ほよほよさんぽみちNEW

いつでも君のこと好きだったよ

最終回の話

2014-07-17 21:59:07 | 日記

 きのうは会社の帰りに宵山へ行ってきました。市バスに乗ったら、「本日は烏丸五条までとなります」とアナウンスされて、五条で降りることになり、そこからぶらぶら歩きました。函谷鉾へ行ってみると、息子が拝観の通路のところで誘導していました。「保存会」とプリントされたTシャツを着ていました。そのあと、大垣書店で時間を潰し、提灯のともった鉾を観て歩いたのですが、すごい人の数。細い通りは前へ進むこともできません。

 

 なんとか、再び函谷鉾までたどり着き、ちまきを売っていた息子に地味に声をかけ、鉾の拝観をしました。鉾に乗るまで並びます。たくさんの人が乗るとミシミシ音がして、床が抜けるのではないかと思うほどでした。ゴブラン織りの展示を観たり、学生の子にいろいろ質問しているおじさんや、保存会の人になにか教えてもらっている学生の女の子を眺めたり。そのうち、私たちの順番がきて、鉾に乗ったらすぐに、お囃子がはじまりました。間近で聴くお囃子は、なんとも脳天を突き抜けてゆくようで、別の世界へ連れていかれそうでした。

 

 鉾の上から見る烏丸通りは、提灯をともした月鉾や長刀鉾が見えて幻想的でした。巡行もいいけれど、私はやはり世と世の境界の空間のような宵山が好きです。

 

 そういう話をさっき妹にしていたら、実家の様子をいろいろ教えてくれました。実家では両親がベッドを買い替えて、とても寝やすくなったと喜んでいたそうです。その買い物に妹夫婦はつきあってあげてくれたそうで、ありがたいなと思います。

 

  私「新しいベッドで両親がぐっすり眠れるときくだけで、こっちまで元気になるわ」

  妹「まるで、ハイジの最終回みたいね」

  私「ベッドを新しくするシーンなんてあった?」

  妹「クララのおばあさまがハイジにほしいものをきいたら、ハイジがフランクフルトで使っていたベッドをペーターのおばあさんにあげてほしいって言って、ペーターのおばあさんが喜ぶシーン、覚えてないの?」

  私「そんなシーンあったかなぁ」

  妹「見過ごしてる。最終回の見過ごしがちなシーンだから。 じゃあ、妖怪人間の最終回はどうなったか知ってる?」

  私「え、みんな人間になれたの?」

  妹「それが、このあいだ夫にきいたら、みんな人間になれずに死ぬんだっていうの」

  私「ええええ、そんな救いのない話だった?」

  妹「そうなんだよ! それを涙流しながらこのあいだ話してもらったよ」

  私「涙流して話してくれたの? あはははは。いや、笑うところじゃないけど、やさしい人なんだね。想像したらおかしい」

  妹「結構、みんな覚えているようで覚えてなかったり、記憶ちがいしていたりするんだよね」

 

 こういうとりとめのない話ができるのが妹との電話のいいところ。 さて、スパゲティ茹でましょう。

 

 

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水曜日は短歌の日(4)「1099日目」東日本大震災から三年を詠む 塔短歌会・東北(その1)

2014-07-17 00:50:47 | 日記

 もう12時をすぎてしまいましたが、水曜日は短歌の日、です。

 

 届いたばかりの「1099日目」より。この冊子は「99日目」「366日目」「733日目」に続く4冊目の歌集、エッセイ集です。東北にゆかりのあるメンバーが、少しずつ形を変えながらそれぞれの「いま」を書いておられます。

 

 ・使はない鍵ではあるが放せぬとカチャリと鳴らす電話の向かう  相澤豊子

 ・「除染作業に就いてる人には済まないが帰らないかも」とつぶやき聞ゆ  (同)

 ・円筒の形に水が満ち満ちて溢れた後のことは知らない  浅野大輔

 ・原子力以上の不思議で出来ているその心臓にいま触れさせて (同)

 ・車では見落としそうなあきらめとあきらめないとの境目がある 井上雅史

 ・どこからか人が現れ食堂の泥はみるみる取り除かれた      (同)

 ・青空に白き花びら開きつつ余震にたえる庭のもくれん   及川綾子

 ・ふるさとの卒寿の義兄(あに)は除染して乳牛育て息子とくらせり (同)

 ・をちこちに電話すれども断らる瓦職人に被災者多し   大沼智惠子

 ・海に向かひあの日もすべて見つめゐし観音さまは今日も祈れり (同)

 ・目覚めた、というならそうであり 窓のサッシがすこしずつ震えやむ 風橋平

 ・それは種 穂芒原をとぶものが岬へ出でて海へ出でゆく       (同)

 

 その2、3は来週、再来週にご紹介します。こういう作品はなにも鑑賞せず、読む人のなかへしみこんでゆけばいいと思います。ロングエッセイもそれぞれ読み応えがあってよかったです。

 

 

 

 

 

 

 

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