A Daily Life Diary

日常や思い出を綴ったblog

フエ 3

2006-09-09 | 旅・ベトナム
ビアホイを飲みながら、彼は「娘にいい学校に行ってもらいたい」と言っていた。

分からない言葉は、身振り手振りを交え僕らは会話をした。

僕の住む街には「あなたのような靴やサンダルを直す職業のような人がいない」ということや「娘を日本に行かせたい」とか「ビアホイは美味しい」とか・・・

そんな話をしているとまた一人女性客が、彼に片方のサンダルを「これ、返すわよ」とでもいうような仕草でつっけんどに渡した。

彼はそれを受け取ると黒いタコ糸のような糸の通った針を手にして、剥がれている場所にボンドを塗り、重ね合わせると器用に縫い始めた。

作業はものの、3分ぐらいで終わってしまった。

一杯目のビアホイが飲み終わってしまうと今度は彼が僕にビアホイを買ってきてくれた。

僕は彼から頂いた一杯のビアホイを飲みながら、一人旅ではあるけれど話が出来る人がいるということは幸せなことのような感じがしていた。



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フエ 2

2006-09-07 | 旅・ベトナム
次の日、レンタサイクルで橋を渡ってみた。

橋を渡る人はさまざまだ。
「ホンダ」で渡る人
自転車で渡る人
日本と違うのは二車線に舗装された道を自動車ではなく、50CCのカブや自転車が通行しているということだ。
何羽もの生きた鶏の足を括り、ハンドルにぶら下げている自転車とすれ違った。
ここはまさに異国だ。

橋を渡り終え、右に曲がり、しばらく走ると市場が見えてきたので入ってみることにした。
僕は市場が好きだ。

ベトナム製品がところ狭しと並んでいる。

ホーの店があったので清潔とは言い難いが食べてみることにした。
ハノイで食べたホーの方が旨いと思った。

しばらく、市場を散策後、外に出ると人だかりを見つけたので行ってみることにした。
そこは職人が机一つで靴やサンダルを補修する店だった。
しばらく見ていると彼は器用に靴やサンダルを直していく。

日本の製品はよく出来ていて靴やサンダルの底が外れたり、切れたりすることは無いが、ベトナムの靴やサンダルはよく底が外れたり、切れるようだ。
そうでなければ、彼に店にこんなに人がいるはずがない。

夕方になり、僕はお客がいなくなったところで彼に声を掛けてみた。
彼はほんの少しだけ英語が話せた。

話をするのにお茶の一杯もなくては味気ないと思ったが、大の大人の男がお茶では味気ないと思い直し、「ビアホイを飲みますか?」と訊いてみた。

彼がうなずいたので近くのビアホイ店からビアホイを買い、僕は彼に渡した。



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フエ 1

2006-09-05 | 旅・ベトナム
フエは旧市街がいいと聞いていたが、どうやら僕は新市街に宿泊しているようだ。
きっと橋を渡り、川を越えたところに旧市街はあるのだろう。

「ベトナムの夕日は最高だよ」と何かで読んだことがあったが、それは本当だと思った。
夕日で空が赤紫色をしている。

僕は橋のそばにある何件か軒を連ねた飲食店で333を飲みながら「それにしてもベトナム人は気が強い」と思っていた。

軒を連ねた何件かある飲食店からしつこく「うちの店によりなよ」と手まで引っ張られる有様だった。

僕はその飲食店の中で一番混んでなく、自然な客引きをしていた飲食店で食事をすることにした。

一人の欧米人がその店で333を飲んでいた。
彼がおもむろに僕に英語で声を掛けてきた。
「ベトナムは好きかい?」
「ええ、とても好きですね」
「僕も大好きでね」と彼は答えた。

「昔は、この目の前にあるホテルに何度か宿泊していたんだけど、入国が厳しかったんだ。
滞在中も厳しくて毎日パスポートをチェックされたもんだよ。今はそんなこともないけどね」彼は本当にベトナムが好きなようだった。
「どこから来たんですか?」
「イタリアから・・・あなたは日本人?」
「ええ、分かりますか?」
「なんとなく・・・」

僕は333を飲みながら、もう一度夕焼けの空を見上げて「フエの夕日は最高だ」と思った。



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ハノイ 5

2006-05-13 | 旅・ベトナム

夜のホー・チ・ミン廟の広場は他の家族連れも大勢いた。
さながら何かの祭りのようにも思えたがそうではないらしい。

彼が「あれを見てみなよ。これから衛兵の交代式が行われるんだ。かわいそうだね。入れ替わりで立つ人は、あと何時間も立っていなきゃいけないんだから・・・」と僕に呟いた。
ホーチミン廟でも衛兵の交代式があるとは思ってもいなかった。
衛兵の交代式は台北で以前見ていたが、ここホー・チ・ミン廟の交代式は台北ほど派手ではなかった。

昼のホー・チ・ミン廟は静かだったが夜のホー・チ・ミン廟は賑やかだ。
子供たちが広場で思い思いに楽しんでいる。
それを遠くから見つめる親たち。
当たり前のような幸せがここにはあるような気がした。

僕は彼から思いがけないプレゼントを貰ったような気がしていた。

 


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ハノイ 4

2006-05-12 | 旅・ベトナム

次の日の夕方、僕は彼の家族のビアホイ店に向かった。

今日ハノイでしたことと言えば、朝、レンタサイクルで公園まで向かい、現地の人の真似をして太極拳をしたり、ストレッチをしたり、バトミントンをしている人を見ていたことと、宿泊先のロビーで受付の女の子と話したこと、タイ湖に行ったことと街を歩いたことくらいだろうか?

そういえば、フォーの店で鶏肉が入った、米で出来たスープ麺の美味しいフォー・ガーを食した。

 

しばらく彼の家族のビアホイ店でビアホイを飲んでいると、彼が仕事から戻ってきた。

「来てくれたね」と僕に笑顔を見せた。
しばらく片言の英語で話していたとき彼から思いがけない提案をされた。

「これからホー・チ・ミン廟に行ってみよう」

彼の提案で彼のバイクに小さな娘を乗せたあと僕に乗るように言った。
ベトナムでは「ホンダ」と言われる50ccのカブの三人乗りは始めてだった。
彼の奥さんが息子を乗せ、自転車で後ろからついてきた。

15分ほど乗ると夜のホー・チ・ミン廟に到着した。

 


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