最上の自然

自分の見たものを自由気ままに紹介していきます。
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マルバマンサク

2011-04-20 09:31:01 | 植物

マルバマンサク Hamamelis japoinica var.obtusata
2011,4,12 山形県最上郡

ウラクロシジミ[Iratsume orsedice]の食樹。
マンサクはいくつかの亜種・変種に分かれていて、日本海側にあるマンサクはマルバマンサクと呼ばれる。
ものによってはマルバマンサクも亜種であったり、変種であったりまちまちだったのですが、とりあえずは変種ということで…。

それにしても植物は昆虫類と違って変種とかがあってよくわからん

コアオマイマイカブリ その3

2011-04-19 14:30:27 | オサムシ・ゴミムシ
さて、3回目を迎えたシリーズ?コアオマイマイカブリ。
少し前にまた長岡から2♂1♀届いたので、その紹介を。産地も前回と同じで、長岡市信濃川河川敷。

左から♂♂♀
今回は色彩がばらばらで真ん中のものは青が強いが、左のものは信濃川にしては赤が非常に強い。

1頭だけ奇形だからと届いた標本だったが、よく見てみると左右のものは触覚も奇形だった。

左♂個体の右触覚。


右♀個体。鞘翅の奇形に目が行きがちだが、



左右の触覚ともに異常が見られる。

よく見ると右後脚にも異常が、

爪が3本になってる

3頭中2頭が奇形か…、と微妙な気持ちになっていたら

真ん中♂。口髭が左右非対称。結局全ての個体が奇形という事態に
原因が気になります。へんな薬品の影響とかでないといいのですが


その2で、信濃川のものは上流のミヤママイマイの影響をうけて~、と書いていましたが、ミヤママイマイは青い色彩以外に、♂の前脚ふ節にせん毛が無いことを思い出し、今回の青♂(ミヤママイマイに影響?)と赤♂(普通のコアオ?長岡市の丘陵地帯では赤が多い)の前脚を見てみると、

ちょっと見難いですが、左赤♂・右青♂で、せん毛に差が見られます。
青♂はせん毛がほとんど無いので、やはりミヤママイマイの影響を受けているんでしょうかね。

考えるにはサンプルがあまりに足りないので、もっとマイマイを探してもらわないとですね
頼んだぞ

春の訪れ、そして…

2011-04-19 09:59:31 | 日記
昨日は春らしい日差しで非常に暖かい一日でした気温も16℃近くまで上がったようです(新庄市)
そんな中、午前中に少しだけ事務所を抜け出しての散策。

風はほとんど無かったが、天気がいい日は当然のように"黄色い悪魔達"が飛んでいる…。

見るだけでも目がかゆくなって鼻水が出て、くしゃみが止まらないついに薬も効かなくなってきてしまった。

それでも春を感じることができるのは楽しい
するとまず目にはいってきたのは、

ツクシ(スギナ) Equisetum arvense

春定番の土筆。季節が進むにつれて悪名高い雑草のスギナに変わっていくのだが、普通の人でそのことを知っている人は意外と少ない。
ちなみに、私はちょっと前まで上がツクシで下がスギナの「イヌスギナ」をツクシがスギナに変化する途中だと思っていました

そしてこのツクシの脇にはえていたのは、

キクザキイチゲ Anemone pseudoaltaica

この株は4/14に見つけていたもので、そのときからずっと蕾。この花が咲く頃には春も本番を迎えているのだろうか?
まわりの草はノビル[Allium macrostemon]。ネギの仲間の雑草で、ニラの野生種みたいなもの。
※風邪の写真家N氏よりアサツキと教えていただきました。アサツキは栽培品種でそこらに無いとばっかり…
北海道ではギョウジャニンニク(アイヌネギ)で、最上ではノビルorアサツキで、疲れたときに匂いをかいでリフレッシュしてます(笑)

あとは周りで咲いているフキに来ているクロハナアブの仲間[Cheilosia sp.]を採集したり、越冬明けのオツネントンボに逃げられたりして散策を続けていたのですが、ふと視線を下げると

シマヘビ Elaphe quadrivirgata

日光浴中。アップで撮ろうと思ったら動き回って全部ピンボケ
穴に潜って逃げられてしまった。

その後は、最上では今年初見となるモンシロチョウを目撃。ピカピカの♂でしたが、写真は撮れず。
そろっと網を携帯しなければいけない季節になりましたね。


そして今日。事務所に着いて聞いた言葉は、
「今夜雪が降るらしいよ」
とのこと。すぐに天気予報をチェックすると確かに雪マークが

さて、春はいつになったら来てくれるのだろうか?



昨日のYPT*3(8:30~15:00)の結果は、
トビイロツノゼミ、何かハナバチ、何かハエ(1~2mm)3種、何かハネカクシ(2~3mm)2種という悲惨な結果に
どうも昼過ぎくらいから日陰になっていた感じ。設置場所はよく考えましょう。

YPT

2011-04-18 12:37:51 | その他昆虫

YPTとはイエローパントラップのことで、写真のように黄色い容器に水を張っておいてあるだけです。
パントラップと呼ばれるトラップの中で黄色いものはこのように呼ばれます。
写真のものは今朝、事務所の脇に仕掛けたもの。入りすぎると回収が大変なので3つだけ

このトラップはハチ・ハエ・ヨコバイ類に大きな効果があります。
特に黄色は虫を呼ぶ効果が大きく、普通パントラップは黄色を使います。
ただ青に沢山集まるハチなども確認されているので、様々な色を試してみるのも面白いかもしれません。

昨日は1こだけ庭にかけましたが、ハエの仲間が1こ入っただけ…。
今日は何が入ってくれるのか?


昨日YPT(9:00~16:30)に入ったハエ(約2mm)きれいに標本になってくれた

エゾオオマルハナバチ

2011-04-17 09:52:25 | その他昆虫

エゾオオマルハナバチ Bombus hypocrita sapporoensis
2009,6,12 北海道網走市

セイヨウオオマルハナバチの導入で色々と問題があるハチ。
交雑による遺伝子汚染のほか、セイヨウは盗蜜をすることが多く、花粉の媒介にも支障をきたすとか…。

写真はオホーツク海をバックに、ミヤコグサで吸蜜中の個体。
※ミヤコグサではなくてセンダイハギという花でした。自然写真家のN氏さんありがとうございましたもっと精進します

一歩先の季節へ

2011-04-16 09:15:49 | 日記
昨日(4/15)はとある人に誘われて、未だに雪が残る最上から、すでに春を迎えている鶴岡市へ行ってきました。

木を見るとまだ冬枯れのようにも見えますが、ブナは芽吹き、ハウチワカエデの花も咲き、オオカメノキが若葉を広げていて最上とは季節の進みがまるっきり違うことに驚かされます。それでも今年は10日ほど季節の進みが遅いとのこと。

ハウチワカエデ Acer japonicum

林床では新緑が覆い、至る所でキクザキイチゲやカタクリ、ミヤマカタバミが花を咲かせており春も本番を迎えていました。

カタクリ Erythronium japonicum

そして春といったら外せない昆虫も飛んでいました。それは、

…見えますか?真ん中左側ですが


ギフチョウ Luehdorfia japonica

そう!春の女神とも呼ばれるギフチョウです
ここではギフチョウの行動の観察をしながら、様々なことを教えてもらい非常に濃い時間を過ごさせて頂きました。

他にもキリガの仲間や※「カバキリガ」と教えていただきました。micromyuさん、akiさんありがとうございます


みんなが苦手な(私は好きですが)にょろにょろするやつなど。

ジムグリ Euprepiophis conspicillatus

このままぼーっと春の日差しの中でまどろむのも良かったのですが、午前中はこれでおしまい。
お昼にラーメンを食べて、午後はトンボ調査のために水中へ。
川を見てからわかっていたことなんですが、結論から言うと今の季節はダメ夏にリベンジを誓って川をあとに…。
モクズガニ子供?・スナヤツメ・ドジョウ・ツチフキ・カワニナ(貝殻)・マシジミ(貝殻)を見たくらいで散々な結果に

その後は河川敷で鶴岡のマイマイを探しましたが、ヨツボシ&アオゴミムシがワラワラと…。
四時過ぎに解散となりました。

解散後は折角鶴岡まで来たんだから寄っていったら?と言われた場所へ…。
到着が4時半過ぎ。閉館は5時。時間が無かったのでサラッとしか見れませんでしたが、寄ってきた場所は

プラネタリウムならぬクラネタリウムで有名な加茂水族館。

様々な、

クラゲたちが、

展示されていました。


最後に、今回誘ってくださった自然写真家のNさん。現地でお会いした昆虫写真家のTさん。楽しくて有意義な時間をどうもありがとうございました


カタクリとオオカメノキ。後ろに見えるのが自然写真家のNさん。

探索(2011/4/11)

2011-04-14 09:14:33 | 市内探索
この日は仕事が早く終わった(30分くらい)こともあり、前から目をつけていた場所へ行くことに。
そこはただのキャンプ場なんですが、アカマツが多く生えていて、立ち枯れも多い。
実は10日の夕方にも行こうと思っていたのですが、長靴を車に入れ忘れていたので採集は断念していました

またテクテク歩き、バリバリ剥がす。

フトナガニジゴミムシダマシ Ceropria laticollis


ヒラタハナムグリ Nipponovalgus angusticollis

環境はいいところではないので、こんなもんかと歩いていたが、目の前にオーラを放つ立ち枯れが…。
慎重に皮を剥がしていくと、

予想通りにコアオマイマイが
ぽろぽろ落ちてきてこの木では7頭を採集。
他の木でも2頭と1頭を出してこの日は終了。

越冬昆虫を採るのが苦手なので久々のマイマイ二桁はうれしかった。

毒ビンを3回ほど落として何往復も雪の中を歩いたりもしましたが、充実した1時間でした

探索(2011/4/12)

2011-04-13 14:07:51 | 市内探索
久々に好天気になった昨日。
事務所に着くなりさっそく外を眺めるがなにやらモヤがかかってる…。
事務所の人は「花粉がすごいねー」と言っていたが、「ガラスの汚れでしょ」と窓を開けるとモヤはすべて花粉でした
私は花粉症持ち(スギ・シラカバ・イネ科)なので、行きたくない行きたくないと駄々をこねましたが前から決めていたので出ることに。

まずは用水路。

ここはU字溝になる前は大型の二枚貝が採れたとのこと。少しだけ当時の面影が残っている場所を教えてもらい調べることに。
この辺りでは大型二枚貝を「すずらっけ」と言い、昔は食用にしていたらしい。ちなみに「すず」とは清水ということらしく、沼で採れる貝は「ぬまっけ」といい臭くて食べられなかったらしい。

ここは狭いこともあって調査はすぐに終了。少し周りの桝も見ては見たが大型二枚貝は採集できなかった
泥上げしている泥の中にも貝殻が見つからなかったことから今はここにはいないのだろう。
ここではマシジミ(貝殻×2)とドジョウを確認したのみ。


次は大型二枚貝が現在も確認されている用水路へ。写真はなし
ここもU字溝が入っているのだが、砂が溜まっている所に比較的多数の二枚貝が見られる。
ドブガイ属がいるのは知っていたのだが、二枚貝に興味を持ったのが昨年の秋だったのでヌマガイかタガイかはわかっていなかった。
今回確認したところ、ここのものはおそらくタガイだと思われた。ここでは他にマルタニシとカワニナを確認。

午前中は他にも色々な場所を探して走り回ったが、いい所も見つからず、一人じゃなかったこともあり昼食を食べて午前中は終了。


午後は探索を終えて、事務所に戻るつもりだったんですが服が汚れているから・・・と理由をつけて、探索を続けることに
午前中は水辺だったので午後は山へ!
今年はわけあってとあるキャンプ場周辺を重点的に調べないといけないのでその場所へ。
実は前の日(4/11)にも同じ場所で採集してはいたのですが、それはまた明日にでも。

だいぶ春らしくなったとは言え、まだまだ雪が多い最上。倒木の類は全て雪に埋もれて見えない状態なので、狙うのはアカマツの立ち枯れ!
雪が残る雑木林をテクテク歩き、バリバリ剥がす。

フトナガニジゴミムシダマシ Ceropria laticollis
ボーベリアに多くが侵されていたが集団越冬(写真は半分くらい落ちてしまった)を見ることができた
ここでは他にヒラタハナムグリ・アカハラクロコメツキ・ヨツコブゴミムシダマシなどを採集。あまりパッとしない。

あらかた歩いたので場所を移動。思いつく場所が無いので走り回ると小高い丘の上にアカマツが多く生えているところを発見。
近くに車を止め、丘を登ろうとしたら道路脇によさそうな崖が…。(すでに真ん中と右を掘った後ですが


よさそうなところを手鍬で掘ると、ぽろっと一頭。

トウホククロナガオサムシ? Carabus arboreus parexilis ?
コクロナガオサムシ? Carabus arboreus exilis ?

うーん、オサムシわかんないどうしたものか。原色Ⅱだとコクロナガって載っていないんですが、前読んだ文献では山形県内ではコクロナガが採れていた様な…?
幸い♂なのでゲニだけ抜いておきます。この後もう1♂追加。
道路脇で目立つので崖崩しはおしまい。あとは夏場のトラップに期待。この崖からは他にクロオサムシ(左鞘翅)・チビシデムシの一種・クロハナムグリを採集。

次はアカマツ立ち枯れもとめて山歩き。


健康な林なのか立ち枯れは少ない。それでもこれは!という立ち枯れからコアオマイマイを1ペア採集。
他にはミツノゴミムシダマシ(ただし♀)を追加したが、Platydema属と思われるゴミダマを落とした

この後は川で白鳥をみて家に帰った。





オオハクチョウ Cygnus cygnus