドロムシ

クロサワドロムシ Neoriohelmis kurosawai
2010,7,13採集 山形県最上群産

大きさ3.8~4.1mmのヒメドロムシの仲間。
確認している場所は上流の流れが速い瀬だが、淀みの部分や止水域などにも生息しているらしい。
淀み・止水で採集される割には中流とかでは見たこと無いなぁ。

こんどこそキベリナガアシ???

2011-08-25 14:14:24 | ヒメドロムシ
前に「ナガアシドロムシ類」として書いた記事。
その中で、本州にはキベリナガアシドロムシとツヤナガアシドロムシが分布しているということを書いた。

書いたときは「新潟県のドロムシ類」を入手していなかったので、新潟の分布はわからなかったが、見てみるとキベリナガアシは記録されていた。
が、ツヤナガアシの記載が1963年、「新潟県のドロムシ類」が出たのは1961年。
ツヤナガアシのパラタイプに新潟県のもの(9産地264個体)が使われていることから、「新潟県のドロムシ類」の中のキベリナガアシはツヤナガアシのことだと思われる。
「福岡県のヒメドロムシ」でも本州中部以北での確実な記録は無いとしている。

ツヤナガアシとキベリナガアシの区別点は前回も書いたが、「福岡県のヒメドロムシ」によれば確実な区別点は前胸背の隆起とされている。
以下、「福岡県のヒメドロムシ」から。

上がツヤナガアシドロムシ
下がキベリナガアシドロムシ

この文献はWeb上に上がっているので写真を出しても問題ないと思ったが、なにか問題があるようならお教えください

「福岡県のヒメドロムシ」ではJeng and Yang(1998)による再記載を元に区別したと書いてあったが、最近その文献を入手したところ、ツヤナガアシとG.montanus(台湾に分布)の前胸背の隆起を比較した画像はあったが、キベリナガアシとツヤナガアシを比較した画像は入っていなかった。ちなみにこの文献は全部英文…。いつになったら内容が理解できるのか

さて、問題の最上産のキベリナガアシと思われる個体↓



2011,6,18採集 山形県最上群産(若干前のめり)

これは前回の記事の写真。

両方とも山形県最上群産。下の個体はほぼ間違いなくツヤナガアシだと思われる。
私が撮った写真はボケてたり、汚かったりもしますが、なんとか輪郭はわかるはず!


今回は採集した場所も川幅の広い中流域だったので、その辺りからもちょっと期待している



その後、再度採集に行ったが追加は出来ていない



参考文献
緒方 健・中島 淳(2006)福岡県のヒメドロムシ.ホシザキグリーン財団研究報告,(9):227-243.
Ming-Luen Jeng and Ping-Shih Yang(1998)Taxonomic review of the genus Grouvellinus Champion (Coleoptera:Elmidae) From Taiwan and Japan.Proc.Entomol.Soc.Wash.,100(3):526-544
野村 鎮・馬場 金太郎(1961)新潟県のドロムシ類.昆虫学評論,13(1):27-34.

ムナビロツヤドロムシ

2011-08-23 14:08:05 | ヒメドロムシ

ムナビロツヤドロムシ Elmomorphus brevicornis
2011,6,11 新潟県胎内市

大きさ3.6mm~3.9mmのヒメドロムシの仲間…、ではなく近縁のドロムシ科の一種。
ドロムシの仲間は北海道に1種、本州から沖縄に1種(奄美大島以南は別亜種)が生息し、国内では2種類のみが分布。

上流~中流に生息し、ツルヨシなどの根元にいることが多い。
新潟では長岡でも県北の胎内市でも多数の個体を採集しているが、最上では確認できていない。
いれば見つかると思われる種類なだけに分布していないのだろうか?

コムラサキ

2011-08-22 11:21:20 | チョウ

コムラサキ Apatura metis
2011,8,7 山形県最上郡

ヤナギを食べるタテハチョウの仲間。
ヤナギを食べるので、河川敷などにいることが多い。
♂の表翅はモルフォチョウのように角度によって紫色に輝くが、この写真じゃわかりませんね。

本種は遺伝的に基本型とクロコムラサキと呼ばれる2つのタイプがあるが、山形県内ではクロコムラサキはいるのだろうか?
新潟だと過去に採れたことはあると聞いたことはあるんですが…

キスジミゾドロムシ

2011-08-19 12:52:13 | ヒメドロムシ

キスジミゾドロムシ Ordobrevia foveicollis
2010,7,20採集 山形県最上郡産

大きさ3.0mm~3.3mmの比較的大きなヒメドロムシ。
中流~下流に生息している種類。水田などの止水域でも生息しているという話もありますが、私は未確認です。

一昨日の記事にも書きましたが、主な生息環境は不明。抽水植物の根ぎわで採れた記録などはあるようですが、どこでもまとまって採集されることは無いようです。
その反面、灯火には多数が集まり、多い場所では一晩で何百頭と見られることもあります

ゴトウミゾドロムシ

2011-08-18 11:20:53 | ヒメドロムシ

ゴトウミゾドロムシ Ordobrevia gotoi
2011,8,16採集 山形県最上郡産

大きさ1.9mm~2.0mmのヒメドロムシ。
上流~中流まで広く生息している種類だが、どの場所でも個体数は少なく、あまりまとまっては採集できない。

主に砂礫から採集されるが、生息地によって?好む場所が違うようで、水深のある流れの速いところの大きな石の下から採れたり、浅く緩やかな流れの拳ほど石の場所で採れたり、砂が溜まっているところで採れたりと、ここにいる!というところがはっきりしない。
どんな環境でもいるかと言えばそうでもなく、その場所によって採れるところと採れないところがあるように思う。