Tsuny'sブログ

老人が感じた日常生活を気ままに綴ったあれこれ

第65回記念新ロマン派展を鑑賞

2010-10-29 22:28:15 | Arts
28日から「第65回記念新ロマン派展」が、旭川市民文化会館展示室で開催されています。

この展覧会は、陶芸が盛んな地域にふさわしく工芸部門があります。

     

多くの陶芸作家や、一般の愛好者が自分の窯で作陶する街なので、陶芸作品の展示が主ですが、七宝作品や織物などの上質な作品が展示されています。

毎年一番の鑑賞の目当ては水彩画の部門ですが、新人が台頭し始めていることは、嬉しいことです。

       
        「盛夏」150×122cm 及川洋子作

会友賞受賞の及川洋子作「盛夏」は、画面構成と色彩のバランスが絶妙で、作者の制作意図が鮮明な筆致の強弱でソフトな画風の表現が成功しています。

独特な色使いで豊かな個性が魅力の、松浦葉子作「時の流れ」(ヌーベル賞)にも注目し、佐藤啓子作「DSゲームする少年」・越前シズヱ作「薔薇たちのハーモニー」にも魅力を感じました。

油彩で注目したのは、会友賞の野村信子作「静寂の刻」F100で、対象物を凝視する作者の真面目な描写態度です。

       
       「静寂の刻」F100 野村信子作 

写真を頼りにした隅々までも不自然な写実的表現の作品が多い風景画の中で、光と影を意図的に強調して奥深い森の深さと広さを巧みに表現している点で好感が持てます。アカデミックとかオーソドックと言われて敬遠されそうですが、こんな制作プロセスも一時期は大切だと思います。

旭川市には純生美術協会とこの新ロマン派協会の大きな公募美術団体が、主に道北の美術文化振興を担っています。

二つの公募展が秋に開催されるので、展示内容などを比べて鑑賞できます。小さい街に二つもの公募団体がなくても・・・と思ったことがありますが、お互いを意識して競い合うことで、会の充実発展や展示作品の質などが向上が期待出来る点で、いいことだと思っています。

第65回記念新ロマン派展」は11月4日(木)までの開催です。