彼が「君の宿泊しているホテルは一泊US$12だろ?僕の今、借りているこの家は一ヶ月US$12なんだよ」と僕に言った。
頭を殴られたような衝撃を受けた。
“僕は一日の宿にUS$12で宿泊している。
彼は家族で住むこの場所を一ヶ月US$12で借りている”
僕はベトナムの生ビールと言われるビアホイを彼の店で飲みながら彼の話を聞いていた。
ハノイ市内はベトナムで「ホンダ」と言われる50CCのカブが何台も行き交い、活気を感じさせる。
3、4人で乗っている家族、彼女を乗せているカップル。
こういう喧噪は僕を高潮させる。
「ホームシックかい?」と彼に声を掛けられた。
自然とこの光景を見ていると日本に無い、懐かしい気持ちを感じたからだろうか?僕は少し涙を浮かべていたようだった。
ハノイという街を僕は気に入ってしまった。
「明日もここに飲みに来るかい?」と彼は僕に声を掛けた。
僕はうなずいていた。