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いつでも君のこと好きだったよ

水曜日は短歌の日(5)「1099日目」東日本大震災から三年を詠む 塔短歌会・東北(その2)

2014-07-23 21:40:19 | 日記

 今朝もちいさい綿の花が1つ咲いていました。葉のかげにかくれるように咲くところがとてもかわいいです。

 

 さて、きょうは水曜日。短歌の日です。先週予告していたように、「1099日目」から。

 

 ・手のひらにだるま軽からず紙の中また紙のある苦しさのまま  梶原さい子

 ・十万年を睨む黒目を外しつつにんげんの皮、春をさすらふ   (同)

 ・みつめればみつめ返して咲く梅のそのはなびらもふるへていたり 小林真代

 ・分かちあふ水も震へてありし日のまたそれぞれの三月をゆく    (同)

 ・三年の時が流れてしづかなり松の根いまも転がる浜辺   斎藤雅也

 ・慰霊碑に佇む時間 潮風にいつしか眼鏡は曇りてをりぬ   (同)

 ・その顔をみどりに染めていつまでも君の見てゐる葉のうすみどり  佐藤陽介

 ・薄き日をかこむ日暈(ひがさ)のしたを行く列に紛れて笑ふ児(こ)もあり  (同)

 ・あれからも日は重なりぬ心中に圧縮されて押し花と化す   鈴木修治

 ・変はりゆく風景の上残像を重ね合はせて記憶となさむ    (同)

 ・「頑張つてください」抽斗の隅に 支援物資の帽子と手紙   武山千鶴

 ・仮設での記憶ほろほろ掬へずに義母(はは)はひと日のいまを生きゐる  (同)

 

 梶原さんのロングエッセイの最後のところ。胸が。しんとなりました。

 

 「・・・・震災の時、九六際だった祖母は、今年の九月で100歳になる。祖母は寝たきりで、津波は天井近くまで来たが、ベッドが浮いて助かった。  震災の時、三歳と二歳だった甥っ子は、小学校一年生と幼稚園の年長さんになった。二階の窓から裏山の斜面に向かって投げられて受け止められて、そうして避難した子供たちだ。内陸の市にあるスイミングスクールに通い始めた。三年という時間は、確かに過ぎたのかもしれない。」

コメント
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