最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
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ムネアカメダカカミキリ

2015-06-22 23:04:38 | カミキリムシ

ムネアカメダカカミキリ Stenhomalus incongruus muneaka
2015年6月採集 新潟県産

新潟県を基産地として記載されたカミキリムシ。当初は新種として記載されたが、現在は中国のものの亜種とされている。
非常に局地的な分布をしていて、基産地の新潟県のほか、北海道、京都、広島などで採集されているに過ぎない。

本種を採集するためには幼虫が入っている材を採ってくる材採集が基本で、野外での採集例は非常に少ないらしい。
県内ではおそらく1例しかないのでは?と事前にカミキリ屋さんに聞いていて、野外採集はまず無理でしょうと言われていたが、採れてしまった…。もちろん野外で!しかも歩き始めて10分ほどで!!
野外の記録がすくない本種の生態を少しでも解明できればと思ったが、それは出来なかった。
なぜなら、採集方法が「全ての植物を掬いながら歩くこと」だったから
その後、ホストのエゾエノキ含め、木でも草でも高いところも低いところも掬ったが、追加はなし。


今年は奇跡的な採集ばっかりでとっても楽しい

筋無しの♀!

2015-06-15 23:43:06 | 水生昆虫
先日載せた池で採れたエゾゲンゴロウモドキの雌。通常は鞘翅にはっきりとした筋が出るが、稀に雄のように筋が無いものが出る。

先日FBに載せた画像の使いまわし…現物は今現在、アセトンに浸かってます。

北海道、山形県と筋がないものを採集して、次は新潟だ!と気合を入れていたら今年初のエゾゲンモがこの個体。
しかも新産地で、おそらく日本の西限だと思われるものというおまけ付き。

今年はすでに大分運を使ってしまったのか、最近は不調気味
そろっと流れを変えていきたいと思う今日この頃

水辺探索(2015/5)

2015-06-11 23:20:27 | 市内探索


低山帯にある池。
深さは深いところで腿くらい。
川から水を引き込んで溜めてある池で、水温は低く、流れのある場所ではモンキマメゲンゴロウとマルガムシを確認。
ガマの仲間とドクゼリがいくつか生えている。
魚はなし。両生類はイモリとクロサンショウウオ(卵)を確認。

見つけた水生昆虫は、
チャイロシマチビゲンゴロウ Nebrioporus anchoralis
マメゲンゴロウ Agabus japonicus
エゾゲンゴロウモドキ Dytiscus marginalis czerskii
ミヤマミズスマシ Gyrinus sachalinensis
クビボソコガシラミズムシ Haliplus japonicus
ホソダルマガムシ? Hydraena riparia?
アサヒナコマルガムシ? Anacaena asahinai?
コセアカアメンボ Gerris gracilicornis
オオコオイムシ Appasus major

鞘翅7種 半翅2種 を確認。
ホソダルマとアサヒナとしたものは正確な種類が今の状況ではわからないのでとりあえず?付きで
流水性のものも混ざっているが、流されてきたものか、ここで繁殖しているかは不明。
チャイロシマチビはやたらと個体数が多く、河川のほうでは確認できていないのでここで繁殖している可能性が高いかも。
ミヤマミズスマシはきちんとゲニで確認済み。エゾゲンモは1♀のみだが驚きの…

水辺探索(2015/5)

2015-06-06 23:41:35 | 市内探索





低山帯にある池。
実際に池には入っていないが、深さは膝くらい。
湧水を溜めた池で、水温は低く、流入口付近にはバイカモの仲間が確認できた。
魚はなし、両生類はトノサマガエルを確認。

見つけた水生昆虫は、
・ケシゲンゴロウ Hyphydrus japonicus
・ツブゲンゴロウ Laccophilus difficilis
・コウベツブゲンゴロウ Laccophilus kobensis
・クロズマメゲンゴロウ Agabus conspicuus
・マメゲンゴロウ Agabus japonicus
・ヒメゲンゴロウ Rhantus suturalis
・コシマゲンゴロウ Hydaticus grammicus
・ミズスマシ Gyrinus japonicus
・クビボソコガシラミズムシ Haliplus japonicus
・キイロヒラタガムシ Enochrus simulans
・ガムシ Hydrophilus acuminatus
・マツモムシ Notonecta triguttata
・オオコオイムシ Appasus major

鞘翅11種 半翅2種 を確認。
他はヒメアメンボとヤスマツアメンボがいたはずだが採ってなかった

この池はクビボソコガシラがやたらと多く、軽く100以上確認。やはり本種は湧水がキーになるっぽい。

舞い降りし者

2015-06-04 22:15:18 | カミキリムシ
先月、とあるカミキリを求めて、とある山へ。
そのカミキリは、県内の記録はあるが、2~3ヶ所?くらいで、単発記録も含み、現在の確実な産地は1ヶ所のみ。かな?
今回挑戦した場所はホストはあるが記録はなく、周辺にも記録が無い場所。
正直、いるかどうかわからないもののために山登りはキツイが、新産地発見という喜びの大きさは苦労したぶん大きい、ハズ。(大抵は徒労に終わるけど

そんなわけで山登り。

今年は暑かったので季節の進行が早い。
ヤマレコなんかを見ていると普通はこの時期残雪があるようだが、雪はほぼ見ず。
ウスバシロチョウが多かったが、ボロのギフチョウもちらほら飛んでいた。

登り始めてから3時間ほどでやっと2/3ほどまで登ったが、目的のホストは見つからず…。
もともと体力が無い上に春は体がなまってるのですでに私は虫の息
それでもせめてホストだけでも確認したいと登り続けると大きなトチノキの花を発見。
登山道脇にリュックを置いて掬うも何も入らず。落胆していると視界の脇で何かが飛んでいるのが目に入った。

あの飛び方、あの色、あの大きさ。ほぼ間違いない。
ちょっと遠くの葉っぱの上に止まったので、力強く網を一振り!
ヨツボシヒラタシデであってくれるなと願いながら網を覗くと、平たくない!ヒゲが長い!ということで↓


フタスジカタビロハナカミキリ(通称キマル) 

網から出すときについ力が入って足が一本もげてしまったが、そんなのは気にならないほど大満足
久々に狙ったものが採れて疲れも吹っ飛んだ。
カミキリがいれば近くにはあのホストもあるはずと付近を捜索すると、あった。

ヤマシャクヤク

けど、

花はもう終わっていた。花に潜るカミキリを撮りたかった…。
すぐ近くでもう2株ほど見つけたがそちらも花は終わり。この状況で採集できたのはホント奇跡だと思う。

無事に採集でき、これ以上追加は望めそうにないので、早々に下山。今度は花に潜る写真を撮りにまた来ないと。


何の変哲も無い場所。


しかし、キマルが止まった場所はまるでスポットライトで照らされてるような場所だった。
まさに舞い降りし者。



今回の採集に際し、「研修」ということで生息地を案内し、ヤマシャクヤクの特徴などを教えてくださったEさん、一緒に「研修」に参加し、飛翔中の本種を採集して見せてくれたEさんに厚く御礼申し上げます
次は是非ともギガンをなんとか…!

新潟県のオサムシリスト

2015-06-01 22:07:50 | 新潟県の昆虫リスト
新潟県に生息しているオサムシ(Carabus属)のリスト。
学名や亜種の呼び方、括弧内の通称は六本脚の「日本産オサムシ図説」を参考に。
赤文字は採集済み。


・マークオサムシ Carabus maacki
   本州亜種(マークオサムシ) ssp.apuatilis
・アキタクロナガオサムシ Carabus porrecticollis
   基亜種(アキタクロナガオサムシ) ssp.porrecticollis
・セアカオサムシ Carabus tuberculosus
・ホソヒメクロオサムシ Carabus harmandi
   東北地方南西部亜種(アダタラホソヒメクロオサムシ) ssp.adatarasanus
   基亜種(ホソヒメクロオサムシ) ssp.harmandi
   飛騨山脈北部亜種(ゴスジホソヒメクロオサムシ) ssp.quinquecatellatus
・クロナガオサムシ Carabus procerulus
   基亜種(クロナガオサムシ) ssp.procerulus
・コクロナガオサムシ Carabus arboreus
   東北地方南部亜種(トウホククロナガオサムシ) ssp.parexilis
   北関東上越亜種(ホソクロナガオサムシ) ssp.tenuiformis
   佐渡島亜種(サドクロナガオサムシ) ssp.exilis
   妙高連峰亜種(ミョウコウクロナガオサムシ) ssp.babai
   飛騨御嶽木曽亜種(ヒダクロナガオサムシ) ssp.gracilimus
・ヒメクロオサムシ Carabus opaculus
   東北地方亜種(チョウカイヒメクロオサムシ) ssp.shirahatai
・アカガネオサムシ Carabus granulatus
   本州亜種(アカガネオサムシ) ssp.telluris
・ホソアカガネオサムシ Carabus vanvolxemi
   基亜種(ホソアカガネオサムシ) ssp.vanvolxemi
   佐渡島亜種(サドホソアカガネオサムシ) ssp.noesskei
・クロオサムシ Carabus albrechti
   東北地方中部亜種(ハガクロオサムシ) ssp.hagai
   越後亜種(エチゴクロオサムシ) ssp.echigo
   粟島亜種(アワシマクロオサムシ) ssp.awashimae
   佐渡島亜種(サドクロオサムシ) ssp.freyi
・アオオサムシ Carabus insulicola
   東北地方亜種(キタアオオサムシ) ssp.kita
   粟島亜種(アワシマアオオサムシ) ssp.awashimaensis
   佐渡島亜種(サドアオオサムシ) ssp.sado
   信濃亜種(シナノアオオサムシ) ssp.shinano
・マヤサンオサムシ Carabus maiyasanus
   北陸地方亜種(ホクリクオサムシ) ssp.hokurikuensis
・マイマイカブリ Carabus blaptoides
   東北地方南部亜種(コアオマイマイカブリ) ssp.babaianus
   粟島亜種(アオマイマイカブリ) ssp.fortunei
   佐渡島亜種(サドマイマイカブリ) ssp.capito

2015年6月1日現在 10/13種(亜種を含めると13/28種)


マヤサンオサムシを追加。
運よく歩行中のものを採集。♂だったのでゲニで種を確定。パッと見だと見慣れてるクロオサと区別が出来ないかも

今のところ新潟県内のオサムシは亜種含め28種としているが、今後変更の予定あり。