最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
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新緑のトンボ

2011-06-30 11:23:18 | トンボ
昨日はどうしても川に用事があったので川に入れるところを探していた。
最近はずっと天気が悪く、川の水位も上がっていたので入れるところはないかな?とふらっと行った場所でのこと。

川を見ると濁って水位も高かったのでコリャダメだと思って帰ろうとしたら何かが飛んでいるのが見えた。

橋の影の左側を時計回りに巡回していて、大きさも大きかったのでコヤマトンボかと思ったが違和感があったので一応網を持って川へ。
すると同じものがもう1頭飛んできて絡み合って両方居なくなってしまった…

仕方ないので周りのニワハンミョウと戯れていたらすぐに戻ってきてくれたので、サクッと採集しようと網を振るも空振り
また同じルートを飛んで来てくれたので、今度こそ!と網を振るがまた空振り
普通は二度も振り逃すと居なくなるか、避けて飛ぶようになるが、こいつはラッキーなことに避けもせずに同じルートを飛んできてくれたので、三度目の正直と気合を入れて網を振るとさすがに入ってくれた

網に入れるまでなにかわかっていなかったですが取り出してみると…。

アオサナエ Nihonogomphus viridis

採集個体は♂。写真ではわかりにくいですが、網から出すときに噛み付いているのに気がつかず、頭を外してしまった

上の写真で網におとなしく止まっているのはこのためですちなみにこの個体は今朝もまだ生きていました。

アオサナエ自体はこの川の上流(川の中を歩いて往復で5時間かかった)で昨年も1♂採集していて、今回の場所でもヤゴは複数確認している。
山形県のアオサナエは1940年代に米沢市で、1960年代に酒田市で採集されて以来、県内では記録が途絶えていたが、2009年に最上郡内で永幡嘉之氏により再発見されていた。
今回の場所は再発見された場所(そこではその後確認されていない)の上流にあたる。


それにしてもこんな川の状態のときに採集できるとは思わなかった。
でも考えてみると比較的よく止まる(と思う)本種がずっと飛んでいたのはこんな状態だったからこそだったのでしょう。
採集後はもう一頭飛んできて産卵or水浴びをしていったが、縄張りを張ることなく飛んでいってしまった。ということは♀で産卵をしていたのでしょうか?
本当は一日中観察していたかったのですが、時間がなかったのですぐに他の川へ向かった。
朝の9時過ぎから15分くらいの出来事でした

ヒメドロ採集(2011/6/18)

2011-06-29 09:11:41 | ヒメドロムシ
今回の採集地。

小さな沢。流れはあまり強くなく、石は拳ほどの物がほとんど。川縁にはツルヨシが生えている。

この場所から100mほど下るとすぐに最上川と合流する。

ちなみに見えている場所からは何も採集できず。

ここでは
・ツヤヒメドロムシ[Optioservus nitidus] 3exs.
・ツヤナガアシドロムシ[Grouvellinus nitidus] 1ex.
・ホソヒメツヤドロムシ[Zaitzeviaria gotoi] 2exs.
・マルヒメツヤドロムシ[Zaitzeviaria ovata] 1ex.
・ヒメツヤドロムシ[Zaitzeviaria brevis] 1ex.
・ミゾツヤドロムシ[Zaitzevia revalis] 16exs.
の6種24頭を採集。

何の変哲もない結果でしたね

サイハイラン

2011-06-28 08:51:07 | 植物

サイハイラン Cremastra appendiculata
2009,6,18 北海道網走市

”采配”に似ていることからこの名前が付いたランの仲間。
最上にもあるようだが、まだ見ることは出来ていない。


ここでは湿潤な林道脇にひっそりと生えていた。

幻への挑戦(2011/6/11) その2

2011-06-27 10:44:20 | ヒメドロムシ
昨日の続きでさらに上流へ。
この橋の場所から環境が少し変わり、大きめの石が多くなり、川が開けた感じになる。

少し瀬のようなところもあるが、大体は流れが非常に緩やかなところ。

川底の護岸は少ないが、脇の部分は部分的に護岸されている。

それでもツルヨシの根が露出して砂が溜まっているところもあるので、そのようなところを重点的に採集していくが…。


結果は、
・ゴトウミゾドロムシ[Ordobrevia gotoi] 8exs.
・ツヤヒメドロムシ[Optioservus nitidus] 2exs.
・ツヤナガアシドロムシ[Grouvellinus nitidus] 13exs.
・ヒメツヤドロムシ[Zaitzeviaria brevis] 3exs.
・ツヤドロムシ[Zaitzevia nitida] 1ex.
・ミゾツヤドロムシ[Zaitzevia revalis] 3exs.
の6種30頭と
・ムナビロツヤドロムシ[Elmomorphus brevicornis] 13exs.
が採集できたのみ。
結局セマルヒメドロもアカツヤも採集は出来ずまぁ予想通りです

今回は目標としていた2種類はダメでしたが、他の種類で気になったものはゴトウミゾドロとツヤドロムシ。
これら2種は「新潟県のドロムシ類」ではツヤドロムシの記録自体無く、ゴトウミゾドロは黒川での記録がなかった。
文献内での正確な採集記録は出てきていませんが、今回の採集場所は馬場金太郎先生は何度も採集していたはずで、セマルヒメドロのパラタイプを見ても7月だけで4回は採集していることがわかる。その他文面からは3月下旬に採集していることもわかるのでおそらく通年採集していたものと思う。
それでもこれらの種の記録がないのは護岸工事の後に増えたのだろうか?人により採集方法による偏りもあるとは思うが、私よりも細部を調べていると思うので居たものが採れなかったとも考えにくい。
特にゴトウミゾドロは比較的個体数も多く採集できたので、護岸工事により小石や砂が溜まるようになり個体数が増えたのだろうか?
いずれにしても元の環境がわからないのでなんとも言えませんけどね

この日は朝の6時採集を開始して、車に戻ってきたのが午後の1時過ぎ・・・。7時間も川に入っていた。
それでこの成果ですから、この川はヒメドロムシが非常に少ないと思う。決して採集がへたっぴなのではなく!

この後は地図を見るとさらに上流に行く林道があったので行ってみるがゲートがあり入れず。
それならと他の沢を調べるもヒメドロは何もいず。ムカシトンボが飛んでいたが、水網だったので網の反しが出来ずに逃げられた



今度は7月下旬くらいに再挑戦かな?

幻への挑戦(2011/6/11) その1

2011-06-26 13:52:31 | ヒメドロムシ
新潟県胎内市(旧黒川村)は、
セマルヒメドロムシ[Orientelmis parvula]
ミゾツヤドロムシ[Zaitzevia revalis]
アカツヤドロムシ[Zaitzevia rufa]
の3種のヒメドロムシのホロタイプ産地として知られている。

新潟県内ではミゾツヤドロムシは普通種で河川上流ならどこでも多数見ることが出来るが、セマルヒメドロムシとアカツヤドロムシ(本種は他にパラタイプが南魚沼市浦佐でも採集されているが詳しい場所は不明)は採集された場所が河川工事された影響により1960年に採集されて以来採集されておらず、この2種は幻のヒメドロムシと呼ばれていた。
その後、セマルヒメドロムシは中国地方と九州から、アカツヤドロムシは東北と中部地方からそれぞれ発見されているが、新潟県内では未だにこの2種の産地は発見されていないらしい。

今年の3月に「胎内昆虫の家」に行った際にヒメドロの話しをしたところ、まじめに採集した人はいないんじゃ?ということなので、初夏になったら探しに来ます!と言っていたので探しに行ってきました。

本来は10日の夜に家を出て、11日の早朝に採集を開始、午前中でサクッと採集し、ゆっくり帰って日曜は実家でのんびりとするのが当初の予定だったんですが、10日は夜に集まりがあってちょっとごたごたしてしまったので、出発は結局11日の午前3時になってしまった

川での採集なので天気が心配でしたが、そこは普段行いのいい?私。行く途中の鶴岡市温海付近ではこんな天気↓

普通に大雨でテンションは下がる一方…。

現地についてこの天気だったら採集は出来ないなーと思いながらも進んでいくと段々小降りに
そんなこんなで6時頃に採集予定地の川に付いたので早速採集を開始!

川の両端にはツルヨシが茂り、これならセマルヒメはいけるかもと思ったが、川底は結構ひどいところが多く、河川工事がかなり大規模だったことがわかる。


それでも石を起こしたり、砂をかき回したり、ツルヨシの根元を蹴ったりすると少ないながらヒメドロムシの仲間は入ってくる。

この場所では、
・ゴトウミゾドロムシ[Ordobrevia gotoi] 13exs.
・ツヤヒメドロムシ[Optioservus nitidus] 5exs.
・ツヤナガアシドロムシ[Grouvellinus nitidus] 28exs.
・ヒメツヤドロムシ[Zaitzeviaria brevis] 2exs.
・ツヤドロムシ[Zaitzevia nitida] 2exs.
・ミゾツヤドロムシ[Zaitzevia revalis] 6exs.
の6種56頭を採集。
その他、近縁のドロムシ科として
・ムナビロツヤドロムシ[Elmomorphus brevicornis] 14exs.
も採集。

川底の護岸の関係か、砂礫に住むとされるツヤドロの仲間とツヤヒメが極端に少ないのが印象的だった。
今回は川縁のツルヨシの根ぎわを集中的に掬ったので、有機物の多いところを好む?ツヤナガアシが沢山採集できました。

今回の採集場所は奥の橋のところまで。

この後、さらに上流へ・・・。

イチモンジチョウ(幼虫)

2011-06-24 10:34:43 | チョウ

イチモンジチョウ Limenitis camilla
2011,6,18 山形県最上郡

先日川に入っているときに見つけたイチモンジチョウの幼虫。
川沿いのタニウツギの葉を食べていたもの。

成虫ももう飛び始めていますが、成虫の写真はありません

アオハダトンボ

2011-06-23 09:22:01 | トンボ

アオハダトンボ Calopteryx japonica
2011,6,23 山形県最上郡

昨日はちょっと用事があってとある川へ。
この川は、ほとんど木がない川なんですが、河川と河川の合流点付近が100mくらいヤナギの林になっていて、本種はそこで多く見られた。50頭くらい?

”アオハダ”の名前の通り、翅が緑に輝くが、それを写真で表すのは中々難しい…。そもそも敏感であまり近づけない


この写真は残念ながらピンボケだが、少しは翅の質感が伝わると思う。


この日は別の場所で、テネラルだったが、ハグロトンボ[Calopteryx atrata]も見ることが出来た。