Tsuny'sブログ

老人が感じた日常生活を気ままに綴ったあれこれ

野菜のメモリー(アジウリ)

2013-08-31 23:39:45 | 自然の恵み

近年市場に懐かしい甘露(アジウリ)が売られだした。

甘い物がなかったころ、母が育ててくれた熟れた甘露の味が思い出される。
田舎に疎開した時には、厚めに皮を剥いて一個丸かじりしたこともあった。

「味瓜/アジウリ」なのに「アジューリ」と聞こえたまま発音していた。
甘い甘露を例えて、おいしい物を食べた後に「あぁ、カンロッ、カンロッ」と年寄りが言っていた記憶がある。

その甘露を家庭菜園で久々に苗から育て、初めて空中に実らせてみた。

         

一株に7個が実り、重みで地面近くまでぶらさがった。
放任栽培なのに、予想外にもこんなに実るとは。

 
600g以上あるのでずっしりと重く、味は素朴でほどほどの甘みが懐かしい。
中身の種ごと口の中に入れると、すごく甘いのが特徴だ。

この瓜は、北海道の改良品種で「北海甘露」と呼称される品種とは異なる形状らしいが、元々は栃木県真桑町が良品の産地なので「マクワウリ」と名付けられていた。
子どもの頃はもっぱら改良品種の「アジウリ」とか「カンロ」と呼ばれていた。

1960年代に、「マクワウリ」由来のプリンスメロンが甘露に代わって瓜の王様みたいに流行りだし、現在はマスクメロンが、ブランド化されて特別扱いされているので、甘露は影が薄くなり、いつの間にか姿を消し忘れかけていた。

まぐれで実ったアジウリにしても、この垂れ下がった姿を眺めてうれしがっている。
カラスにやられない前にセッセと食べなくちゃ。